仮面ライダーフォーゼ
第13話
学・校・拒・絶
Staff & OA
脚本 ◆ 三条陸 監督 ◆ 石田秀範その他のスタッフ ◆ 【『仮面ライダーフォーゼ』スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2011年12月4日(日)8:00〜8:30
◆公式サイト◆
【東映公式:仮面ライダーフォーゼ−第13話】【テレビ朝日公式:仮面ライダーフォーゼ−STORY(第13話)】
Cast
福士蒼汰(如月弦太朗) 高橋龍輝(歌星賢吾) 清水富美加(城島ユウキ)坂田梨香子(風城美羽) 冨森ジャスティン(大文字隼) 志保(野座間友子) 土屋シオン(JK)
天野浩成(速水公平)
虎南有香(園田紗理奈) 竹本英史(スコーピオン・ゾディアーツの声) 檜山修之(ナレーション)
水野真典(三浦信也) 石橋菜津美(山本麻里)
高崎佳代(三浦の母) 二宮 聡(三浦の父) 南風佳子(母親A)
高岩成二
永徳 渡辺淳 高田将司 浅井宏輔 藤田慧 佐藤大輔
石井靖見 村井亮 蔦宗正人 玄也 岡田和也 高橋玲
(ジャパンアクションエンタープライズ)
田中卓志〔アンガールズ〕(大杉忠太) 鶴見辰吾(我望光明)
Story
ラビットハッチへの入口が失われかけた危機の教訓にもとづいて、ライダー部員達はロッカーを壁に固定していた。すると、外が騒がしい気配がする。
学園の生徒の保護者達が、怪物騒ぎにクレームをつけるために大挙して押しかけてきたのだった。
その中に、オリオン・ゾディアーツになってから学校に来ていないアメフト部員・三浦の母親もいた。
申し訳ありませんでした、と叫ぶ園田に殺到する保護者。
怪物の正体は調査中で、警備も強化して…と、大杉は園田と保護者の間に割って入ろうとするが、何気取ってんのよ! 気持ち悪い!! と、突き飛ばされてしまう。
大杉じゃどうしようもねえ、と弦太朗が乗り出そうとしたとき。
赤いオープンカーが颯爽とやってくる。
車を停めた若い男はつぶやく。
「重いね」
あざやかなしぐさでシートベルトを外し、車から降り立ちながら。
「生徒たちを預かる我々の責任は、実に重い」
そして、保護者達のほうへと歩いていく男。
「あんた、誰だ?」
いぶかしむ源太郎を、ユウキはスリッパでひっぱたく。
「馬鹿! 校長先生よ!」
天ノ川学園高等学校の校長・速水公平の登場に、保護者達の間からはもう、“校長先生よ!”と、悲鳴ともため息ともつかない声があがりはじめ、校長の姿を見て、失神する女生徒達も。
「あんな若いのかよ、うちの校長」
という弦太朗に、賢吾が説明する。
「若くて二枚目、物理学の博士号を持ち、うちの学校の人気の秘密のひとつさ」
保護者達の前に立った速水が、微笑みながらサングラスを外すと、保護者達からは“素敵…”と、ため息交じりの声が漏れる。
「校長の速水です」
と、語り始める速水。
「まずはひとつ、信じて頂きたい。この学校の生徒は、何者にも負けないと言うことを。
この学校は、宇宙時代を生きる若者たちのための学校です」
右手を、球をぐるりと撫でるように動かし、人差し指を伸ばしてやわらかに開いた手のひらを上にして差し出し。
「宇宙に夢を。星に願いを」
そのしぐさと言葉に、友子は、スコーピオン・ゾディアーツに同じしぐさと言葉でスイッチを渡されたときのことを思い浮かべる。
速水は演説を続ける。
「彼らは被護者ではない。この学校の主役なんです。
どうか、お子さんたちと私を信じて頂けませんか。
警備の予算も、理事長が3倍にして下さいました。不登校問題も、必ず解決するでしょう。」
校長先生がそうまでおっしゃるんなら、と、納得する保護者。
失神する女子生徒達。
園田も「校長先生…!」と、うっとりした目で速水をみつめ、妬ましい、と、大杉はくやしがる。
弦太朗は飛び出して、速水の手を取る。
「校長先生! 今の話、感動したっす! 俺、決意しました!」
速水は優しい声で、弦太朗に応じる。
「何をだい?」
「怪物事件に巻き込まれたダチを救うんです!
先生が信じてくれた通り、俺達生徒の問題は、俺達で解決しますから!」
弦太朗の言葉に、爽やかに笑顔を向ける速水。
じゃっ、と走り去る弦太朗に園田がかけた「ちょっと、如月君!」という言葉を聞いた速水は。
「如月…あれが噂の如月弦太朗か」
爽やかな笑顔で言いながら、瞬間、笑顔が消える速水。
ラビットハッチで弦太朗は、ライダー部の皆に、一度ゾディアーツ化した生徒の学校復帰を支援する活動を提案する。
が、JK、美羽、友子は乗り気ではない。
ユウキは「みんな、やろうよ!」と言い、フードロイドも乗り気でない3人の意識を変えようという動き。
大文字先輩はどうする、と賢吾に聞かれた隼は、三浦のゾディアーツ化は自分のせいだ、自分がやらない訳には行かない、と言い切る。
その頃、理事長は、一度星の運命を手放した者をもう一度呼び戻せるかの検証を、スコーピオン・ゾディアーツに指示していた。
必ず期待に応える、我々の壮大な夢を常に邪魔するフォーゼ=如月弦太朗はもはや許せない、と、宣言するスコーピオン。
隼は、三浦の彼女である写真部の山本麻里を弦太朗に引き合わせる。
いきなり弦太朗にカメラを向け、シャッターを切る麻里。
元気な顔の人見るとついシャッター切っちゃうんだ、と笑顔で言っていた麻里だったが、以前は元気な顔をしていた三浦にはもうこの笑顔はない、学校にも出てこなくなって…と、携帯の待ち受けにした三浦の写真を見ながら泣きだし、もう心配で…と訴える。
任せろ、必ず学校に復帰させてやるからな、と弦太朗が請け合うと、本当!? と弦太朗に抱きつく麻里。
弦太朗達は、三浦の実家の写真館を訪れる。
帰ってくれ、と弦太朗を押し出そうとする三浦に、明日の朝、一緒に学校に行こう、という弦太朗。
しかし三浦は、学校なんて二度と行かない、と、激しく拒絶する。
俺のしてた事はもう1度謝る、と謝罪する隼に、そうじゃないんです、と三浦。
分かったんです、俺なんかいくら頑張ったって、楽しい思いなんか出来ない、学校なんか灰色だ、全てがつまんない、という三浦に、泣き崩れる麻里。
俺という薬を飲み込んでみろ、云々の説得をする弦太朗の手を払いのけた三浦は、転がっているゾディアーツスイッチをみつけて、はっとする…
…というのは見間違いで、写真館に記念写真を取りに来る子供用のおもちゃだった。
俺の事は構わないでくれ! と飛び出す三浦を、弦太朗は追いかける。
写真館を飛び出した三浦の前に、スコーピオンが現れる。
「オリオンの若者よ。星の運命からは、逃げられない」
スコーピオンが差し出すスイッチに、魅入られたように手を出そうとする三浦。
「やめろ三浦!」
やってきた弦太朗にスコーピオンはつぶやく。
「また邪魔か。落ちこぼれの生徒め」
これ以上、俺のダチに手を出すな! と、弦太朗はフォーゼに変身し、スコーピオンと戦う。
優勢に戦いを進めたフォーゼがとどめを刺そうとすると、スコーピオンは、忍者のような分身体=ダスタードを出現させ、防御する。
次は容赦せんぞ、という捨て台詞を残し、ダスタード達が投げつけた煙玉に紛れて姿を消すスコーピオン。
怪物は追っ払ったぜ、と、フォーゼは三浦に握手を求めるが、三浦はその手を払いのけ、俺の気持ちが分かるもんか、と拒絶する。
またあいつらが来ても必ず俺が守ってやるから大丈夫だ、というフォーゼに、そうじゃないんだ、と、走り去る三浦。
夕暮れの職員室には、園田と大杉が。
どこ消えちゃったんだろう、如月君達…という園田。
「全く、究極の問題児ですよ、あいつは。
教育者としてね、怒りを感じますよ!」
と、大杉が憤然と言い放ったとき。
「軽いねえ」
職員室の入口に、速水が立っていた。
あわてふためく大杉。
「教育者などという言葉を、軽々しく口にしない事です」
穏やかな口調での速水の苦言に、申し訳ございません、と平伏する大杉。
職員室を横切り、窓辺に立った速水は。
「ちょっと園田先生と二人で話したいのですが、席を外してもらえませんか」
「へっ、二人きりで、何を…?」
黙って出ていかない大杉に、速水の声は冷厳なものに急変する。
「席を外しなさい」
二人を気にしながらも、出ていくしかない大杉。
「何でしょう? 校長先生」
と、速水に近づく園田。
ブラインドを閉じ、光をさえぎる速水。
「話を聞きたいのですよ」
球をぐるりと撫でるように右手を、そして、人差し指を伸ばしてやわらかに開いた手のひらを上にして差し出す、スコーピオンと同じ動き。
「三浦俊也について」
ラビットハッチで、思い悩んでいる弦太朗。
予想通り、上手く行かなかった顔ね、という美羽に、まだまだこれからだ! と言い返す。
そのとき、ユウキが“必勝作戦”としてノートに書きあげた『青春劇場』の台本を嬉々として見せる。
“Oops!”とおののく、弦太朗、賢吾、美羽、隼…
街を歩いていた三浦は、弦太朗と賢吾が扮していた偽の通行整理に、野外舞台のある広場へと誘導される。
舞台上では、ユウキが書いた『青春劇場』が上演されようとしていた。
隼の手下として、隼や美羽に虐げられている三浦を、弦太朗が助ける…という筋だったが、三浦に扮する賢吾を見て、“あれ…俺のつもりか?”と、三浦本人が呆れるしかない三文芝居。
助けた弦太朗に、三浦役の賢吾は、礼らしきセリフをいいかけるが、「言えるか! そんな恥ずかしい台詞!!」とキレてしまい、それをきっかけに、芝居はめちゃくちゃに。
そんな様子をみて思わず「楽しそうにすんなよ! 楽しそうにすんなよ…」と言いだした三浦の言葉を聞いた美羽は、三浦は本当は学校が嫌いではないのだろうと言い当てる。
三浦は、学校は好きで行きたい、でも学校にはスイッチがあるから行けない、と叫び、走り去ってしまう。
三浦の前に、園田が現れ、校長が三浦のことをすごく心配していて、一度会いたいと言っている、と、三浦の手を引いていこうとする。
そこに追いついてきた弦太朗は、スイッチなんか俺がぶっ潰す、必ず守ってやるから、と宣言するが、三浦は拒む。
「違うんだ、スイッチが怖いんじゃない! 本当に怖いのは…」
そこにダスタードが襲いかかり、三浦を連れ去ろうとする。
弦太朗は三浦を追い、園田のことは美羽がその場から遠ざけ。
弦太朗はフォーゼに変身、三浦を連れたダスタード達に追いつき、戦闘に。
多勢に無勢で苦戦するが、新スイッチを含めた数々のスイッチを駆使して、ダスタードを粉砕。
しかし三浦は、星の力が消える…と、ダスタードの破片を集めようとするなど、様子がおかしい。
がっくりと膝をついた三浦は、真情を告白する。
学校に行って気がつくと、またスイッチを探してる、それが止められない自分が怖い…怖いのは学校生活でも、怪物でもない…
どうやって救ってやりゃあいいんだ…と、フォーゼは、ふらふらと歩み去る三浦を止めることもできない。
川辺で立ちつくす三浦の背後に現れたのは、園田だった。
「先生、嬉しいわ、三浦君。とっくに、気づいてたのね。自分の星の運命に」
園田が手にしていたのは、ゾディアーツスイッチ。
そしてもうひとつ、姿の異なるスイッチ。
そのボタンには、スコーピオンのマークが記されていた。
「さあ、今一度。星に願いを」
スイッチを押すと、暗黒の雲の中にさそり座の輝きが浮かび、園田はスコーピオン・ゾディアーツに変身した。
笑い声に、振り返った三浦はスコーピオン・ゾディアーツに気づいてはっとする。
園田の声は、徐々に低い、スコーピオン・ゾディアーツの声に。
「オリオンの若者よ。星に願いを」
差し出されたゾディアーツスイッチに引き寄せられるように、三浦は手を伸ばす…
Check! −天野さん速水校長先生みどころ−

吐息が混ざったような、スウィートボイス!
“天野さんの得意技炸裂キャラ、キターー!!”感十分!!

シートベルトを外し、軽く手を前に動かしてドアを開くしぐさが、たまらないかっこよさ!!
【仮面ライダー剣】で、ヘルメットを取ってバイクから降り立つ動作がすばやく緊張感があって、とても凛々しかったことや、変身シーンでのバックルにカードをインサートする捌きが抜群だったことなどがよみがえり。
キャラクターのかっこよさは、こういうディテールの積み重ねから、と、つくづく実感。
(特にここは、速水公平校長のファーストインプレッションを決する重要なシーン。GJ!)

“生徒達を預かる我々の責任は”あたりまではスウィートボイスで、“実に重い”で、ちょっと重く沈み。
“校長”という、その役職には若すぎるのでは? という役どころも、一定の説得力が出てきそうな、大人ヴォイス。

保護者の皆さんの“校長先生よ”といううっとり声(“鼻血が…”という声まで!)、失神する女子生徒達。
ヒロイン・ユウキちゃんも、速水先生に向かって「あんた誰だよ」という無礼な弦太朗の頭を、スリッパで思い切りはたき倒すというすばらしい行動に!!

自分よりモテるのが気に入らない?

賢吾の「若くて二枚目」
…『仮面ライダー剣』でも【インディゴの夜】でも“最年長”ポジションで、年齢ネタをやられちゃうことも多かった天野さんへのこの“若い”の嵐は、快☆感!!!

背中+斜め後ろからの横顔から、少しタメをもって向きを変える動作。
クールな印象の見返り姿から、まず口許にくっきりと笑みが浮かべられ、そしてサングラスが外され、顔が見え…
正面から陽の光を浴びるそのマスクは、もちろん端麗!!
劇的なくらいの、かっこいい演出がすばらしすぎ!!!

全く違う印象のものながら、【仮面ライダー剣:第9話「戦う者の運命」】で、天野さん演じる橘さんと対峙した敵・伊坂がやはりサングラス着用で、片頬を動かしてニヤリと笑った、超絶カッコイイ表情を思い出し。
当時ものすごく大人に見えた、伊坂役の本宮泰風さんは当時32歳、現在の天野さんは33歳で、その年齢を超している…というのがどうにも実感がわかないでいた、それが、速水先生のこのオトナの笑みを見て、少し実感できてきたかも。

若い、若い、と言われつつも、『ハンマーセッション!』でのカリスマダンサー・KEIJI役のような、自らがリーダーとなって若者を育てる役どころや、【ホスピタルビルド2011】の平井外科部長のような経営的視点をもった役どころなども見ているので、そんなに違和感なく。
やっぱりオトナになってきている天野さん!

スウィートボイスで口にしながら、そのしぐさをされると、なんか色っぽく(笑)。
差し出された手、男性にしては華奢で繊細な感じな手なので、より優しい雰囲気に。

その繰り返しで波が作られる演説、なんか脳に特殊に働きかける効果がありそう(笑)
ずっと流しておきたくなるような。

園田先生も「校長先生!」と、全身で可愛らしく“うっとり”を表現!
ほんとうに若い女の子達に“ステキ!”してもらってる至福!!!
大杉先生の「くぅ〜、ねたましいぃ〜!」も、ナイスアシスト!

「感動したっす!」と言われての、吐息での笑いが聞こえる満面の笑み。
「決意しました」に対しての「何をだい?」という、上品な大人らしい問い返し。
「俺達で解決しますから!」と言われての、白い歯を見せての、きれいそのものの笑み。
そしてその背景で、ユウキちゃんが握手してほしそうに、自分の手を見たりしてるのがカワイイ…

やんちゃな生徒を温かく見守る校長先生、というスタイルを完璧にカタチにした笑顔も、笑顔の中で目が笑ってない瞬間も、そして笑顔が消える瞬間も…と、とっても濃い数秒。
これからの速水先生の複雑な表情変化が、楽しみに!

保護者の前よりも、軽やかな感じ!
「教育者などという言葉を、軽々しく口にしないことです」と、口調はカジュアルでも“えらい人”感たっぷりなセリフ。
大杉先生のリアクションからも、校長のエラさが!

そしてそこから一転、冷厳な口調での「席を外しなさい」。
その声と、後ろ姿だけで、“裏の顔”感十分!

それだけで、結界を張ったような雰囲気に。
「話を聞きたいのですよ。三浦俊也について」と、あの手の動きをしてみせる速水先生、“悪”の雰囲気たっぷり!
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