本気!序章

天野さん御共演者様:石橋保さん 誠直也さん
清水紘治さん

(『本気!』シリーズ)

 『本気!序章』、やあっと観られました!(夢のようです!)
 『本気!15』に天野さんが九役でレギュラー出演されてから初めての天野さんが御出演でない『本気!』シリーズでしたので、観ていてさびしくなったりしないかな、とちょっと心配だったのですが、大感動で観られました!

 冒頭から、天野さん九くん他を思わせるシーンが!
 あの本気さんが、『本気!9』で天野さん五郎君が着ていたようなジャンパーを着て、『本気!15』で天野さん九くんがやったような名乗りをしているシーン! 『本気!2』でも回想としてちょこっと出てきましたが、『本気!15』で天野さん九くんが子組の事務所にやってきて名乗りをやってみせたときの本気さんのイヤ〜ンな表情の理由が、なんとなくわかったような…(そしてそのときの北脇さん・夢作さんの超冷ややかな態度も、本気さんのイヤ〜ンなキモチを倍増させたんじゃあ…【笑】)

 そして本気さん、若いです! さすがに岸祐二さん演じる秀次兄貴が登場した瞬間は、秀次兄貴もがんばってヒゲなんか生やしてますが(笑)石橋さん本気さんのほうがやっぱりなんとなく大人っぽいかも、と一瞬思いかけたりもしましたが(でも、岸祐二さんも1970年生まれの31歳ですから、石橋さんとそんなに極端に年齢差があるというわけでもないんですよね…お若い!)、石橋さん本気さん、白い歯をみせてにこっと笑ったらたちどころに、もう“少年”モード全開! その“可愛い”といいたくなるような(おそれながら【笑】)表情、さすがでした!

 本気さんはとっても若々しいのですが、全体のカラーは『本気!15−20』に比べて、対象年齢がちょっと上がった、という印象。『本気!15−20』は、子組さんの家庭的にあったかいさまざまなシーンから“任侠系ホームドラマ”という感じだったのですが、『本気!序章』は本気の兄貴さん・山形さん(Cast:山田辰夫さん)が、晴れて銀バッジをもらって正式組員になった本気さんにお祝いの飲みの席で「ま、平社員ってとこだけどな。組長が社長なら、俺が課長、秀次が係長ってとこだ」と語るシーンが象徴しているように“企業ドラマ”という雰囲気。この『本気!序章』では、山形さん&秀次さん&本気さんのユニットが、『本気!15−20』の北脇さん&夢作さん&九くんに近い単位として動いていて、似たシチュエーションのシーンもあったのですが、人数規模もやってることも同じようでも、『本気!序章』の雰囲気はあくまで企業ドラマ(笑)。
 その雰囲気を支えていたのが、山田辰夫さん演じる山形さん! 企業ドラマに登場する“理想の上司”という感じで、中間管理職としてかくあるべき、という、懐の深い人間性を感じました! 大人になった本気さんもそういう資質は備えているのですが、本気さんが山形さんと同じことをするとぱっと華やかで劇的な雰囲気になるのに対し、山形さんはあくまで自分が表に立たないいぶし銀の渋さがたまらなく魅力的でした。『本気!2』に御登場されたシーン、覚えていましたので、あくまでも個人的事情で、というところがカッコよすぎることなくまた共感を感じる引退の場面など、なおうれしく観られました。
 ところで山形役の山田辰夫さん、『うしろの百太郎』後一太郎役の古屋暢一さんが御出演の映画『Summer Nude』にも御出演の模様(【Buttefly Cinemarket Ltd. 公式サイト】の【Summer Nude】ページ御参照)。ちょうど『ラブベリー』で古屋暢一さんの記事を拝見したばかりだったので、ツナガリの不思議さを感じました!

 『本気!15−20』といえば、『本気!序章』では、本気さんや本気さんの最初の舎弟のサブさんが“痛がる”演技を展開されるシーンがあって、天野さん九くんのいろいろな名シーン(?)を思い出しました。が、さすがに天野さん九くんのようにコドモみたいなリアクションの方はいらっしゃらなかったです…(天野さん九くん、あの泣きの入ったとけちゃいそうな声が決定的なんですよね【笑】)

 赤目さん(Cast:誠直也さん)、平河内のお父さん(『本気!20』時点での渚組組長、当時は渚組組長代行。Cast:清水紘治さん)といった、馴染みの深い方々がしっかり活躍されているところ、赤目さんと平河内のお父さんの確かな友情(現在本気さん激ラヴな赤目さん、もともとは平河内公平さんラヴなところから来てるんだ、と了解【笑】)が観られたのもすごくうれしく。赤目さんはその当時から現在と変わらぬ頼もしさで調整役(というより敵をだまらす役【笑】)をばりばり引き受けていらっしゃるところが頼もしく、平河内のお父さんは、『本気!20』で“超えらい人!”として登場されたときの印象とは違って(…というより『アギト』の高村教授と全然違う!というカンジかも【笑】)、控え目で大人しそうな雰囲気を漂わせているところに初々しささえ感じさせて(笑)これまたたまらなくツボでした(赤目さんの強気っぷりとの取り合わせも最高!)。

 この『本気!序章』では、平河内のお父さんが帯広で本気さんを拾ってきたことが判明。『本気!20』でも元レディースだった歩ちゃんを拾って面倒をみているあたりからも、コドモ好きな優しいお父さんなんだ、と、改めて納得。伊豆でおともをさせてもらった天野さん九くんも、きっと可愛がってもらったんだろうなあと、暖かい気持ちになりました!(それにしても、本気さんにも歩ちゃんにもいかにも穏やかそうに接している平河内のお父さんをみるにつけ、『本気!20』で九くんの携帯にかかってきた歩ちゃんからの電話を取り次いだ九くんへの「なんだぃ!」のあらっぽさ、すっごく特別な身内感があるなあと感じられてきて、あらためてうれしくもなってみたり【笑】)

 風組総長さん(Cast:西岡徳馬さん)は、ほんとにかっこよかったです。敬語系キャラ大好きの守峰にとっては、本気クンのような若いモンに対しても、“ですます調”でお話をされるその口調だけでもうツボ! 西岡徳馬さんは、『ヴァニーナイツ』第11話や『賭事女王』のメイン脚本等、数々の天野さん名場面を書かれている脚本家・羽原大介さんの映画作品『スーパースキャンダル』にも、超大物スター役で劇的な登場をされていて印象的でした。『本気!15〜20』でも常にストーリーに存在感を投げかけていた風の総長さん、ここまで素敵な方でうれしいです!
 そして『本気!9』にも御登場だった市川医師(Cast:藤木悠さん)、相変わらずかっこよかったです!

 と、ラスボスの(Cast:松重豊さん)。全編、“日の当らない”感をたたえた悪役をクールに演じていらして素敵だったのですが、特に目を引かれたのは、風組総長の前で、陥れようと思っていた平河内代行に有利な裁定を下されたとき。“不満”と呼ぶにはあまりにも怨念めいた情念の炎が、やや上目遣いに総長を見上げた表情の顔の下の方から目に、そして眉へその上へとぱあっと燃え上がるのが見えるような、もう周囲は青暗く照明を落としてる中松重さんだけピンスポ!状態みたいな(笑)、一瞬なのにとてつもなく劇的な表情!
 松重豊さん、舞台で大変御活躍で、蜷川幸雄氏演出舞台の御出演も多い俳優さん。蜷川舞台はシェークスピア系の作品が多いのでちょっと系列が違うかな…と思いつつも、中澤聖子さんの舞台を拝見しているうちにどこかで遭遇できたら! と大希望!

 キャストさんでは、北脇役の賀川黒之助さんも御出演だった『ウルトラマンガイア』のチームハーキュリーズ(ガテン系な皆様!)志摩貢役の加賀谷圭さんが敵方の実働部隊のヘッド的に本気さんと戦いまくる長谷川役で大活躍だったり、『仮面ライダークウガ』ラ・ドルド・グ役の婆娑羅天明さんが大村役で迫力だったりと、【本気!でHERO!】を天野さん御出演作に限っちゃうのはもったいない(今回、岸祐二さんも御出演ですし!)と心が揺らぐようなところも(笑)。
 それにしても、おそるべし! と思ったのが、夕夏のママ(Cast:西初恵さん)…本気さんがすっかり大人の“風の草書”になっている現在(『本気!序章』から何年ぐらいたっているんでしょう…本気さんは仙台刑務所で3年間服役されたりしているので、それなりの期間だと思うのですが)も若くお美しく夢作さん達のアイドルな(笑)夕夏さん、『序章』の時点ですでに店を構えて“ママ”さんされているのには驚愕!(“夕夏”の看板が画面いっぱいに映った瞬間、「えええええっ!?」とのけぞりました!) 『本気!20』では「平河内のお父さんとだったら、噂になってもいいわ(はぁと)」なんて夕夏さんがおっしゃっていたときには、なんだか微笑ましいような感じをもっていたのですが、『本気!序章』では平河内のお父さんと跡目を争っていた菊池さん(序章には登場しませんが、Cast:中尾彬さん)とウワサを立てられて(…というより、そういうコトだろ、と因縁をつけられてというか)いたりして…平河内のお父さんとのカップルも、実はものすごく自然なコト?
 ともあれ、本気さんに対しては“本気クン”と、完全にお姉様モードな夕夏さん。銀バッジをもらった本気さんにおようふくをプレゼントしたりと、まるでお母さんみたい! だったのですが、「プレゼントはこれだけじゃないのよ」と電気を消しちゃったりしたあたり…ケーキにロウソクを立てて、お祝いしてくれたりしたのでしょうか!(←お誕生日と混同)
(天野さん九くんが出ている巻では、電気を消しちゃう攻撃は、たとえ天野さん九くんとは全く関係のない場面でだとしても、なんとなくしてはいけないような気がします【笑】。このへんも対象年齢の差?)

 この『本気!序章』、本気さんにも九くんのような頃(九くんよりは百万倍しっかりしてましたが【笑】)があったり、最初にもたせてもらった舎弟を、同じ北海道出身ということ以外何も知らないうちに死なせてしまったということがあったり、という本気さんの歴史が描かれていて、本気さんが九くんに注いでくれた優しさ、愛情の源がとても具体的な実感を伴うようにわかってきたような気がして、じんとしました。
 本気さんにとてつもない面倒をかけまくった九くんですが、あんなに無茶しまくったにも関わらず大きな怪我もせず、無事に郷里に帰ったこと、本気さんのところにいる間、きっと九くん自身のことも本気さんにいっぱい話したであろうこと(たぶん、さすがの本気さんも内心“そんなこと誰も聞いてねーよ…”と思ってるぐらい【笑】)は、何よりの本気さん孝行だったのかも…と思えたこともうれしかったです。
 『本気!序章』、ほんとうにいい作品でした!

(ゲストブック書き込み:2001年11月23日)



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