原作 ◆ おかざき真里「サプリ」(祥伝社刊) *「フィールヤング」にて連載 脚本 ◆ 金子ありさ 演出 ◆ 成田 岳 プロデュース ◆ 関谷正征 ラインプロデュース ◆ 見戸夏美 音楽 ◆ 菅野祐悟 オリジナルサウンドトラック「サプリ」(ワーナーミュージック・ジャパン) 制作 ◆ フジテレビ 放送日時 ◆ 2006年7月10日(月)21:00〜22:09 ◆ 公式サイト ◆ 【フジテレビ番組紹介:サプリ】 【フジテレビ番組紹介:サプリ(第1話)】 ◆ ストーリー参考 ◆ 【TV LIFE:サプリ】:天野さん演じるミナミの恋人・中沢の名前も。 【テレビブログ(関東版):2006年07月10日_サプリ】: エンディングクレジット情報も ![]()
藤井ミナミ:伊東美咲 石田勇也:亀梨和也(KAT-TUN) 荻原 智:瑛太 柚木ヨウコ:白石美帆 桜木邦夫:相島一之 渡辺ユリ:浅見れいな 松井良英:原口あきまさ 三田圭介:佐藤重幸 紺野なつき:志田未来 伊藤さやか(今岡の妻) 天野浩成(ミナミの恋人・中沢敏明) 内野謙太(勇也のサーフィン仲間) 渡辺航 森嶋みお 秋田真琴 大橋智和 岡本勝 平良千春 徳秀樹 難波いっしん 野間慎平 林沙織 ハル 藤原麻希 古谷知瑛子 南秀治 南好洋 安田知世未 大橋一三 浅田圭一 扇田拓也 木村啓介 中内啓行 KONISHIKI(特別出演) 田中ミズホ:りょう 今岡響太郎:佐藤浩市 |
Last update :
12th June 2007
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2006年、東京。 臨海部を走る列車・ゆりかもめで移動中、仕事の疲れで爆睡中の藤井ミナミ(伊東美咲)は、携帯電話の着信メロディーで眠りを妨げられる。 目を開けると、すぐそばのシートに携帯が落ちていて、持ち主はいない。 しかたなくミナミが電話に出ると、携帯を落として困っているという男は、バイトの面接があるので、ミナミに電話を持ってきて欲しいと頼んでくる。 図々しい頼みしてきた男の、仕事をなめたような話を「働け」と遮って電話を切ったミナミは、下車駅の落し物預かり所に携帯を届けて仕事へと急ぐ。 駅を出て、会社に向かう途中、オーロラビジョンに映し出される、思い出深いCM…子犬が雨の中をひたすら歩いているCMを見たミナミは、インスタントカメラを取り出して撮影。 “たった15秒でも誰かに届く”、そのことを思い出させてくれたそのCMを、じっと見つめる一人の男にミナミは気づく。 ミナミとすれ違って駅に向かうその男こそ、携帯を届けて欲しいと電話してきた持ち主、石田勇也(亀梨和也)だった。 携帯を取り戻した勇也は、今岡響太郎(佐藤浩市)に、面接に遅れると電話。 今岡は、遅れたら謝れと勇也を励まして電話を切る。 その今岡は、広告会社クリエイトエージェンシーのクリエイティブディレクターで、クライアントの保険会社にいた。 そこに飛び込んできたのがミナミ。 ミナミは今岡と同じ会社のCMプランナー。 この日は、マーケティング担当の桜木邦夫(相島一之)、営業の荻原智(瑛太)と、保険会社のCMオリエンテーションに来ていたのだった。 勇也はバイト先の広告会社にたどり着き、デスクの渡辺ユリ(浅見れいな)にいきなり各部所を案内され、CMについてのレクチャーを受けていた。 ちょうどそのオフィスの一室で、オリエンテーションから帰ったミナミが、今岡たちとCMのプランをたてていた。 その広告を一手に扱えたら年間10億、というクライアントのプランに、藤井、頼んだぞ、と今岡。 それはミナミにとって、頼られているという感覚に、体中の血液がカッと熱くなる瞬間だった。 オフィスに戻ったミナミのもとに、勇也が郵便物を届けに来る。 勇也の顔も見ずに受け取り、バイク便出しを頼むミナミ。 そのとき、勇也の携帯が着信し、メロディーが流れる。 ミナミが、勇也と街で会ったこと、そしてゆりかもめに忘れられた携帯の持ち主と気づくまで、15秒。 勇也が、コピーライターの柚木ヨウコ(白石美帆)から仕事の流れを教わっていると、今岡がやって来て、柚木に勇也は自分の知り合いだと告げる。 その最中にも、スタッフたちから細々とした雑用を頼まれる勇也。 コピーライターの松井良英(原口あきまさ)に捕まった勇也は、着ぐるみを着させられ彼が考えたCMの振り付けを踊らされる羽目に。 ひと踊りして逃げ出そうとした勇也は、偶然ミナミとぶつかった。 勇也は携帯の礼を言いつつ、ミナミに仕事の愚痴をこぼす。 軽口を叩く勇也を遮ったミナミは、これはバイト君の仕事でしょ、と、そっけなく仕事を頼み、この業界は昼夜なく休みもなく、親や友達にもなかなか会えないのが普通だから早く慣れて、と言い残して立ち去ってしまう。。 憮然とする勇也はそんなミナミに反発、仕事を放って帰ってしまう。 ミナミは今岡に、勇也を辞めさせるべきと猛抗議するが、勇也が今岡の先輩のカメラマンの息子だと知らされる。 その境遇から、親や友達に会えないのが普通と言われて素直に聞けない勇也が、自分の名前は“バイト君”じゃないと言っていたことも。 その頃、荻原は同じ営業の先輩・田中ミズホ(りょう)から、1年に3分の1は消えるというミナミ達クリエイティブの職場の厳しさを教えられていた。 何かを思い出すように、懐かしそうな表情になる荻原。 “いつからだろう、雑誌の星占い、仕事運から先に見るようになったのは。 同じぐらい、恋愛運だって大事、な、はずなのに…” 恋人の中沢敏明(天野浩成)に“また明日電話します。”とだけ記したメールを送信するミナミ。 部屋に貼られた、二人で寄り添って立つ写真。 “彼と過ごした4年という月日に、ちょっと甘えてるのかな” 部屋にかけられたフレームに入れて飾られているのは、“ずっと いっしょだね”というコピーの入った『どうぶつビスケット』のポスター。 “でも” そんな思いを振り払うように、ミナミはししゃもで食事を摂り、明日の仕事に備える。 勇也は海で、サーフィン仲間が親のコネで就職することを知らされる。 人に聞かれて、自分が何なのか言えないのが面倒だから、それに給料ほしいし、と。 今岡が自宅で、さっきまでいた客のワイングラスを片付けていると、突然勇也が転がりこんでくる。 先ほどまでの客が戻ってきたと思って、忘れ物の腕時計を差し出しかけて、勇也だと気づき、あわてる今岡。 翌日、今岡は勇也を追い出そうとするが、前夜の腕時計から今岡と柚木が不倫していることに気づき、今岡の家に居候することに。 件の保険会社のCMプランの企画会議で、ミナミは、母親が保険の勧誘員だったという勇也にアイデアを求める。 勇也は、やれやれと言われるとやりたくなくなるのと同じように、入れ入れといわれると入りたくなくなるのが保険だという母親の言葉を伝える。病気してからでいいのよ、とか、怪我してからでいいのよ、とか、死んでからでいいのよ、というと、みんな逆に話を聞いてくれる、と。 それをとりかかりにアイデアを考え、次は3日後に集合、と会議を解散させた今岡は、勇也にも何か考えておけ、と声をかける。 ミナミが図書館に行くと、勇也が勉強をしていた。 そんな勇也にミナミは、昔“出っ歯のガチャピン”と陰口を叩かれて居場所がないと感じていた頃、子犬が雨の中を歩くCMを見て、自分を見ているような気がして、励まされた気がして、この世界に入った、入って正解だった、いろんな出会いがあった、と話す。 そして、君にもいい出会いがあるといいね、期待してるよ、イシダ、と。 オフィスに戻った勇也は、ミズホからミナミへの重要な伝言を預かる。 ミナミの携帯に、中沢から電話がかかってくる。 これから最近習い始めた合気道に行って、帰ったらまた泊り込みで企画、というミナミに、明日会えそうか確認した後、最近忙しすぎないか、と心配する中沢。 大丈夫、全然平気、とミナミ。 勇也はミズホからの、セットプラン変更の伝言を、ポストイットに書いてパソコンに貼り付ける。 が、サーフィン仲間からの電話を受けながらはりつけたメモは、はがれて机の下に落ちてしまう。 今岡のところに、娘のなつきが、半年間お世話になります、とやってくる。 ついてきたヴァイオリニストの元妻は、ハンガリーでのコンサートマスターが決まったから、あの子をお願いね、と、なつきを置いていってしまう。 会社に残ってCMのアイデアを描く勇也。 勇也のコンテを見て荻原は、勇也に向かっては“いいんじゃない”と言うが、ミナミに向かっては“ただの落書きですね、でも若いうちはいろいろ経験するのがいいのでは”と。 自分も若いのにしっかりしてるのね荻サマは、とミナミに言われた荻原は、新人研修のときミナミに軽い気持ちで、配属されてからこんな仕事はやりたくなかったと思ったことはなかったか質問して、そもそも自分のやりたいことが社会に職業として用意されているわけはない、やりがいのある仕事をしたいなら、頑張ってそのやりがいとやらを探せ、と返され、ガツンとやられた気になった、と思い出を語る。その日が、自分にとっての入社式だった、と。 荻原に“ただの落書き”と言われたアイデアをゴミ箱に捨て、勇也は、昼間は“バイトだから”と断った海への誘いに乗ることにしてしまう。 勇也が仮病で休んだ日、勇也がポストイットに記した伝言メモが伝わらなかったために、クライアントを怒らせてしまうトラブルが発生。 責められているのはミナミだった。 電話でそのことを知った勇也は、海から会社に駆けつけるが、一言「気にしないで」とだけ言われてしまう。 トラブルへの対応に奔走するミナミ。 中沢に“ごめん。今日やっぱりいけそうにない”とメール。 約束のレストランでミナミを待つ中沢は“いいよ、待ってる”と返信。 “何時に行けるかわからない” “会いたい。話したいことがある” “ごめん無理” トラブル対応が一段落した深夜、ミナミが携帯を確認すると、中沢からのメールが入っていた。 “何時になっても待ってる” 約束のレストランにミナミは走ったが、レストランは閉店してしまっていた。 ミナミがマンションに戻ると、部屋のドアノブに、紙袋がかけられていた。 中には、一箱の『どうぶつビスケット』と、ポストイットのメモ。 “ほんとは会って これ、渡したかった でももう無理だ ごめん。” それが、中沢の、別れの言葉だと悟るミナミ。 ミナミは顔を洗い、部屋に掃除機をかけ、食器を洗い、洗濯物をたたむ。 家事を一通り終えてしまい、座り込むと、涙があふれてきた… 夜、今岡の家で、なつきは勇也に、今岡はいつも浅いところにいると母親は言っていた、いつもエンジョイエンジョイって、好きなことに賭けてばかりだ、と、話す。 その頃今岡は、なつきの書道道具から、CMのアイデアを思いつき、勇也を連れて会社に駆けつけ、スタッフも招集する。 今からプレゼンを作り直すという今岡に、半ばあきれつつもついていくスタッフ。 勇也はミナミの方を手伝えと言われ、ミナミにそう告げるが、ミナミは「大丈夫よ、ひとりでできるから」としか言わない。 今朝のトラブルのときも、病気は嘘で、海に行って遊んでいたと勇也が言っても「大丈夫」としか言わないミナミ。 これ以上ひっかき回されたくないの、仕事があるからもう行って、ひとりでできるから、というミナミに、勇也は憤る。 藤井さんは仕事が好きなんじゃなくて、ひとりが好きなんだよ、と、勇也は言い放ってミナミのそばを離れる。 朝、スタッフが夜を徹して創り上げたプレゼンを携え、今岡と共に出かけるミナミ。 そんなミナミを、冷ややかに観るユリは、仕事は女を救わない、仕事だけの女は男の一人もつかまえられない可愛そうな人達、と言う。 しかしミズホは「いい仕事をすれば、いい男に会える、サプリになる。いつまでもいい女でいられる栄養素。それって女の醍醐味だと思わない?」と微笑む。 今岡、ミナミ、荻原は、漢字を使って人の一生を描き出し、保険について考えさせるアイデアをプレゼンし、クライアントの好感触を得る。 しかし、ライバル会社の、KONISHIKI本人を登場させてのプレゼンのインパクトに負け、契約を逃してしまう。 そのかわり、次のCMを競合にかけるのでまた出してくれと言われたという今岡の言葉を聞き、ミナミは、私がやります、やらせてください、と申し出る。 また深夜残業で、次のCMのプランに取り組むミナミに、そんな通るかもわからない仕事をなぜそんなに頑張るのか、と勇也は問いかける。 いくらやっても給料は同じ、金を稼ぐなら楽して楽しくやったほうがいい、みんなそう言っているのに、なぜそこまでして働くのかと。 その勇也の問いに、気づいたらこっちに来ちゃってたから…と、ミナミ。 新人の頃は、どの打ち合わせに出ても言いたいことが言えず、おじさん達の話に相槌を打つだけだった。が、ある日、一人の人がミナミの描いたコンテを、下手だけれど仕事に熱があると認めてくれた。その言葉に応えたくて、気づいたらプランナーになっていた。 初めて世に出たCMで、彼と出会った。“ずっと、いっしょだね”という、『どうぶつビスケット』のコピー。 「その彼が、必ず渡すよって。 いつかいっちょ前に仕事バリバリするようになって、一人前になったら、一箱渡すよって、指輪の代わりに渡すよって。 “ずっと いっしょだね”って」 その彼とはどうなったのか、という勇也の問いに、もう昔の話、と答えるミナミ。 「でもね、重く残る。たった15秒が、一生ものになる。 この仕事じゃなかったら、気づかなかった。一秒一秒が、どんなに重いか。 大事に磨くと、どんなに輝くか。 しあわせだな、って思う。そんな一秒を重ねていけたら、私はこれからも、しあわせだな、って思う」 さてと、と、ミナミは合気道の型を始める。 相手の力を使ってうまく投げ返すところが、この仕事に似てる、と。 勇也のミナミを真似て動き出し、ミナミは勇也に動きを教える。 エレベーターに乗り合わせたミズホの手を取る荻原。 もう別れたはずでしょ、と、ミズホ。 なんで、やっと遠距離じゃなくなったのに…と荻原。 二人で合気道の動きを繰り返しながら、勇也は、この一秒がもう少し続いてもいいな、と思っていた。 ![]()
![]() 今回、一緒のシーンがない伊東美咲さんと、唯一同じ空間にいるショット。 スラリと長身の伊東さんと並んでバランスがいいスタイルは、天野さんの恋愛モノ向き資質。 ![]() 「明日どう? 会えそう?」という声は、本当にミナミに会いたそうな性急さ。 「最近、忙しすぎないか」は一転、心配そうな響き、と、短い通話にも変化。 ![]() “月9”らしい、スタイリッシュで美しい映像。 そういう華やかな映像からでも、ミナミをじっと待ち続ける彼の、穏やかで誠実な人柄がにじみ出る端正な座り姿。 ![]() “会いたい。話したいことがある” “何時になっても待ってる” 字幕だけの“セリフ”なのに、電話の声、短い無言の映像で、ぐっと気持ちの伝わってくるものに感じられてくるのが不思議。 ![]() その短いひとことも、来ないミナミを静かにじっと待つ中沢さんの姿があってこそ、心情が伝わってくるものに。 ![]() ああ、天野さん中沢さんを想っての、あの涙なんだ…と思うと、感激もの。 【ホーム&アウェイ】で西田尚美さん&酒井若菜さんコンビにきゃあきゃあ言われたのもうれしかったけれど、今回のような静かな思慕のシーンも至福。 こういう、とびきりいい思いをさせてくれる役に天野さん、というのが、フジテレビのドラマ。 ![]() 二人を結びつけた“よつば製菓”の『どうぶつビスケット』の可愛くてほのぼのした感じと“ずっと いっしょだね”のコピーが、すごく天野さんの雰囲気に…そしてたぶん、レストランで“今日やっぱり行けそうにない”というミナミからのメールに静かに“いいよ、待ってる”と返信する中沢さんの雰囲気に、ぴったり。 指輪の代わりに渡す、という約束だったあのビスケットを持っていたということは、もしミナミが閉店までに間に合えば、“ずっといっしょ”がほんとうになったのかも、と思うと(実際は、そのとき間に合っていても、いつかはまた“無理”になっていたかもとは思いつつも)、大事なものが手をすり抜けていった喪失感がほんとにたまらなく。 ![]() これまでのフジテレビのドラマでは、天野さんの役どころはだいたい“かっこよくて憧れの対象になるけれど、どこかしら難あり(『ホーム&アウェイ』:東京に妻がいた、『神様、何するの…』:主人公の病気を知って“芸能人じゃなくなったんなら、死んだも同然だろ”と離れ、『みのもんたのTrue Stories「ロマンスに恋した女」』:酒乱)で、結局別れる相手”だったので、そのパターンもあり得べしと思っていたところ… 『サプリ』では“結局別れる”は同じものの、別れの原因はほとんどミナミで、天野さん中沢さんはきれいでやさしい夢のようなイメージだけを残してさよなら、という格段のいい役どころ(しかも、原作を改変してまでの!) その事実自体、感動。 ![]() 今回の『サプリ』の、ミナミと天野さん中沢さんに関わる部分だけ抜き出すと、ひとつの小品のよう(フジの深夜ドラマのいい時代の作品などでありそうな!)。 ![]() 原作の“ミナミと別れる恋人”よりぐっと魅力的に設定された人物像(天野さんが演じられたキャラクターの中でもかなり好き!)。 公式サイト人物相関図へのお名前掲載。 映像出演シーンは短いながら、うれしいこといっぱいの御出演! ![]() 天野さん中沢さんがレストランで携帯を操作する映像部分は、12秒ぐらい。 15秒CMから“avex trax”(笑)の部分を除いたのと、ちょうど同じぐらい。 “たった15秒でも、誰かに届く” まさにこの作品のテーマの通り! ![]() 【天野浩成さん情報倍増計画:7301-7350】 ![]() This site is best viewed with Internet Explorer 4.0 or later. Web Materials by Little Eden, Silverry moon light |Top Page|Eizou|WORKS(TV)|BBS| |