13th August, 2006  
渋谷シネ・ラ・セット(東京・渋谷)
出演者:津谷祐司監督 上山竜司さん 天野浩成さん



『Wanna be FREE! 東京ガール』
トークショー
《2006年8月13日 11:50の回開始前》





 2006年8月13日(日)、当日急遽追加になった『Wanna be FREE! 東京ガール』11:50からの回のトークショー。
 続きで御覧になる方も、いったん会場の外に出て整理券順に並んで…ということで、出て即再並び状態。
 (そういえば1回目は、1回目も整理券順整列の上入場した前日とは異なり、前売り引き換え→即入場でした!)
 満席だった1回目よりもやや人数は減り、最終的にちょっとだけ空席ありの状態での上映となりましたが(一番後ろでは監督が御覧になっていました。初日もそうされてました)、事前告知なしでほとんど埋まったというのは、今回のゲストお二人の功績かなり大なのでは!
 映画のほうは、始まってすぐに画面が真っ暗になったまま止まってしまうというハプニングもあり(すぐに復旧しましたが)。
 自分、石田社長にかなりハマっているので、今回のトークショー追加は“もう1回余分に石田社長が観られた!”と、ハッピー倍増でした!





【“みてこの鼓動!” 今日の感想】

 司会の方から、“まだ御覧になっていないお客さんですが、今日を迎えての感想を”と。
 上山さん、いきなり最前列一番上手側のソファをさして「すごいゆったりしたソファですね」と、意表を突いた入り(笑)。
 シネ・ラ・セットは、後方席は通常の映画館と同じようなシートなのですが、前の方はさまざまな形の低いソファが置かれているという、後方は座席、前方は床に直座り or 低いベンチシートという構造がよくある小劇場的構成の、かなり特異な映画館(【渋谷文化プロジェクト:渋谷シネ・ラ・セット】御参照。ただし、写真に写っているテーブルは、これまで観たいずれの回も置かれていませんでした[イベント回は撤去?])。上山さんが指摘された型の最前列ソファは、背もたれの高さもしっかりあり、一番座り心地が良さそうなもので、お目が高いです上山さん!
 「こういうホールで上映できてうれしい限りでございます」(ワーディングがまた未成年ぽくなくて面白く【笑】)という上山さん、「生きる希望がわいてくる映画だと思いますので…」と、映画の真面目なポイントをアピール。

 天野さんは「今日は皆さんありがとうございます」と言うと、何が気になったのかマイクを見てSTOP。
 無音状態が1秒以上続くと、上山さんヘルプが即時発動!
 「天野くん、登場のときからおかしかったんですよ!
 早く行こうとしてて、ずっとこうやって(非常口のマークのように、曲げた腕を前後に構えたポーズ!)やってて」
 …というだけでも、かなりおかしい天野さんなのですが。
 上山さんさらに「ちょっと手貸して、って言って、何するんだろうと思ったら、(天野さんの)胸に手を当てて、『みてこの鼓動!』って!」
 思いもかけない天野さんの行動に、会場大ウケ!
 「びっくりしましたよ! バクバクしてて!」と、上山さん。監督も大笑いしてました!

 あらためて天野さん。
 「ありがとうございます。今から観ていただくお客さんのほうが多いと思いますが…」と、リピーターてんこもりという事実に見て見ぬふりをしきれない天野さん「楽しんでいただければと思います」。

 津谷監督は、着想2年から…というお話を繰り返された後「この2人のいいシーンも出てきますので」。
 今日の監督は、二人のファンであろう観客に、すごく気を遣ってくださっているのが伝わってきました!




【“ぼくは躊躇しながら彼女に触れて” 撮影について】

 寒い時期の撮影でしたが、撮影はいかがでしたか、というおはなし。
 上山さん、口が凍ってしまって、セリフが言えなくて何度もやり直しになったところがあるとのこと。
 監督「どことは言いませんけど、かみぎみのまま遣わざるを得なかったところが…」
 上山さん、そんなときにも「あっはっはっは!」とさわやかに大笑いしてから「むっちゃダメじゃないですか!」。
 監督さん「でも、まあ、なんとか…」。
 風向きがヤバくなってくると上山さん、天野さんに「どうでしたか」と振り。
 天野さん「最高でしたよ」と、よくわからない返し!
 上山さん「お寺のシーンの後なんですけど。外のシーンですよね」。
 …上山さん、それって“お寺”じゃなくて“神社”じゃあ…?
 「そういうところ、探してみてください。ひとつの楽しみとして」と、ポジティブです上山さん!

 天野さんはタレント事務所社長役でクールな役は…と問われ「難しかったですね」。
 「(クールな役は)最近ないんで、その頃もなかったですね」。
 「監督に“あやしく”みたいなこと言われて、“ああ、あやしくだ”って」
 その“あやしくだ”が、妙にすとんとあっさりしていて、おかしすぎな天野さん…

 ここで監督から天野さんのエピソード紹介。
 「天野くんは桜井裕美ちゃんの恋人役なんですけど、二人がからむシーンでちょっとそういうシーン(※注:太もものあたりに手を置くシーン)があって、なんかやりづらそうで、意外だなあと思ったんですけども」。
 …【東映公式:仮面ライダー剣−第8話紹介】の“おまけ”で、小夜子役の粟田麗さんの肩に手を回すのにも照れまくりの天野さんにしてみると、そのシーン、かなーり頑張った模様!
 天野さん「ぼくは躊躇しながら彼女に触れて」
 上山さん「ダメ出した入ったわけですね!」
 天野さん「いや、そこじゃダメなんだよ! みたいな。そうじゃダメなんだよ、みたいな。はい、すいません、みたいな」と、桜井さんに触れることにビビる天野さんにダメだしする監督と、ヨワヨワに謝る天野さんの図を再現してみせる天野さん(笑)。
 “そこじゃダメなんだよ”って、最初は躊躇しながらどこに触ってみたのか、その様子を見てみたいです!

 司会者さん「でも、今回はモデル出身の美人の女優さんに囲まれて、いい撮影現場だったじゃないですか」。
 …深い沈黙。
 監督「普段は男性が多い現場が多いんですよね」と助け舟(?)。
 司会者さん「男性がいなくてさびしいって方が強いですか」。
 天野さん「僕はそうでした」。
 そこから話が広がらず、また沈黙が流れそうなところで、上山さん出動!
 「桜井さんのオーラが(腕をちょっと広げて、女王様っぽい雰囲気で)“こんにちは”みたいな」
 上山さん、ほんとに頑張って笑いを取りに行ってます(笑)。
 「そんなオーラがあって話しづらかったんですけど、話しかけたら親身に話しかけてくれて」
 天野さんが同意してくれないので、上山さん「(桜井さんに)話しかけてないですか?」。
 天野さん「オレにはそんなオーラなかった!」。
 天野さんによると「話しかけると(ちょっと女っぽく)“ああ”みたいな」と、桜井さんをやってみせてくださる天野さんですが、あんまり状況伝わりません(というか、桜井さんが天野さんのその“桜井さんの真似”を御覧になって、どう反応されることか【笑】。)
 でも、現場を御覧になっていた上山さんにはそんな天野さんのモノマネでも状況が伝わったのか「恐縮な感じで」。天野さん「恐縮な感じで。お互い恐縮」と、どんな感じなのか、やっぱりよくわかりません(笑)。
 そこで「監督にはどうでした?」と振られた監督(前日の女優さん達のときとは違って、今日は“仲間”と化している感じの監督!【笑】)、「僕は、リハーサルで撮影の前に何回も会ってるので…あまり普段はしゃべらない人ですよね、桜井さんは。主人公のリンちゃんは元気のかたまりなんですけど…」。
 ちなみに初日の舞台挨拶では、桜井さんのお話は“リハーサルのときに監督に厳しく指導を受けた”“最初にお会いしたときは優しそうと思ったら…”という内容がメインで、今日の上山さん&天野さんと監督のフレンドリーっぷりは、その時点では想像がつきませんでした(笑)。

 そこから監督「(上山さんと天野さんは)二人はあまりからみないですよね」。
 天野さん「この二人のからみは一度もないですよね」。上山さん「ないですねー」。
 天野さん「1回、オレの後ろを通り過ぎてって。こっそり見てて、こっそりいなくなる」。
 そういうシーンもお楽しみに、とのこと。
 (そんなのも見どころにしていたら、見どころ満載過ぎ! 【笑】)




【“(30万、すごいっていえよ!)” 『Wanna be FREE!』@「100シーンの恋」】

 ここで、『Wanna be FREE! 東京ガール』は携帯サイト「100シーンの恋」の一番人気小説というお話。
 監督が「30万もダウンロードされたものです」と紹介すると、天野さん「30万です!」と、力いっぱい強調!
 で、監督が「30万はすごいですね。5万人ぐらいの会員がいるんですけど…」と話しだしているときに、天野さんが黙って聞いている上山さんの腕のあたりを、いわゆる“なんでやねん!”の手つきで、“(30万、すごいっていえよ!)”という感じで思いっきり叩き!
 ちょんちょんとつつくとかではなく、あまりにも思いっきり、ぽすっ! と叩いているので、会場からは思わず笑いが!
 (というか、『義経と弁慶』イベントなどでは林剛史さんあたりに“これを言え”と命令されて“みんなの心に、デュン!”とかをかなりイヤイヤ言わわれてたりしていた天野さん[【2005年3月31日 13:30 『義経と弁慶』完成披露試写会&握手会】]が、人に何か“いえよ!”なんてやっているのが、これまたたまらなくおかしく…)
 監督「すごいね30万!」 天野さん「30万!」 上山さん「30万ですよ! すごいですよ!」
 …どんなトリオなんですか、このお三方は!(笑)

 モデルの世界を描いているということで、メインの女優さん3人がそれぞれ『hana→chu』『JJ』『CanCan』モデルということで、普段の生活のこと、撮影のことなどを聞かれたり取材を重ねられたとのこと。
(初日のトークショーでは、衣装合わせの際など、3人とも着替えがものすごく速く、3秒ぐらいで上から下まで全部着替えていた、というエピソードが紹介されていたりしました!)




【“キャンデーなめてた” 待ち時間ばなし】

 女性陣の着替えが多く、待ち時間が多かったようで…ばなしに。
 そこでさっきのトークショーの待ち時間ばなしを思い出して会場が微妙な笑いに包まれ、上山さんも「はい」と言ったきり、どうしようか、という空気になったとき、監督が「上山くんはお弁当いっぱいたべてたよね。2人分」。
 上山さん「そんなイメージありました?」。
 「ずっと楽屋にいたりすると、やることがだんだんなくなってきて、最終的には食べることにいってしまい…」と言い訳(?)。
 取材の行き届いた司会者さん、前日の女性陣から聞いたのか「ギャグを飛ばしまくっていたという噂を聞きましたが」。
 上山さん「リンちゃんが“マナブ、面白いのやってー!”って。何、面白いことって!? と思いながら、ヘン顔とかやって…」。

 天野さんは「ぼくはあんまり、人とコミュニケーションなく…すごしました…ひとりっきりで…ほんとに…」
 沈んでいく天野さんに、上山さん「キャンディーなめてましたね」。
 天野さん「キャンディーなめてました?」 上山さん「キャン“デー”なめてましたね」 天野さん「キャン“デー”なめてた」と、よくわからない推移(笑)。
 天野さん「音楽聴いてたりとか…僕はずっと台本読んでるタイプなんで」
 でも最終的に「うそです」だったようで!
 ここで上山さん、天野さんが名刺のNGのほかに、大きくひっかかったところがありそうなことを話し出しかけ!
 でも監督さんが「まだ皆さん観てないから、あんまり言えない」と、天野さんにとっては助け船な(?)ネタばれストップ。
 天野さん「ぼく、名刺を出すシーンがあるんですけど、ぼくとても苦労したシーンなんで」
 監督「あっという間に終わっちゃいますけど…10回ぐらい撮り直して」
 上山さん「そこも、楽しみながら観てほしいですね!」と、超ポジティブ!




【“ごめん、オレそれ知らないや” 出演者の仲良しぶり】

 出演者の皆さんワイワイ仲良かった撮影だったんですか、という質問には、上山さん「まあ、天野くん以外はね」(笑)。
 司会のお姉さんまで「今言おうかと…」(笑)。
 プライベートでもメールしたりされてるそうですが…というはなしに。
 上山さん「クランクアップしたとき、ごはん食べに行こう、来週行こう、って言ってて。
 で結局、お互い都合が合わなかったりして、半年ぐらいたってます」。
 天野さん「あったかいですもんね、いま」と、常春な感じの天野さん…。
 「メールを待ちながら」とくちぐちに言うお二人「唯一現場で、番号交換した仲です」と、女の子達からはハブ状態だった気配の男子!
 上山さん「仲良かったですよね、みんな」 天野さん「仲良かったですよね」
 天野さん「みんな最後、色紙書いてたよね! 監督に」
 今でも監督、机の横に飾っていらっしゃるとのこと。
 天野さん「すごい仲いい感じで」 監督「似顔絵まで描いてもらって」
 天野さん、すごく楽しそうに「すげー似てんの、その似顔絵!」。
 上山さん「あれ、楽屋で、監督の目は誰が描いて、口は誰が描いて、ってみんなで描いたんですよ」と、さらに微笑ましいエピソードを披露。
 と、天野さん「ごめん、オレそれ知らないや」と、ハブ状態露呈!
 天野さん「オレ、できたの渡されて、名前書いて、って」。
 司会者さんは「監督はメガネが特徴的ですから…」と、先に話題を進めているのですが、監督は天野さんの仲間はずれを気にしまくって「天野くんはちょっと年齢層が高いですからね」とかなり必死なフォロー! 天野さん「…ありがとうございます」。
 上山さんが天野さんにかけた言葉「あんま気にしなくていいですよ」が、なんだかよけいに会場の笑いを誘い…(笑)。




【“うろちょろ!” 監督からお二人へのコメント】

 司会のお姉さんは天野さんの仲間はずれのことはわりとどうでもよいらしく「話を戻させていただいて」と、さくさく進行(笑)。
 ここで監督から、上山さん、天野さんについてのコメント。

 上山さんについては、演技の経験が意外とあって器用な人、薄っぺらくなりがちな“いい人”を、面白みと温かみをもって…と。
 誠実っていうのが核にあって…と、ほめていた監督ですが「本人がいい人かどうかは知りませんけどね」と、今回はオチに走り(笑)。
 上山さん「いい人って言っといてくださいよ!」。

 天野さんについては「若い出演者が多かったメインの中では最年長で映画を締めてくれて」。
 そして今回新たに「ダークな、暗い場面で出てくるんですよね。シルエットになってたり、よく見えなかったり、ガラスのうしろでうろちょろしてたり」。
 天野さん「うろちょろ!」。
 監督、“うろちょろ”という語感とは矛盾するような「渋い…かっこいい」。ほんとですか(笑)。
 さらに「いつも“甘い”のが、今回は“ワル”。正義の味方っていうよりも“ワル”」と監督
 上山さん「普段観れない天野くんが観れるんですよ」と、セールストーク!
 (上山さんにかかると、何もかもが映画のみどころに!【笑】)
 司会のお姉さん「皆さん、ちょろちょろちょいワルな石田社長をお楽しみに!」。




【“渋谷駅まで、おっきい声で…” 最後のひとこと】

 最後に皆さんへのメッセージ
 上山さん「常にまわりには誰かがいる、というメッセージもこめてマナブを演じていますので、そういうところもぜひ観てください。90分楽しんで観て下さい」と、確かなメッセージのある立派な御挨拶。
 天野さん「映画のほうも30万人ぐらい観てもらえたらと思いますので、面白いと思ったら周りの方に伝えていただいて、渋谷駅まで『ワナビーフリー、おもしろかったよー!』っておっきい声で言いながら歩いて…」
 天野さんの無茶なセールス要求に上山さんもノって「知ってるー? みたいな」。
 天野さん「ね! …そういうことを、よろしくお願いします!」
 とお願いしちゃってから「なんだこれ…」と我に返って自己突っ込みをする天野さん…(笑)
 そんなグダグダな天野さんに司会のお姉さん「お疲れ様でしたー!」。
 上山さん「もうええよって言われてるよ!」
 天野さん「すいません、いろいろお願いします!」
 監督からは「人を励ませるような映画を作れたなあって思って。楽しんでいってください」と。


 天野さんに言われたからというわけではないですが(笑)、作品のオススメ。
 監督が初日の御挨拶のなかで“日頃携帯サイトで、みんなが携帯でどれだけつながりを求めているか感じているので”と語っていらしたこの作品、天野さんの出演作の中でも、90分の映画を映画を集中して観られるぐらいオトナになってきたお子さんと一緒に御覧になるのに最も適したものでは! と思える作品。
(伊藤洋三郎さん演じるお父さんの親心が、またすごくいいんです!)
 興行的にある程度成功(メイキングなども準備されているDVDがちゃんと出るぐらいには!【笑】)するだけではなくて、本来対象層や、何年か後に主人公達の気持ちがわかるようになる層に観てほしいなあ…と思いますので、夏休みの思い出に、お子さんと一緒に観てみようかな、と思われました皆様、ぜひ!








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