少年サスペンス
謎の男子転校生 |
中編(Part 4) (1998年9月17日放映) |
■ 出演 ■ 加藤俵太:天野浩成 佐伯勝:大柴邦彦 桜井有子:浅川ちひろ ヤスエ:西田ももこ 田宮博之:安達哲朗 志村浩代:鈴木理恵 青山恵津子:実田江利花 長谷川修一:坪井森司 増田剛:坂本裕史 小池春雄:堀江慶 ほか |
電気をつけ、座りテーブルの上に置かれたメモに目を止め、鞄を軽く放り投げて座る。 一連の動作は、無造作でのびやかで、俵太君のキャラクターを表現しています! メモは3枚。 最初の1枚は学者君。きっちり打たれたワープロ文字で、“184,500円 本日の売り上げ金額です。 すべて順調な滑り出し。お陰様で面白い事、体験出来てます。 田宮”の連絡。 次の1枚は男の子3人組。男の子っぽい勢いのある字で“社長! これからも 末永く よろしくお願いします!! 修一 剛 春雄”。 最後の一枚は、浩代ちゃんと恵津子ちゃん。きれいな字で“ジャーン! チョーバツグンの女の子がスカウトできました。明日、春日部さんのモデルエージェンシーにも営業に行ってきます。 ヒロヨ エツコ” このメモに目を通す俵太君、文字を追う目の動きもとてもきれいなのですが、目を通し終えたところで、にっこり笑顔に(とってもお兄さんな笑顔)! この『少年サスペンス』では俵太君はほとんど笑顔にならないので、誰もいない場面で見せるこのきれいなきれいな笑顔、あまりにも印象的でした! が、そのメモの下から現れた、写真つきの“桜井有子”のプロフィールに、俵太君の顔色は変わります。 そこに戻ってくるヤスエさん。「おかえりー」の声が優しいです。“桜井有子”のプロフィールを伏せて置く俵太君。 「遅かったねー」というヤスエさんに「ああ」と返す俵太君。「さっきまでみんないたんだよー」という言葉に返す「そうみたいだな」も、やや硬いかも。 でも「みんないい子達じゃないー。うれしいんでしょ、久しぶりに友達ができて」と、背中から俵太君に抱きつくヤスエさんに「うるせえな。仕事だろ。早く行けよ」と思いっきりいやな顔をする俵太君、“いつも通り”に戻っている模様。そんないやな顔してみせたって、さっきの笑顔は何(笑)。きっとそのことも見抜いてるヤスエさん、でも、一応「ふーん!」とスネた表情をしてみせます(大人です!)。 「あ、そうだ」とヤスエさん。真面目な表情になって「ねえ、昨日お店のお客さんから聞いたんだけど。勝君の店、かなりヤバいらしいよ」 シャープな、でもどこか弱さをはらんだよな驚きの表情で振り返る俵太君。 「現役の女子高生を店に出して、外でも客を取らせてるらしいの」というヤスエさんの言葉に、揺れる俵太君の表情。 「バックにヤクザもついてるって」という言葉に、俵太君、動揺しています! |
その前に立つ山中さんとその三人の手下さん達(Cast:島裕二さん、村上栄さん、中垣章人さん)。 山中さんがうなずいて去ると、手下さん達は勝君をさらに激しく痛めつけます。画面の手前で、街灯にもたれてそちらに目をやりもしないで耳そうじをしている山中さん。 そして最後に「てめえが仕切るって言ったから、こっちは信用して任せたんだよ」。こんなときにも礼儀正しく、声にならない声で「はい」と答える勝君。「今度こんなことがあったら、こんなもんじゃすまねえからな!」という脅しにも、息絶え絶えになりながら「すんません」。山中さん達が立ち去ると、咳き込む勝君。 |
勝君が「連絡ぐらい入れろよ」というと「ごめん…」。 ソファの曲がり角のところにどっかりと仰向けに倒れこむように腰を沈めて天を仰いだ勝君に、有子ちゃん、もう一度「ごめん…」。でも勝君の「どうしたんだよ」という問いに「まぁちゃんこそ。待って、今手当てする」と返した有子ちゃんに勝君、「俺の質問に答えるのが先だ!」。 即答できず、視線を泳がせながら、ゆっくりとソファに座り込む有子ちゃん。 そんな有子ちゃんに勝君、声を落として「どうしたんだよ」。 有子ちゃんの答えは。「まあちゃん。私、今の仕事、やめられないかな」。 「冗談だろ」と笑った勝君の顔は、すぐに強張り。「店がお前にいくら払ってると…!」 「お金なんかいらないもん!」と、激しく首を横に振る有子ちゃん。 「お前がやめたら…店も俺も…成り立たないことぐらい…お前だってわかってんだろ!」という勝君。 「もうイヤなの!」と訴える有子ちゃんの頬を「甘ったれてんじゃねえ!」とひっぱたき! そのまま顔が上げられないでいた有子ちゃんを後ろから抱きしめながら「頼むよ有子…この商売が軌道に乗れば、お前も俺も、いい位置まで行けるんだからよ。週末は、休みとってやっから。来週からまた、心機一転。なっ」と、優しい声になる勝君の腕に、顔を埋める有子ちゃん。 |
有子ちゃんが眠ったのを確かめてから、勝君は有子ちゃんのバッグからシステム手帳を取り出してチェック。 住所録のページから何枚も空白のページをはさんで、モデルエージェンシーの住所と、そこに行く日時のメモ。 目をギラギラとめぐらせる勝君。 |
メモを手にビルを探しながらやってきた有子ちゃん「お待たせしました」。 「よし、頑張って売り込むよ!」と恵津子ちゃん。「お願いします」と笑顔でおじぎをする有子ちゃん。 浩代ちゃんと恵津子ちゃんに続いてビルに入ろうとして、ふと、有子ちゃんがわきを見ると、少し離れたそこには、勝君が。 「どしたの?」と恵津子ちゃんがたずねても、大きな目をみはったまま勝君をみつめる有子ちゃん。 つかつかと歩み寄り、「行くぞ」有子ちゃんを連れ去ろうとする勝君に、有子ちゃんは「放して!」と抵抗。浩代ちゃんと恵津子ちゃんも加わってもみあっているところに。 「エツ! ヒロ!」と、走ってくる俵太君! が、もみあっているのが誰か、気づきます。 あの印象的な目で、そこにいる彼らをみつめ、驚愕の表情の俵太君。 不敵な笑みを浮かべて「よう」と声をかける勝君。 目を大きくみひらいて「俵ちゃん」とつぶやく有子ちゃん。 口許を結びながら、二人をみつめる俵太君。 to be continued. |