インディゴの夜

第40話
客の怒り



Staff & OA
脚本 ◆ 森ハヤシ  演出 ◆ 吉田使憲
その他のスタッフ ◆ 【ドラマ『インディゴの夜』 スタッフ&キャスト詳細データ】
放送日時 ◆ 2010年3月2日(火)13:30〜14:00

※番組表サイト等に掲載された仮サブタイトル「客への失態。店を去るアフロ…!」

◆公式サイト◆
【東海テレビ:インディゴの夜】
【フジテレビ番組紹介:インディゴの夜】

Cast
高原 晶:森口瑤子
ジョン太:和田正人  犬マン:天野浩成  アレックス:深水元基
DJ本気:加治将樹  テツ:森 カンナ  ポンサック:玉有洋一郎
バーテンダー:高山猛久  ウェイター:佐藤峻  常連客・ミカ:華城季帆  常連客・カオル:志村陽香
憂夜:加藤和樹
モイチ:高木万平  モサク:高木心平  樹:真山明大  吉田吉男:田中幸太朗
常連客の大学教授・蓉子:円城寺あや  モイチとモサクの母・敏子:山本みどり
車椅子を押す男:樋渡真司
柴田克一:我修院達也

Story
線路をまたぐ陸橋の上で、ジョン太(和田正人)はポケットから、書きかけの手紙を取り出して眺める。
“テツへ。俺絶対にインディゴを守るから、心配するな!!”
その手紙を丸めてしまうジョン太。

インディゴのオーナーズルームでは、晶(森口瑤子)がテツへの手紙を書こうとしていた。 そこに憂夜(加藤和樹)が、下降線を辿っている売り上げについての相談にやってくる。
晶は、数字が下がるのは仕方がないが、ジョン太が心配だと話す。

フロアではジョン太が、無理にテンションを上げ、無茶な一気飲みを繰り返していた。
ジョン太は、犬マン(天野浩成)と樹が接客しているスペースにまで、盛り上げてんのかよ、と乱入し、犬マンのグラスを取って一気飲み。
犬マン達が接客していた常連客・蓉子(円城寺あや)は、嫌な顔をするが、犬マンが頭を下げたことで、一応笑顔を作る。

ここ数日間あんな感じで、ジョン太は相当無理してると思う、と晶。

ジョン太は酔いつぶれて客に起こされ、水を飲みに行ってもよろけるような状態に。
いくらなんでも飲みすぎですよ、と忠告する吉田吉男(田中幸太朗)に、ジョン太は、心配する余裕があるんだったらお前も飲め、楽しませる技がないやつは飲むしかない、などとからむ。
そこに、犬マンがやってきて、もうやめとけよ、とジョン太を止める。
吉男もこんな奴の言う事聞かなくていい、と、吉田吉男をその場から立たせた後、お前は苛立ちを酒で紛らわしてるだけだろ、と、ジョン太に指摘する。
悪いのかよ、飲まなきゃやってらんねえときだってあんだろうがよ、と開き直るジョン太。
その胸倉を掴み、犬マンは低い声で言い放つ。
「何一人で気取ってんだよ。つらいいのはお前だけじゃない、ここにいるみんながつらいんだよ!」

ジョン太は犬マンの手を振り払い、ふらふら歩いていた先で目についたグラスの酒を飲み干す。
グラスを持った手を下ろすと、グラスは柱に打ちつけられ、大破する。
そしてその破片が、先ほどジョン太の振る舞いに眉をひそめていた常連客・蓉子の腕に刺さってしまう。
ジョン太は謝るが、蓉子の怒りは激しく、こいつが私にグラスを投げつけたのよ、とその場に集まった皆に訴える。
犬マンは蓉子に謝罪、ジョン太に、お前なんてことしたんだよ、と、厳しく迫る。

騒ぎを聞きつけ、晶と憂夜が出てきて、一同は改めて謝罪する。
しかし蓉子は、これは立派な傷害事件、訴える事だってできる、と、怒りを収めない。
晶と憂夜が蓉子を病院へ連れて行くことになり、ジョン太も同行を申し出るが、蓉子に拒絶される。

閉店後のインディゴで、犬マンは、こんな時にあいつ、なんて事をしてくれたんだよ、と、ジョン太への怒りを露にする。
デモ、ワザトヤッタ訳ジャナインデショ、とポンサック(玉有洋一郎)は犬マンをなだめるが、DJ本気は、ただ相手が悪かった、あの人は京成大の教授で政界にもマスコミにも顔が利くらしい、厄介な事になんなきゃいいけどな…と、今後のことを懸念する。
そこに晶と憂夜が戻ってきて、ケガは大事には至らなかったが、蓉子は大変怒っていて、話を聞いてもらえなかった、訴訟の話についてはまだだが、許してもらえるまで誠意を尽すしかない…と状況を報告する。
DJ本気、ポンサック、アレックスは冗談めかして、ほんとにおっちょこちょいなんだから、一緒に謝ってやるか、などとジョン太の気持ちを上向かせようとするが、ジョン太は、これは俺の問題だ、お前らには関係ない、と突っぱねる。
それを聞いた犬マンは、散々迷惑かけといて、なんだよその言い方! と怒る。
しかし、ジョン太は、迷惑かけたのは謝る、ただこの件は俺一人でカタをつける、だからほっといてくれ、と出て行ってしまう。

ホスト達が帰った後、テツのブースの前で晶は、テツとホスト達が楽しそうに話していた様子を思い出す。
テツの逮捕を受けての憂夜の、こういう事態を招いてしまったのは残念ですが、テツの居場所を守ると言う一点で皆繋がっています、という言葉も。

晶はロッカールームを覗き、その汚れた様子に、ちゃんと片付けろって言ってるのにもう、と、床の紙くずをゴミ箱に入れる。
そのとき、ゴミ箱に入っている丸められた紙に“テツへ”と書かれているのに目を止める。
“元気でやってるか? 俺らはメチャメチャ元気だよ。”
丸められた、他の紙も見てみる晶。
“オイッス、テツ! おめえがいねぇと店中盛り上がんねぇよ、そんなとことっとと脱獄でもして”
“俺絶対にインディゴ守るから”
ジョン太の気持ちがにじむ書き損じの手紙に、ジョン太のやつ…と、晶は胸を熱くする。

陸橋の上にたたずみ、やがてとぼとぼと歩き出すジョン太。

ジョン太は花束を手に、蓉子の自宅を訪れるが、蓉子は留守。
そのとき蓉子は、インディゴのオーナーズルームにいた。
深々と頭を下げて謝罪する晶と憂夜に、右手が使えないんじゃペンも持てないし、大学に行っても仕事にならない、それに一人暮らししていて家の事も何も出来ない、と蓉子。
もちろんご迷惑をお掛けした分の慰謝料も…という晶に、それだけでは気持ちが治まらない、と蓉子は、ジョン太を辞めさせることを要求する。
そのやりとりを、ジョン太が部屋の外で聞いていた。
この店の雰囲気は嫌いではない、これからも足を運ぶつもり、ただ前からあのホストは目障りだった、罪を犯したものに罰を与えるのは当然、という蓉子は、すぐに訴える事もできる、あんな事件があった後だしまずいわよね、と、テツの事件のことまで持ち出してくる。
自分はマスコミ関係に知り合いも沢山いる、こんな店を潰すことくらい簡単、と、脅しめいたことを口にする蓉子は、邪魔者をやめさせるいい機会じゃない、あんな下品で凶暴なやつこの店に必要ないと思うわよ、とまで言い出す。
晶は我慢できず、勝手な事言ってんじゃねえ、この店に必要ない人間なんて誰一人いないんだよ、誰かが欠けてもインディゴはインディゴでなくなる、ジョン太なしでこの店を続けるくらいだったら、あんたにこの店を潰された方がまだましなんだよ!! と、タンカを切ってしまう。
店長、と憂夜に声をかけられて晶は我に返るが、時すでに遅し。
言ったわね、覚悟して待ってなさいよ! と怒り心頭で、蓉子は帰って行ってしまった。
部屋の外で、花束を取り落とすジョン太。

ジョン太が店の外へ出てくると、吉田吉男が、こんな時間にどうしたんすか、と、声をかけてくる。
お前こそ、というジョン太に吉田吉男は、袋いっぱいに買ってきた掃除用具を手に、バカな考えですけど、自分が店の為に出来ることってこれぐらいっす…と笑ってみせる。
悪かったな、店守りたい気持ちは、皆一緒だと思うんだ…といってジョン太は、店長に渡しといてくれ、と、吉田吉男に封筒を託す。
後は頼むな、と立ち去るジョン太。

なんであんなこと言っちゃったんだろう…と慌てる晶に、気持ちを落ち着けて対策を考えましょう、と、ハーブティーを出す憂夜。
そこに吉田吉男が、ジョン太から預かった封筒を渡しに来る。
その中身を見た晶は、あのバカ…と。

ジョン太が吉田吉男に託したのは、辞表だった。
そのまま連絡が取れなくなったジョン太について、何か心当たりはないか、と、晶はホスト達に尋ねる。
犬マンは、もうほっとけばいい。散々騒ぎを起こしたあげくバックれるなんて勝手すぎる、辞めたいんだったら辞めればいい、あいつにもうひっかき回すされるのはいやなんですよ! と叫ぶ。
晶は犬マンの頬を叩き、ジョン太がどういう気持ちでこれを書いたのか分からないのか、ジョン太がどれだけインディゴを愛しているかわからないのか、逃げたいわけがない、このインディゴをほんとに守りたいから一番辛い選択をしたことを、なぜわからないのか、と犬マンを責める。
犬マンは傷ついた表情でうつむき、無言で店を飛び出す。
アレックスが後を追う。

犬マンをつかまえ、お前だってジョン太がどんな気持ちで辞表を書いたかわかってるだろう、というアレックス。
だから許せないんだよ! と、腕を取るアレックスの手を振り払う犬マン。
勝手にリーダー気取って、一人で抱え込んで。あいつはリーダーである前に、俺達の仲間なんだよ! なんで仲間に頼ろうとしないんだよ! と、泣きそうな顔で真情をアレックスに訴える。
あんな奴、助けてやる必要ないんだ、と、意地になったように言って、アレックスから離れていく犬マン。

一人になった犬マンは、交差点の途中で立ち止まったまま、動けずに。

ジョン太は陸橋にたたずんで、逮捕されるテツに向かって、待ってるからな、と呼びかけたときのことを思い出していた。
ごめんな、テツ…ジョン太の口から、テツへの謝罪の言葉が漏れる。

ジョン太は蓉子の自宅を訪れ、土下座して謝罪。
もちろんこんな事で許されるとは思っていない、だから店も辞めて来た、訴えてもらっても悪い事を書いてもらっても構わない、ただ今回の事は店とは関係なく僕個人がやった事にして欲しい…
店を潰すわけにはいかないんです、だからお願いします!! と訴えるジョン太。

そこに、待って下さい、と、犬マンが現れる。
犬マンもその場に土下座し、お願いします、こいつの事許してやって下さい! と訴える。
こいつのやった事は許される事ではありません、でも俺達ちょっと前に大事な仲間の一人を失って、もうこれ以上仲間を失いたくないんです、仲間がいなくなるの黙って見過ごす事は、もうしたくないんです、と犬マン。
だから、お願いします! お金ですむなら、何とか用意します、お役に立てる事なら、なんだってやります、だから…
そんな犬マンの訴えも、蓉子は、必要ないわ、と受けつけない。
そんな事言わないで、お願いします! と、頭を地につける犬マン。
その隣でジョン太も、お願いします! と同じように。
そんな二人に蓉子は、そうじゃなくて、もう十分なのよ…と言う。

蓉子がジョン太と犬マンを家の中へ通すと、インディゴの皆がもう来ていて、部屋を掃除していた。
次から次へと謝りに来て、もうやる事がないのだという。
ジョン太のことはいまだに嫌いだが、ジョン太がインディゴで必要な存在だということはよく分かった、という蓉子は、治療費代と慰謝料、あとはインディゴの無料サービス券で許してあげる、と、許しの言葉を口にする。
ありがとうございます、ほんとに申し訳ありませんでした、と頭を下げるジョン太。
ありがとうございます、と表情を輝かせて頭を下げる犬マン、ありがとうございます、と頭を下げるホスト達。
そんな彼らを見て、蓉子は微笑む。

チャイムが鳴り、蓉子は応対のために玄関へ。
犬マンは、皆の輪の中にジョン太を連れていく。 わかったろ、お前が一人で抱え込もうとしたって、みんな見逃してくれないんだからな! と…

蓉子が制止するのに無理矢理入ってきたのは、エプロンを着けた晶だった。
皆が来ていることに驚く晶。
店長ビリっすよ、Too late! などと言われる晶は、樹(真山明大)の「しかも、全然戦力にならなそぉ〜」には「ちょっと!」とムキになりつつも、笑顔に。

インディゴに戻ったジョン太は、皆ほんとにごめん、大事な時期に皆に迷惑掛けた、と謝罪。
あんたを責めてる人間なんてここには誰一人いない、あんたがああいうやり方しか出来ない不器用な人間だってことは皆分かってるから、と晶。
ジョン太に向かって、笑顔を見せるホスト達。

ホスト達は開店準備に。
晶は憂夜に、まだ先かもしれないけど、元通りになるよね、と語りかける。
はい、こいつらならきっと、と憂夜。
憂夜さんも謝りに行ったんだ、と言い出した晶に、いえ、私は…と認めない憂夜。
膝、土ついてる、と晶に指摘され、憂夜はばつが悪そうに、膝の土を払う。


モイチはモサクをロッカールームに連れ込み、今月分ちゃんと振り込んだのかよ、と問い質す。
いや、まだ…というモサクに、少しでも遅れると殺されるぞ! と声を荒らげるモイチ。
“殺されるぞ!”の声に、ワインを取りに来ていた樹は驚き、ワインを取り落としそうになる。
早くしろよ!でないとこの店に…お前まさか使い込んだんじゃないだろうな? というモイチ、黙り込んだモサクに、何とか言えよ!! ただで済まされないぞ、とさらに迫るモイチのただならぬ剣幕を陰から覗き見て、息を呑む樹。


夜、誰もいない横断歩道を、車椅子で渡ろうとする女性。
その背後から、男性が近づく。
信号は赤に。
男性は、車椅子を押して、横断歩道を渡っていく…


Check! −天野さん犬マンみどころ−

★ 一気飲みするジョン太の背景に、和室スペースで接客する犬マンと樹。
 何か手振りを交えて説明する犬マン。
 “知性派”の香り漂う雰囲気!

★ ジョン太に乱入され、自分のグラスの酒を一気飲みされた犬マン。
 止めようとするように泳ぐ右手が、優しい感じ。
 画面の端で動く、ちょっとイヤそうなお客さんに、軽く会釈する頭がまたツボ。

★ 吉田吉男がジョン太にからまれているところに「もうやめとけよ」と登場する犬マン。
 「吉男もこんな奴の言うこと聞かなくていい」と、吉田吉男をジョン太の前から離れさせるところといい、酔っ払いにからまれてる女の子を助けるヒーロー!
 吉田吉男の“吉男”呼びや、吉田吉男の身体に触れて立たせるしぐさも、ものすごくツボ。

★ 「お前は苛立ちを酒で紛らわしてるだけだろ」と指摘する犬マン。
 眉をひそめた、かなりコワイ顔。
 …そして口調がこの時点ですでに、やや巻き舌で妙な迫力がのぞきはじめ!

★ジョン太の胸倉を掴むところから、迫力がシロウト離れしつつある犬マン。
「何一人で気取ってんだよ」の“一人”の“り”が、思い切り巻き舌に!!
普段の犬マンなら「つらいのはお前だけじゃない」とクールに言いそうなところが「つらいのはお前だけじゃねえ」と、通常ルートを外れ出し(携帯サイトに掲載のシナリオを見ると、シナリオからして“お前だけじゃねえ……”に!)。
「ここにいるみんながつらいんだよ!」は、声がダミ声混じりで、任侠系の世界に突入しかけ!!
晶が元ヤンで…というよりも、よっぽどスゴイ過去があるんじゃあ…と思わせる、尋常ならざる犬マンの迫力…
こういう青春群像劇っぽいドラマで、天野さんがあんまり本気出しちゃヤバいんじゃあ!!

★ 蓉子に「すいません」と謝り、ジョン太に「お前なんてことしたんだよ」と厳しく迫る犬マン。
 蓉子にしてみれば、お気に入りの犬マンが自分の味方になって、キライなジョン太に怒りを見せてくれる、というのは、結構うれしいことなのでは…と思われるので、お客様第一の対応としてはかなりいいリアクションかも!
(犬マンの内心としては、そこまで考えていたわえじゃなく、ジョン太が一人で抱え込んで頼ってくれないことへのの苛立ちからの言動だとしても!)

★ 「おい誰かあの、救急箱持ってきて」という犬マン。
 “救急箱”という言葉がすぐに出てこないで、手でハコのかたちを作ってたりするところがツボ。
(もっと年齢を重ねられて「あれだよ、あれ」とか言っちゃうお父さん役を演じられてるところなんかも想像すると、わくわく!!)
 それに応えたモイチの「はい!」といういい返事も、犬マンとの関係性が感じられ◎!

★ 晶が「大変申し訳ございません」と頭を下げるのに続けて、みんなと一緒に頭を下げる犬マン。
 唇をきゅっと引き結んだ表情、スローで観る価値あり!
 企業モノでの謝罪会見シーンとか、将来観てみたい…等、夢もふくらむ姿。

★ 「こんな時にあいつ、なんて事をしてくれたんだよ」と、ジョン太に聞こえるように言ったり、晶と憂夜が帰ってきたとき、店について「雰囲気最悪ですよ」と答えたりする犬マン。
 その、ちょっと意地悪でイヤミなキャラっぽい役回り、天野さんの最初の連ドラレギュラー作品【名探偵保健室のオバさん】での佐々木保くん役を、ちょっと思い出したり。
『インディゴの夜』後番組の『娼婦と淑女』では、『名探偵保健室のオバさん』で天野さん佐々木くんとコンビだった宮本秀一くん役の安達和也さんの妹さんが主演なので、より思い出すのかも。

★ 「散々迷惑かけといて、なんだよその言い方!」と怒る犬マン。
 イヤミな優等生っぽい雰囲気から一転、“いいかたー!”と語尾がのびたりと、ちょっと小学生っぽい感じの怒り方。
 テツのエピソードでは、大人っぽい“お兄ちゃん”な優しさが印象的だった犬マン、ギャップ萌え!

★ 「もうほっとけばいいんですよ」と歩み出る犬マン。
 晶の意外そうな、ちょっと友達感のある「犬マン」の声がツボ。
 「散々騒ぎを起こしたあげくバックれるなんて、勝手すぎませんか!」は、かなり怒り感情あふれる、勢いあるセリフでありつつ、すごくクリアに発音されていて、快感!

★ 張りのある「勝手すぎませんか!」から、「辞めたいんだったら辞めればいい」ではいったん、ぐっと低く深くなる声の響き。
 そこから「あいつにもうひっかき回すされるのはいやなんですよ!」でまた、張りのある、ちょっと子どもっぽくも聞こえる若々しい声に、と、変化するトーンで揺さぶりをかけてくる声の魅力。

★ 晶に頬を叩かれる犬マン。
 晶より背が高く、体格もいいのに、“女性にビンタされる男性”というより、ぶたれた女の子っぽいカンジ!
 信じられない、というように、晶を見る目がまた…!

★ なんでジョン太の気持ちがわからない、と晶に責められている間の犬マンの表情。
 前髪で表情はほとんど隠れているものの、口許が小刻みに動いていて、今にも泣きそう!
 むしろ、なぜ晶が犬マンの気持ちをわからないのかがわからないかも…なこの状況で、当然全てを理解してそうな憂夜が、“あーあ”という感じの横目で晶をみやっているのがちょっとおかしく(笑)。

★ 晶の言葉が終わった後の、犬マンの表情。
 さらにうつむいて、目を伏せ、“傷ついた”を絵に描いたような繊細さ!
 そこから、モイチを押しやるようにして出ていく様子、すっごく“青春”な感じ!

★ 「犬マン!」と追ってきてくれるアレックス!
 捜査シーンでの2ショットはこれまであまりなかったものの、犬マンがアレックスに寄り添うように立つシーンはツボツボだったので、高まる期待感!!
 そしてアレックスが出て行った後、また微妙に非難がましい目つきで晶をこっそり見る憂夜(笑)。

★ 追いついたアレックスに腕を掴まれる犬マン。
 僅かに抵抗するような、身を任せて揺さぶられているような、なんともいえない風情!!
揺れる前髪から、一筋ぱらり…と離れて、本当に泣きそうな顔に垂れかかっているのが、言いようのない情感!!

★ 「だから許せないんだよ!!」と、腕を取るアレックスの手を振り払う犬マン!
 ほんとうに泣きそうな、崩れそうな風情からはかなり予想外の、勢いある力強い動き!
こういう“手を振り払う”動き、『仮面ライダー剣』でいろいろあったような記憶が。

★ 「勝手にリーダー気取って、一人で抱え込んで。あいつはリーダーである前に、俺達の仲間なんだよ!」と訴える犬マン。
 大きく息をつきながらの様子には、感情のたかぶりとか、壊れそうな感じとか。
泣きそうな顔での「なんで仲間に頼ろうとしないんだよ!」、頼ってもらえなくて淋しくて淋しくて死んじゃいそうな犬マン…
そんな犬マンを、目をみはり、息をひそめるようにしてみつめるアレックス。

★ 「あんな奴、助けてやる必要ないんだ」
 青い感じの声に、意地を張る子供のような言葉。
 歩み去る犬マンを見やるアレックスの目は、あまりの情の深さに、半ば呆れ気味…?

★ 交差点の途中で立ち止まり、たくさんの車が過ぎ去る間、ずっとたたずむ犬マン。
 そのまま消えてしまいそうなはかなさも感じられるシーン。
 晶の前、アレックスの前とはまた違う、泣きそうな顔。

★ 自宅に犬マンが現れたときの蓉子の反応。
 「待ってください」の声が聞こえたときに険しさの消えた表情も、犬マンの土下座に思わず前かがみになり、足が一歩前に出たところも、ジョン太への反応とかなり差が(笑)
犬マンはお気に入りなんだなー、と、よくわかる、さすがのリアクション。

★ ぱたっ! と勢いのある、犬マンの土下座。
 蓉子の家の玄関の前まで歩いてくる歩き方からして、独特のきびきび感。
 呆然とそれを見るジョン太の表情もうなずける、突然感。

★ 「こいつのやった事は許される事ではありません、でも俺達ちょっと前に大事な仲間の一人を失って、もうこれ以上仲間を失いたくないんです、仲間がいなくなるの黙って見過ごす事は、もうしたくないんです」という犬マンの訴え。
 蓉子先生、かなりほだされてる感じの表情に。
 ジョン太もちょっとうるっときてる感じ?

★ 「だから、お願いします!」のところは、蓉子先生を見上げるポーズが可愛く。
 “お金ですむなら”の声はちょっと可愛く、“何とか用意します”は力をこめて、“お役に立てる事なら”の声はまたちょっと可愛く、“なんだってやります”は力をこめて、という、声の緩急でも揺さぶり!
「必要ないわ」への「そんなこと言わないで」とすがるような感じと、身を投げ出して、という感じの「お願いします!」の土下座、かなり訴え力あり!

★ そうじゃなくて、もうもう十分なのよ…という蓉子先生に「え」と顔を上げる犬マン。
 さっきまでの訴えとのギャップある「え」が面白く。
 かなり泣きそうな顔が、ジョン太とお揃い感があるのも可愛く。

★ すでに来ているみんなを見て、目を丸くする犬マン。
 その後しばらく、見開いた目を左右に動かす表情、動きとして面白く。
 ちょっと決まりが悪そうな感じが可愛く。

★ ジョン太がインディゴで必要な存在ということがよくわかった、という蓉子の言葉を聞いた犬マンの表情。
 光が綺麗に入った瞳を蓉子の方にむけたところから、その目を伏せて、思わずほころんだ、という感じに、片頬で笑んで。
 ジョン太のことが認められたのが、うれしくてしかたない、という表情。

★ 蓉子の許しを得て、ありがとうございます! と頭を下げる犬マン。
 表情を輝かせ、にっこり笑っての、ありがとうございます!
 晴れ晴れ!

★ ジョン太の両肩に手をかけて、皆のところに押しやりながらの犬マン。
 「わかったろ、お前が一人で抱え込もうとしたって、みんな見逃してくれないんだからな!」
 ジョン太の胸倉をつかんだときのあのドスの利いた声の主とは同一人物とは思えない、ちょっと舌足らずの可愛いコドモ口調が、最高にツボ!
 でも、最後のジョン太の背中への“ぽん!”は、大人っぽい優しさにあふれ。

★ やってきた晶に、頭を下げる犬マン。
 ちょっとぎこちない頭の下げ方は、叩かれて飛び出してから初めて顔を合わせるせいか、自分も晶と大差ない、最後から2番目にここにやってきた決まりの悪さからか。
 DJ本気の「店長、ビリっすよ」に、決まりが悪そうにやや上目づかいの表情になっているところからすると、前者?

★ ジョン太がああいうやり方しかできない、不器用な人間だって、みんなわかってるという言葉に笑顔を見せるみんな。
 犬マンは、歯を見せずに、口角を上げてみせる、クール系の笑み。
 “日常”に戻ったんだな、という感じ!


★ Episode 39 ★ STORY INDEX ★ Episode 41 ★