愛の劇場
愛のうた!
第36話
愛するための嘘
Staff & OA
脚本 ◆ 武田有起 演出 ◆ 田沢幸治その他のスタッフ ◆ 【愛の劇場『愛のうた!』 スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2007年12月17日 13:00〜13:30
◆公式サイト◆
【TBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】【TBS公式:番組情報−愛の劇場『愛のうた!』】
◆参考サイト◆
【TBS公式:テレビ番組表−2007年12月17日】【ドリマックス公式:ドラマ−愛の劇場『愛のうた!』】
Cast
黒川亜紀:雛形あきこ黒川 楓:荒井 萌 黒川紅司:泉澤祐希 黒川花梨:三好杏依
木村晃:渋江譲二 小峰直也:嶋大輔 内田守:新妻大蔵 小峰 舞:金澤美穂
宇喜多レイコ:いしのようこ 黒川源三:左右田一平 黒川千歳:大森暁美
Story
子供たちと一緒に暮らしたい、新しいお父さんになる人もいいと言っている、と言い出したレイコ(いしのようこ)。楓は、そんなの勝手だ、なぜ今なのか、自分達がどんな思いをしてきたか…とレイコに怒りをぶつけ、走り去ってしまう。
楓を追って走っていく紅司、花梨。
帰宅した子供達の様子に、千歳はただならないものを感じる。
亜紀は一人、家路をたどりながら、レイコの言葉を思い返していた。
突然こんなことを言い出してすまない、あなたにも申し訳ない、でもどうしても子供達と一緒に暮らしたい、私にはあの子達が必要、どうしてもそばにいたい。
罪滅ぼしがしたい。
帰宅した亜紀に千歳は、子供達はどうしたのかと尋ねる。
レイコが子供達と一緒に住みたいと言い出したことを亜紀が告げると、今さらそんな、と千歳は驚く。
楓が怒ってしまって…という亜紀に、自分達を捨てていった親がいきなり現れていきなり一緒に住みたいと言われれば怒って当然、と憤る千歳。
千歳の問いに亜紀が、子供達と話をしたいから少し時間を下さい、と言った、返すことを認めたわけではなく、その場ではそれしか言えなかった、と亜紀が答えていると、源三がやってきて、渡すことはない、平気で子供を捨てていった女に渡すことはない、と言う。
紅司は、怒ったって仕方がない、レイコは稲穂が死んだことをずっと知らなかったのだし、自分達が継母に引き取られたと聞いてあわてて迎えに来たのだから普通だ、と、楓に言う。
しかし楓は、自分達を捨てたレイコは普通なんかじゃない、と反論。
すると紅司は、稲穂が死んだのに継母である亜紀と暮らしている自分達だって変だ、と言い返す。
じゃあ紅司はどうするのか、と楓に聞かれると、母親の顔をやっと思い出したところなのに急に一緒に暮らせと言われてもわからない、としか紅司も言えない。
花梨もわからないといい、ママ母とママ、両方一緒じゃだめなの? などと聞いてくる。
楓こそ本当はちょっとは行きたいと思っているのでは、と言う紅司に、楓がそんなことはない、と否定すると、それならなぜレイコの写真を隠しているのか、と、紅司は楓が小箱に隠していた写真を見せる。
偉そうなことを言っても楓も母親のことが忘れられないんだ、と言う紅司に、写真を返して、と楓。
本当のことを言ったら返す、という紅司を、1枚しかないの、返して! と楓が追い回し、争っているうちに、写真は破れてしまう。
破れた写真を手にした楓は、涙声になり、確かに自分は少しだけお母さんのことを懐かしいと思った、でも、お母さんと暮らしたいからって亜紀を置いて行けるのか、と、紅司、花梨に問いかける。今までありがとうございました、じゃさようなら、と、実母のところに行けるのか、と。
これはレイコを許す許さないの問題ではなく、亜紀を捨てるかどうかの問題だ、と楓。
紅司は馬鹿だよ、それぐらいわかりなよ、と言って、写真をぱらりと床に投げ捨て、出ていってしまう楓。
家の外に出て行こうとする楓に、亜紀は、お母さんのこと…と声をかける。
行かない、とだけ激しく言い捨てて、出て行く楓。
紅司は楓が投げ捨てていった、破れた写真を拾い、両片を合わせる。
亜紀とレイコのどちらかを選ばなければならないことを知り、立ちつくす紅司と花梨。
作業場で、いつになく不機嫌な様子で座っている花梨に、晃は、どうした、何か怒っているのか、と尋ねる。
また楓と紅司がケンカをした、ママのことで、という花梨に、みんなと一緒に暮らしたいと言っていることは聞いた、と晃。
ママのところに行くかで楓と紅司はケンカした、花梨はママ母もママも一緒がいいと言ったけれど楓がダメだと言った、なぜママ母とママが一緒ではいけないのか、ママ母とママがケンカするからか、なぜどちらかでないとだめなのか、と花梨は晃に疑問をぶつける。
この花梨の問いには、晃も答えられない。
喫茶店《三匹の猫》でマスターの直也は、源三の言う通りだ、ちなみに自分は渡さなかった、と言い、守もそれに賛同する。
あちらは母親、自分達がどうこう言える立場ではないと思う、という亜紀に、亜紀は本当の母親でもないのにあの子達の面倒を一生懸命見ている、子供達がどちらを選ぶかは一目瞭然だ、と直也。
しかし亜紀は、子供達の母親は亜紀よりもずっとしっかりしていてすごい人、そうでなくても子供達にとってはやはり母親、と言う。
その亜紀の言葉に守も、自分の妻の麻里と赤ちゃんを見ていると、自分の入る隙間がないと感じる、と言い出す。
その話を聞いていた舞(金澤美穂)は、うまく言えないが、紅司達は困っているのでは、と、子供達の立場に立った意見を述べる。
帰宅した紅司は、本の間にはさんであった、破れたレイコと楓の写真をみつめるが、亜紀がやってくる気配に、また写真をはさんで本を閉じる。
亜紀は紅司に、レイコのことをどう思っているか、楓のように許せないとまだ思っているのか、と問いかける。
そんなことは…と紅司が言うと、わかった、楓を説得する、と亜紀。楓が怒っていたら、いつまでも母親のところに帰れないもんね、と。
本当は帰りたいんでしょ、と言われ、紅司は否定するが、亜紀は任せといて、という。
すると紅司は、わかった、自分から楓に言う、母親にも電話する、それでいいよね、僕達が話し合って決めるよ、これは僕達のことだから、と、亜紀をおしとどめる。
夜、外で座っていた楓に、紅司は上着を渡す。
そして、自分もやはりレイコのところには行けない、亜紀を置いていけない、という。
悪いのはレイコだからしかたがない、レイコが楓達のことを置いていかなければこんなことにはなっていなかったんだから、と楓。
紅司は楓に、破れた写真を返そうとするが、もういらない、捨てておいて、と楓。
どちらかを選ばなければならないのはつらすぎる、と痛感する2人。
亜紀は子供部屋の屑篭の中身をゴミ焼却用のドラム缶に空けようとして、その中に、レイコと幼い楓の写真が捨てられているのに気づく。
家の中に戻ると、紅司が、やはりレイコのところには行けない、とレイコに電話しているところで、亜紀は思わず物陰に隠れてその話を聞く。
もう怒ってはいないけれど、自分達は亜紀を置いていけない、亜紀は自分達のためにすごく頑張ってくれた、今も喫茶店や牧場などの仕事を三つも四つもかけもちして、自分達と一緒に住む家を買うんだと頑張っている、それだけでなく、父親が死んでから自分達がずっと寂しくなかったのは亜紀のおかげ、いつもそばにいて励ましたり叱ったりしてくれた、だから簡単にさよならなんてできない、悪いけど自分達はそちらに行けない、ごめん、ごめんね…
自分に気を遣う子供達の気持ちを知り、茫然とする亜紀。
庭で、レイコと楓の写真をみつめて考え込んでいる亜紀に、晃が近づく。
楓の母親の写真だと晃に教え、楓はずっと大切にしていた、母親なのだから当たり前、なのになぜ自分なんかのことを…と亜紀。
紅司が自分のことをあんな風に思ってくれていたとは思ってもみなかった、自分を置いて母親のところに行けないなんて…という亜紀に、晃は、花梨も母親と亜紀と両方いてはダメなのか、なぜどちらか一人でなければダメなのかと言っていたことを伝える。
亜紀は家に戻り、千歳に、テープはないかと尋ねる。
写真を見て、誰、と尋ねる千歳に亜紀は、写真の裏側に書かれていた“卒園式 楓6歳 1998.8.16”という文字を見せる。
写真を貼り合わせながら亜紀は、子供達が自分の前で母親が好きだとか帰りたいだとか言えるわけがないのに、それに気づかないでただ答えを待っていた自分は馬鹿だ、と言う。
亜紀は稲穂が絵に描いた丘にやってきて、稲穂の五円玉を握りしめる。
そして、私がこれからすることを許してね、稲穂さんの夢をかなえられないけれど、子供達のためだから…と語りかける。
その夜、亜紀は子供達3人を前に座らせ、好きな人がいる、と切り出す。
え、と驚く紅司。
もしかして亮介おじさん? と楓。
亜紀は答えず、その人と結婚するには、あなた達がいない方が助かるの、だからお母さんのところに行ってちょうだい、と告げる。
亜紀は、はりあわせた写真を楓に返し、お母さんの写真捨てるようなことしちゃダメ、あなた達がお母さんのこと思っててくれてよかった、心おきなく任せられる、自分もまだ若いし、自分の子供もほしい、そういうことだから三人ともお母さんのところに行って、と嘘をつく。
いやだ、ママ母がいい、お母さんなんていらない、ママ母がいい、という花梨の言葉にも、ワガママ言わないの、私が今までどれだけワガママ聞いてきたと思ってるの、と声を荒らげる亜紀。
だから疲れたの、正直いい加減疲れてたんだ、言うこと聞かない子供の面倒見るの、お母さんが引き取ってくれるなんてほんとラッキー、実の母親だもん、渡すのに言い訳も要らないしね、と、突き放した物言いをする亜紀。
だからお母さんのところに行って、と言われ、花梨は部屋を飛び出してしまう。
楓は花梨を追い、一人残った紅司は、亜紀がそんな人だったなんて見損なった、と言う。
そういうのを買いかぶりって言うの、紅司は頭いいんだからそれぐらい覚えておきなさい、と、とどめを刺され、最低、と言い捨てて紅司は席を立つ。
自分の部屋に戻り、へたりこむように座り、稲穂の遺影の前で号泣する亜紀。
Check! −天野さん亮介くん的みどころ−

楓ちゃんの彼氏・慶太くんもどちらかというと亮介タイプなので、そう思ってくれやすかったのかも。
晃さんも27歳と、亮介くんとそれほど年齢が変わらないのに、小学校1年生の花梨ちゃんからみて“晃お兄ちゃん”で(でも、この回の晃と花梨の対話は、“お兄ちゃん”と幼い女の子、というより、フツーに男女の会話だったような…)、中学校3年生の楓ちゃんが亮介くんのことを“亮介おじさん”なのは亮介くんが気の毒なようにも思えるものの(笑)、亜紀の弟か何かのような感覚での“叔父さん”かも…とも。

子供達を傷つける嘘をつく材料に亮介くんを使わないという最低限の仁義を貫いたのか、たとえ嘘でも亮介くんは恋愛対象としては対象外なのか(笑)。
そしてこのやりとりを亮介くんが知ったら、どう思うのか…。