仮面ライダーフォーゼ
第19話
鋼・竜・無・双
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放送日時 ◆ 2011年1月22日(日)8:00~8:30
【テレビ朝日公式:仮面ライダーフォーゼ-STORY(第19話)】
坂田梨香子(風城美羽) 冨森ジャスティン(大文字隼) 志保(野座間友子) 土屋シオン(JK)
加藤侑紀(江川留美) 安藤 龍(野本 仁)
田中理恵(ヴァルゴ・ゾディアーツの声) 檜山修之(タチバナの声/ナレーション)
鮎川桃果(女子部員A) 大坪あきほ(女子部員B)
高岩成二 永徳
渡辺 淳 藤田彗 藤井祐伍 玄也 優光 小玉百夏
石井靖見 高田将司 高橋玲 村井 亮 白崎誠也
(ジャアンアクションエンタープライズ)
天野浩成(速水公平) 田中卓志〔アンガールズ〕(大杉忠太)
二人がラビットハッチに入ると、流星(吉沢 亮)がフォーゼのスイッチ調整をしていた。
テストしていたのは、28番・ハンド。超高性能マニピュレーターであり、フォーゼみ変身した弦太朗(福士蒼汰)が数学の問題に苦戦している間に、自転車を分解してしまう。
フォーゼが何かにかかりきりな時、精密かつ正確な動きでそれを補佐する、とハンドの性能を説明する流星に、ライダー部員達は喝采を送るが、賢吾は、スイッチの調整は俺の役割の筈だが、と不機嫌に。
そんな賢吾に弦太朗は、流星にスイッチ調整を任せたのは自分だと話す。流星の心の中身がもっと見るためにも、部の中で何か役割がいると思ったという。
弦太朗の頼みに、優秀な部員が増えるに越したことはない、と引き下がりかけた賢吾だったが、30番と31番、マグネットNとSを調整中と聞き、これだけは止せ! と顔色を変える。
部室を抜け出し、タチバナ(声:檜山修之)に連絡を入れた流星に、タチバナは、仮面ライダー部の中核に食い込んで信頼を得、フォーゼの新戦力の増強を促すよう命じる。
それが二郎(横浜流星)復活への近道、と釘を刺された流星は、仮面ライダー部期待の新人を演じきる、と誓う。
校長室では、ソファに座る速水(天野浩成)の背後で、ヴァルゴ・ゾディアーツ(声:田中理恵)がにらみをきかせていた。
「重いなあ、あなたに背後に立たれると、心臓に悪い。
我望様が絶大な信頼をお寄せになるあなたが現れたということは、私の尻にも火がつきましたかね?」
と、自虐的な笑みを浮かべていた速水だったが。
「ヴァルゴ」
振り向きざまに睨みつける眼光は、鋭いものだった。
ヴァルゴは冷然と答える。
「君の今後の仕事次第だ。私は裁判官であり処刑人」
その“仕事”について、速水は断言する。
「今度覚醒する私の教え子は最高傑作です。強い、それはもう強い。
彼に課題を与えました。フォーゼとメテオ、2人の仮面ライダーを撃滅せよ、と」
教室では、呼び出しをくらった弦太朗が大杉(田中卓志)と向き合っていた。
大杉は唐突に「お前の学ラン…いいな」などと、大杉らしからぬことを言いだす。
「変わらないっていうのは…いい。安心するよ」と言い残し、泣きながら教室を後にする大杉を見たユウキは、園田先生の病欠が長引いたことがショックだったんだね、とコメント。
園田に何かあったのか、ライダー部の出番かも知れない、と、弦太朗がマグネットスイッチを取り出すと、賢吾がすさまじい剣幕で飛び込んできて、マグネットスイッチは止せと言ったはずだ! と弦太朗にくってかかり、二人はもみあいになる、
おいおい…そこはスムーズに行けよお前ら、と心の中でつぶやく流星。
体調を崩して膝をつく賢吾に差し伸べた弦太朗の手を振り払い、賢吾は、弦太朗に絶交を言い渡す。
グラウンドに出た賢吾は、練習中の陸上部の江川留美(加藤侑紀)に目を止める。
陸上部部長の秘蔵っ子と噂される留美は、不調のようだった。
留美と久しぶりに言葉を交わした賢吾は、また背が伸びたな、という賢吾の言葉への留美の反応から、留美の不調の原因が分かったと告げる。
しかし、留美に求められてアドバイスをしようとしたところに、陸上部部長の野本(安藤 龍)が現れ、部外者のアドバイスは困る、うちの部は恋愛禁止だ、と、賢吾に苦言を呈す。
彼女とは1年の時の級友だ、そんな仲じゃない、という賢吾に、友達なら江川の心を乱すような真似はしないでくれ、と野本。
その後、聞こえてきた大きな破壊音に、賢吾は驚く。
教室にいた弦太朗達も破壊音を聞きつけて駆けつける。
音がしたのは駐車場で、数台の車が燃えていた。
そこに、車を頭上に掲げてゾディアーツが現れる。
弦太朗はフォーゼに変身してそのドラゴン・ゾディアーツと交戦するが、我が師マスター・リブラの命により、お前を倒す! と宣言する敵は、とにかく硬くてキックも頭突きも通用しない。
メテオの方は現れないな、というドラゴンの言葉を聞いて、自分も標的なら出て行かないほうが懸命、と、静観をきめる流星。
エレキステイツでもファイヤーステイツでも攻撃が効かないドラゴン・ゾディアーツが鉄のように硬いことから、流星は、まだテストが終わっていないマグネットスイッチの使用を提案。賢吾の制止も聞かず、フォーゼはマグネットスイッチを使用、両手の磁石がくっついて身動きがとれなくなったうえ、周囲にあるさまざまな鉄製品を吸い寄せ、ついには大型トラックに挟まれ、窮地に陥る。
大文字(冨森ジャスティン)がパワーダイザーでトラックを止めている間に、なんとかスイッチをオフして危機は逃れたが、こうなる事は分かっていた、分かっていたのに! と、賢吾は怒りを募らせる。
校長室で、速水はヴァルゴに得意げな顔をみせる。
「どうです?ドラゴンは」
現時点でもホロスコープス級だ、というヴァルゴに速水はさらに、強気の発言。
「我々の同志、十二使徒がまた増える。それだけではない、謎の存在、メテオの尻尾も掴ませますよ」
それに成功すれば栄光への階段が見える、なんと欲深い校長先生だこと、と笑うヴァルゴに、速水は満面の笑みをそば近く寄せてささやく。
「この学校は、そう言う学校ですから」
ラビットハッチで賢吾は流星に、マグネットスイッチの仕上げについて意見を求める。
バトルデータをもとにタチバナさんに調べさせて得た結論をもとに流星は、この2つだけは制御端末をつけるべきと提案。
賢吾もそれに同意し、NSマグフォンの設計図を披露する。
さっそく作りましょう、という流星を、君には父さんのスイッチに触れて欲しくない、と拒む賢吾。
流星を擁護する弦太朗にも、流星が弦太朗を実験台にしたと頑なな態度を崩さない賢吾は、さらに仮面ライダー部員は協力すべき等言われ、仮面ライダー部を飛び出してしまう。
水辺で“如月の奴…もう、馬鹿!”などと言っている賢吾を、江川が見ていた。
自分より大きい女の子なんていやだよね、という江川に賢吾は、江川は体格から来るコンプレックスのせいでフォームが乱れていたことを的確に指摘。
陸上部に仮入部して、大会に向けアドバイスしてほしい、という江川の申し出に、賢吾は一瞬仮面ライダー部のことを思うが、結局承知してしまう。
その頃、弦太朗は屋上で、何でこんな事になってしまった、あいつの凄さも大事さも分かってるつもりでいるのに…と、べそをかいていた。
賢吾が陸上部で江川に砲丸投げのアドバイスをしていると、ドラゴンが現れる。
フォーゼの仲間だったな、お前がメテオか? と、賢吾を襲うドラゴン。
」
べそをかいている弦太朗に、賢吾の設計通りに流星が完成させたNSマグフォンを、ユウキが手渡す。
そのNSマグフォンに、美羽(坂田梨香子)から、賢吾がドラゴンに襲われているとの連絡が入る。
弦太朗はフォーゼへに変身、賢吾のもとへと急ぐ。
フォーゼはドラゴンと対峙するが、圧倒される。
ユウキの背後で、流星もメテオに変身。
2対1で戦うが、ドラゴンの硬い装甲の前に歯が立たない。
そこでフォーゼはNSマグフォンを取り出し、実験もしないで使うのは危険だという賢吾の制止を聞かずに使おうとする。
しかし、2つに分離させて装填すべきところ、うまく割れない。
そのうちに、NSマグフォンは空高く飛んで行ってしまう。
賢吾は、朔田なんか信じるからだ、君は大馬鹿だ!! と、フォーゼに怒鳴る。

これまで余裕の笑みで口にされていた“重い/軽い”セリフが、思い切り不機嫌な表情でというギャップが面白く。
これまでマスター・リブラの威厳を際立たせていた劇伴音楽も、こうも立場が変わったときに流れると、パロディのようなおかしみさえ…
正面から速水先生の表情をとらえる前に、斜め上から回り込むようなカットを入れる凝り具合もナイス。

眉をくいっと上にあげてから、笑顔を消したやや虚ろな表情をはさみ…と、速水先生の表情のギアチェンジも、カメラワークに負けない細かさ。
そのひとつひとつが、静止画にしたいきれいさ。

“我望様が”のあたりで、目をきょろりと上の方をみるように上げたちょっと可愛い表情をみせたかと思うと、“絶大な信頼をお寄せになるあなたが現れたということは”では目を細めてみせ、“私の尻にも火がつきましたかね”でうっすらと笑みを浮かべてみせ…と、とにかく表情が細かく。
その間も、速水先生の正面をややあおりぎみに、ゆっくりと回っていくカメラ。

「ヴァルゴ」
甘やかな声から一転、低い声になると同時に、振り向きざまに睨みつける眼光の鋭さ!
速水先生の中にある感情の激しさを、鮮烈にみせつける一瞬。

ヴァルゴをにらみつけた視線をもとに戻した速水先生を、そのまま斜め後ろから撮るアングルから、逆光に浮かび上がるドラゴンの映像に。
速水先生の甘い声の響きが際立ち。

“彼に課題を与えました”で、ちょっと物憂げに開かれた黒目がちの瞳を閉じ、カメラの側に少し顔を向け、伏し目がちに“フォーゼとメテオ、2人の仮面ライダーを”と発音、“撃滅せよと”で、瞳に一瞬光を入れてから、目を細め…
…という、ほんとうに顔が“近い”と感じられるカメラワーク、ちょっとベッドシーンを撮っているかのような印象もあり(背景が光を透かした白いブラインドというのも、なんかそんな感じ…)、日曜朝に小さなおともだちと観るには、ややエロいかも…
とにかくこのヴァルゴとのシーンは、ほんの短いシーンなのに、速水先生をなめまわすようにいろいろな角度から撮るカメラワークがエロすばらしすぎ!!

うれしそぉ~うな“どうです”の笑顔に、ヴァルゴの方に視線を少し流しての“ドラゴンは”の得意げな顔、あまりにもうれしい気持ちが表れすぎで、なんだかカワイイ…
先生にこんなにうれしそうに自慢してもらえるドラゴンはしあわせ!

「それだけではない」と、くるっと椅子をヴァルゴの方に向ける軽快な動きも、うれしそう…
「謎の存在、メテオの尻尾も掴ませますよ」の声響きが、とても甘やか。

ヴァルゴの顔の横に自分の顔を寄せ、視線をヴァルゴの反対方向に流しての「この学校は」、オトナ悪そう!!
その、悪代官とつるむ越後屋さんのような表情から一転、「そう言う学校ですから」での満面の笑み!!
オトナ感あふれる陰険漫才をしめくくる、あざやかすぎる表情の輝き!!