インディゴの夜
第38話
苦しい推理
Staff & OA
脚本 ◆ 武田有起 演出 ◆ 星田良子その他のスタッフ ◆ 【ドラマ『インディゴの夜』 スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2010年2月26日(金)13:30〜14:00
※番組表サイト等に掲載された仮サブタイトル「苦しい推理…信じたくない犯人」
◆公式サイト◆
【東海テレビ:インディゴの夜】【フジテレビ番組紹介:インディゴの夜】
Cast
高原 晶:森口瑤子ジョン太:和田正人 犬マン:天野浩成 アレックス:深水元基
DJ本気:加治将樹 テツ:森 カンナ ポンサック:玉有洋一郎
バーテンダー:高山猛久 ウェイター:佐藤峻
憂夜:加藤和樹
モイチ:高木万平 モサク:高木心平 樹:真山明大 吉田吉男:田中幸太朗
古川まどか:春日井静奈 池下若菜:尾高杏奈
若菜の兄:有川良太 まどかが勤めていた出版社の社員:箱田暁史
なぎさママ:升毅
Story
晶(森口瑤子)は事件の際に聞いたふたつの足音、現場に落ちていた紙幣から検出されたお茶に含まれる成分から、若菜(尾高杏奈)を殺した犯人がテツ(森カンナ)ではないかと考えるようになる。そして憂夜(加藤和樹)にそのことを打ち明けるが、偶然その様子をジョン太(和田正人)が聞いてしまい…。
晶は、テツが女だという秘密をジョン太に打ち明けるがが、それはジョン太には到底受け入れることの出来ない秘密だった。
オーナーズルームをジョン太が飛び出すと、クラブ・インディゴの皆がいつも通りの表情で、帰宅しようとしていた。
テツが近寄ってきて、明日のことなんですけど、とジョン太に話しかけるが、ジョン太は平静を装うことができず、テツの顔も見ないで、明日ダメになった、と告げて足早に立ち去る。
その様子を階段の上から見守る晶。
DJ本気(加治将樹)が、なぁに、どーしたの、とテツに声をかけると、テツは笑いながら、明日一緒に映画行こうって言ってたんですけど、フラれちゃいました、と返す。
その様子を見て、表情を曇らせる犬マン(天野浩成)。
いつものワガママじゃないの、気にすんな気にすんな、とDJ本気に慰められるテツを、晶と憂夜も、心配げにみつめる。
テツの背後で心配そうに立ち上がった犬マンだったが、テツに向かっては笑顔で、気にすんなよ、と軽く肩のあたりを叩いて、インディゴと出る。
お疲れ様でした、と、犬マンのことも笑顔で見送ったテツだったが、一人になると思いつめたような表情に…
オーナーズルームにかかった集合写真の中の、テツの顔をみつめる晶。
誰もいなくなったインディゴのホールで、螺旋階段にもたれかかって座り込むテツ。
ジョン太は、公園に膝を抱えて座り込んだまま、朝を迎えていた。
そこになぎさママ(升毅)が通りかかり、徹夜明けって感じ? と声をかける。
ジョン太はなぎさママに、なぜ男だということを隠さないのかと尋ねる。
そりゃ、ガタイでかいし、こんな顔だし、隠したいったって隠せな…何言わせんのよアンタ! と、ふくれてみせるなぎさママ。
ジョン太はさらに、もし女の子みたいな容姿だったら、自分が男だってこと、絶対に言わなかった? すごく仲いい友達にも? 一緒に働く仲間にも? と、堰を切ったように問いかける。
ジョンちゃん、あんたまさか…というなぎさママに、テツのこと知ってんの? とジョン太。
それには答えずに歩き出すなぎさママ…
晶は憂夜に、神社でぶつかったのは確かにテツだと思う、でもなぜテツが若菜を殺すのか、動機がわからないと明かす。
女性だったことが原因で、追い詰められたのかもしれません、と憂夜。
それなら追い詰めたのは若菜だろうか、どうして若菜はテツが女だとわかったのか、私達が何ヶ月もいてわからなかったのに…と、晶の疑問は続く。
テツと話し合わなければいけないとわかっている、でもその勇気がない、その前にもう少し調べたい、できればテツの潔白を証明したい、と晶。
憂夜は、店長の思い通りにしてください、と答え、動けない自分の代わりに一人ボディガードをつける、と言う。
頼りになるか、ちょっと心配ですが、テツのことを知っているのは、あの男ですから…という憂夜の視線の先には、犬マンがいた。
公園のベンチに、なぎさママと二人並んで座ったジョン太は、なぜテツは本当のことを言ってくれなかったんだろう、俺達の仲はそんなものだったのか、と、胸中のわだかまりを吐き出す。
俺の中でテツは変わらない、テツはテツなんだよ…と。
なぎさママは、テツが自分のことを黙っていたのは、自分のためではなくみんなのためでは、と言う。
インディゴの居心地が良くて、気がついたら本当の仲間になっていて、大好きな仲間達に気を遣わせたくなかったのでは、と言って、ジョン太の手を取る。
テツは全部受け入れている、自分のそういうことを全部受け入れて、いつみんなに気づかれてもいいと思っている、今その時期がきたのだきっと…というなぎさママは、テツと直接話してみればいいじゃない、と、ジョン太を後押しする。テッちゃんなら大丈夫、きっと笑って、バレちゃったっすか、って言うわよ、テッちゃんは、そういう子よ、と。
犬マンと調査に向かいながら、晶は、テツと若菜の関係がわかれば、全てが見えてくると思う、と話す。
殺人事件にテツが関係してるなんて、絶対に思いたくありません、と犬マン。
そのためには、テツ以外に真犯人がいるってみつけないと、という晶に、犬マンは、池下若菜が人の弱みにつけこんで脅していたのは間違いないんですよね、と確認する。
若菜とはちあわせした途端エルドラドに来なくなった高級官僚の妻、ポンサックへの脅迫、晶自身も若菜に脅されたことから、それは間違いなさそうだった。
脅しのネタとか相手とか、そういうのが書いてある手帳とかが見つかるといいんですけど、証拠品は全部警察でしょうから…という犬マンに、でも警察が気がついた気配はないわね、と晶、まだ警察に渡っていない可能性がありますね、と犬マン。
どこに隠したんだろう…と晶。
俺が犯人だったら、机の引き出しの中…そんなんじゃダメだな、と犬マン。
親しい友達に預けた、もしも私に何かあったら、これを警察に渡してほしい、と晶。 あの女に信頼できる友達なんかいただしょうか、と犬マン。
それならどこに隠したのよ、持ち歩いてた? いつも持ち歩けて、簡単に見つからないところ…と考えていて、晶は若菜の遺体が発見されたとき、若菜の携帯には、若菜がつけていた大型のストラップがついていなかったことを思い出す。
犯人が盗って行ったか…という晶に、彼女の家に行きましょう、と犬マン。
ジョン太は話があるといって、テツを線路脇の路上に呼び出す。
そして、テツの顔を見ることもできず、言いにくそうに切り出す。
ごめん、俺全く知らなかった、お前の…
性同一性障害、とテツは明るい声で、ジョン太の言葉を先回りする。俺が、女だってこと。
そんなこと、どうだっていい、オレにとってテツはテツだ、そうだろ、それでいいだろ、とジョン太。
はい、そうっす。俺は俺です、と、テツはきっぱりと言い切る。
みんなだって同じ気持ちだと思う、まだ誰にも話してないけど、でも、いいよな、とジョン太。
はい、と迷いなく答えるテツ。
あーよかったー、なぎさママの言うとおりだ、話せばこんなに簡単なことだった、とジョン太。
なんで黙ってたんだよコノヤロー、と、いつも通り手荒くスキンシップをはかってくるジョン太。
よし、じゃあ戻るか、みんなにも…というジョン太に、ひとつ約束をしてしまっているので、すぐ追いかける、とテツ。
すぐ終わる、そうしたら、自分の口からみんなに言いたい、とテツ。
先に戻ってる、というジョン太に、テツは、ありがとうございました、と、深々と頭を下げる。
早く戻って来いよ、待ってるからな、と、ジョン太はインディゴへと戻っていく。
晶と犬マンが若菜のマンションの前に着くと、若菜の兄(箱田暁史)が荷物を運び出していた。
荷物を見てもいいか、という犬マン達に、ほしいものがあれば形見分けにでも、昨日もあの子のストラップがほしいと言ってきた人がいてあげたんですよ、という。
若菜の兄がストラップを渡した相手は、編集者の古川まどか(春日井静奈)だった。
そして、若菜の高校の卒業アルバムを見ていた犬マンは、その中にテツ…セーラー服を着た“河村桃子”をみつける。
そして、若菜の兄にアルバムで示してもらい、池下若菜の本名が“沢下恵子”だと判明する。
池下若菜というペンネームに、厚い化粧、あれではテツは同級生だとわからない、と晶。
テツは、若菜に脅迫を受けていたんでしょうか…と犬マン。
インディゴに戻ったジョン太は、テンション高く、犬マン以外のホスト全員、バーテンダー、ウェイターを一堂に集め、俺たちの結束が試される時が来た、といって、俺達は仲間だよな、と確認する。
何が言いたいのか、といぶかしむ一同に、待ってろって、今にもっと絆深まるから、とテンションを上げるジョン太。
テツと話さなくちゃ、と晶は、インディゴに連絡を入れる。
憂夜にテツはいるかと確認すると、いないという。
テツはその頃、路上のベンチに座り込んでいた。
まどかからの電話を、思い返すテツ。
まどかは、携帯に出たテツに、河村桃子さんでしょ? と呼びかけ、若菜のことで話があると…
インディゴの皆での集合写真をみつめるテツは、立ち上がり、写真をポケットに大切そうにしまう。
探さなくちゃ、テツを探さなくちゃ、と焦る晶。
まどかでしょうか、と犬マン。
テツは一人、街を歩いていく。
ジョン太は、なかなかテツが来ないことに、不安を感じ始めていた。
そのとき、憂夜が階上から、ジョン太、と呼ぶ。
晶と犬マンがまどかが勤める出版社を尋ねると、まどかは辞めたという。
いろいろあったから…ということだった。
憂夜はホスト達に、テツは今追い込まれている、俺達はあいつを探して、保護しなければならない、と話す。
わからない、説明してほしい、というホスト達。
ジョン太は、テツは今殺人事件の犯人と疑われてる、と切り出す。 みんなには、テツのことをちゃんと理解してもらわなければならない、といって憂夜は、ジョン太から話すよう促す。
ジョン太は、テツは女で、性同一性障害だと明かす。
憂夜は、性同一性障害について説明。
若菜を殺したのも、俺達を襲ったのも、テツかもしれない、というジョン太の言葉を、信じようとしないホスト達。
テツをみつけてどうするのか、警察に突き出すのか、なら行かない、と、皆ジョン太達に背を向ける。
その頃、晶とジョン太は、テツを探して必死に走っていた────
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