仮面ライダー
剣 ブレイド

Masked Rider Blade
EPISODE 09
戦う者の運命
  


Staff & OA
脚本 ◆ 今井詔二  監督 ◆ 石田秀範
プロデューサー ◆ 松田佐栄子(テレビ朝日)  日笠 淳  武部直美  宇都宮孝明(東映)
その他のスタッフ ◆ Data Page
放送日 ◆ 2004年3月21日

※仮サブタイトル「偽りの克服(前編)」

Cast
剣崎一真:椿 隆之  相川 始:森本亮治
広瀬 栞:江川有未  白井虎太郎:竹財輝之助
橘 朔也:天野浩成

一ノ瀬 仁:藤間宇宙  深沢小夜子:粟田麗

仮面ライダーブレイド:高岩成二  仮面ライダーカリス:伊藤 慎
仮面ライダーギャレン:押川善文
永 徳  渡辺 淳(ジャパンアクションエンタープライズ)

栗原天音:梶原ひかり  塚田:小野 了
島津健太郎  稲宮 誠

ゼブラアンデッドの声:大村 亨
ナレーション:小杉十郎太

伊坂:本宮泰風  栗原遙香:山口香緒里


Story
 始(Cast:森本亮治さん)=カリスの正体はアンデッドだった。
 剣崎(Cast:椿隆之さん)はブレイドに変身、激しい怒りをカリスにぶつける。その怒りを受けるカリスもブレイドのパワーを自らの戦いの本能と結びつけ、激しく攻撃する。
 カリスとブレイドの戦いは、栞からのアンデッド出現の知らせにより中断、ブレイドは現場へ向かう。
 そのやりとりの中、始の正体がアンデッドだと知った虎太郎(Cast:竹財輝之助さん)は激しく動揺する。

 戦うことをやめると決意し、小夜子と時を過ごしていた橘の前に、アンデッドが出現、人々を襲う。
 小夜子は「逃げよう」と必死に橘の腕を引くが、橘は倒れた母親に泣きすがる少女の姿を見て、ギャレンに変身、戦うことを選ぶ。
 しかし、恐怖心を克服できない橘は、融合係数の低下から力を発揮できず劣勢に陥る。
 苦戦するギャレンの許にブレイドが到着、傷ついたギャレンを庇いつつ、アンデッドを攻撃する。そのさなか、アンデッドはどこかへと消えてしまった。

 橘は小夜子に、自分がギャレンになるまでのことなど、すべてを告白する。
 恐怖心のため戦えなくなったと肩を落とす橘に、小夜子は自分も医者を辞めるから橘もライダーを辞めて、二人でどこか遠くへ行こう、と橘に懇願する。
 しかし、患者に必要とされている小夜子にそんなことはさせられない。橘は「自分で解決する」と告げ、独り立ち去る。

 ハカランダを去った始は、街で仁(Cast:藤間宇宙さん)というストリートミュージシャンの青年と知り合いになる。
 死んだ兄と始が似ている、という仁は、始を兄貴と呼び始める。
 兄が死んだと聞いた始は仁に「家族を失うってどういう気持ちなんだ?」と迫り、仁を唖然とさせる。

 始の秘密を知った虎太郎は、遥香(Cast:山口香緒里さん)と天音(Cast:梶原ひかりさん)に始が危険人物であることを告げに行く。
 しかし、始の失踪を心から悲しむ天音と、天音の始への気持ちを知ってなぐさめる遥香を前にすると、本当のことが言い出せなかった。

 橘は、かつて研究員生活を始めたボード跡地へと赴く。
 そこで橘は、ボードに入った頃のこと、ライダーシステムが完成し、自分がギャレンに選ばれたときの驚きを思い出す。
 そこに伊坂が現れ、「私が君の体を治してあげよう」と橘に話を持ちかける。
 橘は、上級アンデッドだとわかっている伊坂の言葉を信じず、戦いを挑む。
 そんな橘を見た伊坂は「面倒だが、君が望むなら」と、ギャレンに変身した橘の前にピーコック・アンデッドとしての正体を現し、その底知れぬパワーを容赦なくギャレンに見せつける。
 “これが俺の、最後の戦いになるかも知れない。でも、小夜子、俺は後悔していない。君に出会えたこと、ギャレンになったこと。
   …そうだよな、平和な世の中になって…平和な世の中にすることができたら…”
 ギャレンは悲痛な思いとともにピーコック・アンデッドに突っ込んで行く。

 ギャレンとアンデッドが戦っていた現場に駆けつけた剣崎だったが、2人はすでに姿を消していた。
 剣崎は橘の名前を呼び続けながら、懸命に橘を探す。

 その頃橘は、伊坂達の手によって、緑色の奇妙な液体の中に浮かべられていた。
 液体の中で胎児のように眠る橘を見ながら、伊坂はつぶやいていた。
 「これでギャレンは変わる。生まれ変わる」

Check! −天野さん橘さんみどころ−
 小夜子さんとネクタイを選ぶ笑顔の橘さん、一転してシリアスな表情の鏡の中の橘さん。
 前回の佳きシーン、ふたたび。

 倒れた母親にとりすがって泣く女の子を見て、破滅のイメージがよぎりながらも、決意を固め変身する橘さん。
 決意にいたるまでの表情がちょっと泣きそうだったり、早く逃げようと腕を取る小夜子さんを振り払うしぐさに余裕がなかったりと、ややコドモ入っていて、それでも…というあたりがケナゲ。

 戦いはじめると融合係数が下がり、思うように戦えないギャレン。
 伊坂が「重症だな」などと言いながら見入っているところや、助けに来たブレイドが戦っているのを見て立とうとするのに立てないあたりが、またゼブラアンデッドの一撃を受けて変身が解けてしまう痛々しさもにリンクしてポイント。

 変身が解けた橘さんをすかさず狙いに向かうゼブラアンデッドに後ろから飛びついて横に倒すブレイドを見る橘さん。
 “びっくり!”な感じの一瞬の表情がナイス!(笑)

 ゼブラアンデッドが消えた後、力尽きたように倒れる橘さん。
 最初の頃の咳どころでなく、身体が激痛に苛まされているかのような苦しみよう。
 助け起こそうとする剣崎に向かって、苦しい息の下からの、ほんとうにやっとしぼり出しているようなかすれた声での「大丈夫だ…心配するな…」という言葉には、ボードで一緒に戦っていた頃の後輩思いの橘さんの面影があって、剣崎の橘さんへの傾倒ぶりも、なんとなく納得。

 小夜子さんにライダーであることを知られてしまった橘さん。
 地面に額を押し当てた、泣くような表情、小夜子さん以上にショックを受けている感じが。

 夜明けの橋の上では一転、穏やかな声で「驚いたよな」と小夜子さんに言葉をかける橘さん。
 さりげない声ながら、沈んだトーンの、複雑な声色。

 ライダーシステムの適格者だって言われたんだ、と言った直後の「でも、俺にはだめだったみたいだ」。
 「恐怖心が俺の心の中に巣食ってしまって、アンデッドと戦えない。」という言葉とともに、さらりと言おうと努めているからこそいっそう、自尊心を傷けらた橘さんの心情が。

 ごめんね、そんな大変なことしてたのにわかってあげられなくて、支えてあげられなかった、という小夜子さんへの「何言ってんだよ。助かったよ。君がいてくれたから、君のそばにいるときだけは、戦いを忘れられた」。
 戦士の、というよりも、ごく普通の“彼”の優しい言葉なところが、橘さんのような人が戦わなければならない理不尽さを際立たせ。

 じゃ、こうしよう、あたしも医者やめる、だから、橘くんもライダーなんて仕事やめて、どっか遠くに…そうだ、二人で南の島へ行こう、それで、さとうきびとか作って…と、握った手を動かしたりしながら、一所懸命言い続ける小夜子さん。
 自分でもわけわかんないこと言ってるってわかっていても、でも何か、今すぐ言って、今すぐ橘さんをそんな危ないことや、精神的に参っている状態から連れ出さなきゃ、という切実感が出ていて、ありがたいシーン。

 小夜子さんの携帯にかかって電話に「病院からの電話だろ。出ろよ。小夜子に医者はやめられない」という橘さん、小夜子さんとのシーンでは初めてかもしれない、小夜子さんより落ち着いて、小夜子さんを諭すような言葉。
 「君を待っている患者さんが、いるんだから」という言葉は、小夜子さんは橘くんのそんなところも好きなんだろうな、という感じの温かさ。
 橘さんは大事だけど、放っておけない電話に、困った顔でうつむく小夜子さんと、その隣でうつむいた橘さんの並びは、切実なシーンなのに、なんだか微笑ましく可愛らしく。
 「俺のことは大丈夫だよ。自分で解決するから」と立ち去る橘さん、声はがんばって明るくしていて、よく見えないけれどきっと笑顔で、でも去っていく姿は肩が落ちてる感じであんまり“大丈夫”そうじゃないところが、なんともほうっておけない感ひしひし。

 始とすれ違う橘さん。
 階段を光のほうへ昇っていく始と、光を背に階段を降りていく橘さんの交錯は、橘さんが始のいた闇の領域へと落ちていってしまう暗示ようで、不安げな音楽とあいまって、未来への不安をかきたてるシーン。
 そうした意味を考えなくても、うつむいて袋を肩ごしに提げて階段を降りるスーツ姿の橘さんの姿がきれいな、印象的なシーン。

 ボードの跡地に立って、研究員生活の始まりを回想する橘さん。
 荒涼とした風景の中にたたずむ姿がしっくりくる、大人びた風貌。

 「橘朔也と申します。」というはつらつとした声が先に立って現れる、ボードに入所したての橘さんの映像。
 前髪をちょっと上げただけなのに、目の光や表情の輝きが全く違ってみえる、初々しい姿!
 「ライダーシステム…第1号ですか? 俺が?」という若々しさと驚きに満ちた言葉には、ライダーになるという運命が橘さんにとって、全く予期せぬものだったのだと実感。
 今の傷つき疲れ果てた橘だけでなく、剣崎と出会ったときの「君がブレイドか。俺は橘、ギャレンだ。二人で力をあわせて頑張ろう」という、僅かな間に“ベテラン”の風格を身につけさせられてしまった姿との落差の大きさに、橘さんが、先を歩いてくれる人もない道で、かなり無理をしてギャレンをやっていたのでは…と思えてもきて。

 ふっと笑って「昔のことかあ…全部」という橘さん。
 「昔のことかあ…」という言葉は、ちょっと若者らしい軽さがあったのに、「全部」で瞬時に絶望的な暗さを帯びる声と表情の、落差がまた、絶望感の深さに観ている者を突き落とす感じ。

 「私が君の体を治してあげよう」と橘さんに声をかける伊坂さん。
 いかにも“悪いおじさん”というその声のかけかた(でも最高にカッコイイ!)に、橘さんがとても可憐で無垢に見えるのはナイス(笑)。
 疑って伊坂さんをにらみつける橘さんの目つきさえ可愛く見えてくる効果(笑)。
 「きさまをふういんしてやるぅ!」の声、伊坂さんに殴りかかろうとするしぐさが、なんでそんなにいたいけなんですか橘さん…

 「君が望むなら」(カッコよすぎです伊坂さん!)という伊坂さんの攻撃を地面で一回転してよけ、そこから変身バックルを取り出してカードインサート、の動きは、カメラワークとあいまって“アクション!”という感じ!
 ベルトをアップにしたカードインサート、バックル回転からのアオリ映像が凛々しく。

 殴りかかったギャレンと、それをひらりと空中を舞って避けた伊坂さんに驚くギャレンに、ゆっくりと横を向いて片頬を動かし、ニヤリと笑う伊坂さん。
 そんなに橘さんがお気に召しましたかっ! と、うれしくなってしまうかっこよさ。

 ピーコックアンデッドにやられまくっているときのギャレンの声が、微妙に艶っぽく。
 伊坂さんがさっきの超絶かっこいい表情でお喜びかと思うと、たまりません。

 意識が朦朧としかけているようなギャレン/橘さんのモノローグ。
 “これが俺の、最後の戦いになるかもしれない。  でも、小夜子、俺は後悔してない。  君に出会えたこと、ギャレンになったこと”
 “そうだよな。平和な世の中になって…平和な世の中にすることができたら”  悲壮なBGMがふっつり途切れた無音の時間を、ちゃんともたせて、引き入れられる雰囲気になっているのはおみごと。

 ピーコックアンデッドの剣での一撃を小手でブロックし、その後一撃をくらいながらも、最後に猛然とピーコックアンデッドに向かって突っ込んでいくギャレン。
 せりふなしのところ、乱れた呼吸を整える息づかいでその決意を表現できる、という演出に感嘆。

 緑色に光る溶液槽に、裸体で浮かべられる橘さん。
 胸の前で両腕を交差させて、胸を隠すようなポーズが、そこはかとなく処女性を感じさせ、清らかさん。

 伊坂さんとともに溶液槽の傍らに立つ塚田さんが、橘さんのほうは見ずに伊坂さんの方ばかりじーっと見ているようにみえるのが気になり。
 “ずっと守り育ててきた伊坂王子がさらってきた橘さんに溺れて、王国を滅ぼしてしまうのを心配している忠義な塚田じい”という風情の表情に、心うたれました(大誤解)。

 「これでギャレンは変わる。生まれ変わる」とつぶやく伊坂さん。
 それに続いて、伊坂さんと水中の橘さんのカットの繰り返し→「橘さーん!」と叫びながら必死にかけずり回って橘さんを探し回る忠犬のような剣崎君→もう一度水中の橘さん、とくると、剣崎君から橘さんを奪って俺のものにしたぞ、という宣言も同然(笑)。

 さらに次週予告で剣崎君の「貴様、橘さんに何を。何をしたって!!」の剣崎君の絶叫。
 それに続いて、伊坂さんの「橘…ギャレン…私のところに来い」と、初めて橘さんの名前を呼ぶ伊坂さん。
 そんなドロドロ争っている二人なのに、小夜子さんをバイクの後ろに乗せて走る橘さんのヘルメットごしに見える目許は、そういうドロドロとは無縁な少年ぽい表情。
 「戦えるのか、俺の体はほんとうに…!」という切実な声からは、その体が剣崎君のものだろうが伊坂さんのものだろうが、とにかく戦えればいい、という一本気な感じで、すがすがしささえ。

 水中シーン、【東映公式:仮面ライダー剣 第10話説明】によると、宇都宮Pに「天野くんは脱いでも大丈夫じゃないでしょうか。他の子達はちょっと細すぎるかも…」と太鼓判を押され(?)、“もちろん大変でした”な撮影で、カットかかるまでじっと我慢して、息を止めていて、石田監督におほめをいただいた労作とのこと。
 おつかれさまでした!

EPISODE 8STORY PAGEEPISODE 10










Last update :
27th March 2004














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