少年サスペンス
謎の男子転校生



中編(Part 2)
(1998年9月17日放映)

■ 出演 ■
加藤俵太:天野浩成  佐伯勝:大柴邦彦  桜井有子:浅川ちひろ  ヤスエ:西田ももこ
田宮博之:安達哲朗  志村浩代:鈴木理恵  青山恵津子:実田江利花
長谷川修一:坪井森司  増田剛:坂本裕史  小池春雄:堀江慶  ほか



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 木板に立派な筆文字の「有限会社 加藤俵太」の看板が出たマンションの部屋。
 入ってきた浩代ちゃんと恵津子ちゃん。
 見回すがらんとした部屋の中は、観葉植物などはあるものの、床に直接ファックスが置いてあるような状態。
「いいじゃんいいじゃん!」「なんか会社、っていうよりおしゃれなオフィスって感じだよね」と、女の子二人、絶賛!
ドアノブが動くと恵津子ちゃん、楽しそぉーうに「わが社の社長がお帰りかも」。
でも「こんにちはー!」と登場したのは、ヤスエさん。
浩代ちゃんに「浩代ちゃん?」恵津子ちゃんに「恵津子ちゃん?」と確認して、「ごめんねー、家具とかまだ片づいてないけど」というヤスエさん。
「いえ、あの」と言いかける恵津子ちゃんを制してヤスエさん「今、お茶淹れるから、待ってて!」
顔を見合わせる浩代ちゃん、恵津子ちゃん。


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 ティーカップに注がれる紅茶を真上から映した映像。
 「そうだ、撮影どうだったー?」とキッチンからたずねるヤスエさんに、「はい、無事に!」「楽しかったです」と答える恵津子ちゃん、浩代ちゃん。
 「そう。よかった!」と笑顔で返したヤスエさん「あの雑誌の編集長ね、あたしの知り合いなの。ヒョウちゃんに、可愛い女の子がいるから、って言われて、お願いしたの」。…“「なんの撮影?」「さあ」”だった撮影、ヤスエさんの手配だった模様!
「ヒョウちゃん…ですか」と、ちょっと不審げな恵津子ちゃん。
「あの雑誌、なんなんですか」とたずねる浩代ちゃんに、ヤスエさん、こともなげに「『LiLi』よー」。
「『LiLi』って、ちゃんとしたモデルさん達が出てる雑誌じゃないですか!」とびっくり声を出した恵津子ちゃんと、浩代ちゃんの間に割り込むように、ティーセットのお盆を持って座り込んだヤスエさん「そうよー。ヒョウちゃんの紹介の子、そのへんの安い雑誌に紹介できないでしょー」。…大物です、ヤスエさん&ヒョウちゃん。
「私達、スカウトも頼まれちゃったんですけど」という浩代ちゃんに、「そう。じゃあ、いい子がいたら紹介してあげて」とヤスエさん。「はい、がんばって探します」と、恵津子ちゃんのヤスエさんへの返事は、いつもはきはき。
浩代ちゃん「あのー、ひとつ聞きたいんですけど…」。
うなずくヤスエさんに「加藤俵太君って、どんな人なんですか」。学者君に次ぐ、質問者その2!
ヤスエさんの答えは「うーん…」そして笑顔で「おっきいの!」。
学者君と違い、女の子二人の反応は、完全理解にはいたらなくても、笑顔つき(共感?)。


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 斎藤先生に連行された俵太君、大きな窓からの光が明るい会議室で斎藤先生と向き合ってお話中。
 学校内での営業をとがめられているのかと思いきや。
 「ということなの」。「先生もいろいろ大変なんですね」。「教師といえど、人間よ」。
光の中で、ゆったりと手を組んで、机の上にのせなおす俵太君。
「それは、我が社への仕事の御依頼と考えてよろしいんでしょうか。」
先生の答えは「もちろん。」
「ありがとうございます。それじゃあ」と立ち上がった俵太君に、斎藤先生「あの」。
光の中、斎藤先生を見下ろす、俵太君の横顔。「わかってます。お客様のプライヴェートは、口外しません」
「ありがとう」。光の中の斎藤先生、一人の女性の横顔。
 
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 俵太君の差配で、ストーカー退治のお仕事にやってきた剛君。
 家の窓から身を乗り出している依頼人の可愛い女の子(Cast:)が、家の外に立っている剛君に「あそこ」。
 剛君「います?」女の子「いるじゃない、ほらあ、電柱の陰!」。
 電柱の陰には、確かにズボンが見え隠れしていて。
「あ、じゃちょっと行って来ますよ」、と、お客様には丁寧な言葉遣いの剛君。
「ねえ。ほんとに大丈夫なの?」という女の子に「最悪の場合はちょっと乱暴なことしちゃうかもしんないけど」と剛君が答えると、女の子、表情を変えて「えっ!?」。「大丈夫大丈夫」という剛君、とても頼りがいがありそう!
「これで二度と君に近づかなくなるから」という優しい口調もかっこいい剛君に、美少女もにっこり!
剛君「おい、そこぉ! 何こそこそしてんだ、ええっ! おぃくぉら、出て来いよぁ!」
俵太君をボコボコにしたワルらしい口調も勇ましく、電柱に真っ直ぐに向かいます!
「はい」
…と電柱の陰から現れたのは、スキンヘッドの超屈強そうなお兄さん!
「なんでしょうか」と、意外と丁重なスキンヘッドさんに正面切ってたずねられ、あらぬ方角に歩き出し「おい、おめぇだよ、コラ!」と言いながら立ち去ってしまう剛君(笑)。

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 一方春雄君は、若い男の子と一緒。
 完全に壊れたバイクを見下ろす二人。
 春雄君「これだろ? お前が盗まれたバイクって」 男の子「えっ!?」
 相手の反応に動じず春雄君「これさ、このへんのホイールなんかお前の言ってた特徴とそっくりじゃん」
男の子の、困惑し首をひねりながらの「あ、いや…これは…ボク…のバイクとは…違う…と…」という言葉に「えっ!?」と驚愕し、目を宙に泳がせる春雄君。
が、「まいいや」とつぶやくと、春雄君、「えっとー、3万円いただきます」。男の子は当然「まいいやって…」と抗いかけるのですが、全く動じない春雄君に「毎度ありがとうございます」と言われてしまうと「はぁ…」。
いいキャラすぎます、春雄君(笑)!

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 修一君もお仕事中。「お前んち、銭湯だったんだ」と、脱衣場を見回しながら歩く修一君。
 依頼主の女の子(Cast:)、腕組みをしてうつむきながら「お父さん、急に倒れちゃって」。
そして修一君を見て「けど、休むわけにいかないんだよねえ」。お困りです!
修一君、こけしと青いカルトンの置いてあるカウンター(番台?)を男らしくピシャリ、と叩くと「わかった。オレに任せろ」。
女の子「わぁ、助かるー!」。修一君、こけしの頭から胴へとつるりと撫でながら「オレも、最近たまってたしなあ…」。女の子「え?」修一君「あ、ごめんごめん、こっちの話」。どっちの話なんでしょう!
女の子「じゃあ、さっそくなんだけど、あっち!」。「え…」と、こけしに未練を残しつつひっぱられていく修一君!
「お願いね!」と、真下から見上げると気が遠くなりそうなほど高い煙突の下でヘルメットを渡され、修一君「へ?」。女の子「煙突掃除」。修一君「番台じゃ…ないの?」女の子「そんなの、私だってできるでしょ」(もっともです!)。
「はい、よろしくぅー」と、ヘルメットとロープを残して立ち去られ、ぼうぜんと煙突を見上げる修一君…

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 児玉歯科。
 診察台の上で、治療用のライトをまともに浴びせられている歯医者さん(Cast:奈良坂篤さん)。かなりビビってます。
 「それで、清美は…いえ、斎藤先生は、なんておっしゃってるんですか」
 ライトにかけていた手を離しながら俵太君「別に何も。ただその話を相談されて」…といいながら、治療用のドリルを動かしてみたり!
「同じ男として、許せんと思ってここに来ただけですよ」
と、クールな口調で言いながら、治療用の器具を次々に手にとっていくところ、歯医者さん的にはかなりコワイはず。
「要するに、二股かけてたってことですよね。結婚する方と、婚約を破棄された斎藤先生とは」
の言葉の切れ目とともに、甲高い回転音を立てて動き出したドリルを、歯医者さんの口許に近づける俵太君!
「で、あんたは私立高校の教師より、医師会の委員長である方のお嬢さんを選んだ」
と迫る俵太君の顔、治療用のライトに照らし出されて、鬼気迫るものが。
「そういうことだ」と震える声で答える歯医者さんに、「それなのに、斎藤先生に慰謝料どころか、謝罪の一つもないっていうのはどういうことですか」と迫る俵太君とドリル!
 「…慰謝料は…はらわないとはひとことも…」
 「払うとも言ってない!」と一喝した俵太君、ドリルを止めて静かに「…ですよね」。
 「これから…弁護士がはなしに…」 「わかりました!」と、再びドリルにスイッチを入れた俵太君、「これから相手のお宅にお邪魔して、洗いざらい話してきましょうか」。これは困る歯医者さん、「わかった…」。
 機械をを止めた俵太君「よかったです。先生が話がわかる方で」。
 治療用椅子の倒れていた背が、もとに戻っていきます…。


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 会議室のテーブルの上に放り出される、400万円の札束。
 少し日が傾いたのか、微かに赤みを帯びる光の窓を背に立つ俵太君、その前に座る斎藤先生。
 「400万あります。これで全て、忘れられますか」
 俵太君の言葉に、斎藤先生「こんな大金…!」と、咎めるような響きさえある驚愕の声。
その声にかぶさるように「心配しないで下さい。先方が納得して、出した金額です」と静かに答える俵太君。
「加藤君!」という斎藤先生に「先生にとって、金の問題じゃないのはわかっています。…けど…」という俵太君の言葉の語尾には、高校生らしい揺れ。
  そんな俵太君に斎藤先生、「ありがとう。…ありがたく、受け取る」。
俵太君「はい」。
斎藤先生「それで…」 俵太君「40%です」
「高く、ない?」。斎藤先生の声が楚々としてる分、なんともおかしく(笑)。

 
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 踏み切りの音が鳴り響く街で、あたりを見回す浩代ちゃんと恵津子ちゃん。
 その間を、腕時計をちらりと見て、通り過ぎるTシャツの女の子(Cast:浅川ちひろさん)。
 彼女に駆け寄った浩代ちゃんと恵津子ちゃん「あのー」「モデルの仕事とかに、興味ありません!?」。
「ごめんなさい、ちょっと今急いでるので」という声もかわいい彼女に、「少しだけ話聞いてよ、お願い」と食い下がる恵津子ちゃん。
それも当然。「けど」と二人を見比べる彼女、ほんとうに可愛い!


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