賭事女王

GAMBLE QUEEN

Episode 7 (後半 その1)
(1999年11月22日放映)


■ 脚本 ■ 羽原大介
■ 演出 ■ 関卓也
■ 出演 ■
高倉紫乃:園原佑紀乃  高倉藍:木内晶子  高倉桃:内藤陽子  高倉朱々:一戸奈未
猪熊伍郎:横山あきお  サミー:稲宮誠  一馬:天野浩成
JOKER:岡本夏生  ポチ:日村勇紀



 「お黙り!」の声とともにコートを脱ぎ放った女王様に、息をのむ高倉姉妹(含 目を輝かせる紫乃ちゃん!)
 そこに現れたのは、網タイツに黒いボンデージスタイルの、絵に描いたような女王様!
 ポチさん、こでも絵に描いたようなマゾさん状態で四つんばいのまま女王様に近づき、紫乃ちゃんからムチを取り上げ、女王様に差し出します!(女王様のものは女王様に返す、正当な行為です!)
 ポチ「女王様…お許しください!」
 女王様は、悠然とムチを受け取られます。
 そしてポチの背中を左足のハイヒールで踏みつけるという、好きな方にはもうたまらないであろう仕打ち!
 女王様「後でたっぷりおしおきよ!」(“月に代わっておしおきよ!”とは、だいーぶ違うセリフ回しです!)
 そして女王様の、本物のムチさばき! ポチさんの反応も、違うようです!
 桃ちゃん、この光景に引きながら(それがまっとうな反応です)「あの…私を連れて来いって命令したって…」
 女王様「私の名はJOKER。あなた達との勝負を命じられた」
 仮面を外し、正体を明かします! 「ゼロの使者」

 藍ちゃん「なるほど。やっぱりそういうこと」
 女王様…JOKERさん「今度は私とポーカーで勝負してもらうわ。わかってると思うけど、あなた達に逃げ道は無いわ」
 桃ちゃん「逃げる気なんかないわ!」桃姐、強気です! 「ただ1つ、条件がある」
 JOKERさん「条件?」
 桃ちゃん「私達が勝ったら、私達の母親のことについてちゃんと教えて!」
 JOKER「なるほど」
 藍ちゃんは「だけど、この人がお母さんの事を知っているとは…」
 が、JOKERさんは「アカネは生きている。続きは勝負の後で教えてあげるわ。ただし、あなた達があたしに勝てればの話だけどね」

 そして「あたしたが勝ったら…高倉桃! あなたをもらうわ」と、桃姐を御使命!
 「あなたが1番“素質”がありそうだからね」
 桃ちゃん「素質って、ギャンブルの?」。桃ちゃんの思考は、あくまで健全です! 
 JOKERさん「あなたなら、最高の奴隷になれるわ」
 桃姐激怒!「ちょっと、冗談やめてよ! あたしはSMなんかに、全然興味ない…」(これはウソではなさそうです! 他の三姉妹がゆったら、ちゃんちゃらおかしいですが【笑】)
 JOKERさん「お黙り!」
 藍ちゃんと朱々ちゃんは、驚いた顔をしてます(女王様がコートを取ったときも、この二人はちゃんと驚いてましたし!)
 JOKERさん「人は誰も生まれながらに、SかMの宿命を背負っているのよ。つまり、人生は、SM、そのもの」
『賭事女王』開始直後は、雀鬼ファウストさんの「私は全てをギャンブルに変える男」という名乗りを、すっごーい、と思いましたが、思えばファウストさんの「人生は全て、ギャンブルなのです」という言葉は、なんと普遍的な響きをもっていたことか…(懐)

 ムチを鳴らす音!

 JOKERさん「人間はいつも二通り。他人をいじめて快感を感じるか、いじめられて感じるか…」
 そしてそのムチは、音を立ててポチさんに振り下ろされます!
 あがったのは、ポチさんのうれしい悲鳴と…
 紫乃ちゃん「かっこいい〜!」
 首を左右に振りつつうっとりー、な、紫乃ちゃんの嘆声でした!(最初っから、紫乃ちゃんこーゆーの好きそうって思ってました!)
 桃姐「ちょっと、紫乃ちゃん!」(桃姐には理解できない世界!)
 JOKERさん「そして、最高のギャンブラーは、最高のサディストでなければならない…」
 それを聞いて藍ちゃん、人差し指を頬にあてて「なるほどー」。
 そのうれしそうな納得の表情と仕草は何、藍ちゃん!(藍ちゃんがわからなくなりましたー!)

 「楽しみにしてるわ」との言葉を残し、悠然と立ち去るJOKERさん。
 このとき、紫乃ちゃん、藍ちゃん、桃ちゃんまでは、真顔で見送っているのですが。
 朱々ちゃん「バーイ!」。
 このときの笑顔が、いつものあのムジャキ系笑顔じゃないあたり、たまらなく含みがあります、朱々ちゃん!


 夜空には満月。


 で、おうちにかえってきた高倉姉妹。
 パジャマ姿で仏壇のぱぱりんを拝む真剣な顔の紫乃ちゃん(お引越しのとき、仏壇運ぶの手伝って、といわれてあんなにイヤそうに、えーっ、とか言ってたのが嘘のようです…)。
 みんなパジャマ姿です。
 ママ生きてたんだね、お父さんはどうしてずっと教えてくれなかったのかな、私達を捨ててゼロファミリーに行っちゃったんだろうか、と、身を寄せ合うように話し合ってます。
 結論は、桃姐の「勝たなきゃ。絶対勝って、真実をつきとめなきゃ!」
 それでこそ、高倉姉妹です!


 その頃JOKERさん、ポチさんに「嫌よ嫌よも、マゾのうち」などというよくわかんないことわざを言いながら、ロウソクをたらしたりしてます。
 ポチさんもJOKERさんも、なんだかんだいって楽しそう。


 そして桃ちゃんの夢の中でも。
 JOKERさん(の声)「高倉桃! あなたをもらうわ!」


 高倉姉妹ハウスで目覚めた桃ちゃん「熱っ!」
 起き上がって「なんだ、夢か…」。ほっとしてます。
 どこでも寝ちゃう朱々ちゃんですが、こういうときには耳ざとく目が覚め「どしたのー?」(でも、いつもの通りねぼけてます【笑】)。
 正直者の桃ちゃん「あの女にロウソクたらされる夢見た…」。
 と、朱々ちゃん、なんともいやーんな笑顔を浮かべ、またおふとんに横になりながら
 「お・や・す・み。潜在願望。」…強烈です!
 桃「え!?」。
 …桃ちゃん、とてつもなく悪いヒトに、ヒミツをコクハクしちゃったんじゃないでしょうか…。


 桃ちゃんの思考の中。
 JOKERさんの高笑い。
 桃ちゃん「やめて!」
 ムチの音!
 桃ちゃん「やめないで! もっと!」
 ムチの音!
 桃ちゃん「もっとーっ!」


 朝ご飯中に考えることじゃないです(笑)。
 納豆もって、フリーズする、朝ごはん中の桃ちゃん…。

 コンテのおしゃれさは、この朝食シーンでも。
 パジャマ姿の高倉姉妹が、一人一人自分のカラーに塗られた木の机について座って、横一列に整列してます。
 そのままカップスープのCMになりそうな、色彩感あふれるカワイイ場面!

 そして食べてるモノもばらばら(笑)。
 紫乃ちゃんはフランスパン1本まるまるにホットケーキ、紅茶のポット。一見おしゃれなようでいて、全体を見ると、とにかくおなかいっぱいに! という、大食いさんメニュー。
 藍ちゃんは、由緒正しい日本の朝ご飯。ごはんにお味噌汁、ふりかけに納豆、お茶におしんこ。
 桃姐も基本的には由緒正しい日本の朝ご飯ぽく、ご飯にお味噌汁、納豆…なのですが、マヨネーズが登場してくるあたり、藍ちゃんとはひと味違うイマドキ感が!
 そして朱々ちゃん…牛乳にポテトチップス(Pringles)にヨーグルトという、完全におやつ状態。

 桃ちゃんが自らの朝ごはん中にふさわしくない想像に身震いしているのに追い打ちをかけるように…
 紫乃ちゃん「ねぇ?人間は、誰もがSかMかのどちらかとしたら、自分はどっちだと思う?」
 桃姐、当然抗議!「なに言ってんの? 朝っぱらから」
 しかし藍ちゃん、毎朝この話をしてるかのような平然とした表情で「私はSかな。いじめられて感じるなんて、理解出来ないもん」。ムチを見て、これまでのお母さんぶりがウソのようにノリノリだった藍ちゃんの表情の輝きをみてしまったあとでは、それ以外の回答は考えられません…さすが自己分析に長ける藍ちゃん。クールです!
 紫乃ちゃんはうれしそーうに!「私もS。ボンテージっていうの? あれかっこいいわよね」。何事もカッコから入る紫乃ちゃんらしいです…。藍ちゃんよりやや“かっこだけSちゃん”系かも(笑)。
 そして朱々ちゃん「朱々はM」
 これにすかさず、紫乃ちゃん&藍ちゃん「え!?」。桃ちゃん「どうしてーっ!?」。実の姉3人から、かくも劇的な驚愕のサインが帰ってくるあたり、おそるべし、朱々ちゃん…。
 朱々ちゃん、クマのぬいぐるみを抱えて「人をイジメるなんて、朱々には理解出来な〜い!」と笑顔ですが、紫乃ちゃんの「よく言うわよ!」という突き放した反応が、真実を語っているようです…。
 みもふたもない紫乃ちゃんに比べて、藍ちゃんの「なんだかんだ言って、すんごい意地っぱりだしねー」というお言葉は、とってもお母さんぽいのですが、頭をかきかきの朱々ちゃんの「照れるなぁー」は、最高のボケです!(センスよすぎ!) 桃姐の「ほめてないよ!」が追いつかないほど(笑)!

 藍ちゃん「それよりさー、あの人どうして桃のことMだって…」(食べながら、なんでもない話題のように平然と話を振る藍ちゃん!)
 紫乃ちゃん「単純にタイプだったんじゃないのー?」(紫乃ちゃんらしい、単純明快な思考です!)
 桃ちゃん「ちょっ、やめてよ! 気持ち悪いなー!」(当然の抗議です! 内容云々より、食いながら気軽に話すなよー! ってカンジ?)
 紫乃ちゃん「とか言って、本当はイジメられたい! とか思ってるとか」
 桃ちゃん「ちょっと、ケンカ売ってんのー!?」(紫乃ちゃん、しょっちゅう売ってそうです…)
 藍ちゃん「潜在願望って、夢に出るとか言うじゃない?」。この、なにげない言い方が、よけいに効果大! そしてお気楽に食べながらうなずく紫乃ちゃん(ま、紫乃ちゃんが食べてるのはいつものことなんで、目くじらを立ててもしかたがありません!)。  さらに藍ちゃん、平然としたカオでぐさぐさと核心に突き進みます。「見た事ない? 赤いロウソクを、たらっとたらされる夢とか」(藍ちゃんの平然とした表情がこわいです…)
 桃ちゃん動揺!「見た事あるわけ、ないじゃない!」。と、朱々ちゃんのほうをちらり。
 しかし朱々ちゃんは知っている。にやり、と、またいやーんな笑みを浮かべて、桃ちゃんに顔を寄せます。まずいヒトにまずいコトを握られたものです、桃ちゃん…。
 ここは三十六計逃げるにしかず、話題転換です!「ちょっとねぇ、そんな事よりわかってんの? 今はポーカーの練習っ! あの女は私達の【敵】なのよ!」
 藍ちゃん「そっか、そうね」。…桃ちゃんに指摘されて改めてそういううなずきかた(しかも完全に納得してるカンジじゃないし)、ってことは、JOKERさんのこと敵というより、憧れのお姉様とでも思っていたとか…?
 高倉姉妹、みんなうなずいてるし…。


 そして修行といえば師匠ちゃんハウス。
 なぜかつば広の黒帽子をかぶった師匠ちゃん「ポーカーは、心の格闘技! 運不運ではなく、心のかけひきが最も重要な、知的ゲームじゃ!」と熱弁! そして勝負のカギはポーカーフェイス、と教えてくれるのですが、“ポーカーフェイス”と言った瞬間にサングラスをかけるや、桃姐と朱々ちゃんにぷぷ、とか笑われかけてます。
 さらに師匠ちゃん、敵は、我が胸の内にあり、と。ここ1番の勝負に弱い者は、必ず心のどこかで、負けたい、と、考えている、と、ギャンブラーならずともとてもためになりそうな、含蓄のある教え。
 しかしその言い換えとして「マゾヒズムへの潜在願望がある者は、負ける!」…なんでそこで話がSMになるかね、師匠ちゃん…(やっぱり人生は、SMそのもの?)。
 桃ちゃん、師匠ちゃんにまで言われて「マゾヒズムへの潜在願望って…」と、ブルー。そんな桃ちゃんを見て、いやーんなカオで笑う朱々(鬼娘!)。
 そして師匠ちゃん、駅前のパチンコ屋が新装開店ということで(生活かかってます!)立ち去ってしまいます(あの帽子とサングラス着用で…)。


 そしてJOKERさんルーム。
 ポチさん、せまい金網のなかに詰まって、なにやら心配そう。
 その悩みごとは、「あの小娘(桃ちゃん)がもし女王様の奴隷になった場合、私の立場は、どうなってしまうんでしょうか?」。これは心配です!
 JOKERさんは悠然と、爪のお手入れ。
 ポチさんの「あ、もしかして、捨てられてしまうん、でしょうか?」という問いに、JOKERさん「あなたも随分偉くなったわねぇ…?」
 そしてやおら金網のオリを踏みつけます!「いつからあたしに質問出来るようになったの?」。そして立ち去ってしまいます。
 女王様に捨てられたら生きていけません、と訴えるポチさん、ぴーんち!
 「なんとかしなくっちゃ!」


 そして高倉四姉妹、夜の橋の上。
 「練習したからって強くなるもんじゃないって言われてもねえ」という藍ちゃんの言葉はもっともで、朱々ちゃんの言う通り「ある程度は慣れとかないとねー」。「4人でやっても全然緊張感出ないし…」というのもごもっとも(一馬くんを入れたら、もっとなごんでしまうでしょう…)。
 そこにお助けの声「私が相手になりましょうか?」!
 高倉姉妹が見上げる(朱々ちゃんうれしそう!)声の主は、ムチをかまえてにっこりのポチさん!
 さっそうと飛び降りたポチさんに、朱々ちゃん「あー、ポチだー!」。ものすごーくうれしそうです!
 ポチさんのお誘いは「私と、女王様ポーカーしない?」。うっさんくさいです!
 でも、藍ちゃん「女王様ポーカー?」、紫乃ちゃん「なにそれ!?」、ポチさんをどつかんばかりのすごい勢い!
 ポチさん、この食いつきの良さに得意そうに「お金の代わりに、罰ゲームを賭けるポーカーよ!」
 「おもしろそ〜!朱々もやりた〜い!」。朱々ちゃんのいいそうな言葉だし、とってもカワイイ系ですが、動作的にはポチさんを突き飛ばしてたりいて、結構あらあらしいです…。
 紫乃ちゃんも「賛成!」。ほんと、こういうの好きそう…(そして紫乃ちゃんも、あらあらしい動作!)
 この、おもしろければなんでもよさそうな長女(ほんとか!?)&末っ子とは一線を画してるのが、高倉姉妹の良識・桃ちゃん。
 「駄目だよ!こんな奴信用しちゃ! きっと何か魂胆があるに決まってんだから!」、と、ポチさんの頭をこづいてます。
 ポチさんがゼロの派遣したJOKERさんの忠実なしもべであることを考えれば、非常に妥当な意見です!
 が、ポチさんが「ちょっと、魂胆だなんて失礼ね。かよわいマゾに向かって」と抗議すると、「そうよ!」といきなりポチさんの味方になる紫乃ちゃん! 「なにかあったら、ムチで叩けばなんとかなるしー」。…そういうもんなんでしょうか。
 先週までは藍ちゃんことが“高倉姉妹の良識”だと思ってましたが、ムチが手に届く範囲にある藍ちゃんはもう、そういうひとじゃありません。ムチを手に「ちょうど練習相手も欲しかったし!」と、大乗り気。
 朱々ちゃんはもちろん「やろ〜!」と飛び跳ねてます。
 ムチに目のくらまなかった唯一のひと、桃ちゃんは、コドモ達を束ねるお母さんのように「だーめーだってば! もう、みんな帰るよ!」とポチを叩きます(八つ当たりのようですが、ポチさんがよろこんでるようなので問題なし)が、紫乃ちゃん「一人で帰れば? 私はやるわよ!」、藍ちゃん「あたしも!」、朱々ちゃん「あたしも〜!」と、ポチさんを三人がかりで拉致しようという勢い!
 もみくちゃにされながら、ポチさん、桃ちゃんを振り返り、「ほーら。マゾはみんなの人気者」。…格言?
 桃ちゃん「もう! 勝手にすればー!」
 でも桃ちゃんに言われなくても高倉S三姉妹、好き勝手し放題になりそうです!


 そして高倉S三姉妹が、ポチさんと訪れた先で、驚異の展開が…!