ガメラ2


天野さん御共演者様:石橋保さん
(『本気!』シリーズ)

 『本気!』シリーズで白銀本気役の石橋保さんが御出演の『ガメラ2 レギオン襲来』観ました!  重厚な画面、迫力の特撮、そして何より、時間の大部分を占める特撮映像の間に立ち現れる、短い時間の間にぎゅっと圧縮された人間ドラマが秀逸な作品でした!

 そして石橋保さん、『本気!』では天野さん九くんの“親”ということで、“大人”というイメージが先行していたのですが、この作品ではみずみずしく潔癖な、“若き…”という言葉の化身のような役を演じていらして、印象が大きく変わりました!
 役どころは、宇宙から飛来した生物の掃討に中心的な役割を果たす渡良瀬祐介陸上自衛隊二佐(Cast:永島敏行さん)の部下、花谷さん。いつも渡良瀬二佐につき従っている、静かで生真面目な感じの隊員。

 その花谷さんが、一番人間的な面を見せるシーン、自衛隊員である渡良瀬さんと花谷さんは最後の戦闘に向かい、レギオンが最初に北海道で被害をもたらしたとき以来の協力者・NTT北海道の帯津さん(Cast:吹越満さん)は民間人ということで、安全なところに退避するという別れの場で、花谷さんが帯津さんに「これが終わったら、おごらせてください」と声をかけるシーンについても、ネットでそういうシーンがあると知った時点では、大人の男と男のやりとり、という、しぶい印象のものを思い浮かべていました。が、実際に見てみると、石橋さん花谷さんのそのセリフは、にこにこと人なつこい笑顔とともに言われていて、その“かわいい”といってもよいぐらいのピュアな表情が、殺伐とした“戦闘”のイメージとは全く異質で、きわだった印象を残していたのだと感じました。
 花谷さんは渡良瀬さんに影のように付き従って行動するのですが、最初の頃、渡良瀬さんが独自の判断で行動したのに対し「あなたの行動は、報告せざるを得ません!」とくってかかるシーンがまた、若さゆえの生真面目さが表れていて、またなんとも好ましく。

 そして、花谷さんが最も“重要な役割”を果たしているのが、札幌での最初の“敵”とガメラとの戦闘シーン。
 宇宙から飛来した生物は巨大な草体と、それに共生し数千・数万の群れを成す体長約3mの生物達で構成される集合体。数千・数万の小さな虫のような生物がガメラの体を覆い尽くしたところで、ふと爆発音、破壊音が画面から消え、幽かな音楽だけをBGMに小さな生物のアップ(スローモーションがかかっているように感じるほどの!)が映し出される画面に切りかわり、そのうえに、石橋さん花谷さんの静かな声。
 「主が、お前の名前は何かとお尋ねになると、それは答えた
 我が名はレギオン。我々は大勢であるがゆえに―――」
 暗い、やや青みを帯びた画面は、ガメラと生物との戦いの閃光に照らし出された夜の底で、戦いを見上げる渡良瀬さんと花谷さんを、上から撮り下ろした構図。
 渡良瀬さん「聖書か」 花谷さん「マルコ第5章です」
 青白い光に照らし出された花谷さんの表情は、聖書の言葉をつぶやくのにふさわしい、清澄な雰囲気を帯び
。  この、花谷さんのつぶやいた新約聖書マルコ伝の引用は、ビデオテープのラベルにまでタイトルの下に特別な書体で表記されている、サブタイトルともいうべき言葉。
 そして宇宙からの生命体は、“レギオン”と名付けられ、世界中にその名で知られることに。

 こういう石橋保さんの演技を観た後、自分の『本気!』の観方がどう変わるか、かなり楽しみです。
 『本気!』の第15巻と第16巻では、北脇・夢作の両兄貴さん達が実に手慣れた感じで天野さん九くんを可愛がっているのに対し、本気さんはあまり直接九くんにかまったりせず、ちょっと扱い方がわからなくて困ってるような感じも(第16巻で九くんが殺されそうになっていたところを染夜さんに助けられたあと、北脇さんか夢作さんからかかってきた電話に「ちゃんと先生の言うことを聞くように言っとけ」と言って切ったときの本気さんの、ため息でもつきそうなフンイキあたりにちらっとそう感じました【笑】)。そういう、子供みたいに無邪気な九くんをちょっともてあましているような(笑)ところがよく、北脇さん・夢作さんとはまた違った年長組さんとしての味わいを楽しむべし、とこれまで思っていました。
 が、もしかすると、石橋さん本気さんと天野さん九くんはどちらも“上の人に可愛がられるような、若さと好ましさを体現するキャラクター”として左右においてみて、その色合いの違いから天野さん九くんについてもっともっとくっきりと感じるのもいいかも! とも思うようになりました。
 そんな両方の観方を可能にしてくださる石橋保さん、あらためてすごいと思いました!
 『ガメラ2 レギオン襲来』、あの作品を観られたことがまずよかった、ということと同時に、『本気!』シリーズを観るため、天野さん九くんについて考えるためにも、収穫大だったと思います!


(ゲストブック書き込み:2000年10月2日)


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