インディゴの夜

第8話
狙いは何?



Staff & OA
脚本 ◆ 高山直也  演出 ◆ 星田良子
その他のスタッフ ◆ 【ドラマ『インディゴの夜』 スタッフ&キャスト詳細データ】
放送日時 ◆ 2010年1月14日(木)13:30〜14:00

※番組表サイト等に掲載された仮サブタイトル「男たちの狙いは何?事件の深い闇」

◆公式サイト◆
【東海テレビ:インディゴの夜】
【フジテレビ番組紹介:インディゴの夜】:東海テレビ公式より多めに出演者紹介

Cast
高原 晶:森口瑤子  塩谷 馨:六角精児
ジョン太:和田正人  犬マン:天野浩成  アレックス:深水元基
DJ本気:加治将樹  テツ:森 カンナ  ポンサック:玉有洋一郎
早乙女勘九郎:田村圭生  小金澤美玖:加賀美早紀  小森貴子:長谷部 優
憂夜:加藤和樹  モイチ:高木万平  モサク:高木心平
小金澤龍彦:大石吾朗  墨岡:飯田基祐
秘書・望月:辻義人  モイチを探す男・有賀:戯武尊
モイチを探す男・佐藤:龍坐  ハヂメ:塩澤英真
空也:徳山秀典  柴田克一:我修院達也  なぎさママ:升毅

Story
就職の面接に向かう途中、晶(森口瑶子)はスピードを上げて向かってきた車にひかれそうになる。
そこに憂夜(加藤和樹)が駆けつけて声をあげ、晶は間一髪身をかわすことができた。
憂夜は、美玖(加賀美早紀)の一件が想像以上に奥が深いと考え、晶に身の回りに十分気をつけるよう注意する。

そこに、ハヂメ(塩澤英真)を捕まえたホスト達が帰ってくる。
こいつがモイチ? と問う晶に犬マン(天野浩成)は、残念ながら違うが、同じナンパ師で、美玖がモイチより一週間ほど前に同じクラブで声をかけられたと言っていた、そのときのナンパ師だと説明する。
DJ本気(加治将樹)にうながされ、ハヂメは、金をやるからある女の子をナンパしてくれないかと二人組の男に頼まれたが、場所を変えようとしたとき、トイレに行くと席を立ったきり美玖は戻ってこなかった…と、ホスト達にした説明を繰り返す。
さらにハヂメは晶に問われ、ナンパを頼んだ二人組は、ナンパしたらホテルに連れ込んでその子のいやらしい写真を撮り、それを投稿雑誌に載せたら100万円をやる、と言っていた、と。

ハヂメを帰した後、犬マンは、ストリートナンパ=ストナン派のモイチ=大和が、なぜクラブナンパ=クラナンをしたのかの謎が解けましたね、と憂夜に。
憂夜はそれに応え、モイチはハヂメと同様に金目当てで男達の話に乗ったが、出版社にあった雑誌を見て美玖が国会議員の娘だと知り、直接金を強請ることにしたのだろう、と筋書きを語る。
「やるせないですよ、ナンパ師が強請りなんて」
と、つらそうに表情を曇らせて言葉をしぼる犬マン。
「ナンパ師にとって、ナンパは真剣勝負のスポーツみたいなものなんです。自分の腕を磨いて、女性を口説き落とす…セックスしたいとかじゃなくて、そうやって言葉を交わすのが楽しいから、やってるだけなんです。
それなのに…ナンパを卑劣な…恐喝の手段に使うなんて…」
犬マンの気持ちを察して、沈みこむインディゴメンバー。
DJ本気がつぶやいた、美玖ちゃん…いい子なんですよ、ホントは…という言葉にまた、一同はしんとなる。

インディゴのオーナーズルームで、晶はなぎさママ(升毅)に事の次第を話す。
目的は? と問われて晶は、小金澤は誰かに恨まれていないか尋ねる。が、国会議員だから足を引っ張られることはあるだろうけれど、小金澤はクリーンな政治家で、娘を巻き込むほどの恨みなどちょっと思いつかない、というのがなぎさママの答えだった。
なぎさママが磨いている壷に晶が目をとめると、なぎさママは、インディゴにあるインテリアは安物ばかりで感性に合わないといっていた晶のために人間国宝の作を持ってきた、もちろんレンタルだが、そちらの出方によっては安く譲ってあげなくもない、といって、にんまりと笑う。

結局晶は、仕事で来られないなぎさママから空也(徳山秀典)あての誕生日プレゼントを持たされ、歌舞伎町のホストクラブ・エルドラドを訪れる羽目に。
そこで晶は、奥から派手な女性を連れて出てきた墨岡(飯田基祐)に目を留める。
空也によると、墨岡がエルドラドの店長の知り合いだという。
晶はなんとなく、毛皮にクロコの靴という今時あり得ない装いの墨岡が気になる。

晶は二日酔いになるまで飲んで、貴子のマンションを訪れ、面接を延期してもらったことについて、貴子に責められる。
そこに、犬マンから電話が入る。
モイチを探していた二人組が見つかったという連絡が入り、今ジョン太達が後をつけている、と。

二人組の男達、有賀と佐藤を、ジョン太、DJ本気、アレックス、ポンサック、テツが尾行。
彼等が入ったレストランの前で、犬マン、晶も合流。
、 すると、墨岡がやってきて、レストランに入る。二人組は立ち上がって頭を下げ、墨岡を迎える。
ジョン太は晶に、墨岡が小金澤邸から出てきたことを話す。ジョン太も晶も、墨岡のことをどこかほかでも見たことがあるのだが、思い出せない。
晶は彼の写真を撮るよう指示、DJ本気がダミーのモデルになって、テツが携帯で撮影。

写真をなぎさママに見せると、写真の男は風俗界の帝王・墨岡大五郎だと判明。
渋谷を中心にピンサロやファッションヘルスなどを何件も経営するオーナーだが、違法サービスの提供も行っている等、かんばしくない噂のある有名人物だった。
なぜその墨岡が美玖の写真を狙っているのか…というところで、憂夜は晶に、一肌脱いでほしいという。

晶は渋谷東署に赴き、豆柴(我修院達也)に気づかれないよう勘九郎(田村圭生)を呼び出し、有名モデル達との合コンをエサに、墨岡の情報を聞き出す。
墨岡は、政府関連法人の休眠地に風俗ビルを建てようと強引な裏工作をしていた。そのため、この跡地に民間の老人施設を誘致したいと考え、政府の都市再開発委員会の委員長として強い権限を持つ小金澤が邪魔だったのだ。
美玖の写真をモイチに撮らせて雑誌に投稿するよう支持したのは墨岡で、モイチは直前に墨岡を裏切って議員を強請ろうとした…。
ジョン太たちは、墨岡を自分達でやっつけようと息巻くが、証拠がない限りどうにもできない、と憂夜に止められる。
そのとき塩谷が舌打ちして、うまくねえぞ、と言い出す。目的のためには手段を選ばない墨岡が、自分を裏切って写真を持ち逃げしたモイチをただで済ますとは思えない、というのだ。

倉庫のような部屋でモイチ…大和が、携帯で誰かに連絡を取る。
例の二人組は必死に俺達を追っている、だから危ない橋を渡るなと言ったんだよ!…等。

小金澤邸では、小金澤と秘書の望月(辻義人)が、晶達から聞いた事件の構図について話し合っていた。
小金澤の政治生命にも関わりかねないから警察に通報しよう、と望月。
しかし小金澤は、自分は政治家である以前に父親であり、議員辞職することになってもこのことを警察沙汰にするわけにはいかない、と断言する。

晶達はモイチをみつけることができず、手がかりはモイチからの脅迫状だけ。
そのときDJ本気が、この紙は普通の紙ではなく、Tシャツに絵柄をプリントするときに使う紙に材質が似ている気がする、と指摘する。
そして憂夜が紙を灯りに透かしてみると、紙会社のロゴが見え…

晶とインディゴメンバーは、脅迫状の紙に入っていたロゴの会社にやってくる。
犬マンの情報によると、モイチは以前ここでアルバイトをしていたことがあり、脅迫状に使われたのと同じ紙が積み上げられていた。
一同は倉庫を捜索し、その一角に、投稿雑誌や食べかけのホットドッグ、ケチャップの瓶など、誰かがここに隠れていた痕跡が。
そのとき晶が、大きな声を上げる。
物陰に…
モイチらしき男が、頭から血を流して倒れていた。
うそでしょー、また死体ー…晶は小声でつぶやく。

Check! −天野さん犬マンみどころ−

★ ハヂメをインディゴに連行し、見事手がかりゲットしちゃったもんねー、とはしゃぐDJ本気、テツ、ポンサックから少し離れて、コドモ達を見守る大人のように立つ、天野さん犬マン。
 このときも、ナンパ師が恐喝をしようとしていたという事実に犬マンが胸を痛めているかと思うと、きゅんとするシーン。
 犬マンと同じく、はしゃぐ4人の後ろに立って混ざらないアレックス(上の階からの俯瞰なので表情がわからないものの、場合によってはジョン太も)が、犬マンの心情を推し量ってくれているとしたら…とドリームの余地あり!

★ 彼がモイチ君? という晶の問いに答えて「残念ながら。でも、同じナンパ師のハヂメ君です」と答える天野さん犬マン。
 “ハヂメ君”という敬称つきの、口調も穏やかで丁寧な紹介が、紳士的な犬マンらしく。
 アレックスがハヂメ君を突き飛ばすように前に押し出すのと、犬マンの「残念ながら。」がタイミングぴったりだったのも、ちょっとツボ。

★ 「これで謎がやっと解けましたね。ストリートナンパ、ストナンの大和が、クラブナンパ、クラナンをしたのか」と、天野さん犬マン。
 眉間にしわを寄せての渋い表情での“謎が解けた”というセリフ、何かの名探偵役ができそうな!
 それを受けて加藤さん憂夜が「ああ。」と続きを引き取るコンビネーションもいい感じ。W名探偵モノとか、みてみたいような!

★ 「やるせないですよ、ナンパ師が強請りなんて」
 そう言って、ナンパ師の心を語る天野さん犬マン。
 原作では“ナンパ師の誇り”はさらっと描写されていたのに対し、天野さん犬マン、最後には泣きそうなほど!

★ 犬マンの語りのなかの「セックスしたいとかじゃなくて」で思い出したのが、2002年、天野さんがエイベックスに移籍して最初に観られたドラマ【First Love:第7話】の天野さん二岡くんの、以下のセリフ。
 「ばーか、こいつは幸せなんだよ? 傷ついて、女のために眠れない夜があるんだよ」
 「だからさ、オレらの恋愛なんて、こんなにドロドロ傷つけあうところまで普通いかねえじゃん。まあつきあうつってもさー、恋愛っていうかダチがつるむように遊びに行って、で、セックスしてさ、飽きたらお互いが傷つかないように次行くだけじゃん」
この二岡くんのセリフ、【First Love 公式サイト】【プロローグ】で、植田プロデューサーが、このセリフで言われているようなことが、『First Love』という作品を創ろうと思ったということを語られていて、そんな物語の核心のセリフを託してもらえたことに、感激したもの。
そのセリフで、軽いもの、価値のないものとされている“オレらの恋愛”よりもさらに軽く、はかなく、一瞬の交わりでしかない“ナンパ”に真剣に取り組んでいる人達がいるということに…8年間という時代の流れへの感慨がそうさせるのか、そういう人との関わりに彼等を向かわせるものに感じるものがあるのか、とにかく、不思議な感慨を覚え。

★ 犬マンの言葉を聞いている、インディゴメンバーの反応もしみるものが。
 テツは、階段のところに半ば腰掛けるようにもたれかかっていたのが、犬マンの言葉を聞いているうちに、思わず姿勢を正したという感じで立ち上がり。
 いつもリアクションが激しいジョン太は、表情を動かさずに聞いているだけで“いつもと違う”感があったうえに、最後にあのアフロ頭で顔を隠すようにうつむいたのが、タイミング・ゆっくりさともに絶妙。

★ 「モイチを探していた例の二人組、見つかったって連絡が」と、晶に電話する犬マン。
 床から天井まで縦長に光を取り込む窓を背景に、光と影がくっきりした、レンブラントの絵のような映像。
 ちょっと舌足らずな感じの口調が、店長よりぐっと“若い子”な感じ!

★ 有賀と佐藤が入ったレストランの前で、尾行していたジョン太達他のホストに合流する天野さん犬マン。
 固まってレストランを覗いてるところに、天野さん犬マンが加わるや、腰のあたりにポンサックとアレックスの手が同時に伸びてきて、小刻みに何度かボディタッチするのが、なんかいい感じ。
 ポンサックの肩のあたりに触れる天野さん犬マンの手も。

★ 晶がやってくると、集団から小走りに出てきて晶を出迎える犬マン。
 さすが女性への優しさあふれる人!
 あれです、窓際に座ってる…と、問題の二人組を教え、自分より前の観やすい場所に誘導するなど、こんなときでもエスコート。

★ モイチの居所がまだみつからない、という電話連絡を受ける天野さん犬マン。
 最後、渋い声でのカジュアルな“サンキュー”が、なんとなくかっこよく。
 携帯をパタン、と閉じる動作も!

★ ロゴ入りの紙が発見されるや「おい! モイチ! どこだ!!」と大きな声で呼びはじめる天野さん犬マン。
 その声は、おなじみの、叫ぶときの天野さんの声!
 犬マンのルックスで聞くと、新鮮かつ、なつかしい感じ!!


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