愛の劇場
愛のうた!
第27話
亡き父と同じ夢
Staff & OA
脚本 ◆ 山浦雅大 演出 ◆ 山崎統司その他のスタッフ ◆ 【愛の劇場『愛のうた!』 スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2007年12月4日 13:00〜13:30
◆公式サイト◆
【TBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】【TBS公式:番組情報−愛の劇場『愛のうた!』】
◆参考サイト◆
【TBS公式:テレビ番組表−2007年12月4日】【ドリマックス公式:ドラマ−愛の劇場『愛のうた!』】
Cast
黒川亜紀:雛形あきこ黒川 楓:荒井 萌 黒川紅司:泉澤祐希 黒川花梨:三好杏依
木村晃:渋江譲二 内田麻里:橘 実里 内田守:新妻大蔵
小峰直也:嶋大輔 桜井慶太:兼子舜 柴田次郎 柳田 努
黒川源三:左右田一平 黒川千歳:大森暁美
Story
内田牧場で作業中、亜紀(雛形あきこ)は、身ごもっている麻里(橘実里)に、あとどれぐらいで生まれそうか尋ねる。
もういよいよという感じ、という麻里は、男の子と女の子のどちらがいいかと聞かれると、自分はどちらでもいいけれど、女の子だと結婚式のときに泣いちゃうから絶対男の子がいいと守(新妻大蔵)は言っている、と答える。
その守は、今度那須の町主催の絵画コンクールがあるので、楓(荒井萌)にどうか、と亜紀に話す。
いい考えだと思った亜紀は、守から、役所に行けばチラシがあること等を聞き出す。
楓が帰宅すると、亜紀は絵画コンクールのチラシを見せ、出品しないかと聞いてみる。
アルバイトが忙しいし、本気で絵を描く気はもうないから、という楓だったが…
夕食の席で、亜紀は千歳(大森暁美)にも絵画コンクールの話をする。
千歳は、稲穂も楓ぐらいの頃、このコンクールに応募したことがあるという。今、子供部屋に飾ってある絵で一等賞をとったのだ。
すごい、運命だよ、絶対応募しなよ、とすすめる亜紀に、うるさいな、ほっといてよ、と楓。
源三は源三で機嫌を悪くし、くだらん、といって席を立ってしまう。
稲穂さんの話でお義父さん機嫌を悪くしちゃいましたね、と亜紀がいうと、未だに稲穂は陶芸を捨てて絵を選んだと思ってるんだから、あれから何十年もたつというのにねえ、と千歳もため息をつく。
子供部屋に飾ってある、稲穂がコンクールで一等賞をとったという絵…一本の真っ直ぐな樹を描いた絵を、楓はじっとみつめる。
そして稲穂の絵の具箱に触れ、お父さんもか…とつぶやく。
そんな楓に紅司は、絵、描いてみればいいんじゃない? 継母さんああ言ってるんだし、それにお姉ちゃん絵、好きでしょ、と勧める。
あんたに言われなくてもわかってるわよ、と楓。
喫茶店で、楓が絵を描いてくれるといいね、好きなことはとことんのばしてさ、という稲穂の幼なじみの直也は、やっぱり血なのかな、稲穂も本当に絵が好きだった、と感慨深げ。
稲穂が本格的に絵を描き出したのは楓ぐらいの年頃だったが、いつも父親の目を気にしてコソコソ描いていたからかわいそうだった、とも。
亜紀は帰宅途中、楓が稲穂の絵の具箱を持って、稲穂が絵を描いた丘の方へ歩いていくのを見かけて微笑む。
どこ行くの、と声をかけられると、別にどこでもいいでしょ、という楓に亜紀は、気をつけてね、とだけ声をかける。
丘で絵を描く楓。
その頃、亜紀は稲穂の五円玉に、楓が絵を描きはじめた、見守っていてあげてね…と語りかけていた。
食卓の近くに楓の描きかけの絵が置いてあるのをみつけた源三は、早く片づけろ、と命じ、くだらん、何が楽しいんだか、と吐き捨てる。
そんな源三に亜紀が、一生懸命楓が絵を描いているのにその言い方はひどい、絵を描くことはくだらなくなんかない、稲穂のことがあるからといっていつまでの根に持たないで下さい、大人気ないですよ、と抗議すると、源三は、うるさい、と言って立ち去ってしまう。
丘で楓が絵に色をつけていると、亜紀がやってくる。
どんな絵を描いているのか気になって、という亜紀に、楓は絵を見せる。
亜紀はその出来映えに感嘆し、楓には才能があるとほめる。
うるさい、これから色づけで集中したいから、と楓は亜紀を追い払う。
慶太(兼子舜)に調子はどう、と聞かれ、そこそこ、イメージ通りに描けている感じ、と楓。
やはり絵を描くのはいい、すごく楽しい、という楓に、入賞できるといいよな、と慶太がいうと、まあね、と亜紀は自信ありげな様子を見せ、お父さんにできたなら私にも、みたいな? と、心の内を語る。
楓が帰宅すると、亜紀は、稲穂の絵の具はぼろぼろだから、と、楓に新しい絵の具を手渡す。
私からのプレゼントじゃいやかもしれないけど、という亜紀に、ありがとう、と楓。
しかし、一等賞取れるといいね、と亜紀が言うと、あなたに言われなくてもわかってますから、と…。
子供部屋で、新しい絵の具を大切そうに絵の具箱に加える楓を見て、紅司は、もし父が生きていたら、今の楓を見てどう思うのだろう、自分と同じことをしているんだから、やっぱりうれしいんだろうな…と考える。
絵を描きながら、楓は、満足げな笑みを浮かべる。
喫茶店で、亜紀は守がもらってきてくれた市の広報の絵画コンクール入賞者発表に、楓の名前を探す。
丘に立って自分の絵をみつめる楓。
千歳、亜紀、花梨、紅司は、楓は残念だったという話をしていた。
そこに楓が帰ってくる。源三も部屋に入ってきた。
残念だったね、でも楓の絵はとても素敵だった、という亜紀に、別に慰めてくれなくていいって、と、部屋に行ってしまう楓。
そんな楓の様子を見て、紅司は、やっぱり父親が賞をとれたのに自分は落選したから相当ショックなのでは、と楓を案じる。
部屋でも、自分の絵をみつめていた楓は、庭に出て絵を破ろうとする。
すると源三が、やめろ、そんなことするな、と声をかける。
楓の絵を広げて、じっと見ている源三に、楓は、おじいちゃん、ざまあ見ろって思ってるんでしょ、お父さんと同じで絵を描いてる私が嫌いなんでしょ、私がコンクールに落ちてよかったって喜んでるんだ、と毒づく。
しかし源三の口から出たのは、わしはいい絵だと思う、お前らしさが出てる、いい絵じゃないか、という言葉だった。
ホントにそう思うの? と楓は、立ち去ろうとする源三の背中に問いかける。
ああ、と源三。
楓はさらに、ホントに? ホントに? と問いかける。そして、源三は、ああ、と。
楓は源三に、誰にも言えなかった本心を打ち明ける。
本当はすごいショックだった、だからもう絵なんてやめちゃいたくて。…いつもそうだったの、東京にいたときだって、ほめられていいところまではいくけど、絶対一番はとれないでしょ、だったら続ける意味なんかないんじゃないかって。
そんな楓に源三は、わしはいつも思っているんだが、絵や陶芸なんてものは順位をつけるもんじゃない、好きなものを好きなように表現すればいいんだ、ただそれだけの話だ、と言い、お前は絵が好きか? と問いかける。
楓がうなずくと、じゃあ続ければいい、と、源三は楓の肩を叩く。
そんな二人の様子を、紅司と亜紀は、少し離れた場所からみつめていた。
その後、楓は、よく絵を描きに行くようになった。
とても楽しそうに。
それからまもなくのこと。
刑事が2人黒川家を訪れ、応対に出た亜紀に、三上修治さんはいますか、と尋ねる。
誰ですか? と聞き返した亜紀だったが、偶然見てしまった晃の免許証にあった名前だと思い出す。
そのとき、晃が奥から出てくると、刑事は晃に、ちょっと話を聞かせてほしいという。
刑事について外に出る晃を、亜紀は驚きと不安の入り交じる表情で見送った…
Check! −天野さん亮介的みどころ−

楓が将来イラストレーターになって、亮介と仕事をしてくれたりしたら楽しいな、と。