インディゴの夜

第39話
罪の発覚



Staff & OA
脚本 ◆ 武田有起  演出 ◆ 星田良子
その他のスタッフ ◆ 【ドラマ『インディゴの夜』 スタッフ&キャスト詳細データ】
放送日時 ◆ 2010年3月1日(月)13:30〜14:00

※番組表サイト等に掲載された仮サブタイトル「ホストが犯した罪。涙の別れ」

◆公式サイト◆
【東海テレビ:インディゴの夜】
【フジテレビ番組紹介:インディゴの夜】

Cast
高原 晶:森口瑤子
ジョン太:和田正人  犬マン:天野浩成  アレックス:深水元基
DJ本気:加治将樹  テツ:森 カンナ  ポンサック:玉有洋一郎
早乙女勘九郎:田村圭生  バーテンダー:高山猛久  ウェイター:佐藤峻
常連客・ミカ:華城季帆  常連客・カオル:志村陽香
憂夜:加藤和樹
モイチ:高木万平  モサク:高木心平  樹:真山明大  吉田吉男:田中幸太朗
古川まどか:春日井静奈  池下若菜:尾高杏奈
モイチ&モサクの母・敏子:山本みどり  樋渡真司
柴田克一:我修院達也  なぎさママ:升毅

Story
晶(森口瑶子)と犬マン(天野浩成)はテツ(森カンナ)の居場所を捜すが 何度テツの携帯電話に連絡しても応答はない。
犬マンは、まどか(春日井静奈)がテツを呼び出していたのでは、だとしたら、同じ殺人現場…と、テツの行き先に見当をつける。

テツは犬マンが考えた通り、まどかに呼び出され、若菜(尾高杏奈)が死んだ神社にやってきていた。

クラブ・インディゴでは、ホスト達が全員、テツを探しに行こうと立ち上がる。
で、どこへ行けばいいのか? ということになり…

まどかは、若菜がストラップの中に遺したデータカードを手に、テツを脅す。
若菜は、テツと同級生だったこと、可愛くて目立っていたテツのことが嫌いだったことなどを書き残し、呼び出した電話の録音も残していた。
若菜を殺したのはあなたね、とまどか。
まどかはインディゴで話そうと言い、テツはまどかに従う。

晶と犬マンが神社に駆けつけたときには、テツ達はそこを去った後だった。
インディゴの他のホスト達も、続々と神社に駆けつけるが…

誰もいないインディゴで若菜は、テツに“人殺しの桃子ちゃん”などと呼びかけ、“性同一性障害のホストが殺人!!”などとは、ワイドショーが飛びつくネタ、そんなことが知れたらこの店もおしまい…と、店長の晶を強請る意図を明らかにする。
「可愛い桃子ちゃん」「桃ちゃん」「モモ」などと執拗に呼びかけるまどかに、テツの脳裏にはあの日、同じようにテツをからかくように呼びかけてきた若菜の姿がよみがえっていた。
耐え切れなくなったテツは、果物ナイフをまどかに突きつけ、俺は人を殺した、でもこの店や店長に迷惑をかけることだけは許さない、と叫ぶ。
ここだけが俺の居場所だった、自分の罪は自分で償う、お前には関係ない!! と…

そこに、晶とホスト達が駆けつける。
晶は、あたしが“今まで通り”なんて言ったから、ごめんテツ…と、テツを抱きしめる。
テツはテツ、それだけで十分なのに、自分がテツを閉じ込めてしまった、男とか女とかそんなの全然関係ない、そんな当たり前のこと…と、晶は謝罪を繰り返す。
テツは、自分が全部悪かった、もっと早くケリつけなきゃいけなかったのに、自分は生きてちゃいけない…と、ナイフを自分の喉元に突きつけ、死のうとする。
晶はテツの頬を叩いて止め、ホスト達も口々に、死ぬなんてダメだ、テツはもっとかっこいいはず、テツ大好きだ、等、テツへの思いを叫ぶ。
もういいよ、誰にも言わなくていいから、と、テツの手を握る晶の前で、テツは泣きながら、若菜を、自分の同級生を…と告白し、もうここに戻って来れない…と言う。
晶は、テツの居場所はインディゴで、いつでも戻って来られる、と訴える。
テツはインディゴのかけがえのない仲間、という晶の言葉に、ホスト達も皆同意する。
テツが辞めたいといっても許さない、生涯ここから離さない、と晶、ホスト達。
ホスト達もテツの周りに駆け寄り、テツは泣きじゃくりながら、ごめんなさい…と繰り返す。

線路脇の陸橋のたもとでは、憂夜がひとりたたずみ、涙をこらえていた。

まどかは逮捕されるが、テツのこともすぐ連行しようとした早乙女(田村圭生)を、柴田(我修院達也)が止める。

最初若菜が来たとき、それが元同級生だと全く気づかなかった、と、テツは落ち着いた様子で話し始める。
若菜が、過去をバラされたくなかったら金をもってこいと要求してきたとき、バラされることは怖くなかったが、週刊誌等に変に書かれると店に迷惑がかかると思って、若菜に金を渡したが、若菜はインディゴや晶についても侮辱的なことを言い、テツに向かって執拗に“桃ちゃん”“男子にモテモテだった可愛い桃子ちゃん”“桃子、あんたは女なのよ”等、嘲るように繰り返した。
お前に何がわかる! とテツが若菜を突き飛ばすと、若菜は倒れて岩に頭を打ち、死んでしまったのだ。
テツは驚いて逃げ、晶にぶつかった…

テツは、校庭にいたカブトムシの話をする。
そのカブトムシは半分オスで半分メスだったが、他の仲間達に仲間はずれにされることもなく、一緒に蜜を吸っていた。自分はずっとカブトムシになりたいと思っていた、自分は自分なのに…と、再び涙するテツ。
テツはテツだよ、ここにいるみんな、全員そう思ってるよ、今も、これからもずっと…と晶。
そろそろいいだろう、と柴田が促し、テツは連行されていく。
テツに向かって、ホスト達は、いつもショーで踊っているダンスを踊り、待ってるからな、と口々に叫ぶ。
晶も言う。ここ、あんたの場所。あんたが帰ってくるまで、ずうっと開けて待ってるから、絶対帰って来いよ、店長命令だからな! と。

パトカーの中で、ホストの皆との集合写真を手に、涙するテツ。

テツがいなくなったインディゴで、明るく振舞い、精一杯接客するホスト達。

ある日晶は、テツに面会に行き、テツからの手紙を受け取ってくる。
元気にしている、心配しないでほしい、というテツは、皆から離れ、一人でいると、昔のことが思い出される…と綴る。
自分の中に生まれ始めた違和感に、原因もわからず苦しんでいた小学生の頃。人目を避けて、息をひとめて生きていた中高生の時代。
いつも、自分が自分じゃなかった。自分はおかしな人間、不完全な人間だと思っていた。この世に自分の居場所はどこにもない、と…

途中で、なぎさママがやってくる。
気づいて立ち上がり「ママ」と呼びかける犬マン。

インディゴに来てそんな気持ちが変わった、と、テツの手紙は続く。
インディゴにいると、自分が自分らしくいられた。怒られても、からかわれても、何をしていても楽しかった。
だから、もうちょっと、もう少し…そう思ってしまった。
自分のせいでどんなにみんなに迷惑をかけたかわかっている、けれど、わがままな願いをしていいだろうか…
インディゴを続けてほしい、何があっても続けてほしい、自分のような行き場のない自分を受け入れてくれたインディゴに、みんなに、店長にもしものことがあったら、今度こそ自分は生きていけない、だから、どうか…
“いつかまたみんなに会える日を夢見て、静かに罪を償います。
今までありがとう、そしてさようなら。 テツ” と、テツの手紙は結ばれていた。

さようならって何だよ、そんなのない、と言いつつ、涙するホスト達。
だったらどうにかしなさい、となぎさママ。あんた達がそんな調子でメソメソしてたら、ほんとにこの店つぶれちゃうわよ、と、ホスト達に発破をかける。テツの帰ってくる場所がなくなってもいいの? と。
晶は立ち上がり、がんばろう、とホスト達に呼びかける。
ママの言うとおり、テツには絶対にこの店に戻ってきてもらわなくちゃならない、そのためにはあたし達が、この店守って、盛り上げていかなきゃいけない、絶対に負けない、テツの思いを無駄にしないためにも、絶対に負けない…。
憂夜も、ホスト達に呼びかける。気合を入れて行け、と。
ジョン太は立ち上がり、犬マン、樹、モイチ、モサクは営業、他の皆は大掃除、と仕切り、気合入れていくぞ! と動き出す。

晶は、オーナーズルームのテツの写真に向かって誓う。
絶対に、守り抜くから…と。

そのとき、外には雪が降り始めた。

この雪が、きっと全てを洗い流してくれる。
この雪がやんだら、テツ、春が来るよ…


夜、誰もいない横断歩道を、車椅子で渡ろうとする女性。
その背後から、男性が近づく。
信号は赤に。
男性は、車椅子を押して、横断歩道を渡っていく…


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