仮面ライダー
剣 ブレイド

Masked Rider Blade
EPISODE 03
彼らの秘密…
  


Staff & OA
脚本 ◆ 今井詔二  監督 ◆ 石田秀範
プロデューサー ◆ 松田佐栄子(テレビ朝日)  日笠 淳  武部直美  宇都宮孝明(東映)
その他のスタッフ ◆ Data Page
放送日 ◆ 2004年2月8日

※仮サブタイトル「封印の謎 前編」

Cast
剣崎一真:椿 隆之  相川 始:森本亮治
広瀬 栞:江川有未  白井虎太郎:竹財輝之助
橘 朔也:天野浩成

栗原天音:梶原ひかり  栗原 晋:渡 祐志

深沢小夜子:粟田 麗

仮面ライダーブレイド:高岩成二  仮面ライダーカリス:伊藤 慎
仮面ライダーギャレン:押川善文
永瀬尚希  渡辺 淳(ジャパンアクションエンタープライズ)

ディアーアンデッドの声:大村 亨  モスアンデッドの声:塩野勝美  ナレーション:小杉十郎太

栗原遙香:山口香緒里  烏丸 啓:山路和弘


Story
 突然現れた烏丸所長(Cast:山路和弘さん)のヴァーチャル映像を前に、栞(Cast:江川有未さん)、剣崎(Cast:椿隆之さん)、白井(Cast:竹財輝之助さん)はアクセスを試みるが、キーコードにプロテクトがかかっているため交信できない。
 やがてはその映像も消えてしまう。

 その頃、橘(Cast:天野浩成さん)は烏丸が横たわる部屋にいた。
 橘も烏丸の意識から情報を読み取ろうとしていたが、何も読み取れず、意識のない烏丸に、あんたにどうしても聞きたいことがある、と訴えるように叫ぶ。
 その途端、橘は咳と身体の痛みに苦しむ。
 その脳裏には、自分の身体が砕け散るイメージが浮かんでいた。

 アンデッドに襲われそうになったところをカリスに救われた天音(Cast:梶原ひかりさん)だが、その事件は報道もされず、遥香(Cast:山口香緒里さん)が警察に照会しても調査中というが返答のみ。
 それを聞いた始(Cast:森本亮治さん)は「そういうもんですよ、人間ってヤツらは」とつぶやき、天音に「始さん、人間じゃないみたい」と言われてはっとする。
 始を亡き父親と重ね合わせる天音は、「お父さんみたいな写真家になって」と言い、始を戸惑わせる。
 始の脳裏には、瀕死の天音の父・栗原晋が天音と遥香の写真を始に手渡し、そのまま何も言わず息絶えた光景がよみがえっていた。

 身体の不調と、自分の体が砕け散るイメージに悩まされていた橘は、大学時代の友人で診療内科医の小夜子のもとを訪ねていた。
 しかし、どんな検査をしても異常は表れてこない。
 橘は、何かが自分の中で起きている、映像がだんだん鮮明になってきて…と、小夜子に訴える。
 人類基盤史研究所で、何か特別な実験や作業についていたのか、と尋ねる小夜子に、橘は、自分が携わっていたのは“大いなる実験”であり、それが人類のためだと信じていた、しかしそれは他人の尻拭いで、自分は利用されていた、と答える。
 もっと詳しく聞かせて、という小夜子の問いに答えず、橘は眠り込んでしまう。
 安心しきったように深く眠り続ける橘に背を向けて、小夜子はデスクに向かってクロスワードパズルに没頭する。
 こうして橘が同級生の小夜子を訪ねてきてくれること、橘が安心して眠れるのはここだけだということが、ちょっとうれしい、とつぶやいて。

 夜が明けて、小夜子の診療所を出る際、橘はアンデッドサーチャーの警報で、アンデッドの出現を知る。
 アンデッドと戦いながら、ギャレン=橘は、自分の身体はどうなっているかわからない、だが、戦うことでしかこの身体は治らないような気がする、と考えていた。

 栞はボードのデータが大量に入力されている白井のパソコンから再びアクセスを試み、パスワード“Double Joker”を発見した。
 アクセスが成功すると、再び現れた烏丸が、アンデッドとライダーシステムについての秘密を話し始める。
 1万年前の地球で種の生き残りをかけた戦いに勝利した人類によって封印されたアンデッド。
 が、何者かが3年前にその封印を解いてしまった。
 アンデッドにとっては間違った方向に進化した人間の排除のため、アンデッドは人類を襲い始めた。
 ライダーシステムはアンデッドに有効であり、剣崎達はこのままライダーシステムを活用し、アンデッド達を封印し続けてほしい。
 アンデッドの封印が解けたのは、悲しいアクシデントが重なったためだった、しかし全ては自分の責任だ…
 そこまで告げると、映像が乱れ、烏丸は消えてしまった。
 結局、所長がどこにいるか聞き出せなかった剣崎達は、改めて烏丸を探すことに。

 かつて最初にボードであった研究施設跡に、剣崎、栞、白井はやってきていた。
 ボードはここから、この2年間に2回も研究所を移していた。白井は、それは封印を解いた人間が誰か追っていたためなのでは、と言う。
 剣崎は、ボードにスカウトされたライダーだった。最初のシステムとしてギャレンが、ボードの研究員だった橘朔也に合わせて開発され、それだけで足りないと考えて烏丸所長はブレイドを開発し、適格者を探したのだと栞は話す。
 橘朔也は今までの研究所のどこかに所長を隔離しているはずだ、と捜索をしているとき、アンデッドサーチャーが反応する。
 剣崎は現場へ急行、白井と栞も後を追う。

 ディアー(ヘラジカ)アンデッドを追って橘は、咳に苦しみながらも、雪山へと向かう。
 電撃を繰り出すディアーアンデッドに苦戦するギャレンのもとに駆けつけたブレイドは、共にに戦おうとするが、ギャレンは、来るな、このアンデッドは自分が倒す、手出しをするなと叫ぶ。
 しかし、アンデッドに痛めつけられながら苦しげにその言葉を綴るギャレンを見ては、そんなギャレン=橘の言葉は、とうてい従えるものではなく、ブレイドはディアーアンデッドに挑むが、歯が立たない。
 そんな2人の戦いを、遠くからカリスが冷ややかに見つめ、所詮人間の力なんて、こんなものか、とつぶやいていた。
 ブレイドとギャレンは追い詰められるが、発砲したギャレンがディアーアンデッドの反撃により腕を酷く負傷して倒れるのを見た瞬間、ブレイドは力を発揮し、アンデッドを倒す。
 それを見てカリスは「人を守ろうとする愛。そのとき奴の力は全開する…か」と言い残してその場を去る。

 変身を解除した橘は、その場から去ろうとするが、力尽きて雪の上に倒れる。
 剣崎は思わず駆け寄るが、助ける前に思いとどまる。
 倒れて咳き込む橘に、剣崎は、ボードを襲ったのは本当か、烏丸を誘拐したのもあんたなのか、と激しく詰め寄るが、橘は、なんとでも思うがいい、言い訳はしない、としか答えない。
 所長を帰せと橘につかみかかった剣崎を突き放し、自らも雪の中に倒れ伏した橘を、剣崎は、アンデッドの封印を解いたのもあんただろうとなじる。
 思いも寄らぬ疑いをかけられて、橘は、乾いた笑いを漏らした後、封印を解いたのは烏丸達だと剣崎に告げる。
 慌てた烏丸達がそのアンデッドを再び封印するために急遽作ったたライダーシステムのため、橘の体はすでにボロボロだと聞かされた剣崎は、お前の体もいつかそうなる、という橘の言葉にショックを受ける。

 帰宅した始が、異変を感じて部屋へと駆け込むと、部屋中が銀粉に包まれていた
 銀粉が消えると、飾ってあった写真が発光して燃え上がっていく。
 そのとき、別の場所で蛾アンデッドが姿を現し、銀粉を振りまいていた。
 それを始は察知する。


Check! −天野さん橘さんみどころ−
 烏丸所長に「あんたにどうしても聞きたいことがあるんだよー!」のとことは、声もさることながら、握った手の動きもなんとなくお子様系。
 烏丸パパ(笑)とのシーンは、今回“大人”キャラの天野さん橘さんの子供っぽいカワイサを観られる貴重なポイントとなる模様(笑)。

 自分の身体が砕け散るイメージを見た後の茫然とした表情と、こわごわ自分の手を見るしぐさが、自然に恐怖感を表していて好き。
 というか、手の表情がなんとなく優しげで、全体としてたおやか系で好き(笑)

 「何かが、俺の中で起きてるんだ。映像がだんだん鮮明になってきて…」という口調が、ちょっと泣きそうな感じなのがツボ。
 他のシーンとは全く違う声に、小夜子さんが特別な人だというのが即わかり。

 自分はボードに利用されていただけなんだ、と語るときのアップ、ほんのちょっと寄せる眉根や、微かに浮かべられる笑みで、傷ついた表情が繊細に。
 夕暮れのような逆光で、片頬が金色にくまどられている映像がきれい。

 すずやかな声で、しぐさも清楚に可愛らしい小夜子さん。
 ポイント的に最高だったのは、眠ってしまった橘くんの膝をゆすっての「寝ーないで?」
 
 なんといっても、橘くんの寝顔!
 小夜子さんが少女のような可憐さなのに、さらに年下に見える無防備な寝顔、それ自体橘くんの小夜子さんの前での安心感を表すだけでなく、小夜子さんと橘くんの微妙な“同級生”感を表していて、高価値。

 「でも憎めないんだよね。こうして同級生を訪ねてきてくれる…君が安心して眠れるのがここだけ、っていうのが、ちょっとうれしいんだよね」という、小夜子さんのせりふ。
 ここまで天野さんキャラに対してストレートに好意を表現してくれた女性キャラがいまだかつてあっただろうか! という好待遇に感涙。
 (その口調がまた、たまらなく可愛く!)

 眠る橘くんとちょっと離れたデスクに向かい、橘くんに背を向けて、パズルに没頭する小夜子さん。
 自分の時間を過ごしながら、それでも“そばにいる”という、心地よい距離感が絶妙。
 真剣な顔でパズルに取り組む小夜子さんのきれいな表情から、その背後で眠る橘くんの寝顔へとフォーカスを移すカメラワークがまた見事にそれを感じさせてくれて、このシーンひとつで『仮面ライダー剣』で天野さんが観られてよかった!と思えるほど、繊細でいいシーン!

 橘さんが小夜子さんの診療所を出るときには、もう外は明るく。
 かなりしっかり眠った模様。

 記念すべき、初変身シーン! 雪景色の中でというのが、なんとも劇的かつ叙情的!
 カードを挿入して、ラップが伸びるのを両腕を軽く上げて待つときの表情の緊張感が良く。
 握る手のアップもツボ!
 腕を大きく回すポーズを正面から撮ったカットは、一面の白を背景にきゅっとした黒衣の姿が、ちょっと儚げなのがまた風情。

 予告ではクリアだった「このアンデッドは俺が倒す。余計な手出しはするな」が、劇中ではアンデッドに打ちのめされながら、絶え絶えに振りしぼられていることに驚き!。
 ブレイドが「何馬鹿なこと言ってんだ!」というのが至極もっともな悲痛さ。
 予告と本編、全く違った趣の両Versionが聞けて、大らっきー!

 予告で、ちらつく雪の向こうの緑色の大きな目がとてもリリカルだった発砲前のギャレン。
 予告の部分の前に左手で“橘朔也のポーズ”をしていることを発見(笑)。

 あのリリカル映像の儚さは何? と思ったら、その直後、発砲したところを狙われて腕を直撃されて倒れる大ダメージ!
 そのときの絶叫がものすごく痛そうで、ブレイドが発奮してパワーアップするのも大納得。

 あのリリカル映像の儚さは何? と思ったら、その直後、発砲したところを狙われて腕を直撃されて倒れる大ダメージ!
 そのときの絶叫がものすごく痛そうで、ブレイドが発奮してパワーアップするのも大納得。

 「人を守ろうとする愛。そのとき奴の力は全開する…か」というカリスの総括は、えええええっ!?という感もなきにしもあらずなものの(笑)、天野さんキャラのポジションはこうあってほしい…という願望にぴたりと沿っていて、大ポイント(笑)。
 セーラームーン、ヴァニーナイツに続いてのそういう役どころ、やはりお似合い。

 変身を解除して、ブレイドの前から足早に去ろうとするものの、力尽きて雪の中に倒れる橘さん。
 倒れたときの、ぽすっ、という軽い音や、ほんとうに雪に埋もれて身体が小さく見えるあたり、儚さ全開。

 橘さんがそんなふうに倒れた瞬間、思わずブレイドがつぶやいた「橘さん」は、橘さんへの思いが表れていて、この一言で他のひどい言葉全ては許せるぐらいの価値あり。
 …もし、剣崎がいつも橘さん大好き!モードでいたとしたら、橘さんを見捨てるような行動が(たとえそれが世界を救うためであったとしても)許せない裏切りと感じられたであろうところ、ここまでの剣崎からはそういう雰囲気は幸か不幸か感じられないので(笑)、こうしたちょっとした一言がたまらなく有難く感じられるという…テクニシャンかもしれない、剣崎。

 剣崎に見下ろされて倒れている橘さん、傷ついた腕を抱え込んで、咳き込みながら震えている姿は、思わず守ってあげたくなるようなかよわさ。
 それを見下ろして、えんえん責め続けられる剣崎の精神力に脱帽。

 剣崎をにらみつけて「何とでも思えばいい」と言いながら立ち上がる天野さん橘さん、背中の雪が溶けてキラキラ輝き。
 その次の瞬間を表す引いたカメラの映像では、背中一面白く雪がついているのを観ると、どれだけ長く雪の中で倒れて撮影していたのかと…。
 (このシーンの不連続がDVD化の際に修正されるか否かもチェックポイント。『GOOD LUCK!!』でいうと、木村拓哉さん新海さんの“伸びるバナナ”相当【笑】)

 苦しい息の下から言う「俺は言い訳はしない」のセリフは、第3話で一番好きな橘さんの声かも。
 身体を折り曲げてやっと歩いている表情を斜め後ろから撮ったカットも、さりげなく良いかも。

 「烏丸(からすま)ぁ、あんな悪人なぜ庇う!」は、通常のドラマではなかなか言わせてもらえなさそうな決めリズムと語彙のセリフ。
 (40代以降になって、時代劇のいいシーンをもらえたときに、やっと聞けるかどうかぐらい?)
 音声のクラッシュは惜しいものの(なかなか聞けない類のキメ台詞なだけに!)、迫力ある表情が観られて、挑戦の価値は十分。

 剣崎の「あんたなんだろう!アンデッドの封印を解いたのは!」という言葉を聞いての、ぼうぜんとしたような「おれが?」。
 「あんな悪人なぜ庇う!」のドスの聞いた時代劇声から、一気にジャンルが日常ドラマに切り換わったような急転換(緊迫したBGMがふっつり切れたところに、ぽつりとこの声が出るあたりがまた…)、アンデッドの封印を解いたのは絶対に橘さんではないと、理屈抜きでわからせるワザ。
 その後に続く、微かに泣きの入ったような乾いた笑いとともに、思いもかけない疑いをかけられて壊れそうな橘さんの内面の証。

 「封印を解いたのはな、俺じゃない。烏丸達だ」
 第3話の最重要セリフを言うときの天野さん橘さんの表情、くっきりした目が印象的な、第3話で最も鮮やかな表情。
 その直後の、樹からばさりと雪が落ちるカットと合わせて、強烈な印象。

 ライダーシステムが作られた経緯を低い声で話し出すところから、「奴らの犯したミスのためにな!」と叫ぶところまでのクレシェンド。
 さらにつぶやくような低い声「証拠は、俺の身体だ」から「急遽作られたライダーシステムのせいで、俺の身体はボロボロだ!」、続けざまに「本来なら今のような無様な戦い方はしない!」内でのクレシェンドの繰り返しがあった後、「そしてお前の身体もいつかそうなる。覚悟しておくんだな」と低い声で終わるあたり、音楽的構成のセリフ。
 天野さん橘さんの声でこれが聞けたこと、やっぱりうれしく。

 第3話でとにかく橘さんが、肉体的にも精神的にも傷つき果てていただけに、第4話予告での橘さんの静かな「俺は奇跡を願っている」の一言が、荘厳なまでに感動的。
 劇中での使われ方が、そんなに良いものでなかったとしても、この第3話の直後にそのひとことを聞けただけで、価値があると思えるフレーズ。


EPISODE 2STORY PAGEEPISODE 4










Last update :
15th February 2004














* Blade *

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