愛の劇場
愛のうた!
第38話
悲しすぎる秘密
Staff & OA
脚本 ◆ 武田有起 演出 ◆ 田沢幸治その他のスタッフ ◆ 【愛の劇場『愛のうた!』 スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2007年12月19日 13:00〜13:30
◆公式サイト◆
【TBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】【TBS公式:番組情報−愛の劇場『愛のうた!』】
◆参考サイト◆
【TBS公式:テレビ番組表−2007年12月19日】【ドリマックス公式:ドラマ−愛の劇場『愛のうた!』】
Cast
黒川亜紀:雛形あきこ黒川 楓:荒井 萌 黒川紅司:泉澤祐希 黒川花梨:三好杏依
木村晃:渋江譲二 宇喜多稔:石橋保 桜井慶太:兼子舜 アニマルグレース
宇喜多レイコ:いしのようこ 黒川源三:左右田一平 黒川千歳:大森暁美 ほか
Story
子供達を東京に送り出し、空っぽになった子供部屋でへたりこむ亜紀(雛形あきこ)。稲穂さん…子供達、行っちゃった…とつぶやく。
楓と紅司、花梨がレイコ(いしのようこ)とその再婚相手の夫・稔(石橋保)と暮らすことになった家は、広壮なマンション。
レイコは稲穂と別れてからすぐ稔と海外に行っていて、なぜか6年ぶりに日本に帰ってきて、子供達を呼び寄せたのだった。
部屋の豪華さにきょろきょろする子供達に、今日からここがあなた達の家になるんだから、長い間ごめんね、よく来てくれました、というレイコは、稔をさして、これからずっと一緒に暮らすんだから仲良くしてください、と紹介する。
よろしくね、と子供達に頭を下げる稔のことを、レイコは、仕事中は怖いけど普段はすっごく優しいから、機械にも強いし、料理だってできるし、何だってできるんだから何でも相談して、と言う。
今日は遅いからもう寝んで、明日何しよう…とはしゃぐレイコは、そうそう、と子供達にそれぞれの部屋を見せる。
そんなレイコを、稔は見守る。
亜紀は、子供達が贈ってくれた、稲穂と亜紀の結婚式の絵をとりあげてみつめる。
また嗚咽がこみあげてくる…
広々としてきれいな、花梨の机も用意されている子供部屋に、那須の家とは大違い、と喜ぶ楓、花梨。
そこに紅司もやってきて、ふかふかのベッドにダイブして、気持ちいい、とはしゃぐ。
紅司の部屋にも机はもちろん、テレビもあって、何ヶ月ぶりのテレビだよ、と紅司。
けどさ、何か落ち着かなくない? という楓に、花梨、やっぱり畳のお部屋がいい、と花梨。
そのうち慣れるって、那須のあの家だって慣れただろ? と紅司。
ママ母どうしてるかなあ…と、花梨が言い出すと、継母さんこれからどうするんだろう、と紅司。
その頃亜紀は、那須の家を出ようと荷造りをしていた。
もともと3ヶ月の約束だったし、子供達がいなくなったんじゃ私がここにいる意味ないですから、と亜紀。
どこに行くつもりなのか、と千歳に聞かれ、それはまだ考えていない、と言う亜紀に、亜紀さんはこの家の立派な嫁、お願いだからもう少しいてちょうだい、と千歳は頼み込む。
亜紀は感謝するが、結局稲穂との約束も果たせなかったし、子供達は別のところで幸せになるんだし、自分も自分なりにけじめをつけたい、と主張する。
そこに源三がやってきて、亜紀が出て行くと行っていると聞くと、明日からもう一度窯焚きだ、ボーッとしてる暇ないぞ、と言い出す。
この間はお前の連れてきた子供のせいでダメになったんだ、当然手伝ってもらう、それから3ヶ月と許可したのは俺だ、出て行くときももちろん許可を得てもらう、とりあえず火入れが先だ、とだけ言って、源三は立ち去る。
ということなのでよろしく、と千歳も笑って立ち上がる。
楓が自分達の部屋で一人でいると、紅司が本を読むからといって入ってきて、ベッドの上に寝転がる。 あの部屋一人じゃ広すぎて落ち着かなくてさ、という紅司に、あんたお母さんのところ帰りたかったんでしょ、お母さんのとこに行けばいいじゃない、楓は言うが、お姉ちゃんこそぼーっとしてないで行けばいいじゃない、と言い返される。
私は別に帰りたくて帰ってきたわけじゃない、と楓が言うと、いざとなるとどうしていいかわからないっていうか…何かヘンな感じなんだよね、という紅司は、お姉ちゃんもそうなんだろ、ちょっとはお母さんと口きけよ、と、楓のレイコに対するぎこちなさを指摘する。
その頃花梨は、食事の支度をしているレイコを、物陰から遠巻きに眺めていた。
それに気づいたレイコは、かくれんぼ? と花梨に話しかける。
ママお料理上手なんだね、と花梨に言われ、食べてみないとわかんないよ、というレイコに、わかるもん、ママ母は“わーッ”とか“ああッ”とか大騒ぎしながら作って、それで上手じゃなかったの、と花梨は、亜紀の話をする。
そう、と笑うレイコに、ママ母は何でも上手じゃない、でも毎朝花梨の髪をとかしてくれた、という花梨の手をとってレイコは、後でクッキー焼こうか? と花梨を喜ばせるようなことを言う。
花梨をひざにのせ、お菓子作りの本を開いて、あれを作ろう、これも作ろうと相談するレイコ。
そこに楓と紅司がやってくると、花梨は、あとでママとクッキー作るの、と報告する。
お昼は紅司の大好きな、ホワイトソースのオムライスだからね、と言われ、そんなの覚えてたの? と表情を輝かせる紅司。
当たり前じゃない、何年紅司の食事作ってきたと思ってんの? というレイコは、楓に、花梨は卵は大丈夫か、ぜんそくは、と、尋ねる。
花梨のぜんそくは少しずつよくなってきている、と答え、どうしてそんなことを、花梨、そんな小さい頃からぜんそく持ちだったっけ、と不思議がる楓に、赤ちゃんのときちょっとアレルギーっぽかったから、ぜんそくの発作が出るようになるんじゃないかとずっと心配していた、というレイコ。
よかった、少しずつよくなってるんだね、と、満面の笑みで花梨を抱きしめるレイコ。
薪を運ぼうとする亜紀に、それは自分がするので、源三の方を手伝ってほしい、と晃(渋江譲二)。
亜紀は晃に、昨日はごめんね、子供達が行ったとき、何かみっともないとこ見せちゃって、と謝る。
別にみっともなくなんかない、大事な人のために自分を抑えるつらさ、よくわかりますから、と晃は、でも…いつか報われますよ、大切な人が幸せになってくれれば、と言う。
そうだね、幸せになってくれるかな、幸せになってくれるよね? と亜紀。
晃は小さくうなずき、仕事に戻る。
慶太は楓に電話し、うまくやれてんの? と聞く。
何かヘンな感じ、よくわかんないよ、と楓。
そっか、という慶太は、俺、何の覚悟もないうちに遠距離させられてんだけど、この犠牲はムダにするな、などと言い出し、そばにいてやれないけど頑張れよ、と楓を励ます。
何かあったらすぐ電話してこいよ、という慶太に、ありがと、と楓が感謝していると、花梨がクッキーが焼けたと呼んできて、楓は電話を切る。
慶太と話ができて、笑顔になる楓。
作業場で千歳は晃に、亜紀はこれからどうするつもりだろう、と話しかける。
けじめつけるって言ってたけど、という千歳に、ここにいると子供達のこと忘れられないんじゃないでしょうか、と晃。
元通りになるだけじゃないですか、また静かな生活に戻るだけです、と晃に言われ、少し寂しげに千歳はうなずく。
できあがったお菓子に、おいしそう、と歓声を上げる花梨に、いいな、花梨は能天気で、と楓。
しかし紅司も、お母さんのオムライスおいしかった、と屈託がない。
そこにレイコがサッカーボールをもって入ってきて、こういうのやらない? と子供達を誘う。
サッカーにつきあわず、楓が居間で一人本を読んでいると、稔が帰宅する。
あわてて立ち上がった楓に、そんなにあわてて逃げなくても、と稔。
レイコは? と聞く稔に、紅司と花梨と一緒にサッカー、もう紅司は5年生なんだから、昔やったボール遊びとは違うのに…と楓が言うと、稔は、楓は行かなかったのか、もしかしてまだ怒っているのか、と尋ねてくる。
まあ当然だよな、といって、楓を座らせ、今回レイコが一番心配していたのは実は楓のこと、楓は自分に似て意地っ張りで、人に甘えない性格だから、素直に来ないのではないか、そのくせ人一倍寂しがり屋で、心の中では甘えられるところを求めている、そして本当はとても優しい子だから、今まで面倒を見てくれた亜紀に背を向けて帰ってくることもできなくて、間に入ってすごく悩むのではと言っていた…と話す。
お母さんがそんなこと…とつぶやく楓に、あまり君達がすんなり来てくれたので正直驚いている、と稔が言うと、すんなりなどではない、自分達は亜紀に追い出された、と楓は話す。もう面倒みたくないって、母親に返すなら投げ出すのに言い訳もしなくていいって…だから驚かなくていいです、それがなかったら戻ってこなかったかもしれないし、という楓の言葉を聞き、複雑な表情になる稔。
素直じゃなくてすみません、と楓は席を立ち、部屋を出る。
楓を見送ると、稔も何かを決意したように立ち上がる。
那須ではいよいよ窯焚きということで、源三、晃、千歳、亜紀が、神棚に向かって祈りを捧げていた。
始めよう、というときに、電話が鳴る。
亜紀が出ると、それは稔からの電話だった。
この間はいろいろありがとうございました、お礼が電話でなんて失礼をお許し下さい、と話し出した稔は、楓と少し話をした、嘘をついて送り出して下さったんですね、といい、あらためて感謝する。
あなたが子供達のことをどんなに思ってくださっているのかよくわかりました、という稔は、だからこそお話ししなければと思って電話したという。
そして稔は、レイコの命が長くないことを打ち明ける。
末期のガンで、子供達を探し始めたときはもう既に間に合うかどうかの瀬戸際で、幾分唐突に引き取りたいと言ったのもそのため、申し訳ない、と稔は詫びる。
何を勝手なことをと思われるかもしれませんが、お許し下さい、レイコからは口止めされていましたが、あなたには話しておくべきだと思いました、そしてお礼を…今まで本当にありがとうございました、ありがとうございました、という稔の言葉に、亜紀は茫然自失の様子で、ああ、はい…と気の抜けた返事しかできない。
ただならぬ亜紀の様子に、どうした、と声をかける源三、子供達に何か、と晃。
近寄った千歳に、亜紀は、レイコが末期のガンで、もう長くないことを、やっとのことで伝える。
なんで? なんであの子達ばっかり…かわいそう…かわいそうすぎる! なんで…と泣き出す亜紀の背中を、千歳は懸命にさする。
紅司、花梨と楽しそうにサッカーをしていたレイコは、ボールを拾いに行ったとき、立ち上がろうとしてその場にうずくまってしまう。
どうしたの、と駆け寄る子供達に、ちょっと立ちくらみ、というレイコ。
無理するなよ、という紅司に、だってお母さんこういうのやりたかったんだもん、もうちょっと大きくなったら相手してくれないでしょ、最後のチャンス、とレイコ。
その公園に、やがて楓もやってくる。
紅司、花梨、帰ってきてくれてありがとう、お母さんホントにうれしい、と、しみじみというレイコに、もしそう思ってるなら、そんなにしんみりしないでよ、と紅司。
またサッカーに興じるレイコ達を、楓は遠くからみつめる。
亜紀は声を放って泣き続ける。
亜紀の背中にすがるように、千歳も泣いていた。
そんな二人をやりきれない表情でみつめる晃、自らも涙ぐんでいるような源三。
亜紀の号泣は止まらない…
Check! −天野さん亮介くん的みどころ−

最初は、クリスマスツリーの飾られた店内のテーブルで向かい合って、こんな時に子供達に会っていいと思う? と亜紀に相談されている天野さん亮介くん。
重い問いに硬くなる亮介くんの表情に、こういうことを亜紀が最後に相談するのは亮介なんだなあ…と、ほろり。

これまで亜紀と並んで座るときも、ちょっと離れて座っていたりして、口ではたくさんアピールしていてもそういう雰囲気が全くなかった亮介くんの、思いがけないほどムードある雰囲気に驚愕!
とても優しそうで、包容力もありそうに見えて、感動モノ。

金色の光に染まる公園、先を行く亜紀(?)、追いすがるように歩く亮介(?)。
上記2シーンも含め、亮介くんと亜紀のこれまでにない雰囲気のシーンが、どういうストーリーで展開するのか、楽しみすぎ!!!