7人の女弁護士

Episode 5 STORY

第5話 ストーリー

Story

真紀(釈由美子)は静香(東ちづる)、綾子(三浦理恵子)に連れられて、歌舞伎町の人気ホストクラブにやってくるが、No.2ホスト・モモタロ(斎藤工)に迫られて閉口。
静香達に助けを求めるが、二人はNo.1の南小路リョウ(天野浩成)をはさんで、シャンパンを入れたりと大はしゃぎ。

その数日後、《7人の女弁護士事務所》で、ホストクラブに行ったことが原因で、恋人の一平(永井大)とケンカになった、と真紀が話していると、加奈子 (中島知子)が見ていた週刊誌に、リョウがOLに殺されたという記事が載っていて、事務所は騒然となる。
そこに、逮捕されたOL・高杉あやめ(遠藤久美子)の妹・高杉久美子(市川由衣)が駆け込んできて、姉を助けてほしいと訴える。
久美子の話によると、あやめは久美子がリョウにハマっていることを心配して、リョウに久美子とつきあわないでほしいと頼みに行ったのだという。

真紀はあやめの接見に行き、その日のことを詳しく聞く。
あやめはバーでリョウに、妹はあなたを恋人だと勘違いしている、二度と会いたくないと言ってほしいと懇願するが、リョウは「無理言わないでよ。オレ、ホストだよ」と、取り合わない。
リョウはさらに、あやめがリョウと一晩つきあうなら考えてもいい、ともちかける。いったんは拒絶したあやめだったが、久美子のためにリョウの誘いを受け入れてしまう。
そのときあやめは、カウンターにおいてあった果物ナイフをハンドバッグに忍ばせた。そのとき殺意があったかもしれない、と思うあやめ。
リョウの部屋に入るとあやめは我に返り、帰ろうとしたが、今さら何を、とリョウは、ベッドにあやめを押し倒す。あやめが夢中でハンドバッグを振り回すと、ハンドバッグから突き出たナイフの先がリョウの身体を傷つけ、あやめが刃物を持っていたことを知ったリョウは激怒する。さらにあやめが夢中でリョウから身を守ろうと、ハンドバッグのナイフでリョウの顔を傷つけると、商売道具の顔を傷つけらrた慰謝料1千万を要求する、お前達姉妹は絶対に許さない、地獄を見せてやる、とリョウはあやめに乱暴しようとする。
あやめはさらにリョウをハンドバッグで殴りながら部屋から逃れようとする。階段のところでリョウを激しく突き飛ばすと、リョウは階段から転落、下の階の床に倒れて動かなくなった…
その後あやめは、非常階段から飛び降りて自殺しようと思ったが、その勇気もなく…と涙を流す。
その話を聞いていた真紀は、ハンドバッグを振り回していただけのあやめの攻撃で、リョウに致命傷を与えられるものか疑問に思う。

真紀は、検死官の一平から、リョウの死因となった傷について話を聞く。
死因であるリョウの心臓に達した刺し傷は深さ9cm6mmもあったと聞いた真紀は、ハンドバッグから刃先数cmしか出ていなかった刃物であやめがその致命傷を与えることは不可能だと確信し、他の何者かがリョウの心臓をナイフで刺した可能性に思い至る。
真紀はそれを事務所の皆に話し、《7人の女弁護士事務所》は、裁判ではあやめの正当防衛を主張しつつ、真犯人探しを行うことに。

真紀達はさっそく、ホストクラブへ聞き込みに。
その結果、リョウの死を一番喜んだのは、No.2からNo.1に昇格したライバルホスト・モモタロ(斎藤工)で、二人はリョウの生前、激しい言い争いをしていたこと、リョウに騙されて借金地獄を経験した常連客の飯沼さなえ(小野真弓)が、リョウを殺したいほど憎んでいたことがわかる。

法廷で検察の被告人質問の最中、久美子は興奮して、自分が悪い、自分を裁いてほしいと叫びだす。
休憩の間、真紀が久美子をなだめていると、あやめの上司・大田原(甲本雅裕)達仕事仲間がやってきて、あやめを助けてほしいと真紀に頼み込む。
再開した法廷で、あやめの同僚達はあやめの無実を裁判官に訴える。 大田原は、会社で皆に注目される熱帯魚だけでなく、その隣の水槽にいる金魚にも優しい人だ、とあやめの人柄について述べ、減刑をしてほしいと懇願する。

綾子と早紀(滝沢沙織)の調査の結果、モモタロは、犯行時刻には大手企業の重役夫人複数名とアフターパーティーの最中で、アリバイがあることが確認できた。
さなえの方は、調査に赴いた加奈子が、さなえがあちこちでリョウを殺したいと吹聴していたと聞いている、と問い詰めても、黙秘と言い放ってはばからない。

そんな中真紀は、久美子のアルバイト先のキャバクラに行っていた一平から、久美子が客を相手に面白おかしく容疑者となった姉の話をしている、という話を聞く。
翌日から真紀は久美子の張り込みを始めるが、久美子の行動は、自分が原因で姉が殺人事件の容疑者となった張本人の姿には見えなかった。
そこで事務所としても、久美子の身辺調査をすることとし、若い早紀(滝沢沙織)をキャバクラ嬢としてそのキャバクラに潜入させる。
早紀は、客にあやめの話をしている久美子に向かって、どうしてお姉さんのことをそんな風に言えるのか、と責める。早紀が事務所の弁護士でと気づくと、久美子は店を飛び出してしまう。
店の前で久美子を張り込んでいた真紀は、久美子を追いかける。

自分の部屋に戻った久美子は真紀に、馬鹿で他に働ける場所もない自分には、ああいう話をして客の歓心を買い、裁判費用を稼ぎ出すことしかできない、と、真情を打ち明ける。
そこに大田原が尋ねてくる。大田原は、あやめが逮捕されてから、2日に一度は久美子を訪ね、差し入れなどを持ってくるのだという。
大田原が法廷で、久美子の人柄を証言する際に話した金魚は、大田原がすくってきたのだと久美子は言う。久美子がいないので、今は自分の部屋に置いてある、と大田原。
事件当日のあやめの心情を考えるだけで泣けてくる、と大田原は言い募る。ホストを刺したとき、どんなに怖くて、どんな気持ちで非常階段を駆け下りていったのか…と。
そんな大田原を見て、真紀は、次の裁判でも証言してほしい、と頼む。
大田原さんの言葉で、あやめさんの罪を軽くして下さい、と。

第三回公判で、真紀は証人となったさなえは、リョウを殺したいほど憎んでいたことを肯定したさなえに、リョウに暴力をふるったことがあるかと尋ねる。さなえは、リョウに無理矢理風俗に連れて行かれたとき、手が痛くなるほどリョウを殴ったが、リョウには女の力は通用しなかったと証言する。
真紀はさらに、昨年までウィンドサーフィンを趣味にしていたスポーツマンのさなえの力でもリョウには勝てなかったのだから、あやめがリョウに勝つのは無理、という証言も引き出す。

続いて真紀は、大田原を証言台に呼び出す。
大田原は、今でも想像がつかない、人を刺したとき、どんな気持ちでたたずみ、どんな気持ちで非常階段を駆け下りていったのか…と、久美子の部屋で語ったのと同様の言葉を繰り返し、減刑を訴える。
次に真紀は、金魚の写真を示し、これはあなたが、高杉あやめと自分を結びつけていると思い込んでいる金魚ですね、と問いかける。
会社に置いてあった金魚を、あやめが拘置所に拘留された日から大田原が自分の部屋に移動させたことを真紀は指摘、それはあやめが刑務所に行くと確信していたからではないのか、と真紀は問い質す。続けて妙子(原沙知絵)が、この1ヶ月にあやめが仕事帰りやオフに立ち寄った店の防犯カメラの映像からのプリントアウトを示し、そのことごとくに大田原が映っていた、つまり大田原はあやめをストーキングしていた事実を明らかにする。 とどめに真紀は、大田原はあやめが非常階段を使って逃げたことをなぜ知っているのか、と質す。その事実は今日までの裁判や報道では明らかになっていない、と。
さらに真紀は、あやめの同僚達はみな無実を訴えているのに、大田原だけはあやめを愛しているにも関わらず、あやめが罪を犯しているという前提で証言していることの不自然さを突き、それは大田原がどうしてもあやめを犯人に仕立て上げたい理由があるからだと言い放つ。

「残された答えは、ひとつです」

あの男が許せなかった、憎かった、と大田原は告白を始める。
自分のあやめが見るからに遊び人のリョウと店を出てきたことに愕然としながらも、後をつけることしかできず、つけていった先のリョウのマンションの非常階段から飛び降りようとして果たせなかったあやめを目撃した大田原は、何かが起こったのだと悟った。リョウの部屋に入ると、リョウは生きていて、大田原に救急車を呼んでくれとうめいていた。あやめの男だったらお前が責任を取れ、と大田原にすごみかけたリョウだったが、大田原とあやめではつりあいがとれないので大田原があやめの男であるはずがない、ストーカー何かか、と、大田原の立場を言い当てる。
変態、変態…とリョウにののしられた大田原は、逆上してリョウの心臓を刺したのだった。
私は彼女を守った、という大田原は、でも償わなければ、それならさびしがっている妹を慰めよう、将来の妹を元気付けようと決めた、と言い切る。
そんな大田原を真紀は、償う場所が違います、あなたは愛する人に罪を着せて逃げた、卑怯な男です、と断言する。
大田原は、違う、守ったんだ、守ったんだ…とつぶやきながら、その場に崩れ落ちた。
大田原は、即日殺人罪で逮捕された。

あやめは正当防衛が認められ、無罪を勝ち取った。

《7人の女弁護士》事務所では、皆でチョコレートフォンデュを食べながら、大田原の部屋にあった金魚をどうするかの相談から、恋人がいる、いないで、にぎやかに…。

Check! −天野さんリョウみどころ−

7人の女弁護士冒頭のホストクラブでの仕事ぶりのシーン。
体育会系的ノリのホスト達の中心で、陽気な笑顔で声を張る天野さんリョウ、一緒に遊んで楽しそう!
ノリノリの東ちづるさん静香、三浦理恵子さん綾子の表情ともぴったり。
バラの花びらをちぎりながらしっとり真紀に迫り、リョウの繁盛に暗い顔をするモモタロとの対比もよく。

7人の女弁護士リョウが殺されたことを報じる週刊誌記事。
殺人がリョウに熱を上げた犯人の逆恨み的犯行、という、リョウに好意的な論調が、事実に反していてもちょっとうれしく。
雑誌を見ての三浦理恵子さん綾子、東ちづるさん静香の“ナンバーワン、ナンバーワン!”“リョウが!?”“会ったばっかなのに!”と、かなりフレンドリーな雰囲気なのもさらにうれしく!

7人の女弁護士市川由衣さん久美子の手をとって「ネイルも変えたんだ」などとトークする天野さんリョウ。
友達のような親しげな口調、久美子が好きになるも無理はない! という説得力。
1986年2月10日生まれ、天野さんより8歳年下の市川由衣さんにいれあげてもらう役を天野さんが…というのもうれしく。

7人の女弁護士遠藤久美子さんあやめを、妹から手を引く代わりに…と誘うシーンの天野さんリョウ。
お店での朗らかな顔よりぐっと“素のリョウ”と思わせる雰囲気で、「無理言わないでよ。俺、ホストだよ?」とささやくような口調など、かえってキャッチー!
薄暗いお店の中で、小悪魔的な雰囲気。

7人の女弁護士このお姉さん誘いシーンの大注目点は、遠藤久美子さんあやめと天野さんリョウ以上に、周囲の人々の動向!
天野さんリョウが“商談”をもちかけていると、意味ありげな表情でカウンターの中を移動し、その間ピンでカメラに追いかけられているバーテンダー!
遠藤久美子さんの一つ空席を置いて隣に座って、ほとんど背景のはずなのに、なぜかリョウと遠藤久美子さんの“商談”の成否の行方をかたずを飲んで注目しているスキンヘッドの男!!
この二人のリアクションがあまりに大きいので(特に無関係なはずのスキンヘッドのお客さん、二人の会話に注目しすぎ!! 遠藤久美子さんが「わかりました」と言った瞬間、すごい反応!!)、“この二人はいったいリョウとどんな関係…?”と、気になって気になって気になってしかたなく!!!

7人の女弁護士バッグの包丁で傷つけられてから、迫力全開の天野さんリョウ。
 「地獄見してやるからな!!」では、ホストさんというよりヤクザさん発声になりかけ!!
 「待てコルァ!!」は、完全に任侠系の世界。

7人の女弁護士リョウは気絶していただけなのでは? という仮説を立てたシーンの、倒れたままうめく天野さんリョウ。
エロすぎ。


7人の女弁護士小野真弓さんに「これだけじゃ足りねぇよ。もっとしっかり働いてくれなきゃさぁ」と、札束で叩いたり胸のあたりをはだけたりする天野さんリョウ。
あの口の開け方等、『弁護士高見沢響子3』などでもみせていた“悪いヤツ”パターン!
それにしても小野真弓さん、『砂時計』で竹財輝之助さんの婚約者を演じていらしたときとは、ずいぶんイメージ違い(野太い声での“も・く・ひ!”が迫力!)…女優さんってすごいです!

7人の女弁護士ウィンドサーフィンをやっていたという設定の小野真弓に殴られても全く平気な天野さんリョウ!
強くてびっくり!!
その強さがカイカンで、結構リピート観してしまうシーン。

7人の女弁護士救急車を呼んでくれ、と甲本雅裕さん大田原に頼むシーンで、なぜかドスがきいた声で迫力の天野さんリョウ。
最後の“HENTAI,HENTAI”は、イントネーションが微ガイジン風味?
【舞台は踊る大捜査線 ザッツ・スリーアミーゴス】で、“舞台を観たー!”という満足感をくれる舞台っぽい動きを見せてくださった甲本雅裕さんとのガッツリなからみがあったことも、“この舞台に出演された俳優さんと天野さんとの御共演が観られる日、来るといいなあと、心から思います!”という願いがかなったわけで、感激。

7人の女弁護士たくさんある登場シーンそれぞれ衣装が異なり、特に私服はこれまで天野さんがドラマや映画の衣装で着たことがあまりないテイストのカジュアル。
ポップなプリントのパーカーやカットソー等、鮮やかで見ていて楽しく。
ホスト業務中のスーツ(『新宿スワン』に引き続き、白)しか観られないと思っていたので、ラッキー!

7人の女弁護士天野さんが俳優のお仕事の長いお休み明けに初めて出演されたテレビ番組『ハプニング大賞2002春』で、天野さんを“かっこいい男性”扱いで「ご趣味は」などと聞く役をしてくださった野際陽子さん(御自分用じゃなくて「娘にと思って」だそうですが【笑】)との御共演には、言葉に尽くしがたい感慨が。
今度は、からみのある御共演をぜひ!