愛の劇場
愛のうた!
第43話
離れたくない!
Staff & OA
脚本 ◆ 武田有起 演出 ◆ 田沢幸治その他のスタッフ ◆ 【愛の劇場『愛のうた!』 スタッフ&キャスト詳細データ】へ
放送日時 ◆ 2007年12月26日 13:00〜13:30
◆公式サイト◆
【TBS公式:愛の劇場『愛のうた!』】【TBS公式:番組情報−愛の劇場『愛のうた!』】
◆参考サイト◆
【TBS公式:テレビ番組表−2007年12月26日】【ドリマックス公式:ドラマ−愛の劇場『愛のうた!』】
Cast
黒川亜紀:雛形あきこ黒川紅司:泉澤祐希 黒川 楓:荒井 萌 黒川花梨:三好杏依
木村晃:渋江譲二 蒔田亮介:天野浩成 小峰直也:嶋 大輔 宇喜多 稔:石橋 保
内田麻里:橘 実里 内田 守:新妻大蔵 小峰舞:金澤美穂
芸プロ テアトルアカデミー
黒川稲穂(回想):岡田浩暉 黒川源三:左右田一平 黒川千歳:大森暁美 ほか
Story
紅司(泉澤祐希)の作った焼きものを届けに来た晃(渋江譲二)から、那須の家が引き払われることを聞いた子供達。東京の家の子供部屋で、もう源三達は引っ越しただろうか、あの家はどうなってしまうのか、みんなバラバラになってしまった、と話し合う。
備前焼の窯元で修行を始めた晃。
“新入り”として、忙しい日々を送る。
源三(左右田一平)と千歳(大森暁美)は、那須の家の片づけ。
亜紀(雛形あきこ)は、稲穂が描いた丘にやってきて、亮介(天野浩成)のプロポーズを思い返す。
亜紀の内田牧場でのアルバイトもこの日で最後に。
亜紀との別れを惜しみ、娘のみるくが無事に生まれるまでの手助けに感謝する守(新妻大蔵)、麻里(橘 実里)。
亜紀の頑張りを見て、自分達がこれから親としてどうしていいか教えてもらった気がする、という麻里。
喫茶店《三匹の猫》で、源三と千歳の引っ越しが済み、片づけたら那須を去るという亜紀。
東京でまだ何をするかは決めていない、等亜紀が話していると、ひどい、と舞(金澤美穂)が言い出す。
亜紀だけは何があっても出て行かないと思っていた、亜紀だけは紅司達のことを待っていると思っていたのに、忘れちゃうなんてひどい、という舞を、直也(嶋大輔)は、亜紀は好きでここを出て行くわけじゃない、紅司達のこともつらいけれど、紅司達のために忘れようとしているのだ、そういうことを言うもんじゃない、と叱る。
本当にいろいろお世話になりました、と頭を下げて、亜紀は喫茶店を辞する。
そんな亜紀に直也は、いつでも戻って来るように、亜紀は東京の人間ではない、那須の人間だと思っている、と声をかける。
那須は、東京から見れば格好のリゾート地で、毎年誰かがやってきては観光客相手に店を出し、うまくいかないとすぐにたたんで帰ってしまうような場所だが、それは那須で生まれ育った人間にとっては土足で踏みにじられたような、正直いい気持ちがしなかった、しかし亜紀は違う、心から那須を愛してくれて、最初から自分達の仲間だった、と直也は言う。
だからいやなことがあったら、ここを思い出して、いつでも戻ってきてほしい、ずっとここで待ってるから、と言ってくれる直也に、亜紀は感謝する。
紅司は、居間で、レイコの写真を前に涙する稔(石橋保)の姿を見る。
楓や花梨もやってきて、そんんあ稔をみつめていることに気づいた稔は、ごめんごめん、なんだかみっともないとこ見られちゃったな、君達のことずっと守っていくって、レイコと約束したのに、おじさんが泣いてちゃダメだよな、と、涙を拭く。
夕飯何にしよう、というと、花梨は、スパゲティがいいという。
ミートソースとトマトソースでは、トマトソースがいい、という花梨に、おじさんのトマトソース、ドライトマトたっぷり使うんだ、おいしいぞ、と言われた花梨は、やった! といって、稔についていく。
亜紀は、稲穂の形見の五円玉を、4人が首からかけていた紐から外し、手のひらのうえに並べてみつめる。
源三と千歳が住み慣れた家を離れる日がやってきた。
引き抜いた窯の立て札をみつめる源三、そんな源三に気づく千歳。
直也の運転する車に荷物を積み込み、源三と千歳は引っ越してゆく。
後に残って片づけをしていく亜紀は、短い間でしたがお世話になりました、と挨拶。
こちらこそお世話になった、ありがとう、と千歳・源三。
千歳は笑顔で、いい人できたら教えてね、と言い残していく。
源三達が乗った車を亜紀が見送っていると、携帯が鳴る。
亮介だった。
亜紀と二人で外に出て、答えをもらいにきた、という亮介は、俺、待ってるのやめた、と宣言する。
待ってたら、また他の誰かに連れてかれちまう、と。
明日迎えに来るから、準備しとけよ、そのまま福岡に行く、という亮介に、亜紀は、稲穂の形見の五円玉を子供達に渡してほしい、と託す。
あの子達のこと忘れようと思う、という亜紀。
稔は楓に、絵をやりたいなら…と、美術に力を入れている高校のパンフレットを並べてみせる。
美大に行きたい子は、そういう高校に通いながら、美術予備校などでみっちり勉強するらしい、と話す稔は、レイコがそうさせたがっていた、楓の才能を伸ばしてやりたいって、ずっとそう言ってたんだ、といい、楓の意向を伺う。
せっかく東京にいるんだからやったほうがいい、おじさんだってこう言ってくれてるんだし、と紅司。
花梨も、お姉ちゃんすごい! 花梨もお姉ちゃんみたいになる! と、無邪気に声を上げる。
よし、決まり! じゃ、あとはどの学校を受けるかだな、という稔。
そのとき、戸惑っていた楓の携帯が鳴る。
亮介からだった。
一人那須の家を掃除していた亜紀は、首からかけていた稲穂の五円玉を外し、ポケットに入れる。
これ、預かってきた、と、亜紀から託された五円玉を楓に渡す亮介。
これは自分達が亜紀に渡したのに、なぜ…? という楓に、それ、お前達のお父さんの形見でもあるわけだし、と亮介。
それに、亜紀、お前達のこと忘れるって。もう忘れるんだってさ。
そう言われて沈む子供達に、亮介は、お前達、ほんとは亜紀んとこ帰りたいんだろ、と、子供達の心を見通して言う。
だからイヤだったんだよな、お前達にそれ届けるの、こういうことになるような気がしてたんだよ、絶対本当のこと言いたくなるって…と亮介は、亜紀が嘘をついていたこと…子供達のことが嫌いになった、亮介と結婚するのに子供達がいない方がいいと言ったのは嘘だと子供達に明かす。
ああでも言わないと、お前達がお母さんとこ行かないだろうって、お前達のこと思ってウソついたんだ、という亮介は、ただ、ついたウソが一つだけ本当になるかもしれない、という。
俺、本当にあいつにプロポーズした、明日那須に寄って、そのまま福岡に連れて行く。
あきらめるとか忘れるとか言いながら、ずっとお前達のこと思ってるなんて、俺、亜紀にそんな人生歩かせたくない。
お前達にウソついたままじゃイヤだから、俺、ホントのこと言ったぞ、と亮介。
じゃあな、お前達も元気でな、と、亮介は足早に立ち去る。
どうする? 継母さん福岡に行っちゃうよ? と紅司。
止めようよ、ウソだったんだよ僕達のこと嫌いになったとか、あれ全部ウソだったんだよ…と。
でも、亮介おじさん、ほんとにプロポーズしたんだよ、と楓。ほんとにほんとに幸せになれるかもしれないんだよ、と。
亜紀は一緒に行きたいと言うかどうかわからない、自分達が帰ったら行かないでくれるかもしれない、という紅司に、自分達が帰ると言ったら亜紀が“いい”と言ってくれることはわかっていた、でも幸せになってほしいから、それだけを考えて帰らないと決めたのでは、と楓。
最後のがまんだよ、今がまんすれば継母さん幸せになれる、がまんしよう、と楓は訴える。
しかし花梨は、ママ母のところに行く、ママ母と一緒にごはん食べる、約束したもん、ママ母とも約束したもん、と言い張り“家族のルール”を復唱する。
そんな花梨を楓は、私達家族じゃないの! と叱る。
しかし花梨は、花梨達は家族だもん、ママ母と家族だもん、と譲らない。
稲穂が“家族のルール”を作ったときのことを。
料理が下手だった亜紀を。
亜紀に靴を買ってあげたときの“ありがとう”を。
東京に家出した自分達を亜紀が捜し出してくれたことを。
私達を忘れないで、と、三人の五円玉を亜紀に渡して別れた日を。
思い出す楓、紅司に、花梨は“家族だもん”と繰り返す。
那須の家で一人きり、五円玉をみつめていた亜紀は、それを握りしめて立ち上がる。
荷物をまとめ、置き手紙をして、東京のマンションを出る子供達。
荷物をまとめ、片づけのすんだ那須の家を出ようとする亜紀。
名残惜しげに家の中をみつめていたが、思いを断ち切るようにして、表に出る。
Check! −天野さん亮介くん的みどころ−

亜紀に“何のこと?”というカンジで「え?」とか言われているのがキノドク!
それでもめげずに「どうするか決めたか?」という亮介くんの決意は、すぐにわかり。

その宣言は、亜紀と一緒にいて時をさかのぼるようにあどけなくいった亮介くんぽいけれど。
「待ってたら、また他の誰かに連れてかれちまう」の悲しそうな表情は、いつになく。

“待ってるのやめた”宣言にふさわしい強引さ!
“どうだ”という感じで亜紀をにらみつけているのが、ちょっと微笑ましく。

その五円玉は、【第4話】で、亮介が楓に「あいつ、お父さんの形見探してるよ。みつかるまでずーっと探すつもりだ、そうしないと、君達に信じてもらえないから」と教え、その結果、4人揃って3つの五円玉をみつけ、抱き合いながらの“一緒に暮らそう”のシーンにつながったもの。
…「あーあ、何やってんだオレ」と亮介がつぶやいていた、そのときと類似の状況が繰り返されることは、火を見るより明らか!!

ちょっとかなしげで、いたましげで、つらそうな。
子供達とのシーンを観た後に見返すと、さらに趣深く。

携帯登録も“おじさん”!
…というより、いつのまに楓ちゃんと携帯番号の交換を…という驚愕のほうが!
(五円玉を届けるよう言った亜紀に番号聞いて電話したわけじゃなかったんだ…と!)

突き出す手の表情も、ちょっと子供っぽく。
なんで…? と楓が聞く間に、子供達の前の屋根つきベンチに座るしぐさも、すねたコドモ!

「亜紀、お前達のこと忘れるって。もう忘れるんだってさ」は、カンペキにふくれっ面!
ショックなことを告げられた上に、お使いの“おじさん”がこんなにふくれっ面で、さぞかし困ったのでは、(ほんとの)子供達!

「お前達、ほんとは亜紀んとこかえりたいんだろ」
…なんか本格的に子供達相手に、子供達が何も言わないうちから逆ギレ状態!

そのしぐさ、口調は、完全に小学生っぽく!
小学5年生の紅司の同級生ぐらい…画面にうしろ頭が映っている花梨ちゃんとも同じ世界という感じで、絵に全く違和感なし!

「絶対本当のこと言いたくなるって」
