秘書のカガミ

Episode 1 Story

ヒショヒショばなし(1)
「秘書の加賀見は女のカガミ」
ストーリー

Story
派遣会社・ケンハー秘書派遣の“特派課”とは、実は総理大臣直下の内閣調査室の密命で、日本の経済成長に悪影響を及ぼす病んだ企業に潜入し、内側から企業再生を計るという特殊任務を派遣秘書に託す“特殊派遣課”である。
しかし、特派課所属の加賀見優(安めぐみ)は、その事実を未だ知らずにいた。

優はいつものように失恋し、泣きながら辛いものを食べて自分を慰めていた。
「次こそ必ず、運命の人と、めぐりあえるはず!」
そのとき、優の携帯に、ケンハー秘書派遣からの着信がくる。

ケンハー秘書派遣の事務所に赴いた優は、社長の熊田(梶原善)に、一週間で前の派遣先を勝手にやめたことをとがめられると、せっかく運命の人だと思っていた相手が、電車の中で自分のおしりを触ってきたとを訴える。
また運命の人か、と熊田はあきれ、派遣先には仕事に行くもんだ、男捜しなら結婚相談所に行け、というが、優はものすごい剣幕で、自然に巡り会うから運命の人、条件を入力して選んだ人なんて“運命の人”じゃなくて“条件の人”、と反論する。
マッシュルームカットの冴えない特派課長・鮫島も、クライアントからもクレームも来ていないし…と、冴えない口調で優に加勢し、優に次の派遣先、スターモーター株式会社を提示する。

スターモーター株式会社は、家電売り上げ国内3位を誇るスター電工の子会社で、デジタル家電やPC、携帯電話など、スター電工の商品に使われる小型精密モーターを作っている会社。
ということは、従業員は理系、ということは、私の運命の人は理系だったのね! と、初出勤の途上、盛り上がる優。

優がさっそく白川社長の前で、その有能さの片鱗をみせているとき、スターモーターの社長・白川の写真を切り刻み「オレがじきじきにおまえをつぶしてやるからな…」とつぶやいていた男がいた…

社長がいい人でよかった、でも私の運命の理系の人は、いつ現れるのかしら…
とつぶやき、お茶を入れて社長室に戻ろうとした優は、廊下で若い男性とぶつかる。
彼のイケメンぶりに、優は心をときめかせ「ついに出会えたわ! 私の運命の人!」と、思わずつぶやいてしまう。
が、ぶつかった相手は「あれ! ない!」と、床の上を探し回り始める。
「もしかして、これ…」と優が差し出した小さなものが、彼の捜し物だった。
ずいぶん小さな部品ですね、という優に、部品じゃありません、超小型の振動モーターです、わかりやすく言うと、携帯電話の、バイブレーター機能とかに使う機械です、でもこれは試作品で、テストの結果問題点が発生した不良品なんです…と彼は言う。
けど、こいつが完成すれば、世界最小の規格になるんです、だからそうなれば、このスターモーターは、世界有数の、モーター製造会社になれるんです、と、うれしそうに語る彼。
優が「すごい」と感動すると、彼はあわてて「あ、いや、僕は、じゃあ!」と、あわてて走り去ってしまう。
そんな彼を呼び止め、優は社長秘書として派遣された加賀見優だと名乗り、彼が開発部主任の池目(天野浩成)だと聞き出す。
「開発部主任、池目さん。素敵な人! スターモーターに派遣されてよかった! ほんとによかった!」と優。

その優の言葉を、ケンハー秘書派遣のオフィスで、熊田と鮫島が盗聴していた。
鮫島は、優の前で見せたおどおどした態度ではなかった。
マッシュルームカットのかつらも脱ぎ去った鮫島は、池目が言っていた超小型振動モーターの開発をめぐって、親会社のスター電工に不穏な動きがあるのだと熊田に告げる。
まさか、親会社がスジ者を使って、子会社に危害を加えるのでは…と、特派課の本当の仕事について全く知らない優を心配する熊田に、本当のことを知らせないのは彼女の身を案じてのこと、と鮫島は言う。
確かに、正義感の強い優は本当のことを知ったら自ら危険に首を突っ込んでいく、この特派課が特別派遣課ではなく、内閣調査室直属の機関、この国の経済を陰から支えるための特殊派遣課だということは二人だけの秘密だとわかっている、だがあなたは加賀見を使いすぎなのでは…という熊田に、民間人に指示を受ける筋合いはない、私は内閣総理大臣直々の命を受け、内閣府調査室から出向してきているんですからね、と、熊田を威嚇する。

社員食堂で優と昼食を取っていた白川社長は、池目を呼び止め、一緒に食べないかと誘う。
池目が席について食べ始めると、優の携帯に着信があり、彼氏からの連絡じゃないの、という白川社長に、それは朝・昼・夕方の3回送られてくる契約のニュース配信だと説明し、最新のニュースを把握しておくのも秘書の大切なつとめですから、と優。
加賀見さんは仕事熱心なんですね、と感心する池目に、何でも一生懸命じゃないと、女ひとりでは生きていけませんから、と言った優は、そう、ひとりでなんて…と、熱い視線で池目をみつめる。
そのとき、食事をしているスターモーターの社員に起立を強制する秘書の菊川いずみを伴って、親会社・スター電工の黒田社長がやってくる。
いずみの失礼を指摘し、自分は社長秘書として派遣された…と言いかける優に、子会社の派遣秘書風情が親会社の社長秘書であるこの菊川いずみ様になれなれし口をきくんじゃないわよ、と、毒づくいずみ。
社長のくせして社食で昼飯か、生涯一技術者を気取って社員の心をつかもうってわけか、と、白川社長にからむこの黒田社長こそ、白川社長の写真を切り刻んでいた男だった。
丁重に礼を尽くし、今日はスター電工の社長自らどうしてこちらへ、と尋ねる白川社長に、黒田は、スター電工と幾河電工がともに互いの子会社を清算し、新たなモーター子会社を設立することに決定した、と、スターモーターをつぶす旨の宣言をする。
社員はどうなるんだ、という白川に、私の腹一つだ、と黒田。
優は社員達に、落ち込むことはない、スターモーターには開発中の超小型モーターがある、と奮起を促す。
池目も、世界最小の画期的超小型モーターさえ完成すれば…と白川に言い募り、白川も、それだけの技術力のある子会社をつぶしたとあれば、黒田も批判は免れないだろうと黒田に迫る。が、そんなリスクを冒して失敗したらどうなる、親会社の意向を無視した無駄な開発というだけでも清算されるに十分な理由だと言い張る。
そんな黒田に優は、スターモーターは白川社長の就任以来業績も順調に上がっているのに…と言うが、清算は決定したことだ、と黒田は言い、新会社に行きたい者は超小型モーターの開発には関わらず、真面目に業務をこなすように、そうすれば白川以外は全員新会社で雇ってやってもいい、と、社員を開発から引き離すようなことを宣言をすると、高笑いして去っていく。

それを盗聴していた鮫島は口にする。
「我々も動かざるを得ませんね」
鮫島は、米国サイクロンモーター社専務・ジョンソン氏来日を報じる新聞記事を手に取った。

おでんの屋台で優と飲みながら白川社長は、黒田社長とは同期入社で、取締役になったのも同時期だったが、自分は権力闘争に負け子会社のスターモーターに飛ばされた、と話す。
男の嫉妬って言うんでしょうか、黒田社長は、未だに白川社長が自分の地位を脅かすんじゃないかと思ってるんでしょうね、という優に、黒田は昔からそうだった、という白川社長。
このままあきらめるつもりですか、超小型振動モーターの開発に成功すれば…という優に、たとえ開発に成功したとしても黒田はあらゆる手を使って自分を追い払おうとするだろう、黒田はスター電工の筆頭株主である関東銀行の頭取と個人的な太いパイプを持っている、頭取の前では猫をかぶっているのだろうが、絶対的な信頼があるんだ、と、どうにもならない状況について話す。

サイクロンモーター社の専務秘書、マリアン・マングローブがホテルでシャワーを浴びていると、部屋のチャイムが鳴り、ルームサービスだと言ってドアを開けさせた覆面全身タイツの暴漢達が部屋に押し入ってくる。
そこに、一人のボーイが現れ、華麗な空手技で暴漢達を駆逐する。
怖いわ、そばにいて、というマリアンに、私はただのホテルマン…と、帽子を脱いだボーイは、鮫島だった。
覆面全身タイツの暴漢達も、熊田と熊田が雇ったアルバイトだったのだ。
鮫島はマリアンとベッドを共にし、サイクロンモーターが開発中のモーターは1ヵ月以内には完成することを聞き出していた。

スターモータースの屋上で優と二人きりになると、池目は、もしかしたら加賀見さんも僕と同じ気持ちなのかな、と切り出す。
このままおとなしく黒田の言うことを聞いて、白川社長一人を僕達社員のために犠牲にしたくはない、って。
優はうなずき、超小型振動モーターの開発が成功して、それが白川社長の功績になれば、新会社の社長に就任できるはず、そうなれば、社員全員の雇用だって…と言う。
なんか、同じ気持ちの人がいてくれると思ったら安心して、急におなかがへってきちゃいました! と言い出す池目に、優は手作りのサンドイッチのお弁当を差し出す。 「こんなにおいしいものが食べられるなんて、加賀見さんと結婚できる人は、幸せですね」という池目の“結婚”という言葉に優は舞い上がり、毎日作ってきます、もちろん、料理だけじゃなくて、私にできることがあれば何でも言ってください、私、池目さんの力になりたいんです、と宣言する。
必ず超小型振動モーターを完成させましょう、池目さんならできるはずです、という優の言葉を聞いた池目に「加賀見さんは女性の鑑のような人だ、加賀見さんに言われると本当にできそうな気がしてきます、料理がうまいだけじゃなくて、男をやる気にさせてくれる何かがあるんですね、本当に、理想の女性です」と言われ、優は喜ぶ。

帰宅し、入浴する間も優は、加賀見優は女のカガミ、結婚したら幸せなんて、もう遠回しのプロポーズよね! と、池目の言葉を思い返しては幸せにひたる。
そして、明日は池目のために手の込んだ弁当を作ろう、と張り切る。

ケンハー秘書派遣に、鮫島が2日ぶりに姿を現す。
心配していたんですよ、という熊田に、鮫島は、ずっと寝かせてもらえませんでした…と息絶え絶えといった様子。

優は屋上で、重箱にぎっしりのおにぎりとおかずの豪華な弁当を池目に差しだす。
朝からこんなには食べられないよ…といいかけた池目だったが、優を気遣って、全部食べるよ! と言い出す。
そんな無理しないで! いや食べるよ! と二人がやっていたとき、優の携帯メールに着信が。
それは、米サイクロンモーター社が画期的な超小型モーターを開発中で、完成までにあと1ヵ月もかからない、という、鮫島からのニュース配信だった。
池目が開発中のものと同じ企画、先に開発されたらこれまでの苦労が水の泡…という池目に、だったら先に完成させれば、と優。
1ヵ月以内に完成なんて無理ですよ、僕一人じゃ…と沈む池目に、一人では無理でも…と優。
池目は、皆の協力を得ればいいのだと気づき、やる気を起こす。

2日間アメリカ人秘書とベッドの上での日米決戦を繰り広げ、携帯ニュースを配信した鮫島は、机に突っ伏して果てていた。

池目は他の研究者達に、新しい会社に白川社長がいなくてもいいのか、超小型振動モーターの開発に成功したら白川社長が新会社の社長に就任できるかはわからないが、やってみる価値はある、と、強く訴える。
池目の熱意は、研究者達の技術力に対する意地と誇りに火をつけ、それから皆での、夜を徹しての開発が始まった。
そんな社員達を夜食づくり等で支えながら、優は、ある人物に連絡をとっていた。

2週間後、サイクロンモーターズよりも先に超小型モーターが完成し、白川社長はすぐに記者会見を開こうとする。
そこに、黒田社長が、記者会見など開かせない、と乗り込んでくる。
彼等が開発に全力を注いだため、スター電工のモーター在庫が底をついた、これは社長の責任だ、といって黒田社長は、白川社長をこの場で解任すると宣言する。
優は、取締役は株主総会の決議でしか解任されないという会社法339条を持ち出し、黒田社長の一存で白川社長を解任することはできないと指摘する。反論できない黒田は、女の分際でなんだ、女は自分の秘書のいずみのように頭は悪くてもボインが一番なんだ、と逆上する。
とにかく僕達の勝ちです、記者会見はさせていただきます、という池目のことまで、頭に血がのぼった黒田社長が殴ろうとしたとき。
その拳を止めたのは、優だった。
優は黒田社長の腕をねじりあげて突き飛ばし、タンカを切る。
「秘書の加賀美は、女のカガミ」
その若造じゃなくてお前を殴れってことか、と優に殴りかかろうとした黒田社長だったが、優の華麗な回し蹴りで吹っ飛ばされる。
「私の運命には、触れさせない!」
池目達一同が驚いているところに、スター電工の筆頭株主・関東銀行の三島頭取が入ってくる。
加賀見くんは相変わらずだねえ、という三島頭取は、優には昔自分の秘書をしてもらっていたのだという。
三島頭取は、黒田社長に向かって、君の話は聞かせてもらった、君を社長に推したのは私だが、どうやら私には人を見る目がなかったようだ、副社長に君の解任動議を出すように言った、そうしないとスター電工の融資を打ち切ると…と、引導を渡す。
これでいいかね、加賀見くん、と優を振り返った三島頭取に、ありがとうございます、と、優は頭を下げる。

これでスターモーターには世界中から巨額の特許使用料が入ってくるでしょう、開発が遅れてみすみすその特許使用料がアメリカに流れてしまう最悪の事態は防げました、と鮫島。
その特許使用料で日本の税収もアップ、というのが今回の派遣目的だったわけですか、と訪ねる熊田に、加賀見くんをスターモーターに派遣しておけば、必ずその正義感が黒田に反発し、従業員達の意欲を高めてくれると信じていたのです、と答える鮫島。

会社の敷地内を優、池目を左右に連れて歩きながら、白川社長は、全て君のおかげだよ、本当にありがとう、と、優に感謝の言葉を述べる。
でも、あの回し蹴りにはちょっと驚かされたよな、と、池目に笑いかける白川社長に、そのことはもう言わないでください、と優。
そのお礼ってわけじゃないんだが、君もぜひ結婚式に出席してもらえないかな、と、白川社長は、自分の娘と池目の結婚式に優を招待しようとする。
ぼうぜんとする優をよそに、今までは娘婿としてはちょっと頼りないかなあと思ってたんだけど、今回の一件で池目くんを見直すことができた、と満足げな白川社長。
泣きそうな優の隣で、今は池目くんに娘を任せると、心からそう思っている、と池目に信頼のまなざしを向ける白川社長に、ありがとうございます! 必ず娘さんを幸せにします、と深々とおじぎをする池目。 頼むぞ、よろしくお願いします、と、固い握手を交わしながら歩き出す二人に取り残され、優は「誰か嘘だと言って…今度こそ運命の人だと思ってたのに!」と、その場にしゃがみこんでしまう。

その頃、ケンハー秘書派遣では、鮫島が熊田に、優の次の派遣先が決まったので、至急呼び戻すようにと指示を出していた。

優はまた、辛いものを食べながら憂さをはらす。
「相手がいるなら、首から売約済の札をぶらさげてなさいよ!
今度こそ、今度こそ、運命の人とめぐりあって、幸せになってやるんだからー!!」

Check! −天野さん池目くんみどころ−

廊下でぶつかった加賀見さんを、ソシアルダンスを踊るように抱き寄せる池目くん。
でもその動きがちっともキザったらしくなく、どんくさいぐらいの可愛らしさにあふれているのが、味。

ない、ない! と、落とした超小型振動モーターを探して床を這い回る池目くん。
古典的なギャグマンガで、メガネをなくした人が、メガネ、メガネ…と探し回るさまを実写化したような、コミカル映像。
こんな池目くんを、何の疑問もなく“素敵な運命の人!”と盛り上がっている加賀見さんのキャラも立ちまくりな、ナイス演出。

モーターのことを「ああああ、わかりやすく言うと、携帯電話のバイブレーター機能なんかに使う機械です」などと、うれしそぉ〜うに説明する天野さん池目くん。
「こいつが完成すれば、世界最小の規格になるんです。そうなればこのスターモーターは、世界有数のモーター製造会社になれるんです」というにっこにこの笑顔は最高。
すごい…と感動する加賀見さんに視線をやる表情も、ものすごくキレイ!

そのきれいな表情の直後「ああっ、じゃあ、僕は!」と、イミフメイにあわてて、どんくさく直角なおじぎをしてばたばたと去っていく…という、かっこよさ・きれいさとどんくささがくるくる変わる池目くん。
加賀見さんに呼び止められて、ばたばた戻ってきての「はい」のヨワヨワ感がまたたまらなく!

社員食堂で席につくと、スプーンを持ったまま手を合わせて、いただきますをする池目くん。
横わたしのスプーンが突き出た状態で手を合わせるしぐさ、小さいコドモみたいでカワイイ!
カレーのスプーンを縦にして、ぱくっ、と食べる食べ方も独特。

携帯でニュース配信を受けている、という加賀見さんの話を聞いて、目をぱちくりさせる池目くん。
加賀見さんって、仕事熱心なんですね、という感心のしかたも、とても素朴で素直な感じ。

明朗な口調での「もしかしたら加賀見さんも僕と同じ気持ちなのかな。このままおとなしく黒田の言うことを聞いて、白川社長一人を僕達社員のために犠牲にしたくはない、って」。
ヨワヨワ感モードのときよりぐっと男らしい口調ながら、ちょっとコドモっぽさも混ざっているあたりが、愛嬌たっぷり。

「なんか、同じ気持ちの人がいてくれると思ったら安心して、急におなかがへってきちゃいました!」という池目くん。
いくらなんでも、そこで“急におなかがへってきちゃいました”は唐突! なセリフながら、満面の笑みの天野さんのキャラにはぴったりすぎるセリフ!
両手を前に組んでそんなことを言い出す天野さん池目くん、可愛すぎ!(もはや“イケメン”カテゴリからはハズれてくるんじゃあ…)

加賀見優にお弁当を差し出されての小さな「えっ?」は、不意打ち的にムボウビ!
安めぐみさんのほんわかムードで、その威力がやや減殺され気味でも、すごい衝撃!

ひざに手をおいておじぎをしての「いただきます」から、サンドイッチを食べての「おいしい!」まで、この話の本筋とは基本的にカンケイナイはずの“食べる”シーンの天野さん池目くんはポイント高(社員食堂での“いただきます”も含め!)。
「こんなにおいしいものが食べられるなんて、加賀見さんと結婚できる人は、幸せですね」のセリフ、加賀見さんは“結婚”の言葉に反応して舞い上がっているものの、天野さん池目くんを観察すると、シンプルに食べ物に夢中な雰囲気が出ていて、奥が深いシーン。

必ず超小型振動モーターを完成させましょう、池目さんならできるはずです、という加賀見さんに言われての池目さん。
何か悪いことを言っちゃった? と一瞬思わせるほど、少しかげりのある風情でうつむいて、深い響きのスウィートボイスで「加賀見さんは女性の鑑のような人だ」とつぶやいた後、笑顔で立ち上がって元気を出したちょっとコドモっぽいぐらいの声で「加賀見さんに言われると本当にできそうな気がしてきます」と言うあたり、そのギャップを使った語り口はかなりの揺さぶり感あふれる、高等テクニック!(意識してやっていればの話)
さっきまで“おなかすいちゃいました”とか言い出して、食べモノに夢中だった人が唐突にこんな高等テクニックを繰り出すという、わけわかんなさが天野さん池目くんの魅力!
その後に続く「料理がうまいだけじゃなくて、男をやる気にさせてくれる何かがあるんですね、本当に、理想の女性です」も、前半はやや深いトーンの声、後半は無邪気系の声と、やや幅の小さい揺らぎを繰り返す池目くんに、恋愛オンチな加賀見さんがすっかりまいっちゃうのも無理なし!

牧歌的天野浩成さん情報映像>秘書のカガミ