賭事女王

Episode 1
(1999年10月11日放映)


■ 出演 ■
高倉紫乃:園原佑紀乃  高倉藍:木内晶子  高倉桃:内藤陽子  高倉朱々:一戸奈未
高倉賢:石丸謙二郎  一馬:天野浩成  雀鬼ファウスト:萩原流行  雀:岡元あつこ



 記念すべき最初の“賭け”は、パジャマ姿で箸のくじを引く、真剣そのものの高倉四姉妹(桃姐の「どちらさんも、よろしいでしょうか」が鉄火場、というカンジで、かあっこいいです!)。
 くじで食事の片づけ・洗濯・夕食当番が決まった後の四人娘の朝は、かなーり修羅場(笑)。真面目そうなお父さん(石丸謙二郎さん)は、すみっこに追いやられてます(下着を干すのを善意で手伝おうとしてキョゼツされるのは、日本のお父さんのたしなみ【笑】)。
 そしてその朝、次女の藍ちゃん(木内晶子さん)は、当番を免れたのをスタートにラッキーなことが続々。そのクライマックスが拾った商店街の抽選券でエステツアーを引き当てたこと。


 “それが、すべての、はじまりだった。”


 エステツアー当日、藍ちゃん(出がけに、家のことを心配したりするあたり、お母さん的キャラクターが出てます!)を迎えに来た白のベンツは、実はにせの迎えの車。
 立ち去る車から投げられたカード(トランプのスペードのような絵柄で、“0[ZERO]”が表されている)を見るや、大人しそうなお父さんが突然顔色を変え、猛然と走り出して車を追いかける。車の行く手に先回りして、道路の真ん中に両手を広げてたちふさがって止めようとするけれど、車は非常にお父さんをはねて走り去ってしまう。

 お父さんは助かって(ただし重傷)入院するものの、娘達を部屋の外に出しておいての警察の事情聴取には「何も覚えていない」の一点張り、娘達にも「警察に全て任せて家でじっとしてなさい! 藍は無事だ!」。


 …という、ものすごーい大事件が前半に起こったということを念頭において、ここからのお話は聞いてくださいね(笑)。


 次のシーンは、喫茶店的な雰囲気の、でもお酒のびんがいっぱい置いてあるお店。
 当然のことながら途方に暮れる四ひく一いこーる三姉妹なのですが、四女・朱々ちゃん(一戸奈未さん)の「藍ちゃん、ちゃんとごはん食べてるかな」というつぶやきに、長女の紫乃ちゃん(園原佑紀乃さん)は「そういえばおなかすいたわね。ねえ、ここで何か食べていかない」(確かにそれは“そういえば”にふさわしい脈絡があって、天野さんたきしーどかめん様の“というわけで”とはワケが違いますが、だからってというカンジです)。
 三女の桃ちゃん(内藤陽子さん)に「まーたーっ。紫乃ちゃんてさ、よくこういうときになんか食べようとか思えるよね」とヒナンされるのですが(もっともです)、「いいわよ、あたしひとりで食べるから」(このへん、長女のキャラクターが一番わかる、味のあるエピソードです! 桃ちゃんの“まーたーっ”が、お姉ちゃんの日頃のオコナイを物語ってます…)。

 で、「カズマー、メニューいただける?」という紫乃ちゃんに「オッケー!」と軽やかに登場する(もちろん笑顔! エプロン似合います!)のが、天野さんカズマ君。かなーりまもちゃん的ポジションにありながら、まもちゃんとは全然違う雰囲気の男の子(でもまもちゃんと同じく、すごく気立てがよさそう…)で新鮮です!
 ここでもムードメーカーな天野さんカズマ君、「なーんだよみんな暗い顔して。何かあったのか、な? な? な?」と明るくたずねる(ここで、全員の顔を一人一人うかがうところが、身についた処世術かも【笑】。ないがしろにしたら大モメにモメそうな姉妹達…)のに、すでにメニューチェックモードの紫乃ちゃんに「カズマには関係ない」と冷たくゆわれて、あのすねた表情をちょっと(「もーかえる!」のライト版【笑】)!

 それから朱々ちゃんが取り出した、車から投げられたカードが桃ちゃん、紫乃ちゃんとわたったところで天野さんカズマ君、「あれ、これ」。
 「なーんか見たことあるんだよなー」という天野さんカズマ君に紫乃ちゃん「あなた、何を知ってるの」(紫乃お姉さん、まるで小学校の先生がコドモに何かたずねるように!)。
 天野さんカズマ君が知ってたことは実は超重要なことで、怪しいバーで「客がこのカード持ってるのみて、なんなんだろうなーって思って」(“お客さん”じゃなくて“客”と言い切るあたりはすごく思春期は卒業した男性っぽいのですが、“なんなんだろうなーって思って”のあたりから、推定年齢がひゅるるるるー、と下がっていくあたりが絶品!)。
 「ねえ、で、なんだったの」とたずねる微妙に男らしい桃ちゃん、「それがわかんないんだよなー」という天野さんカズマ君より、年上感ただよってます(でも、テーブルにもたれかかる天野さんカズマ君の腕に桃ちゃんが手をかけると、結構天野さんカズマ君が大きく見えて、男の子だなー、という感じがしました!)。

 当然のことながら、その店がどこにあるか問いつめられて「どこにあるっていわれてもなー。一度行ったきりだし、すっげー酔っぱらってたしなあ」と困る天野さんカズマ君に姉妹達、
紫乃ちゃん「思い出して!」(おんなのひと的ですが、有無を言わせません!)
朱々ちゃん「そうだよー、もしかすると藍ちゃんがそこに…」(甘えんぼさんな口調が凶悪にかわいいです。この口調での要求、天野さんカズマ君は断れないでしょう)
桃ちゃん「地図書いて!」(桃姐、完全に命令口調です! このきっぱりした言い方がかーっこいいです!)
と迫られるに至って、「お、おい、いったい何なんだよ」と、それでものんきそうな顔でみんなの顔を見回す天野さんカズマ君に、さすがの長女・紫乃お姉さんが「実はね」。


 次のシーンは、その怪しいバーの入り口。
 「ほんとに入るの?」とおそるおそるたずねる天野さんカズマ君、紫乃ちゃんに「ねえ、カズマはどうする?」と訊ねられて、笑顔いっぱいで「しかたねえな。ここまで頼りにされちゃ」とうれしそーうにしますが、その間に姉妹はカズマ君を置いて店の入り口に向かっているという…学習能力があるのかないのかわからないカズマ君です(笑)。
(…そして繰り返しますが、「実はね」と打ち明けられたのは、前半に起こった大事件のはずなのですが、ぜんぜん動じてません、天野さんカズマ君【笑】!)

 で、入っていったのは、薄暗くてお酒の出そうなお店。ピアノをひいていたのは(曲が終わると大喜びで拍手したりしてる朱々ちゃん、天野さんカズマ君と魂の双子かもしれません【笑】!)、藍ちゃんをさらった偽の迎えの車の男。
 “人生を全てギャンブルに変えてしまう男”(←自分でそうゆってる。でも冷静に考えると、“セーラー服美少女戦士”と自ら名乗るよりは、控え目な名乗りかも)雀鬼ファウストさん(萩原流行さん)だそうです!(もちろん可愛い朱々ちゃんは“じゃんき”とか“ふぁうすと”なんてコトバは知りません【笑】。「じゃん…きふぁうすと?」と問い返すところがらぶりー。)

 で、藍ちゃんを取り戻すためには賭けをしてもらいましょう(「なんであたしたちがそんなことしなきゃなんないのよ」と突っぱねる桃姐、シビれます!)、ということになって(その間、ファウストさんに詰め寄る姉妹三人を遠くからみてる天野さんカズマ君)、コインを投げて裏か表かあてる賭けに。
 「いいよ、やってやろうじゃん」という桃姐(鉄火肌です! かあっこいい!)に「おいちょっと待てよ桃」と歩み寄ってくる天野さんカズマ君、かなり男の子っぽいのですが、またしても「カズマは黙ってて」と紫乃お姉さんに言われて、最後まで黙ります(笑)。

 結局ファウストさんとのやりとりがあって、三姉妹は家を賭けることになり、桃姐がコインをトスしたところで“To be continued”。

(そのやりとりの間にも、甘えんぼさん全開な朱々ちゃんが、賭けるものとして「朱々たちの家」と思いきった提案を最初に切り出したり、コインのどちらが裏か先に教えろと的確な要求をしたりと、タダ者ではないところを見せたりします。とにかくせりふのはしばしまで姉妹の個性を際立たせることになっていて、すごいです! そして朱々ちゃんにのんきに「かあっこいい」とかゆわれて、コワイ顔のままちょっとコケてみせるファウストさん、おちゃめですー!)


 天野さんカズマ君と一緒に行動するであろうこの四姉妹の性格の書き分け、それはもうお見事です!
 お父さんの呼び方ひとつとっても、紫乃ちゃん:パパ、藍ちゃん:お父さん、桃ちゃん:賢さん、朱々ちゃん:ぱぱりん、と、誰一人として同じ単語で呼んでないという(そして当のぱぱりんは、ものすごーく地味な外見のお父さんです)。この呼び方だけでもムスメ達のおおよその性格設定、わかります!

 三姉妹と天野さんカズマ君が最初に一緒に出てくる喫茶店の場面、端的に説明すると『CAT'S EYE』(笑)。
 『B.L.T』で『賭事女王』が“美人三姉妹が父親の復讐のためにギャンブルの世界に…”という(実はあまり正確ではない【笑】)説明を見た瞬間、「…『CAT'S EYE』?」と思ったのですが、こんなにきれいにみせてもらえると、うれしくなっちゃいます!
(違うのは、エプロンしてごはんを出してくれるのが、姉妹ではなく男の子のほうだということ。時代的には、その二つの作品の間に『セーラームーン』があるんですよね。)

 天野さんカズマ君の明るくて生き生きした(そしてとてもきれいな!)表情がみられてうれしいだけでなく、ストーリーも面白そうだし、何より姉妹の誰もが個性的で魅力的(今回出番が少なかった藍ちゃんも、とても楽しみです)! またいい作品に出会えて、はっぴーです(しかもそれが、何か月も持続する!)!
 またまた天野さんありがとうございます、です!