愛の劇場
愛のうた!
第6話
父の夢那須の空
Staff & OA
脚本 ◆ 武田有起 演出 ◆ 田沢幸治その他のスタッフ ◆ 【愛の劇場『愛のうた!』 スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2007年11月5日 13:00〜13:30
◆公式サイト◆
【TBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】【TBS公式:番組情報−愛の劇場『愛のうた!』】
◆参考サイト◆
【TBS公式:テレビ番組表−2007年11月5日】【MBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】
Cast
黒川亜紀:雛形あきこ黒川 楓:荒井 萌 黒川紅司:泉澤祐希 黒川花梨:三好杏依
木村晃:渋江譲二 小峰直也:嶋大輔
内田 守:新妻大蔵 内田麻里:橘実里
小峰 舞:金澤美穂 芸プロ アニマルグレース
黒川源三:左右田一平 黒川千歳:大森暁美 ほか
Story
源三(左右田一平)の許しが出て、亜紀(雛形あきこ)、楓(荒井萌)、紅司(泉澤祐希)、花梨(三好杏依)は、生活のめどが立つ3ヶ月後まで、という条件で、稲穂の実家に置いてもらえることになった。しかし楓は、兄弟一緒に暮らしたいと言っただけなのに、なぜこんな家に居候なのか、計画性がなさすぎると、憤慨する。
楓も紅司も、それぞれ自分がいた施設や伯母の家のほうがよかったと、文句たらたら。
そこで楓は、紅司と、脱出の相談を始める。
千歳(大森暁美)は亜紀を座らせ、話しておかなければならないことがあるという。
3ヶ月家族として一緒に暮らす以上、もうお客様ではない、本日ただいまより亜紀と自分は嫁と姑、ビシっと仕込むと宣言する。
亜紀は押入を整理していて、稲穂が昔描いた絵を見つける。
その中でも、遠く山を背景にした草原に、一本の木が立つ絵に、亜紀は心惹かれる。
紅司がバス停でバスの時間を調べていると、自転車に乗った舞(金澤美穂)が話しかけてくる。
いいところに案内してあげる、と言われて自転車に乗せられた紅司は、前日亜紀がしたのと全く同じように、なんだかんだいって自転車に乗せてお金を取るのがここの経営方針なのか、と、連れて来られた喫茶店のマスター・直也(嶋大輔)に文句を言ってくる。
そんな紅司の姿は、幼い頃の稲穂にそっくりで、稲穂の幼なじみの直也と守(新妻大蔵)は、驚いて紅司を見つめる。
紅司と小さいときの稲穂さん、本当にそっくりなんですね、と、台所で千歳に喫茶店での出来事を話す亜紀。
しかし、亜紀が子供の好きな定番だからと作っていた卵焼きは、黄色い雑巾のようと言われるほどひどい出来。
楓は、週に2回町営牧場から東京に牛乳を運ぶトラックに隠れて東京に脱出するといい、と紅司に伝える。
次にトラックが出るのは2日後の午後、楓は荷物を運び出し、紅司は花梨を連れ出すという相談に。
そこに花梨がやってきて、何の話をしているのかと尋ねるが、花梨はあっちへ行っててね、と追い払われてしまう。
亜紀の作ったその卵焼きも並んだ夕食の席。
花梨が卵焼きに箸を伸ばすと、千歳が「それは」と止めたりしていたが、晃(渋江譲二)は無造作にその卵焼きに箸を伸ばし、黙って口に入れた。
しかし、その晃も思わずむせるほど、亜紀の卵焼きは…
翌朝、亜紀は早起きして、卵焼きの練習をする。
そんな亜紀の姿を、晃が見ていた。
その日の朝食、花梨が亜紀の玉子焼きに箸を伸ばそうとすると、楓が別のものを食べるようにすすめたりと、亜紀の卵焼は食べてもらえない。
牧場で亜紀が働く間、守と麻里(橘 実里)は亜紀に、料理はそんなにすぐにうまくなるわけがないと慰める。
そこに花梨がやってきて、楓と紅司が仲良く話をしているが、自分は仲間に入れてもらえない、と訴える。
小さい妹を仲間はずれにするなんて! と怒った亜紀は家に飛んで帰り、楓と紅司をどやしつける。
そのとき二人があわてて隠したものをみて、楓と紅司が、那須からの脱出計画を練っていたことを、亜紀は知る。
勝手に連れてきて勝手に居候を決められて…と言われた亜紀は、あたしだって頑張ってる、一日も早く自立しようと、パートをかけもちして、朝も早く起きて慣れない料理もして頑張ってるじゃない、と主張する。
しかし楓は、誰もそんなこと頼んでいない、そういうのを独りよがりと言うんです、と亜紀の言葉をはねつけ、明日3人で東京に帰る、と宣言する。
子供達にわかってもらえない、継母だからいけないのか…と落ち込む亜紀に、千歳は、実の親子でも、子供のために頑張っても子供は半分もわかってくれない、親子とはそういうものだと言う。
独りよがりだと言われたのなら、一人で頑張るのをやめたら、という。
自分はこうしたいけれど、こういうところがうまくいかなくて困ってる、みんなに助けてもらいたい、と正直に弱音を吐いたら、子供は案外協力してくれたり、相談にのってくれたりするものだと。
親だから、保護者だからと一人で頑張ることはない、困ったとき助け合うのが家族、と言われ、亜紀は笑顔を取り戻す。
こうなったら堂々と出て行ってやる、と息巻く楓、けどさ、とためらう紅司。
何が頑張ってるよ、あんなぐちゃぐちゃの卵焼きしか作れないくせに、パートのかけもちも他にできない自分が悪い、絶対出て行く、という楓の前に、晃が現れる。
晃は「5時。5時に起きて台所に行ってみろ」とだけ告げる。
翌朝、3人が5時に起きて台所に行くと、卵焼きの練習をしていた亜紀が、牛乳配達に行かなきゃ…と、火を止めるところだった。
夜も部屋で仕事をしているのに、何時に起きてるんだろう…と、考える3人。
亜紀は、行き先を告げずに子供達を連れ出す。
そして、景色が美しい場所で、稲穂が昔描いた絵を広げる。
そこは、稲穂が、その絵を描いた場所だった。
亜紀は、何も言わずに那須に連れてきてしまったことは間違いだったが、稲穂は那須の自然はすばらしい、その中で子供達を育てたい、それが自分の夢だと言っていた、だから皆をどうしても那須に連れてきたかった、お父さんも喜んでると信じてる、きっとどこかで見守ってくれてると信じてる、と告げる。
4人はそれぞれの5円玉を取り出してみつめる。
亜紀は、“家族のルールその2”通り、何も相談しなかったことについて「ごめんなさい」を言う。
だけど皆にはもう少しここにいてほしいと思ってる、稲穂の夢をかなえたい、わがままかもしれないけれどかなえたい、と、願いを率直に伝える。
そして4人は、稲穂が描いた美しい風景をみつめた。
その夜の食卓にも、亜紀の卵焼きが出されていた。
その卵焼きに、真っ先に箸を伸ばしたのは、楓だった。
一口食べて「まずっ」とつぶやいた楓は、こんなのめったに食べられないよ、と、紅司にすすめ、「ほんと珍しい味」という紅司は、花梨にも食べるように言う。
花梨にまで「花梨、普通の味でいい」と、卵焼きは不評だったが、食卓には温かな空気が流れていた。
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