22nd March, 1999  
感動。
カレンダーの小千秋楽



 
 三連休の最後、22日15時の公演は、カレンダー通りのお休みしか来られない人達も多いだろうことを考えると、98年の7月公演の終わりのような区切り、小千秋楽のようなものだったと思います。  そして実際、千秋楽のような独特の雰囲気があった公演でした。
 …大変申し訳ないのですが、この回守峰の受容器官がコワレてまして(3日間の中で、前日【正確にいうと当日ですね】睡眠時間一番短かったし)、この回のレポートとしての情報量ほとんどゼロかもしれないのですが、心情的にはこんな感じ、ということで、許してください。
 席は6列28番。午前中と反対側の、やっぱり舞台が近い席でした。




【 To あやの様ちびうさフレンドリーチェック、スタート。稲田さんヴィーナスの意外性】
 To あやの様フレンドリーチェックのきっかけは、稲田奈穂さんヴィーナスでした。
 場面は忘れてしまいましたが、あやの様ちびムーンの背後に立って、肩に両手をしっかり置いていた立ち姿を、それをみつけたときの意外な気持ちと一緒に、くっきり覚えています。
 稲田さんの役どころは、けっこう文句多めの美奈子ちゃん。うさぎちゃんが寝坊しないか心配で寝られなかったと文句を言い、無人島に漂着したとき一番いまいましげに文句を言い、内部ちゃん達が途方に暮れる歌『漂着したけれど…』でも家と連絡が取れない、おなかがすいた、と、正直ベースの自己都合を列挙する、キレイゴトは言わない美奈子ちゃんです。その美奈子ちゃんの印象があざやかだった舞台での、ちびムーンをしっかり支えているようなすっとした立ち姿、とても新鮮に映りました。
 その意外感こそが、ものすごく美奈子ちゃん的。ミーハーで、あわて者で、何も考えず突進するところはうさぎちゃん以上で、だけど、セーラー戦士のリーダーで、セーラーVとしてたった一人で戦士をやっていた人で。はるかがあれだけつらそうな顔でやっとできた“夢を捨てる”も、つらそうな顔なんて少しも見せないで、えい、とやってのけたのが、美奈子ちゃん。そういう美奈子ちゃんが、内部ちゃん達の中では一番好きだったことを、稲田さんヴィーナスのそのすっとした立ち姿で、思い出しました。




【本日の変更点。お父さんの卵・天野さんまもちゃん】
 ちびうさはいつもは空から降ってくるのですが、この回だけは「ちびうさ!」と叫んだまもちゃんの腕の中に、駆け込んできました。
 天野さんまもちゃんの To あやの様ちびうさフレンドリーはいつもは、望月さんが明らかにお父さんなのに対して、とっても優しいお母さん。しゃがみこんで目の高さを合わせて話しかけるところ、あやの様ちびうさの背中をとんとん、と叩く優しげな手の表情、でもお父さんみたいに無条件に娘に甘いというのとも違う。「もうやめなさい、似たもの同士なんだから!」っていう言葉も、もしコドモが言ってるのを聞いたら、お父さんの口真似というより、ああ、おうちでお母さんがそう言ってるのね、って、思いますでしょう(笑)。
 でも、今回ちびうさが飛び込んできた瞬間の、お母さん的な間を取るヨユウのない天野さんまもちゃんは、お父さん…じゃないんだけれど、いつの日かお父さんになる男の子のもつ空気のようなものが、ありました。一瞬のことなのでうまく言えませんが、そう思えました。




【四百人の中から。聖子さんプルート】
 あやの様ちびムーンの背後に立って、肩に手を置いて。そこからなんとも言えないやわらかいしぐさで身体を傾けて、そっと話しかけた(というより、耳をかたむけた、という感じ)様子がとっても優しかったのが、聖子さんプルート。
 ダンスが抜群で(ナオさんウラヌスとのツートップ、ほんとうに気持ちがいいです!)、せりふでも落ち着いたプルートを地に足をしっかりつけた感じで演じられる聖子さん。そのどれもすばらしいけれど、でも、あやの様ちびうさを包み込むような姿に、聖子さんがどうして四百人の中から選ばれたのか、わかったような気がしました(セラミューFANがプルートに求めているだろうものに、それはきっと、近かったから)。




【こちらは本当に、お父さん。望月さんキング】
 舞台の高いところで、駆け寄ったあやの様ちびムーンを、望月さんキングが抱き上げるところ、初めて見ました。
 ものすごく自然な、でも特別感のある、ほんのつかの間の“だっこ”でした。




【王道。ナオさんウラヌス】
 守峰の中では、ナオさんウラヌスとあやの様ちびムーンのフレンドリーは、王道中の王道です(98年7月公演のはじめの頃から、ずっと)!
 戦闘シーンでナオさんウラヌスがあやの様ちびムーンをかばうように手を回すところも、あやの様ちびムーンの背後に、一緒に立とう、といってるように立っているところも、ナオさんウラヌスらしい真摯な様子で話しかけるところも。ひとつひとつが忘れ難いです。何公演分ものフレンドリーを、見たような気持ちでした。




【小千秋楽。】
 この回、あやの様の体調は限界だったそうですが、目についた変更点は登場の宙づりがなくなったことと、最後の『Everlasting Moonlight』と『ラ・ソウルジャー』がちびムーン抜きだった(『ラ・ソウルジャー』はセーラームーン抜きだって、続くものです! 見たことあります!)ことだけでした。あとはちゃんと踊って、走って、カーテンコールのスキップも生き生きでした。せりふも、ちょっとかすれたところもありましたがそれは仔猫達にそっと話しかけるようなところで、元気な声が必要なところはいつも通り、はりのあるあやの様ヴォイスでした。まもちゃんの「ぼくはレストランのウェイターじゃないんだからね!」のあとの「時給いくら?」というセリフは、この回に初めて気がついたぐらいです。
 この3月の三連休の最後を飾る公演、伝わってくるものがたくさんある、いい舞台だったと思います。  小千秋楽と呼ぶに、ふさわしかったと思います。