愛の劇場
愛のうた!
第9話
Staff & OA
脚本 ◆ 武田有起 演出 ◆ 田沢幸治その他のスタッフ ◆ 【愛の劇場『愛のうた!』 スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2007年11月8日 13:00〜13:30
◆公式サイト◆
【TBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】【TBS公式:番組情報−愛の劇場『愛のうた!』】
◆参考サイト◆
【TBS公式:テレビ番組表−2007年11月08日】【MBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】
Cast
黒川亜紀:雛形あきこ黒川紅司:泉澤祐希 黒川 楓:荒井 萌 黒川花梨:三好杏依
木村晃:渋江譲二 内田麻里:橘実里 内田守:新妻大蔵
野本美代子:栗田よう子 小峰 舞:金澤美穂 小峰直也:嶋大輔
紅司の担任:あべかつのり 幸治:高橋征也 琢磨:船越光貴 勝:小倉史也
黒川源三:左右田一平 黒川千歳:大森暁美 ほか
Story
伯母からの“いつでも帰ってらっしゃい”という電話を受けてから、紅司(泉澤祐希)の心は揺れていた。紅司が勉強ができるのは、誰に似たんだろう…と、亜紀(雛形あきこ)のパート先の喫茶店で話題になっているところに、亜紀、紅司と同じように舞に案内されて、子供達の伯母・美津代(栗田よう子)がやってきた。
学校の帰り道、同級生の幸治(高橋征也)、琢磨(船越光貴)、勝(小倉史也)が紅司を待ち受けていて、勉強ができる紅司に、宿題を教えてくれという。
そこに亜紀がやってきて、紅司を呼ぶ。
同級生には、後で、といってその場を離れた紅司は、友達の前で大声で呼ぶのはやめてほしいというが、亜紀にはなぜだかわからない。
紅司が諦めて用件を聞くと、東京から伯母が来ているという。
紅司の様子を見に来た、という美津代は、新しいのが出てたから、と紅司にテレビゲームを渡すが、この家にはテレビがない。
ここは自然はあるが、図書館も美術館もネット環境もなく、子供を育てるにはどうか、他の二人はともかく、紅司にはねえ…と美津代は言う。
紅司の案内で美津代が紅司の部屋を見に居間を出ると、楓(荒井萌)と花梨(三好杏依)がやってきて、伯母は紅司を迎えに来たのでは、と心配する。楓によると、紅司は最近そわそわしていて、隠し事をしている態度だったという。
紅司の何もない部屋を見た美津代は、東京に帰る件を考えたか、と紅司に問いかける。
好きな遊びのひとつもできない、塾も行かないで希望の学校に行けるのか、ここの人達はちゃんと進学させてくれるのか…と、紅司にとっての不安材料を並べた美津代は、将来のことも含めてよく考えなさい、紅司の人生は一度しかないんだから、と、紅司に選択を迫る。
紅司に宿題を教えてくれ、といった同級生達は、紅司を牧場に連れ出す。
宿題のお礼に“いいこと教えてやる”ということなのだが、紅司にはちっともありがたくない。
さらに、目の前にバッタを突きつけられ、バッタがこわいのか、と笑われたりといったことは、紅司にとってはいじめも同然だった。
よく考えなさい、という美津代の言葉と、稲穂が那須の自然の中で子供達を育てたいと言っていた、という亜紀の言葉が、紅司の中でせめぎあう。
紅司が悩みながら歩いていると、舞が声をかけてくる。
舞の家の喫茶店《三匹の猫》で、紅司は塾について尋ねるが、そんなものあるわけないじゃない、と舞に言われてしまう。
勉強できるのにまだ勉強したいのか、と直也(嶋大輔)に聞かれ、将来弁護士や医者になりたい人はどうしてるのかなと思って、と返した紅司に、直也は、自分の同級生はみな地元で就職し、大学に行った者もいないという。
不安な表情で紅司が出て行くと、舞は直也を「また余計なこと言って」と非難すると、紅司の後を追う。
そこに亜紀がやってきて、直也は、今塾や大学のことを紅司に聞かれたが、那須からそんなところに行った奴は一人もいないと言っといたから、という。えーっ!? と声を上げた亜紀だったが、もし紅司が大学に行きたいと言い出したらその余裕はあるのかと問われ、言葉を詰まらせるが…
紅司は舞とともに、亜紀が働く牧場に守(新妻大蔵)を訪ね、守はずっと前から牧場をやるつもりだったのか、と質問する。
牧場は祖父の代からやっているし、まもなく生まれてくる子にも継がせる、と、全く迷いのない返事を聞いた紅司に、守も麻里(橘美里)も、将来は源三(左右田一平)の窯を継げばいい、などという。
みんなの話は本当か、と紅司に聞かれた舞は、那須にだって医者や弁護士になる人はいる、そういう人はみんな東京の大学に行く、と言う。
もちろん大学に行きたい、という紅司に、舞は、問題はお金だ、亜紀にその余裕があるかどうか、と指摘。
紅司は、自分の将来は真っ暗だと絶望する。
家の台所で亜紀は、塾や大学のことなんて考えてもみなかった、どうしたらいいんでしょう、と千歳(大森暁美)に相談。
千歳は、まだ紅葉は小学生なのでまだそんな先のことは考えなくていい、それにその頃になれば亜紀も保護者として慣れてきて、何かいい方法が見つかるはず、くよくよ考えない、と助言。
しかし紅司は、地元で働くのに学歴はいらない、という直也の言葉、亜紀に紅司を大学に行かせる余裕があるかどうか、という舞の言葉のことが頭から離れない。
それでも、楓や花梨を裏切って一人だけ逃げ出すわけにはいかない、と、思っていた。
亜紀も悩み、稲穂の遺影に、本当にこれでよかったのか…と問いかける。
虫に触ることができるようになろうと、必死にカマキリに手を伸ばしてみる紅司。
家に帰ると、ままごとをしていた花梨が亜紀に、自分のおもちゃより紅司が欲しがっていた新しい本を買ってあげて、と頼んでいる様子を目にし、自分だけ逃げ出すわけにはいかない、という気持ちを強くする。
しかし、夜、源三の工房に入り込んで土をいじっているところを見つかり、驚いて作品を壊してしまった紅司は、ひどく叱られたことで、日頃の不満を爆発させる。
これ以上何を我慢しろというのか、もうこんなところはいやだ、と、飛び出す紅司。
仕事場に入ったのには何か理由があるはず、何でも頭ごなしに言わないで下さい、と源三に言い放ち、亜紀は紅司の後を追う。
そこに、晃(渋江譲二)が、紅司の作っていたものを持ってきて、騒ぎを聞きつけてその場に来ていた楓に渡す。
それは、花梨のために紅司が作っていた、ままごと用の茶碗と皿だった。
何もない中で妹を思う紅司の心を知り、源三の表情も動く。
おじいちゃんも今頃、しまったな、と思ってる、おじいちゃんとはあたしが戦ってあげる、と、亜紀は紅司を励ます。
、 しかし紅司は、東京に帰り、伯母のところに行く、と宣言する。
「僕はもう嫌だ。もう嫌なんだよ!」
Check! −天野さん亮介くん的みどころ−

紅司の東京行きの決断は、天野さん亮介くんの出番を呼ぶありがたい大英断なので、葛藤の末東京行きを選ぶその気持ちを、感謝の気持ちをこめて大切に見守るべし。