天野さん御共演者様:
北条隆博さん
『仮面ライダー剣』 |
■ 2007年7月16日は、北条隆博さん御出演の短編映画『trash words』が監督・出演者舞台挨拶つきで上映されるという【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2007】、観てきました! 実のところ、【北条隆博オフィシャルブログ「JOBLO」:2007年7月15日_若返り・・・】で前日深夜に知って、【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2007 公式サイト】で上映スケジュールをチェックしたものの、特に舞台挨拶等について書いてないのでよくわからない…と、心許なかったものの、そういうリスキーなものは皆さん二の足を踏みがちだと思うので、開場までに行けばなんとかなるのでは! ということで、ふらりんと行って、なんとかなってきました(笑)。 ■ 300席という映像ホール全体に、お客さんが拡散してお座りなので、何人ぐらいという目分量はしにくかったのですが、“若手映画作家育成プロジェクト”で文化庁から予算が出てプロのスタッフやキャストが使えるようになったという『trash words』(【若手映画作家育成プロジェクト2006:佐藤克則−作品紹介】御参照)以外は本当に限られた予算での自主映画というラインナップ、会場もJR川口駅から10分以上もバスに乗らないと行き着けないところ…という条件を考えると、かなりいい感じにお客さんが入っていたという印象(上映後にあった質疑も活発で面白く!)。 吉野紗香さん、北条隆博さんの舞台挨拶はあったものの、上記のように、映画祭側からは告知がされていないような状況だったせいか、それぞれのファンが詰めかけるということもなかったようで(前のほうに人が…という感じではなかったので、どの方が何を目当てでおいでだったのか、見当をつけにくい状況)、ほんとに“市民の映画祭”という雰囲気のなか、ちょっとアートな気分で(笑)映画を楽しめました! (ちなみに、【若手映画作家育成プロジェクト】で選ばれた8人の監督の中には、あの【たっぷり亭のひとびと イケメンチ!】の中尾浩之監督も![【若手映画作家育成プロジェクト2006:中尾浩之】]) 北条さんの映画のお仕事は、高校生映画コンクール『映画甲子園』のイメージ映画として憲政記念館での上映の『夏音−caonne−』とか、市制100年記念映画の『早咲きの花』とか、商業的なだけでない映画のいろいろなシーンにいざなってくれるところもいいなあ! と、改めて。 ■ 『trash words』は短編部門(国内コンペティション)の“3”という枠で上映され、『ゆうしのたなか』(実写、10分)、『サイコロコロリン』(実写、23分)、『レッツゴー番長デッドオアアライブ完全版』(鉛筆画アニメ、26分)、『trash words』(29分)、という順番で上映。 エントリーされた328作品の中から第1次審査を経た11本のノミネート作品のうちの4本、ということで、どれも面白く観られました。 『trash word』は、【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2007:短編部門(国内コンペティション)】にあるように、不倫をしている大学事務職員の主人公(吉野紗香さん)が、不倫相手からその妻が妊娠を告げられて悩んでいるとき、大学構内の携帯の会話を“盗聴”して、その言葉を集めてアートにしている美術学部学生・秋生と出会い、失ってしまっていた自分の“本当の言葉”を取り戻す…という物語。 北条さんは、御自身も上映後の舞台挨拶でおっしゃっていたように(笑)、“盗聴”などしていてちょっとマニアックで風変わりな役どころなのですが(そういう感じも、特に秋生がどういう人かわからない段階のファーストカットのあたりなど、よく出ていたと思います!)、北条さんの少年らしさの残る雰囲気が、不倫で苦しんでいた主人公の心を癒していく、ちょっと妖精的な役回りに合っていて。“マニアックで風変わりな美術学生”という設定からは、もっと違った風貌のキャスティングもあり得たと思うのですが、この役を北条さんが演じたことで、この作品ならではのカラーが出たと思います。 映像は、いろいろ印象的なところがありましたが、北条さん演じる秋生のアトリエでの、“言葉”を視覚化した映像が、とにかく詩的で美しく! 自分の中で、“言葉”に関して何かイメージするときの、基礎イメージのひとつになりそうな。 と、作品が上映されたSKIPシティの中(会場に入る前に、自分も通ったり入ったりしたところ)がロケに使われていて、初めて行った場所だったのに“あっ、この場所は!”と、親しみを感じられたのも楽しかったです(劇場版『仮面ライダー剣 MISSING ACE』を、その前がロケ地になったチネチッタや109シネマズ木場で観るような感覚?)。 ■ 上映後、『ゆうしのたなか』の高岡ヒロオ監督、『サイコロコロリン』のふるいちやすし監督、『レッツゴー番長デッドオアアライブ完全版』の鈴木専監督、『trash words』の佐藤克則監督に出演の吉野紗香さん、北条隆博さんが登壇。 北条さんは、白地のTシャツの上にノースリーブの茶系のジャケット、色落ちジーンズ、首にはグレーのマフラーと、『美味學院』の高杉凛のように、“美”にこだわりそうなファッション(!?)で御登場! それぞれ御挨拶の後、客席からの質問を受け付けるというスタイルで進行。 (【CINEMA TOPICS ONLINE:2007年7月16日_SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2007:短編コンペ3 Q&A】に、写真つきの記事。) 最初の御挨拶では、吉野さん、不倫の経験もなく不倫の役を演じたけれど、不倫ってこんなにつらいんだ、と思うぐらい、苦しかったけれど、その相手が好きだと気づけた後は、別れたけれど気持ちよく…と、いろいろな気持ちを体験できた、と、気持ちの入った撮影だったというお言葉。 北条さんは、演じた秋生は芸術家だけど、ちょっと変態チックなところもあって、そういう役をやるのは初めてで、どう表現したらいいのかすごく難しく、佐藤監督と一緒に秋生というキャラクターを練って創り上げた、『trash words』は自分にとってとても勉強になった、と、しっかりした御挨拶。 ■ 質疑応答ですが、これが北条さんに関係のないところでも面白く(笑)。 “映画”が好きな人…というのもちょっと漠然としすぎているような、なんというか、映画が生まれる“場”のようなものに興味がある人にとって面白そうな質問。 逆に言うと、この映画祭会場は、そういう人達が集まる空間なんだなあと思いました。 ■ たとえば「制作費と日数」という、単刀直入な!(笑) お答えも、たとえば制作費については、高岡監督「8万円、うち4万円は打ち上げの飲み代」、ふるいち監督「自分の財布から少しずつ出して、あまり考えたくなかったので総額はわからない」、鈴木監督「パソコンは別の用途だ買ったので別にすると、絵を5000枚描いたので、紙代が1万円ぐらい? 鉛筆代を入れても2万円ぐらい」、佐藤監督「詳しくは知らされていない、文化庁に情報公開請求をすれば教えてもらえるのでは」と、個性的(笑)。 『trash words』は撮影4日間とのことでしたが、最終日は翌日未明近くまでかかったので、4.5日ぐらい…? というお話が出たところで、司会をされていた映画祭スタッフさまから、そのあたりを詳しく…とのうながし。 撮影なんてだいたい、そんな風に押せ押せになるものなんでは?…と思っていたら、違いました! その質問に主に答えられたのは、吉野紗香さん。台本を読んだときから、最終日に撮影のシーンについては泣いて完璧に演じようと気持ちを高まらせていたこと、その思いがあまりに強くなりすぎて、現場ではかえって思うような演技ができず、時間がどんどん経ってしまったこと、そんなとき監督がそばに来てくださって、泣かなくてもいいんですよ、と言ってくださって、気持ちが軽くなって、できるようになったこと…等々を、気持ちのこもった表情・言葉で語られる吉野さんのお話は、俳優というお仕事、監督というお仕事がどういうものなのか、垣間見させてくださったような気がします。 で、吉野さんに続いてお話する番が回ってきた北条さん…「僕はとことこ先に帰って、7時頃には家に着いてて…そんなことになってるとは知らなくてすみません」(笑) “とことこ”が、すごく可愛く! 北条さんからは“撮影秘話”として、最後に秋生が主人公に言葉を書いて投げる紙は、監督から“秋生じゃなくてリアルに北条で書け”と言われて、吉野さんを笑わせようと思って一所懸命書いたら、ちょっと笑ってくれたので、よかった…とのエピソード。 何と書いたかは「御想像におまかせします」。 ■ その他、各作品を作られたきっかけや、作品への思いについての監督への質問が次々と。 『trash words』については、なぜ“ことば”をテーマにした作品を作ろうと思われたのか、という質問があり、「日頃、何を考えているかわからないとか、言ってることに現実味がないとかよく言われるので、ちゃんと考えてる、ということを伝えたく」という監督のお答えが。 SKIPシティをロケ地に使ったラストシーンでは、どうしてもどかせない展示物があって、しかたない、映らないようにしておくよ、と言っていたものが映ってしまった…というウラ話が明かされた質問(その“映ってしまった”展示物についての質問!)も(笑)。 ■ 各監督の、作品同様個性的なお答えで会場がなごんだ雰囲気になった中、上映会は終了。 リスキーなところを(笑)、行ってみてよかったです! (ゲストブック書き込み:2007年8月21日)
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