愛の劇場
愛のうた!
第22話
日本一のママ母
Staff & OA
脚本 ◆ 武田有起 演出 ◆ 田沢幸治その他のスタッフ ◆ 【愛の劇場『愛のうた!』 スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2007年11月27日 13:00〜13:30
◆公式サイト◆
【TBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】【TBS公式:番組情報−愛の劇場『愛のうた!』】
◆参考サイト◆
【TBS公式:テレビ番組表−2007年11月27日】【ドリマックス公式:ドラマ−愛の劇場『愛のうた!』】
Cast
黒川亜紀:雛形あきこ黒川 楓:荒井 萌 黒川紅司:泉澤祐希 黒川花梨:三好杏依
木村晃:渋江譲二 蒔田亮介:天野浩成 小峰直也:嶋大輔
黒川源三:左右田一平 黒川千歳:大森暁美
Story
バーベキューに行って以来、花梨(三好杏依)達が元気をなくしたのは、バーベキューが行われたのが自分の家ではないからと勘違いした亜紀(雛形あきこ)。花梨たちの気持ちを盛り上げようと、直也(嶋大輔)の提案で自宅でのバーベキューを企画する。
ところが花梨は父親のいない寂しさを余計感じてしまい、パパに会いたいといって泣き出してしまう。
楓(荒井萌)は、なんでこんなことをしたのか、両親がいないのにああいうところに連れて行かれるのはどんな気持ちかわからないのか、と亜紀を責める。
激しく亜紀を責めていた楓の声が細くなり、亜紀に告げる。
「お父さんはよくしてくれました。近くの河原でバーベキュー」
だからよけいつらいんです、考えて行動してくれっていったはずです、もう二度と余計なことしないでください、と楓。
台所で一人、稲穂さん、また失敗しちゃった、だめだねえ…とつぶやく亜紀。
作業場で紅司は晃に、最悪だよ、僕、継母さんがあそこまで無神経な人だと思わなかった、と、亜紀への憤りを口にする。
そんな紅司に晃は、誰のおかげで今まで忘れていられたと思ってる、と、厳しく言う。
父親のいない寂しさを忘れていた、という、前夜の紅司の言葉を覚えていたのだった。
お前達にはあの人がいる、だから…という晃の言葉を、晃さんにはわかんないよ、僕達、父親だけじゃなくて、母親もいないんだ、そんなの晃さんにはわからないよ、と、はねつけようとする紅司だったが。
わかるよ、と晃は言い、紅司よりずっと小さいときに両親を亡くし、施設をたらい回しにされ、怒りをぶつける相手もなく、たったひとつ守りたいものもとりあげられ、でも必死に生きてきた、だからわかるよ、と、自らの過去を明かす。
その話に圧倒され、無言でその場を立ち去る紅司。
紅司が去った後、自分の首飾りをみつめる晃。
紅司が部屋に戻ると、楓が花梨に、いつまでたってもあの人は私達の気持ちなんてわからない、お姉ちゃん達と3人で暮らそう、言いふくめていた。
お姉ちゃんにお願いがある、と花梨。
直也は亜紀に、よく考えれば自分も妻がいなくなった後、舞にずいぶん泣かれたのに、そんなことすっかり忘れて…俺が気づくべきだった、と、バーベキューを提案したことを謝る。
しかし亜紀は、楓の言う通り、自分がよく考えれば気づくことだった、自分が悪い、という。
でも、気づいたところで稲穂は死んじゃったわけだし、会いたいといわれても…と、困り果てたように直也が言ったところで、喫茶店に来客が。
思いがけないことに、それは亮介(天野浩成)だった。
別の店のテーブルで亮介と向き合った亜紀が、何しに…と尋ねると、新鮮な牛乳を買いに、などという。
冗談だよ、用がなきゃ来ちゃいけないのかよ、という亮介に、そうじゃないけどさ、と亜紀。
どう、調子、と言われて、まあ、いろいろ…と亜紀。
母親の代わりも満足にできないのに、父親の代わりなんて、求められてもできるはずないのに…といって表情を曇らせる亜紀に、やめれば、と、さらりという亮介。
え? と思わず亮介の顔を見た亜紀に、母親の代わりなんて、やめちゃいなよ、と亮介は言う。
あの子達にはおじいちゃんもおばあちゃんもついてるんだし、何も、亜紀がそんなに苦労することないんじゃないのかな、という亮介は、あの子達が可愛いのはわかる、気になる気持ちもわかるよ、けどさ、所詮、他人なんだし、お前がやってることが、無茶なんだよ、と言う。
さらに表情を暗くした亜紀に、勘違いするなよ、お前のことが心配だから言ってんだ、と亮介。
子供達のこと忘れて、東京戻って来いよ、と。
出かけようとする楓を、千歳(大森暁美)が呼び止める。
亜紀が楓達のためによかれと思ってやったことを忘れてはいけない、楓達の父親が死んだことについては亜紀には何の責任もない、楓達と同じ、いやもっと大変な、一番の被害者、楓は亜紀が何も言わないのをいいことにわがままを言っているだけ、と、楓を諭す。
楓は何も言い返さず、ただ、いってきます、と家を出る。
家を出ると、待っていた紅司と花梨に誰にも見られなかったか確認して、3人は家を出る。
帰宅した亜紀は、迎え出た千歳から、子供達がいないと告げられる。
どうだ、みつかったか、という源三(左右田一平)に、三人がバスに乗るところを見た人がいる、と晃。
まさか東京? という千歳に、探してきます、多分私のせいですから、と亜紀。
亜紀はすぐ、那須から東京に車で戻る途中の亮介を電話で呼び出し、一緒に乗せていってくれるよう頼む。
子供達は実際、東京に来ていた。
東京に行きたい、という花梨の願いをきいて。
東京に来ても父・稲穂はいない、そんなことはわかっていても…
亜紀と一緒に走り回りながら、本当に東京に来たのかよ、3人でいったいどうしようっていうんだよ、一体どこに行くんだよ! と亮介。
とりあえず、前に住んでたマンション、と亜紀。
3人は果たして、かつて5人が新しい生活を始めたマンションの前に来ていた。
家族のルールを決める稲穂を思い出す3人。
亜紀達がマンションの前にたどりついた夕暮れ時には、もう3人はそこにいなかった。
さらに走り出そうとする亜紀を止めて、どこ行くんだよ、と亮介。
絶対このあたりにいる、なんでわかるんだよ、わかるの! と亮介と押し問答をしていた亜紀は、道に花梨のリボンが落ちているのをみつけ、やっぱり3人がここに来たことを知る。
ひたすら走り回る亜紀に、闇雲に探したってみつかるわけないだろ、ほかに心当たりないのかよ、と亮介。
心当たり…と考えた亜紀の記憶に、楓の細い声がよみがえる。
“お父さんはよくしてくれました。近くの河原でバーベキュー…
だからよけいつらいんです!”
走り出す亜紀。
追いすがる亮介。
夜の河原で、紅司や花梨は、寒い、と言い出していた。
3人が夕方まで遊んでいると、稲穂がよく防寒着を持ってきてくれたこと、3人がどこにいるかもいつもわかっていたことを、3人は思い出す。
花梨達が遊んでいるところに、風邪引くだろう、と、上着を持ってきてくれた父・稲穂。
パパはなんで花梨達がどこにいるかわかるの? という花梨に…
パパは、スーパーマンだからさ。
本当? と聞く花梨に、稲穂は笑って、本当はわからないよ、と白状する。
わからないけども、いつも先回りして、いろんなことを考えるんだ。
昨日あの話をしてたから、あそこで遊んでるな、とか、そろそろおなかがすく時間だな、とか。
寒くなってるんじゃないかなあ、とか。
ふうん、と感心する花梨に、稲穂は言う。
いつも、いつも考えてるのさ。花梨たちのこと。
どこにいても、何しててもね。
稲穂がいつも、3人をみつけて降りてきた階段を、じっとみつめる3人。
その階段から。
「おーい! こんなとこで何やってんの!」
走ってきた亜紀が、降りてきた。
こんなに冷たくなっちゃって、と、マフラーや手袋を3人につけてやる亜紀。
落ちていた花梨のリボンも、結びなおす。
継母さん、ごめんなさい僕達、と、真っ先に謝る紅司。
いいよ、と亜紀。パパに、会いたくなっちゃったんだよね…。
ごめんね、わかってあげられなくて。みんなのこと、傷つけてばっかり。
全部私が悪い…本当に、ごめんなさい。
そう、頭をさげる亜紀を不思議そうに見上げ、花梨は無邪気に、これ、あったかいよ、と、マフラーをさしていう。パパとおんなじ、と。
ごめんなさい、わがまま言って、と楓。
僕達が悪かったよ、継母さんは悪くない、と紅司。
ママ母…と、亜紀にぎゅっと抱きつく花梨。
その様子を、亮介は少し離れたところから見守っていた。
帰ってきた子供達を、寒いでしょう、と、千歳はうれしそうに迎え入れる。
早く風呂に入って寝ろ、と、源三。
稲穂が絵を描いたあの場所に、亜紀と子供達はやってきていた。
花梨と花を髪に飾って遊ぶ亜紀をみながら、紅司は、亜紀はなぜ自分達があそこにいるとわかったんだろう、と楓に問いかける。
さあ、たぶん、スーパーマンなんじゃない、と楓。
二人は顔を見合わせて笑うと、花を見ている亜紀と花梨に加わる。
4人で手をつないで歩きながら、亜紀は宣言する。
私、気がついたの。
私がいくらがんばっても、私はあなた達のお父さんやお母さんにはなれない。
けど、ひとつだけなれるものがある。
継母。
ただの継母じゃないよ。日本一の継母!
絶対日本一の継母になるぞー!
4人は手をつないで、笑いながら、那須の大自然の中を駆けていく。
Check! −天野さん亮介くん的みどころ−