劇団たいしゅう小説家 第8回公演
H〜i! Jack!!
やあ!ジャックさん!!


23rd July 2005-19:00(実際は19:30頃)

地震を越えて。
ボーイング747、TAKE OFF


 待ちに待った『H〜i! Jack!!』初日は、19:00の開演を前に皆様が動いている or 動き始める16:35頃、東京都足立区で震度5強、東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県の一部で震度5弱を観測、都内の鉄道は全面ストップするという天災にみまわれてのスタートとなりました…。
 自宅最寄の駅で鉄道全面ストップを確認、タクシーを捜しても空車は全くなしという状況で麻布十番駅にたどりつき、そこで駅員さんが「再開まであと30分とか1時間とか言えればいいんですけどねえ…」と絶望的なことを語っているのを聞いて地上に飛び出し、たまたまやってきた港区の無料バス“ちぃバス”六本木ヒルズ行きが来たもので、行き先にはタクシー乗り場があるかも! と飛び乗り、テレビ朝日の前でタクシーを降りる人を発見、同じように人が降りたタクシーをつかまえられるかもとテレビ朝日前でバスを降り、速攻タクシーGET(ラッキー!)、でも渋滞からは逃れられず、池袋駅の少し手前でタクシーを降りて劇場まで走る! …という数奇な手段で、30分ほど遅らせてくださった開演前になんとか間に合う、という状況だったもので(着いたときには疲労困憊…)、今日はもう観るほうはこちらのコンディション的にダメダメかも…と、正直、思いました。
 …終演の頃には、地震のこと、ほとんど忘れてました(笑)。
 本日の席は、ほぼ客席のまんまん中。初日に舞台全体を見渡すには最高の席!…だったはずなのですが、ちょっと前の人が大きくて舞台センターがほとんど見えなかったのをこれ幸いに(でも、窪寺さんヘンタイ副機長がSM用のムチでアンアンしてたところは観たかったですー【笑】)、天野さん歯医者さんをぼけーっとみつめてました(笑)。疲れてるときには、たまらなく癒されます(笑)。


【格? 御登場】
 ファーストシーンは予想通り、各登場人物が一人 or 一組ずつ飛行機に乗り込んでいく、という登場。
 天野さん歯医者さんは、頭痛そぉ〜うに苦しんでいて、全般的にお気楽な感じな他の乗客と、一線を画した雰囲気。
 (“頭痛もち”だとすると、天野さんの地を細かに取り入れた役設定? という期待感も。)
 …というか今回、ルックスもろカッコいい系の役で(天野さんの演じる役で、意外と少なかったり…【笑】)、早く近く or 双眼鏡で観たいです!
 でも、会場のどよめきを一気にさらったのは、さすがの八木橋修さん。落とした百万円の札束を、さらりと「とっておきなさい」というヒトコトに、客席どよめきまくり! ていうか、今日のお客さん、八木橋さん演じる社長の財力に反応しすぎ!(笑)
 さらりとした登場シーンから場をさらいまくりな八木橋さん、なんというか、格を感じました…眼福です!
 主演のハイジャックさんお二人は、下手側通路から御登場。
 舞台初演出の佐藤健光監督、はやりの(?)客席芝居も入れてみたりと、舞台やってみたかったんだろうなあ…という感じが伝わってきて、しみじみ。


【挙動不審。天野さん歯医者さん】
 舞台序盤は、村上幸平さんセールスマンが飛ばしまくり。
 その間、天野さん歯医者さんはだまーって松田悟志さんハイジャック犯Aをじーっと見ているのですが、彼を見て、きっといろいろ頭の中で考えているのであろうその様子が、微妙に挙動不審で、そしてかわいい…。
 あの“じーっと見てる”顔は、ちょっとコドモみたいで、かなりツボ。
 そしてその“じーっと見てる”顔が“コドモ”なのも、後のストーリー展開的には大正解。


【そんなことで大喝采ですか! 歯医者の名前】
 松田さんハイジャック犯Aと実は小学校の同級生だった天野さん歯医者さんの言葉。
「ほら、僕だよ僕! 同じクラスだった橘朔也だよ!」
 その名乗りで、いったい何が起きたかというぐらいの大喝采!
 その昔、天野さんのセラミュ後々任の浦井健治さん御出演のHERO730の舞台(2つめの公演のときは、今回『H〜i! Jack!!』御出演の英玲奈さんも御出演)を観に行ったとき、特撮のほうのネタが全くわからずに皆さんの笑いから取り残されていた記憶がよみがえりました…今回は、どうしてお客さんが笑ったのか、おかげさまでわかりました(笑)。
 そんな橘朔也くんが松田さんハイジャック犯(花園源太くん=源ちゃん)に“タッ君”と呼ばれているのが、なかなか新鮮(橘さんは、どこまでも橘さんでしたから…【笑】)。
 それにしても“タッ君”“源ちゃん”は、かなーりなごみました。その後、“源ちゃん”がその後何度ハイジャック犯になろうとも、天野さんタッ君に冷たくしたことは一度もなく(こんなに裏切られない物語は珍しいので、かなり癒されました)、よっぽど仲良かったんだなあ、という感じが。
 …でも、客観的にみて、天野さんタッ君のほうが松田さん源ちゃんより、かなーりヘンなひとだと思います(笑)。
 源ちゃんに昔貸していた給食費の端数150円のおかげで、その後しばしば天野さんタッ君のセリフが入ったことにも、友情パワーの偉大さを感じます(笑)。ありがとう源ちゃん!
 そしてこの一連のシーンの後、八木橋さん社長がトランプのようにゴールドカードを広げるや、またもどよめく客席。皆さん、財力にひれふしすぎ(笑)。


【知りたかったことですが…“それは秘密です”】
 舞台の前に、天野さんは歯医者さんというのをどう表現するんだろう、歯医者さんの器具は空港でのチェックで持ち込めないですよね…ということが話題になっていたのですが。
 松田さんハイジャック犯Aは出刃包丁、林さんハイジャック犯Bはマシンガンを持ち込んでるじゃないですかーっ!!!
 …という疑問を、若松俊秀さん機長(かっこいいです!)が、舞台のセリフで質してくださいました!
 が、答えは「それは秘密です」。
 でも、そんな不条理も、ずーっと後にある、飛行機から飛び降りた英玲奈さん新婚妻を、飛行機の外(翼の上か何か?)に立って引き上げる原田篤さん新婚夫に比べると、超ささいなことかも…。


【こまやかに。天野さんタッ君 GOOD REACTION】
 そこから次の天野さん歯医者さんの見せ場までも、細やかに天野さんタッ君のGOOD REACTIONは続き。
 林さんハイジャック犯Bがハイジャック宣言してから、天野さんタッ君、いい感じに挙動不審。
 林さんハイジャック犯Bの「(ハイジャック犯Aの)知り合い2人」に、八木橋さん社長と一緒ににこやかに立ち上がるところは、八木橋さんのうまさにひっぱっていただいて、絶妙な味!
 松田さんハイジャック犯Aが200万USドルを要求するたびにの「150円を忘れてるよ、源ちゃん!」も、天然な感じと大真面目な感じとあったかい感じが混ざり合って、なんともいいです(そして松田さん源ちゃんが、一度もそんなタッ君に冷たくしないところに、本気で感動)。


【歯医者さん大活躍! C1、C2】
 英玲奈さん新婚妻が産気づくと、そこは天野さん歯医者さんの見せ場!
 英玲奈さん新婚妻の歯の虫歯を診察するシーンだけでも見せ場として十分なぐらいなのに、その最中に松田さんハイジャック犯Aがキャバクラのマリリンとエッチしたと耳にするや、他の一同の皆さんに負けない(というか、かなり目立つ)反応っぷりで思い切り「えーっ!!」と振り返った後、何事もなかったかのように「7番C、8番ノーマル…」と診察に戻るという、『かぐや島伝説』天野さんまもちゃん十八番の“洞窟のシーン”の応用のような、ナイスなシーンまで。
 かててくわえて、英玲奈さん新婚妻が虫歯が多かったということで、巨大歯型(どっから出た!【笑】)を手にしての、にこやかなプラークコントロール指導まで! 好感度大な笑顔でのステキな指導が、このシチュエーションではたまらなくおかしく。
 最後には原田篤さん新婚夫に否定されて、肩を巨大歯形に噛まれながら自分の席に戻る天野さん歯医者さん…楽しすぎです(笑)。

【フレンドリーチェックが楽しみ! 天野さんタッ君 GOOD REACTION、再び】
 そんな見せ場を越えた後も、天野さんタッ君、表情いいです。
 松田さんハイジャック犯Aがキャバクラ嬢のマリリンとやったのやらないのという激しいピーーーートークの間も、すごくじーっと見てにこにこしてる天野さんタッ君、ほのぼの(とにかくこの“じーっと見てる”表情が、たまらなくいいです…)。
 ハイジャック犯が包丁振りかざそうとマシンガン構えようとこわがらないのに、人に刺すための鉛筆を求めて荒れる女の子=渋谷亜希さんバスガイドには、座席の上にちょこんと膝を抱えるようにのっかっちゃって、頭をかかえてちっちゃくなってる天野さんタッ君、あまりにも可愛すぎ…。
 この一連のシーンで、松田さん源ちゃんと目を見合わせたりしているシーンがあったようななかったような…で、これは今後観ていくときのチェックポイント。セラミュのときもそうだったのですが、登場人物と登場人物が、目を見合わせて笑いあったり、いろいろなしぐさで触れ合ったりするのを観察する“フレンドリーチェック”は、リピート観劇の華! 楽しませてくれるといいなあと思います!


【また見せ場。天野さん歯医者さんの訴え】
 そんな天野さんタッ君のナイスリアクションに喜んでいると、次の見せ場、天野さん歯医者さが自殺ツアーに参加する理由を語る、次なる見せ場があっという間に。
(このシーンも、松田さん源ちゃんの「信じられない…タッ君が」等のあったかい言葉が、なんともうれしく。)
 天野さん歯医者さんのこの訴え、結構お笑いポイントで実際客席からしっかり笑いも出ていたのですが、全体的にかなり真面目に聞いてしまいたくなるような切実感があって、マジ悲劇でもいけそうな雰囲気が。笑わずに聴いても、“聴いた”感がずしんと残りそう。
 続く渋谷亜希さんバスガイドの訴えもそんな雰囲気があって、本公演でのエイベックスコンビさん、思わぬ共通点が?
 それにしても、出ずっぱりで、窪寺さんだけ自由に動き回ってずるい…とかゆってた天野さん。天野さんタッ君も、一時退場してるじゃないですかーっ!(笑)
(しかも戻ってくるのは、しょーもないダジャレを皆さん口々に言うシーンで、しれっと【笑】)


【君はいい人、天野さんタッ君】
 リアクションを見てると、天野さんタッ君、ほんとにいいひとだなー、としみじみ。
 英玲奈さん新婚妻の“夫に愛がない”という訴えを、すごく真面目に聞いている天野さんタッ君。
 原田さん新婚夫のウメさんへの愛の告白(『義経と弁慶』の頼朝様…そんなに腰を激しく回して熱弁ふるわないでください【笑】)を、ぽかーんとみてる顔。
 そのあとまたすごく真剣に話を聞いてるのが可愛く。振り返ったり、きょろきょろするのも。
 そんな表情を見ているうちに、またプチ見せ場!


【手に職って、すばらしい。天野さん歯医者さん】
 君達の人生はまだキラキラ輝いている、生きろ! という八木橋さん社長の言葉を、真面目な顔(がまた、いいです!)で聞いていた天野さん歯医者さん。
 突然倒れた八木橋さん社長の口の中を見て「御臨終です」。
 その役目と、「僕達の中に、希望の星があるなんて」と泣く姿だけでも見せ場として十分なぐらいなのに、その後死んだはずの八木橋さん社長が動くたびに「ただの死後硬直前の筋肉収縮です」という「源ちゃん、150円忘れてるよ!」に代わる定期セリフまで発生と、至れり尽くせり!
 専門職は強いです!(笑)


【気配りの人。天野さんタッ君】
 渋谷亜希さんバスガイドがスチュワーデスをやってみたときのガイドに、すっごく楽しそうな、素直な天野さんタッ君。
 林泰文さんがバスガイドさんとカラオケを熱唱するシーン(林さん、むちゃむちゃうまいです…)で、さりげなく森下千里さんCAさんに、皆さんに飲み物を配るようお願いしている天野さんタッ君、気配りの人です!(そして自分は首尾よく、ウィスキーの瓶GET【笑】)


【わからなかったこと。何かの特撮ネタ】
 “たちばなさくや”の笑いはばっちり理解した自分にも、わからないネタ、登場!
 原田篤さん新婚夫と英玲奈さん新婚妻の子供が生まれるのですが、生まれた子供が何かのオモチャ(ゲーセン景品用の、大き目のライダーソフビみたいな感じのもの)なのですが、皆さんすごくウケているのに、わからず…
 原田篤さんは確か『仮面ライダー555』に出演されていたはずですが、変身されたのか、されたとしてどんなライダーに変身されたのか、予習せずに行ったのが敗因。今検索で調べたら、なんと押川善文さんが演じていらした“仮面ライダーデルタ”に変身するらしい、ということがわかったのですが、絶対それではないような気が。
 そもそも、遠めに見た感じ、ライダーじゃないような気も(やせた鉄人28号、という感じのイメージのおもちゃ。確かに特撮、ライダーだけじゃないですしね)。
 何だったかわかる皆様、教えてください!
(※後日注:皆様に教えていただいたところによると、生まれたのは、松田悟志さんが『仮面ライダー龍騎』で演じていらした“仮面ライダーナイト”とのこと。)


【あの黒い影が…♪ ラストシーン】
 その後も、天野さん歯医者さんが林さんハイジャック犯と並んでちょっとシンクロしてて可愛いかも…だったりと、今後チェックしたい! 近くで観たい! というあれこれが続き、ラストシーンへ。
 ラストシーンの立ち上がり方、なんとなくセラミュの『セーラーWARS!』の歌い出しのシーンってこんな感じだよね、という雰囲気で。
 ラストは、みんなの行方にちょっと謎を残した、どこか“演劇”っぽい雰囲気(うまく言えないのですが…)のあるラスト。
 リピートしていくうちに、そのラストの見え方がどう自分の中で変わっていくかも、ちょっと楽しみです。


【“泣くなよ甘えっ子!!”ごあいさつ&本日のひとこと】
 カーテンコール、天野さん歯医者さんはかなり後ろで、いい役いただいてたんだなあと、あらためて。
 でも、この皆さんの場合は、千秋楽にキスしたりとか、そういうのはなさそう(笑)。
 最後に主演の松田さんから御挨拶。
 本日無事に初日を迎えることができまして、ありがとうございます…というか大丈夫でした? どうしたんだろう…とびびっておりましたが、こんなにたくさんのお客さんが集まっていただいて、ありがとうございます!
 …と、さすが多いときには年間50本のトークショーを打ってるから、と豪語されるだけあって、文章のインタビューでの近寄り難さからは想像のつかない、手慣れたしゃべりです!
 そして林さん。
 本日初日を迎えまして、これからあと12回公演がありますが、最後の最後までみんなで頑張っていきたいと思いますので…と申しております(?)などと、最後にちょこっと笑いを取って。
 そして「とりあえず、本日のひとことは!」
 と、日替わりコーナーがあるらしく!
 「今日は、天野くん!」
 客席、大喝采です!(なぜか笑いも混ざっていたような!)
 大喝采がおさまって天野さんのお言葉を聞きましょうモードになっても、天野さん、どうしよう…とぐじゅぐじゅ。
 客席から「がんばれ!」と声援が…セラミュの卒業公演で、舞台上でキャストさんが泣いて言葉が出ない状況ですかーっ! というような状況に(笑)。
 と、天野さんの反対の下手のはじっこから、村上さん(かと最初は思ったのですが、後日の展開からすると、原田さんのような…)が声を張って。
 「泣くなよ甘えっ子!!」
 うわー天野さん、やっぱりそういうポジションを確立してるんだーっ! でも、7月はじめからずーっと、毎日毎日一緒に長い間稽古されてたら、まあ、そういうことになるんだろうな…(笑)と思うとともに、きっと天野さん、いろんな方にいっぱい優しくしていただいてたんだろうな、と、公演直前に【東映公式:H〜i! Jack!!−制作日誌】にUPされた写真(特に若松俊秀さんとの2ショット! なついてそう!【笑】)を思い出しても、感じられたり。
 そんな声援(?)を受けて、天野さん、やっぱりちっちゃい(でも、不思議と通る声。あんなにぽそぽそ言ってても、届くのが不思議)、ゆる〜い声で。
 「えーと…が、がんばります!」
 これでどっと笑いと拍手喝采! これでこんなに拍手喝采がもらえるのは、天野さんならでは(笑)。
 最後の最後に楽しませて & あったかい気持ちにさせてくださいました!
 お言葉通りの“がんばり”、期待してます!




(ネタバレBBS書き込み:2005年7月24日)


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