インディゴの夜

第4話
謎の二人組



Staff & OA
脚本 ◆ 高山直也  演出 ◆ 星田良子
その他のスタッフ ◆ 【ドラマ『インディゴの夜』 スタッフ&キャスト詳細データ】
放送日時 ◆ 2010年1月8日(金)13:30〜14:00

※番組表サイト等に掲載された仮サブタイトル:「私は負けない!黒幕の魔の手」

◆公式サイト◆
【東海テレビ:インディゴの夜】
【フジテレビ番組紹介:インディゴの夜】:東海テレビ公式より多めに出演者紹介

Cast
高原 晶:森口瑤子
ジョン太:和田正人  犬マン:天野浩成  アレックス:深水元基
DJ本気:加治将樹  テツ:森 カンナ  ポンサック:玉有洋一郎
バーテンダー:高山猛久  ウェイター:佐藤 峻
憂夜:加藤和樹
TKO:金子 裕  アツシ:佐野大樹  エリカ:折井あゆみ  目撃者の女性(ジュンコ):山本真由美
山口:中村龍介  竹田:黒石高大  シゲル:山田ジルソン  ヒナコ:秋葉レイ
空也:徳山秀典

Story
奈々枝が以前入れ込んでいた新宿のホスト、空也(徳山秀典)を訪れた帰り、晶(森口瑤子)は柄の悪い二人組の男に、TKO(金子裕)と奈々枝(及川水生来)の事件を調べるのはやめるよう脅される。
脅しといいつつ、楽に殺してやるなどという男達。
そこに憂夜(加藤和樹)が駆けつけ、男達を叩きのめす。

憂夜は、この事件に首を突っ込み続けるのは危険だと判断し、晶に当分の間、事件から手を引くことを提案する。
しかし晶は、好きでこの店の店長をやっているわけではないが、どんな理由があるにせよ二人の人間が自分の目の前で命を落とした、それが人として許せない、やられっぱなしで逃げるのは性に合わない、だから必ず犯人を見つけ出して落とし前をつけよう、と言い出す。

そこに犬マン(天野浩成)がやってきて、今下に、会ってほしい女の子が来ているという。
彼女によると、1ヶ月ほど前、アルバイトしていたとき、店の前で若い女性が『タケ兄!』と泣きそうな声をあげてTKOに抱きつき、TKOはその女性の肩を抱いて歩み去ったのを見たと話す。
晶は彼女に奈々枝の写真を見せたが、TKOと一緒にいたのはもっとほっそりしたモデルのような女性だったという。

事件について図を描いて整理していた晶は、帳簿を持ってきた憂夜に、TKOはどんな人だったか尋ねる。
人一倍優しい、男気あふれる、困った人を見るとほっておけなくなるタイプで、と憂夜は答える。髪型のことで前に勤めていた店をクビになったとき、ジョン太を拾ってこの店で働けるよう頼み込んだのも、TKOだったのだ。
憂夜はさらに、TKOが彼女を作らなかったのは、ホストは客に夢を売る仕事、もし彼女を作ってそれがバレたら、お客様を裏切ることになるため、と、TKOの義理堅さを語る。
そういえばあのフェロモン野郎がそんなこと言ってたわ、とつぶやいた晶に、憂夜は空也の印象を尋ねる。
空也は限りなく怪しい、事件について必ず何か知っている、と、晶は答え、ただ、空也が黒幕だったとしても、何の得もありそうにないのに、なぜ奈々枝を使ってTKOを殺したのかがわからない、と疑問を示す。
空也が何かを知っているとしたら…と、曖昧な笑みを残して、憂夜は立ち去る。

2ヶ月待ちのフィギュアの入った紙袋を持って歩いていたDJ本気(加治将樹)を、ストリートギャング風の少年達が取り囲む。
オタク狩りか、と警戒するDJ本気に、そのうちの一人・シゲル(山田ジルソン)が声をかける。
あんた、インディゴの人だろ? と。


DJ本気はシゲルをつれてインディゴに駆け込み、シゲルが神社で、TKOが闇金の男達にからまれているのを目撃したことを告げる。
1週間ほど前、TKOは若い女性をかばうように男達と対峙し、金なら用意しただろう、と押し問答をしていたというのだ。
そのときは急いでいたので通り過ぎてしまったが、TKOの死を知り、黙っているわけにはいかないと思って、とシゲル。
その闇金がニコニコファイナンスだと聞くと、憂夜は、最近ニコニコファイナンスの人間が歌舞伎町のエルドラドに頻繁に出入りしていたらしい、と話す。
どうやらなんとなく見えてきましたね、と、犬マン。
さらにシゲルは、TKOと一緒にいたのは、元祖カリスマ店員で、109にも自分の店を出したりしていた超有名人のエリカだと証言する。

空也に浮気をしたせいで、晶に怪我をさせることになってしまった、と、なぎさママ(升毅)は晶と憂夜の前で、土下座して謝罪する。
罪滅ぼしに面白いネタを拾ってきたから…という、なぎさママに、晶と憂夜は顔を見合わせる。

晶、ジョン太、犬マン、テツは、エリカの友達・ヒナコの話を聞くために、クラブにやってきた。
ジョン太さん達にまかせたほうがいいんじゃ、というテツの制止を、女同士の方が話しやすいから、と振り切り、晶は一人でヒナコに近づく。その靴可愛いわねなどと話しかけるが、オバサンちょっとウザイんだけど、と、全く相手にされない。
続いて、ヒナコに近づいた犬マンは、なんで知ってるの、どこかで会った? というエリカに、会った会った、前世で…などと言ってウケを取り、あっさりヒナコと仲良くなる。
ヒナコの話によると、エリカは仕事が忙しくなったせいで彼氏ともうまくいかなくなり、寂しさからホストクラブに通うようになった。ホストに入れあげて店を潰し、最後には闇金から借金してホストクラブに通っていたという。
そして、エリカが通っていたのは歌舞伎町のエルドラド、夢中になっていたホストは、空也だった。

インディゴに戻って犬マンは、その後エリカとの連絡は途絶え、現在どこにいるのかは誰も知らない、と皆に報告する。
TKOは彼女の窮地を知ってニコニコファイナンスの連中と話をつけおうとしていたらしい、と知り、TKOらしいと納得する彼等。
死んだ木内奈々枝が入れ込んでいたのが空也、行方をくらませたエリカも空也に入れ込んでいた…やっと線が一本つながった、と晶。

夜の線路際に、憂夜は空也を呼び出していた。
憂夜さんの呼び出しなら、僕はどこへでも駆けつけますよ、と空也。
憂夜は最近エルドラドに良からぬ連中が出入りしているらしいな、と切り出す。
インディゴのTKOが空也の常連客の木内奈々枝に殺された疑いが高い、もしお前が…という憂夜の言葉を、やめてください、と空也はさえぎる。僕がそんなことに関わるわけがない、という空也は、ホストは夢を売る仕事、そう教えてくださったのは憂夜さん、あなたですよ、と返す。
しかし、本当に隠し事はないんだな、と空也を見据える憂夜から、空也は最後に視線を外し、ほかに話は、とその話を打ち切る。
ない、という憂夜の前から、では失礼します、と振り向くことなく空也は歩み去る。

晶はエルドラドで勤務中のアツシ(佐野大樹)を喫茶店に呼び出し、以前アツシが言っていた“空也はナンバーワンでいるためには何でもする”の意味を問う。
言ったら殺される、というアツシに、インディゴのTKOが殺された事件に空也が関わっているかもしれない、だから知りたい、とアツシを促す。するとアツシは、空也は自分の指名客で見た目がそれなりにいい女性がいると、店に何度も通わせて資金を尽きさせ、怪しげな闇金を紹介して借金漬けにし、風俗店に売り飛ばしていたという。
でも、そんなことしたたら警察が…という晶に、闇金の借金も空也が無理やり借りさせたわけでなく、女性客が自分の意思で借りたものなので、警察は何もしてくれない、空也は恐ろしい人、という。

ジョン太がシャワーを浴びていると、テツが、ジョン太に手紙が届いていると声をかける。
ジーンズのポケットに手紙を入れ、テツは先に帰る。

路上でジョン太はポケットの中の手紙のことを思い出し、ガードレールに腰掛けて開封する。
中からは、鍵が出てきた。
同封の手紙はTKOからのもので、俺はとんでもないことに巻き込まれてしまった、だから俺にもしものことがあったときは、そのロッカーに入っているものを憂夜さん、そしてインディゴのみんなに渡してほしい、一人でも多くの人間を救ってくれ、とあり、ロッカーの場所が書かれていた。
ジョン太は指示された場所に走り、鍵を開けると、中にはカバンが入っていた。
カバンの中には、データディスクと顧客リスト。
そのとき、ジョン太の携帯にポンサックからの電話が入り、ジョン太は現在の居場所を告げる。
そのとき、晶を襲った二人組が、スタンガンを持ってジョン太に近づき、気絶させて拉致する。
その場には、ポンサックが呼びかける、ジョン太の携帯が残される。

ポンサックはインディゴに駆け込み、片言の日本語で異変を告げようとする。
が、憂夜に、ポン、と一言声をかけられると豹変、全く普通の日本語ですらすらと、携帯でジョン太さんと話していたら突然誰かと言い争うような音がして、あわてて現場に飛んでいったら、これが…と、ジョン太の携帯を差し出す。

まさか、そんな…と、呆然とポンサックをみつめる晶。


Check! −天野さん犬マンみどころ−

★ 晶と憂夜に「今、下に、会ってほしい女の子がいるんです」と告げる天野さん犬マン。
 携帯で公開されているシナリオでは、駆け込んできて…だったのより、ノックして礼儀正しく入ってくるほうが、犬マンらしく。
 手を前で組んだ立ち姿、「いま したに」のほんの少しあどけないところが、女の子っぽい可愛さ。
 そのちょっとあどけない感じが、「どうした」と落ち着いた声で犬マンに声をかける、たぶん犬マンよりだいぶ年上の設定のはずの加藤和樹さん憂夜さんの“上”感を相対的に高める効果もあって、ナイスアシスト!

★ ニコニコファイナンスでTKOとエルドラドがつながったとき、「どうやらなんとなく見えてきましたね」という犬マン。
 “知性派”らしい、落ち着いた響きの声!
 その部分は上からの俯瞰になっているものの、その前後の憂夜のカットなどから、憂夜さんと視線を交わしているっぽいのがまたポイント高し。

★ 「最近のディスコって、エライことになってるわねー」という晶に、声を揃えて「クラブ。」と訂正するジョン太、テツ、犬マン。
 よりによってそういう若者強調のシーンに、ホスト役年長ワンツーの天野さん、和田さんが入っているあたりが楽しく(笑)
 『チョコミミ』では晶に近い世代までやっていた天野さん、今回は若い役をやってるんだなあと!

★ ジョン太との「任せた」「任された」は、決めゼリフ!?
 今回はちょっとオサレな場所で、犬マンの後姿もスタイリッシュ!
 その直前のテツの「ここは犬マンさんのお手並みを拝見ということにしましょう」の“犬マンさん”も、かなりツボ!

★ “任された”と、ヒナコに近づく犬マン。
 ジントニック、とオーダーしつつ、カウンターに手をかける姿、かなり手馴れた感じでかっこよく!
 オトナの本領発揮!
 (or “エイベックスは酒飲んでなんぼ”のエイベックスから“LDH飲み”のLDHへと進んだ経歴のたまもの!?)

★ 「ヒナコちゃん?」と声をかけて「そうだけど、どっかで会ったっけ」と返されての犬マン。
 「会った会った」の声は、普通のトークのときの天野さんとおんなじ声で、ナチュラル!
 はぁ〜と、カウンターにひじを突いた手に額を押し当てて考えてみせた後の、あの脱力系の笑顔!
 (原作犬マンの笑顔に、かなり近いものがあるかも?)
 そしてその満面の笑顔からの、ちょっと深い声になっての「前世で」。
 …そりゃ、チョーウケます!!!

★ エリカのことをヒナコから聞き出す犬マン。
「雑誌に出たり」の“り”をちょっと伸ばしたりする、普段の天野さんトークに近い、あどけない系口調。
 ささやくような響きのやわらかな声、すんごい武器!

★ 「彼女が、夢中になってた、ホストって?」は、ちょっと首をかしげたような角度で、まず視線を左のほうに流してから、ヒナコをまっすぐみつめて。
 (その表情の動きを見て、なぜか伊東美咲さんを連想。『サプリ』でそういう表情があったのかも)
 そこまではカワイイ系なのに、考えているヒナコをじっと見る視線は、かなり鋭く、怖いぐらい!
 エリカが入れあげていたのが空也だと聞き出したときの、薄く微笑んでいるようないないような表情も、今後オトナの作品(経済モノとかいいかも!)で大活躍しそうな色合い!

★ 「そのあとエリカさんとの連絡は途絶え」は、やや高い静かな声、「現在はどこにいるかは誰も知らないそうだ。」はどんどん低く、深い響きになっていく、店でみんなに、エリカについての話を報告する天野さん犬マン。
 こういう、そんなに長くないセリフで、響きにこれだけ差がつけられるのも、そのそれぞれの響きがそれぞれに魅力的なのも、天野さんのスウィートヴォイスパワー!

★ タイ人キャラから解放されて、もしかするとあの場にいた男子達の誰よりも流暢な日本語で、ジョン太と連絡が途絶えたときのことをクールに報告するポンサック。
 そんなポンサックに「で、ジョン太はどうした」と、静かに、きりりと問いかける天野さん犬マン。
 クール・ポンサックと犬マンの間の空気感も、すごく、イイかも!
 憂夜、犬マン、クール・ポンサックで、隠れたクール系トライアングルを構成しているインディゴとか、なんかカッコイイ!!


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