−まつり−
なんかが生まれて、そんで無くなること


天野さん御共演者様: 中澤聖子さん
(セーラームーンミュージカル『かぐや島伝説』『同改訂版』)

 15日(土)は、セラミュで冥王せつな役として天野さんと御共演の中澤聖子さんが御出演の舞台、So-Ko公演『−まつり− なんかが生まれて そんで無くなること』を観てきました! “自主企画公演”ということで、演劇〜! というカンジが濃密な、パワーあふれる公演でした!(【So-Ko ホームページ】御参照)

 舞台のつくり自体が斬新。カーペット敷きで壁を黒布で覆った普通の部屋(そもそも)1段50〜60cmの、2段の階段状の客席がぐるりと取り囲んだ“舞台”で、公演の中で客席の下に役者さんがもぐったり(出入りにも使われるし、そこから首だけ突きだして対話したりもするし、そこからビールケースが飛び出してくることも!)、下段を役者さんが走り回ったり、と、普通の大劇場での客席と舞台との関わりを超えた、体感しちゃう客席!

 役者さんは全員、白のツナギ(ファスナー&お尻の透明ポケットが色違い。聖子さんはピンク。髪の毛は可愛くちょんちょりんを結ってます!)に、ほとんどの場面はカラー針金(?)をアートっぽく曲げて作った眼鏡(!?)着用。そして走る、跳ぶ、もぐる! そういう舞台にうってつけの衣装でした!

 “まつり”を求める者、なぜか隠蔽しようとする者、その意味を見いだせない者、その心理を分析&解説する者が入り乱れ、“ああ、そうだよね”と思うところのある人間観察的セリフが随所に散りばめられ。そういうものが、身体の動きってこんなに面白いんだ! と思わせてくれる役者さんの動きと一緒に繰り出されて、“理解”“正解”はできなくても、とても面白かったです!

 聖子さんは、あのぱっと華やかで豊かな表情全開! 笑う、驚く、怒る、とにかくその“表情”自体が観ていて楽しいこと、これだけ客席と舞台が近い舞台では、とってもうれしく。
 圧巻だったのは、聖子さんが劇のラスト近くで演じられた“蜘蛛女”。聖子さんの手足はもちろん四本ですが、その地を這い具合、脚の角度、まさに“蜘蛛”そのもの! その後のシーンで、ブラックライトに照らされ、他の役者さんと組み合わさってうごめき、言葉を発するシーンは、呪術的なものさえ感じました!
 ほか、キューピー(これが規則正しく方眼状に並べられると、とてつもなくコワイです…)を磨き続ける聖子さん、“吹越満のロボコップ”(?)をやる聖子さん(御本人的にはやりたくなかったとか…【笑】)とか、シーン&動作的にも見どころいっぱい!

 ラスト近くの衝撃的なシーン、そして冒頭を少しずらしたリフレイン…と、構造的に端整な部分も、自分的にはすごく好きでした。
 銀のモールに飾られた籠に入ったロウソクをたくさん使った、ものすごく美しいシーンも!

 こういう小さな空間にぎゅっといろいろなものが詰まったパワフルな公演、いいなあ、と思いました。
 またこういう公演、観たいと思います!


(ゲストブック書き込み:2001年12月17日)


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