ドラマ30
 
デザイナー
 
EPISODE 7



Staff & OA
脚本 ◆ 松田裕子  監督 ◆ 皆元洋之助(東通企画)
その他のスタッフ ◆ Data Page
放送日時 ◆ 2005年10月11日 13:30〜14:00

公式サイト:【MBS:ドラマ30『デザイナー』公式サイト】


Cast
亜美:松本莉緒  結城朱鷺:塩谷 瞬  土屋 明:天野浩成
葉山ありさ:国本 綾  柾:丸山智己
濱田佳菜(榊原貴子)  出口結美子(水木奈緒子)
川原田 樹(水島健)  田中佐輝子(横山光恵)  藤田 瞳(杏子)  山田真由子(美希)
多々納 斉(医師)  茂中瑛子(レポーター)  ノイエ  キャストプラン
青石雅也:乃木涼介  鳳 麗香:国生さゆり

※(  )内はクレジットに表示されない役名・役どころ


Story
 事故を起こした亜美(松本莉緒)は、一命は取り留め、病院のベッドの上で目を覚ます。
 ベッドの傍らでは、明(天野浩成)とありさ(国本綾)が、亜美を心配そうに見守っていた。
 私、どうしたの、という亜美に、明は優しく、事故に遭ったんだよと答える。
 身体中が痛いわ、という亜美に、打ち身だらけで、1ヶ月は入院が必要だって、と明。この足も? という亜美に、大丈夫だよ、しばらくすれば、歩けるようになるよ、1ヶ月ぐらいのがまん、どうってことないだろ、と言う。ありさも、助かったのが奇跡的だって、お医者様も驚いていたぐらいなんですから、と、明るく告げる。
 亜美は穏やかな笑顔で、悪運だけは強いようね、とつぶやく。
 何か飲む? と、明は、かいがいしく亜美の面倒をみようとする。

 しかし本当は、明とありさは、医師から亜美の足にはごく軽い障害が残ること、ショーモデルの仕事は難しいかもしれないと告げられていたのだった。
 看護師さんを呼んでくる、と病室を出たありさは、どうして…と泣き崩れる。

 亜美に水を飲ませながら、何か必要なものがあるか、と尋ねる明。
 亜美は、ショーの写真が見たいという。
 明は優しい笑顔を浮かべて、明日もってくるよ、と約束する。
 亜美の表情は、このときはとても穏やかだった。

 麗香(国生さゆり)は亜美が事故に遭い、相当な怪我を負ったらしいとスタッフ達から聞く。
 亜美が入院している病院を調べるよういいつける麗香は、亜美の告訴はやめると言い出す。
 亜美を許してしまうのか、という貴子(濱田佳菜)に、麗香は、まさか、私に刃向かった罪は、きちんとつぐなってもらうわ、モデル亜美、私が息の根を止めてあげてよ、といって高笑いする。

 明とありさは、二人でバーのカウンターにいた。
 亜美に、なんて言えばいいんだよ、という明。
 モデルは続けてくれますよね、ショーモデルが無理でも、スチールだったら、というありさの言葉を、スチールだけじゃトップモデルにはなれない、トップ以外はありえない、あいつはそういう女だ、と否定する明。
 あいつにほんとのことを知られるのが怖いよ、と、明はグラスをあおる。
 亜美さんに憧れている女の子が日本中にいます、みんな亜美さんが着ている服をほしがって、髪型をまねして、あたしだって亜美さんに憧れてモデルになって…なのにどうして、どうして亜美さんなんですか、あたしならよかったのに…かわってあげたい…と泣くありさ。
 そんなありさを見て、明は、ますますつらそうな表情でうつむく。

 病室で亜美がショーの写真を見ているところに、麗香が乗り込んできた。
 麗香はスタッフの貴子と水島(川原田 樹)だけでなく、テレビのレポーターまで引き連れてきていた。
 帰ってほしい、という亜美に麗香は、こんなことはしたくなかったが、ショーの後亜美が麗香を刺そうとしたといううわさが流れているので、あなたのためにも、などと言う。
 そしてカメラの前で、芝居がかった様子でデザイナーとモデルは信頼関係にあり、そんなことはあるはずはない、といい、亜美に、自分のコレクションの帰りにこんなことになってごめんなさい、などと言ってみせる。

 フォトスタジオでは、明がありさ達の撮影をしていた。
 事故に遭った亜美のことを、亜美を快く思っていなかったモデル達は、お姫様気取りだったのでバチが当たったのよ、などと噂する。
 そのとき、スタジオのテレビに、亜美の病室の映像が流れる。
 テレビの前に駆け寄る明とありさ。

 生中継のカメラの前で、麗香は、亜美の足が元に戻らないことを告げる。
 ショーモデルは無理でも、モデルは続けていくわよね、スチールモデルとして、うちの専属モデルにならない、などといってみせる麗香に、亜美は、カメラに向かって、自分はモデルを引退すると宣言する。

 スタジオでその瞬間を見た明とありさ。
 ありさは両手で顔を覆い、明は顔色を変えてうつむく。

 雑誌「イフ」編集部では、青石がその映像を見ていた。
 モデル・亜美の突然の引退宣言に、騒然となる編集部の中で、青石は亜美を案じていた。
 
 朱鷺は車の中のテレビでそれを見ていた。

 どうしてあんなこと、テレビカメラの前であんな風に、と、つぶやくありさ。
 あの女、亜美のプライドをズタズタにしやがった、こんなかたちで、と、明は深い怒りを露にする。

 亜美の病院から引き上げながら、亜美はモデルとしてのプライドが全てだったのよ、モデルとしての生命を失うことは、生きながら死んでいるようなもの、と、勝ち誇ったように言う麗香。
 亜美が逆恨みをするのでは、という水島に麗香は、亜美はファション界を去った人間、私とはもう住む世界が違う、もう二度と顔を合わせることはない、せいぜい過去の栄光をひきずって、生き続けるといいんだわ、と言い切る。

 麗香が去った病室で、亜美は麗香からの花や果物を払い落とそうとして、ベッドから落ちてしまうが、思うようにベッドに戻ることもできない。
 あのドレスを着た写真を見て、亜美は、もう戻れない…二度と、あの場所には…とつぶやく。
 そこに朱鷺が現れ、初めて会ったときに言った、亜美が朱鷺を必要とする時が来たようだ、という。
 あなたの望みをかなえてあげます、という朱鷺に、この足を元に戻して、事故の前の私に戻してよ、トップモデルとして、ステージに上がらせなさいよ、と迫る。
 朱鷺は、自分には魔法は使えないが、未来だったら変えることはできる、自分を信じて全てをあずけてみないか、と手を差し出す。


Check! −天野さん明くんみどころ−
 「亜美」と真っ先によびかける、小さな、ちょっと心細そうな声。
 亜美ちゃんが「明、ありさ」と応えたときの、口元でちょっと笑みのかたちをつくってみせる明の、目元の隠れた横顔は、泣きそうにも見え。
 目元を隠している髪の影で、なんどもまばたきしているところも、泣きそうモード!

 「何も、おぼえてないのか?」という、そうっとした声。
 「事故に遭ったんだよ」になると、ちょっとだけ声がしっかりしただけに、最初の声のよるべなさが、なんともはかなげ。

 「身体中が痛いわ」という亜美ちゃんへの「打ち身だらけで、1ヶ月は入院が必要だって」の「うちみだらけで」、一音一音発音しているような微妙におぼつかないあどけなさが、幼馴染じみ(明くんのほうが年下)のような雰囲気を。

 「この足も?」と核心を突かれて、ちょっと困ったようにうつむきつつも頑張って笑って、明るい強い声を作って「大丈夫だよ。しばらくすれば、歩けるようになる」という明くん。
 一番突かれたくないところを突かれたとき、一番笑顔になって、明るい声を出すところが、明くんってそういう人なんだなあ、と思わせてくれるシーン。

 「1ヶ月ぐらいのがまん、どうってことないだろ」という明くん。
 笑みをのかたち作る口許も、ほんとに微かに泣きそうモードが入り、前髪で隠れた目許は、かなり泣きそうモードなのが、天野さん、泣きそう顔は得意? と思わせる出来栄え。。

 ありさが「私、看護師さんに報告してきます」と言い出しても、しばらくは反応しないで、じーっと亜美ちゃんを見つめている明くん。
 最後の「ああ、頼むね」で、ようやくありさちゃんには大人っぽい明くんが。

 「何か、飲むか?」と亜美ちゃんに尋ねる明くん、ほんとうに優しそう。
 水を頼まれて、「ああ」といって、揃えていた膝の上に一瞬手を置いて立ち上がるしぐさ、たおやか!
 水差しとふきんを両手で握りしめて、複雑な表情を浮かべるところ、やさしげな手つきが、やまとなでしこ。

 亜美ちゃんにお水をあげた水差しをふきんで包んで両手で握り締めるしぐさがまた、やさしげ。
 そのしぐさで、笑顔になって、そうっとした声で「何か必要なものあるか?」などと言ってる姿、けなげすぎ。

 「写真がみたいわ」と言われて「え?」と首をかしげて、亜美ちゃんをみつめる明くん。
 正面から見たら、とてつもなくカワイイのでは…。

 ショーの写真、できてるわよね、と言われて、また微妙に泣きそう笑顔で「ああ。明日、もってくるよ」とささやくような声で約束する明くん。
 「明日、もってくるよ」の笑顔、すっごくキレイ。

 戻ってきたありさちゃんを振り返って見る明くんの、身体をかしげてありさちゃんを見上げるしぐさ、意味なく可愛すぎ(笑)。
 看護師さん、すぐ来てくれるそうです、なんていう別にどうということもない知らせでにっこり。続く亜美ちゃんの笑顔も、明くんのにっこりにつられたっぽいぐらいの勢い(笑)。

 バーのカウンターでありさちゃんと並んでの「亜美に、なんて言えばいいんだよ」は、完璧泣きそう声。
 「スチールだけじゃ!」は強い口調になったものの「トップモデルとはいえない…」では、またしぼるような泣きそう声に。
 「トップ以外はありえない。亜美はそういう女だ」では、ちょっと大人声?
 「あいつが本当のことを知るのが…こわいよ」は、繊細な感じ。

 グラスをあおって、カウンターに叩きつけるように置くしぐさ。
 酒飲み演技、天野さん、かなり得意そうです!
 (『みのもんたのトゥルーストーリー「ロマンスに恋した女」』の酒乱の二郎さんといい、劇場版『仮面ライダー剣 MISSING ACE』エンディングの、天音ちゃんお誕生日パーティーでの酔っ払いぶりといい!)

 「あたしならよかったのに」というありさの言葉に、顔をあげて一瞬ありさをつらそうに見て、すぐに目を伏せてしまう明くん。
 その後のうつむき顔は、亜美ちゃんの分も、ありさの悲しみの分も、両方分つらくなっている感じ。

 そんなときでも、仕事のときはにこやかな笑顔で「ラストいくよ」と優しい声でモデル達に声をかける明くん。
 でも、声が、ほんのちょっとだけ沈みがちという、見事な微調節。
 「はい! オッケー」も、ほんのちょっとだけテンション低め感。
 第一話で思いっきりテンション高いところを見せておいたのが、今になってきいてます。

 アシスタントさん達に「セットかえといて」とかける声、大人っぽく。
 こういうちょっとした声、貴重感。

 亜美の事故を、いい気味だわ、などと言っているモデル達を見る、表情は大きく動かさないまま、怒りをたたえて暗い目。
 すぐにありさと顔を見合わせるところに、二人の絆。

 テレビに映った亜美を見た瞬間の、驚きの表情。
 駆け寄ってテーブルに手を突く動きの躍動感。

 亜美の引退宣言を見てしまった瞬間の、ぼうぜんとした表情での二段うつむき。
 “顔色が変わった”という表情で、目を左右に揺らしての一段目、深くうつむいた二段目と、凝ってます。

 魂が抜けたような動きでふらふらとありさに近寄っての「あの女、亜美のプライドをズタズタにしやがった! こんなかたちで…」。
 …音量的には無声音になりかけぐらいの静かな声、思いっきり、ドスがきいてます!
 まさかあの明くんがこんな声を出すとは思いも寄らなかったので、びっくり!
 若手俳優さんであんまり出される方のいないこの声、使いどころを正しくし続けられれば、天野さんの秘密兵器として、大いなる力を発揮するかも。












Last update :
29th November 2005













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亜美を深く理解し、大切にする友達でも。
 第7話は、前半ではあの衝撃的な事故からは想像できなかったほどの静かで優しい悲しみが描かれていたことで、後半の麗香の報復の激しさが、よりすさまじいものに感じられました。
 麗香のしたことは、人としてしてはいけないことなのでは、と思う一方で、ここまで自分に敵対するものは徹底的に叩き潰さないと、麗香は子供を売らなければならないような境遇から、トップデザイナーの座にまでのぼりつめることはできなかったのかもしれない、とも考えました。生きるために盗みでも何でもしてきた、という亜美の姿とどこか似ていて、なんとも悲しく思えました。

 モデルとしての道を絶たれた亜美のことを悲しむ明とありさの姿には、深い優しさと、それ以上のいろいろなものを感じました。
 事故にあったのが自分だったらよかったのに、と涙するありさの、亜美さんに憧れている女の子が大勢いる、亜美さんの着る服を着たいと思い、亜美さんの髪型を真似して…というありさの言葉は、亜美を見下ろして同情するのでなく、亜美が何よりも大切にしてきたモデルの仕事のすばらしさを、ありさらしい言葉で素直に称えるもので、誇り高い亜美を、無意識のうちに、最大限尊重した言葉のように思えます。
 そして、病室の亜美に、ほんとうに優しい、穏やかな声で語りかけていた明。亜美に意地悪をしたモデル達にも態度を変えず朗らかに声をかけていた、明るく優しい明が、麗香が亜美にした仕打ちを見たときの声には、あの明の奥底にこんなに激しい怒りの感情を生む場所があったのかと、驚きました。亜美が大切にしていたものを、おそらく亜美のモデル人生のほとんどの時間、誰よりも身近にいて理解していたのは、明だったのだということも、改めて痛感しました。
 これだけ亜美のことを理解し、大切にしている友達も、亜美の悲劇を止めることはできないのかと思うと…
(2005年 10/12(水)13時19分)


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