愛の劇場
愛のうた!
第37話
さよなら子供達
Staff & OA
脚本 ◆ 武田有起 演出 ◆ 田沢幸治その他のスタッフ ◆ 【愛の劇場『愛のうた!』 スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2007年12月18日 13:00〜13:30
◆公式サイト◆
【TBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】【TBS公式:番組情報−愛の劇場『愛のうた!』】
◆参考サイト◆
【TBS公式:テレビ番組表−2007年12月18日】【ドリマックス公式:ドラマ−愛の劇場『愛のうた!』】
Cast
黒川亜紀:雛形あきこ黒川 楓:荒井 萌 黒川紅司:泉澤祐希 黒川花梨:三好杏依
木村晃:渋江譲二 小峰直也:嶋 大輔 宇喜多 稔:石橋 保
内田守:新妻大蔵 小峰 舞:金澤美穂 芸プロ
宇喜多礼子:いしのようこ 黒川源三:左右田一平 黒川千歳:大森暁美 ほか
Story
亜紀(雛形あきこ)の話を聞いて衝撃を受け、部屋を飛び出した花梨(三好杏依)、紅司(泉澤祐希)、楓(荒井萌)は、どうしたのかと尋ねる千歳(大森暁美)に、口々に、ママ母は花梨達のこともう嫌いみたい、好きな人ができたからいない方がいいって、私達のこと無理矢理連れてきて今頃そんなこと…と、亜紀の言葉のことを訴える。源三(左右田一平)、晃(渋江譲二)もそれを聞き、晃はすぐに立ち上がって亜紀の様子を見に行く。
部屋で泣いていた亜紀を、晃は、なんであんな嘘をついたのか、何も突き放すようなこと、と責める。
これに対し亜紀は、晃だって分かっているはず、あの子達は亜紀が帰れといってもそう簡単に帰らない、しかし母親のことも諦めきれなくて…だったらこちらから突き放してやるしかない、どちらも選べないなら、片方が手を放すしかない、自分は子供達の手を両方から引っ張り合うことはしたくない、と。
千歳と二人きりになった源三は、子供達が言ったことは本当のことなのか、と千歳に尋ねる。
千歳は、子供達のことを母親に帰すための嘘、亜紀さんがそんなこと、本気で言うわけがないじゃないですか、と源三に言い、まったく亜紀さんって人は、と、もどかしそうに言う。
本当に子供達を渡すのか、という源三に、子供達のことを一番に考えてる亜紀が決めたこと、だから自分達は少しでも亜紀の気持ちをくんであげよう、と千歳。
つらかったと思いますよ、可愛がっていた子供達にそんなこと言うなんて…と千歳。
亜紀のわかりやすい嘘に気づくことができず、悲しみに沈む子供達。
翌日、台所で洗い物をしている亜紀に、楓は昨日言ったことは本当かと問い質す。
振り返らない亜紀に、こっち向いてよ! と楓が声を荒らげると、何度聞かれても同じ、自分にとってこんなラッキーなことはない、という亜紀は、お母さんのところに行ってちょうだい、そのほうがあたしだってせいせいする、と繰り返す。
楓は子供部屋に駆け戻り、紅司と花梨にも、ぼやぼやせず支度をして、お母さんのところに行こう、と言い放つ。
やだよ、という花梨を、わがまま言わないの、だから継母さんに嫌われちゃうんでしょう、と楓は叱る。
紅司も、と楓に促された紅司も、僕もやっぱり行きたくないんだけど、と言い出す。
一番最初にお母さんになついたのあんたじゃない、と非難する楓に、ちょっとお母さんをなつかしく思っただけ、まさかこんなことになるとは思わなかった、と紅司。
それでも楓は、継母さんにあんなこと言われたら行くしかないじゃん、と、泣きながら荷造りを続ける。
なんでだよ、なんでこんなことになっちゃったんだよ、と、紅司も泣き顔に。
子供部屋には、子供達のすすり泣きの声。
喫茶店《三匹の猫》で、亜紀はよく平気だな、という守(新妻大蔵)に、平気なわけないだろう、子供達のこと、あんなに可愛がってたんだぞ、と直也(嶋大輔)。
なんで帰すかなあ…母親がなんぼのもんだっぺ、という守を、母親と子供の絆がどうのって言ったのお前だろ、と直也は責める。
たまらず守が亜紀に意見しようとすると、直也はそれを止め、亜紀を守から遠ざける。
亜紀と子供達は普通の継母と子供じゃない、という守に、普通の家族より家族だった、と直也。
楓はレイコに、3人でレイコのもとに行くことにした、と電話する。
亜紀さんはなんて? というレイコに、私達がいなくなるとせいせいするって、もう疲れたって、と楓が伝えると、レイコは亜紀の意図を察する。
私達が勝手に気を回していたようだ、考えすぎて損した、と楓は言い、レイコはどのへんに住んでいるのか、編集の仕事は、と、レイコの生活について具体的に尋ねはじめる。
その電話を聞いていた千歳は、お母さん何て、と楓に聞く。
明日迎えに来るって、と楓は告げ、今までいろいろありがとう、と、千歳に感謝する。
楓は子供部屋の紅司と花梨に、明日迎えに来るって、たぶん夕方になると思う、と告げる。
沈んでいる紅司と花梨に、楓はことさらに元気な声を出してみせ、ほら元気だしなよ、あれだけ帰りたがってた東京だよ、豪邸だってよ、今一緒に住んでる人もすっごく優しいんだって、と、二人の気持ちを盛り立てようとする。
それでも沈んでいる二人に、楓は耐え切れず、なんとか言ってよ、と。
すると花梨が、ママ母も一緒じゃダメ? ほんとうにダメ? とたずねてくる。
何回言わせるの、ダメに決まってるでしょ、と楓が怒鳴りつけると、花梨は部屋を飛び出していく。
何もあんな言い方しなくても、と紅司。
花梨は作業場の晃に抱きつき、いやだよ、行きたくないよ、ママ母も一緒じゃないとやだよ…と訴える。
そんな花梨の頭をなでてやることしか、晃にはできなかった。
夜になって、外でしゃがみこんでいた亜紀に源三が近づき、いいのか、本当にいいのか、あの子達を帰しても、と声をかける。
帰したくありません、帰したいわけないじゃないですか、けど、あの人は本当の母親なんです、経済的にもしっかりしてるし、あたしなんかとは全然違う、子供達にとってはそのほうがいいんです、そのほうが…と、亜紀は半ば自分に言い聞かせるように、子供達を帰したほうがいい理由を並べる。
翌日。
喫茶店でいつものように働く亜紀に、直也は、子供達はあと3時間であっち行っちゃうんだろ、こんなところで働いてる場合じゃないだろ! と言うが、亜紀は耳を貸さない。
子供達は3人で、稲穂が絵を描いた丘にやってきた。
これで見納め? という紅司に、またいつか来れるよ、と楓。
3人は稲穂の五円玉を取り出す。
父さんごめんね、と紅司。しばらくお別れだよ、と楓。さよならパパ、と花梨。
紅司は、作業場でろくろを回していた源三に、おじいちゃん、と声をかける。
源三は、ここに座れ、と、ろくろの前の席を空け、黙って紅司の手に手を添えて、ろくろを回す。
こんなことになって、なんというか、ごめんなさい、という紅司に、お前があやまることじゃない、と源三。
けど、せっかく今まで教えてもらったのに…という紅司の言葉にも、俺がやりたくてやってたことだ、お前があやまることではない、という源三に、紅司は、さいしょはおじいちゃんのこと嫌いだったよ、すぐ怒鳴るし、いつうもおっかない顔してるし、父さんが出て行ったのも当然だと思ってた、でも違った、おじいちゃんは強くて優しくていい人だった、ただちょっと頑固なだけ、と語りかける。
ここへ来てよかったよ、おじいちゃんに会えてよかった、ありがとうおじいちゃん…ありがとう…と、涙を流しながら感謝する。
なかなか帰ってこない亜紀に、遅いわねえ、と千歳。
子供達もやってきて、亜紀がいないと知り、もうすぐお別れなのに…と紅司、やっぱり継母なんてそんなもんか、なんか冷たい、と楓。
そんな二人を見て、千歳は、楓、紅司、あなた達は亜紀さんのことをどう思ってたの、何だと思ってたの、と問い質す。
何って…継母? という二人に、本当にそれだけ? と千歳。それ以上のものを求めたことなかったって、言える? と。
亜紀さんは継母、正真正銘の継母。あんた達と血のつながりもない、戸籍上の親でもない、いつあんた達を投げ出しても誰にも文句なんて言われないんだよ。それなのに、その継母に、当たり前みたいに甘えてきたの、誰。
冷たいの何のと言う前に、言うことがあると思うけどね、と諭す千歳の言葉に、沈黙する子供達。
亜紀が帰宅すると、楓が迎えでて、来てください、と子供部屋に亜紀を連れて行く。
そこで子供達は、3人並んで正座し、お世話になりました、ありがとうございました、ありがとうございました、と、頭を下げる。
あなた達どうしたの、と驚く亜紀に、楓、紅司、花梨は、ルールその1、朝ごはんと夕ごはんは必ず一緒に食べる、ルールその2、ありがとう、ごめんなさいをきちんと言う、ルールその3、文句は一日一つまで、と、稲穂が作った“家族のルール”を唱えてみせる。
今まで、わがままばっかり言ってきてごめんなさい、と楓、たくさん助けてくれてありがとう、と紅司、花梨、やっぱりママ母が大好きだよ、と花梨。
茫然としている亜紀に、三人は、稲穂の形見の3つの五円玉をまとめて、亜紀に渡す。
これ、持ってて。お願いだから持ってて、と楓。あなたが探し出したんだから…
亜紀は受け取り、手のひらの上に載せてみつめる。
その五円玉をみつけたときのことを、4人抱き合ったときのことを、思い出す亜紀。
私達を忘れないで、と楓。嫌いでもいいよ、と紅司。
お願いだから、忘れないで、と楓。
子供達がレイコに付き添われ、迎えの車に近づくと、レイコの夫・稔が、こんにちは、はじめまして、よろしく、と子供達を迎える。
子供達は亜紀を振り返り、花梨が「ママ母!」と叫んで亜紀に駆け寄ったことでせきを切ったように亜紀に駆け寄って抱きつき、涙で別れを惜しむ。
その様子を、せつなげにみつめるレイコの視線に気づいた亜紀は、厳しい声で、行きなさい、行きなさい! と子供達を突き放す。
車に乗っても、子供達は、名残惜しげに亜紀のほうを振り返っていた…
子供達を乗せた車が行ってしまった後も、亜紀はその場に立ち尽くしたまま。
千歳はそんな亜紀の肩に手をやってその場を離れ、晃も家に戻ろうとするが、亜紀が子供達3人の五円玉を取り落としていることに気づく。
それを拾い上げ、晃が亜紀の手に握らせると、亜紀は泣きながらその場に倒れこむように膝をついてしまう。
声を上げて泣き続ける亜紀。
Check! −天野さん的みどころ−

この回はなんといっても、ラスト近くの石橋保さん登場!
まだ20代前半の天野さんが『本気!』シリーズその他でお世話になったこと、『仮面ライダー剣』の後番組の『仮面ライダー響鬼』の少年・明日夢役の栩原楽人さんのお父さん役を、パート3まで作られた“愛の劇場”人気作品『ママまっしぐら!』で演じられていた方であることなど、天野さんの歴史を思い起こさせてくれるいろいろなことが浮かんで、胸がいっぱいになるところ。
石橋さんの穏やかな存在感、絶大!
(長きにわたっての“愛の劇場”ファンの皆様、盛り上がったのでは!!)