仮面ライダー
剣 ブレイド

Masked Rider Blade
EPISODE 15
運命の適合者
  


Staff & OA
脚本 ◆ 今井詔二  監督 ◆ 諸田 敏
プロデューサー ◆ 松田佐栄子(テレビ朝日)  日笠 淳  武部直美  宇都宮孝明(東映)
その他のスタッフ ◆ Data Page
放送日 ◆ 2004年5月2日

※仮サブタイトル「レンゲルの影(前編)」

Cast
剣崎一真:椿 隆之  相川 始:森本亮治
広瀬 栞:江川有未  白井虎太郎:竹財輝之助
上城睦月:北条隆博  橘 朔也:天野浩成

山中望美:宮澤亜理沙  栗原天音:梶原ひかり

伊坂:本宮泰風

仮面ライダーブレイド:高岩成二  仮面ライダーカリス:伊藤 慎
仮面ライダーギャレン:押川善文
永 徳(ジャパンアクションエンタープライズ)

塚田:小野 了
荒井志郎  河内 秀

ドラゴンフライアンデッドの声:福山弘幸
ナレーション:小杉十郎太

栗原遙香:山口香緒里  烏丸 啓:山路和弘


Story
 遥香(Cast:山口香緒里さん)と天音(Cast:梶原ひかりさん)を人質に、ドラゴンフライアンデッドは始(森本亮治)をとある地下道へと誘い出す。
 始はアンデッドの誘いに応じて地下道に向かい、カリスに変身して戦う。
 その後を追った剣崎(Cast:椿隆之さん)は、カリスの指示に従い、気を失っていた遥香母子を救い出す。
 遅れてやってきた虎太郎(Cast:竹財輝之助さん)と栞(Cast:江川有未さん)も、二人の無事に胸をなで下ろす。
 虎太郎は、始がいたから遥香達が危険な目に合ったと、怒りを隠せない。
 しかし、カリスが彼らを助けたと剣崎に知らされると、虎太郎もそれ以上のことは言えなかった。
 遥香母子に知られまいと遠くから剣崎達を見ていた始に、剣崎は「2人のそばにいて守ってやれ」と言う。

 小夜子(Cast:粟田麗さん)を失った橘(Cast:天野浩成さん)は、喪服で伊坂(Cast:本宮泰風さん)の研究所を訪れる。
 橘は、小夜子を殺したのは伊坂かと問う。
 小夜子を殺したのはお前のためだ、お前が強くなるためにあの女は邪魔だった、などと言う伊坂を前に、橘は静かにギャレンへと変身。
 お前が俺に勝てるわけがない、あれがないとお前はもう戦えないんだぞ、という伊坂の目の前で、ギャレンはそのシュルトケスナー藻の水槽をギャレンラウザーで撃ち砕く。
 「こんなものに頼ったからいけない。お前のようなやつに頼ったから小夜子は」と言葉を絞ったギャレンは、次に伊坂の頬を撃ち抜く。その瞬間、伊坂はピーコックアンデッドへと変身する。

 桜並木の下で、橘=ギャレンはピーコックアンデッドに変身した伊坂と対峙する。
 橘の力をみくびっていたピーコックアンデッドは、激しい怒りをぶつけるギャレンの力に圧倒され、攻撃の衝撃で伊坂の姿に戻される。
 伊坂はギャレンに爆煙を浴びせかけ、なんとか逃走する。

 まさかギャレンごときにやられるとは、という伊坂も、塚田(Cast:小野了さん)の言葉に、小夜子の死によって橘が恐怖心を克服したことを認める。
 しかし、カテゴリーAのカードは手許にあり、あとは適合者を見つけるだけだ、心配ない、と言い放つ。

 橘は白井家に赴き、剣崎達に小夜子の死を報告する。
 「ひどい…小夜子さん、あんなに橘さんのこと…」という栞の言葉に、橘は「俺のせいだ」とつぶやく。
 犯人は伊坂だとわかっている、さっきも奴と戦ったが逃げられた、奴を探してほしい、と、橘は栞に依頼する。
 仇をとるのか、と問う虎太郎に「俺にはそれしか残っていない! たとえこの身は滅びようと」と声を荒らげる橘だったが、その一方で「不思議だよな。小夜子が死んだら、恐怖心がなくなった。情けないよな、俺」と、自嘲気味に笑い、栞達にその悲しみの底知れぬ深さを覗かせた。
 白井家を辞そうとする橘を追いかけて外に出た栞は「小夜子さん、橘さんを好きになったことを、絶対後悔してないと思う。恋愛なんかしたことないあたしが言うのも変だけど」と、声をかける。そんな栞に橘も「ありがとう。いい奴だな、お前」と、笑顔をみせ「頼むな。」ともう一度言って去る。

 カテゴリーAに適合すると思われる人間が、新たに集められていた。
 伊坂は、マインドコントロールで支配する烏丸(Cast:山路和弘さん)の言葉に従い、一番適合数値が高い睦月(Cast:北条隆博さん)をライダーに変身させようと、レンゲルバックルが作り出す映像をくぐり抜けさせてみる。
 しかし、カテゴリーAのパワーの凄まじさに睦月は弾き飛ばされ、実験は失敗する。
 改めてカテゴリーAの力の強さを実感した伊坂は、「俺は最高の、究極のライダーを手に入れることができるんだ」と満足げな笑う。

 始がハカランダに帰ってきた。遥香と天音は、始を温かく迎える。
 喜ぶ天音から連絡を受けた虎太郎は、始の正体がアンデッドであることを遥香らに知らせようとするが、剣崎に「それで2人を悲しませるのか」と指摘され、出来ない自分にもがき苦しみ、強くなりたい、と嘆く。

 栞がアンデッドサーチャーで、伊坂と思われる影を発見した。
 連絡を受けた橘は栞に告げる。「剣崎に伝えといてくれ。余計な手出しはするな、これは俺の戦いだと」。
 橘の言葉に栞は、橘が自らの死を賭けて復讐しようとしていることを察する。
 小夜子の診療所で、完成されたパズルの写真の小夜子をみつめた後、橘は現場へと急行する。
 “小夜子、待っていてくれ。今度こそ、今度こそ君の仇を討つ!”

 ブレイドに変身した剣崎は、橘より早く伊坂達の前に到着するが、そこで伊坂と行動を共にする烏丸を見てしまう。
 マインドコントロールされた烏丸は、ブレイドの呼びかけにも反応しない。
 伊坂はピーコックアンデッドに変身し、ブレイドは戦うが、歯が立たない。

 そこに橘が到着、所長が!と訴えるブレイドに「ここは俺に任せろ。お前は所長は頼む」と命じる。でも、とためらっていたブレイドだが、橘の「行けぇッ!」という一喝に、橘の言うとおり所長を追う。
 白波の打ち寄せる砂浜で、伊坂=ピーコックアンデッドと再び対峙した橘は「伊坂。貴様だけは…貴様だけは、俺の手で倒す!」と宣言。
 静かな手つきでAカードをインサートすると、ギャレンに変身してピーコックアンデッドに突進する。

 激しい戦いの中、小夜子のさまざまな表情を、ギャレン=橘は思い出していく。

 “小夜子、君との思い出は、数えるほどしかない。
 君を思い出させるものは、数えきれないぐらいある。
 そして何より、何より君の笑顔が忘れられない。
 遅いかな…今頃になって言うのは。
 俺は…俺は…
 俺は君が好きだった。
 君のことを大切に思っていた。”

 ピーコックアンデッドの繰り出す羽根銃を、ギャレンは後方に跳びながらギャレンラウザーでことごとく撃ち落し、ピーコックアンデッド本体にも銃弾を撃ち込む。
 膝を突いたピーコックアンデッドを、ギャレンは小夜子の名前を叫びながらバーニングディバイドで打ち倒す。
 「なぜ…俺が…俺がやられる…」
 倒れた伊坂=ピーコックアンデッドの上に、ギャレンはダイヤのJのカードを、静かに落とす。
 ピーコックアンデッドは封印された。
 そのカードを握りしめ、ギャレンは、海に向かって佇んでいた。


Check! −天野さん橘さんみどころ−
 この日初登場の“仮面ライダー剣 このあとすぐ”の映像も橘さん→ギャレン。
 あのスピード感あふれる変身シーンそのものを、表情のアップと引きの映像で。ピカイチなバックルさばきも。

 桜咲く伊坂の研究所の前で、喪服姿でレッドランバスから降り立つ橘さん。
 端正に背筋を伸ばしたまま、ヘルメットを外してハンドルにかけるしぐさ、きれいに脚を回して降り立つしぐさから、凛々しさが。
 小夜子の最期の回想をはさんだ、アオリで回転するカメラワークでとらえられた橘さんの姿の美しさ。

 強い光を背にしての「貴様を倒す。生かしてはおかない」。
 静かな口調にも込められる、激しい怒りと憎しみを表す、端整さは失わないまま、ほんのわずかに歪められる表情。

 小夜子さんを殺したことを「お前のためだ。あの女はお前が強くなることの邪魔に」と伊坂さん。
 息子から息子が好きな女性を引き離そうとする、権力者 or お金持ちのパパの常套句で、こんなときにも“パパ”らしさ…。

 かざしたエースカードを、ギャレンバックルに静かに挿入するしぐさ。
 カードをかざす橘さんの静かな怒りのこもった表情とあいまって、いつもはすばらしい速さでカードインサートをする橘さんの、確かめるようにゆっくりとカードを挿入するしぐさが、それだけで印象的。

 やや抑えた「変身!」の声のあと、ゆっくりと歩みを進めて光の扉をくぐる橘さん。
 光あふれる空間を、静かに進める数歩の歩みが、荘重。

 「こんなものに頼ったからいけない。お前のようなやつに頼ったから小夜子は」
 口調の静かさが、悔恨の深さを。

 「小夜子さん、あんなに橘さんのこと…」という栞の言葉に、「俺のせいだ」と低くつぶやく橘さんの、眉根を寄せてうつむいた、深い自責の表情。
 すかさず「そんなことは」と言ってくれる剣崎君の、橘さんを無条件に慕ってくれる感じが、素直にうれしかったりも。

 虎太郎に「俺にはそれしか残っていない! たとえこの身は滅びようと」と言い放った直後、不意に身体をもてあますように不安定に揺らして、虎太郎達い背を向けて数歩踏み出す橘さん。
 肩を落としての「不思議だよな。小夜子が死んだら、恐怖心がなくなった」の湿った口調、泣くのをこらえるような口元に、節目がちに視線を横に流し、顔もそちらにちょっとそらして、それから自嘲気味の笑みを浮かべての「情けないよな、俺」、橘さんがこれまでたどってきた紆余曲折と、それを振り返る橘さんの気持ちを一気に思わせ。
 その表情を見上げた栞が思わず「橘さん…」と漏らしたのも、むべなるかな。

 栞ちゃんの「うまくいえないけど…小夜子さん、橘さんを好きになったこと、絶対後悔してないと思う」。
 栞ちゃんの口調が情緒たっぷりなこと、それまでの橘さんの表情のきれいさ、そこから見える心の揺れのいとおしさで、説得力たっぷり。
 「恋愛なんかしたことないあたしが言うのも変だけど」というときの栞ちゃんの笑顔、『剣』はじまって以来、最高の可愛さ!
 共演女優さんを可愛く見せるのも、不思議な天野さん力。

 「ありがとう。いい奴だな、お前」で見せる橘さんの笑顔は、こんなところで観られるとは思いもよらなかったというほどの、きれいで純粋な笑顔!
 口調も、これまで栞に向かっては出したことのない、やわらかな声。
 そんな橘を見つめ返す栞ちゃんの眩しそうな表情が、橘さんの笑顔の印象をさらに強める相乗効果。
 「頼むな。」の笑顔と声も、さらに優しく。
 …伊坂発見の報を橘さんに知らせた電話で、橘さんが死ぬ覚悟で伊坂と対決するつもりだと確信したとき、このときの橘の笑顔がどうよみがえるかを思うと、さらに胸が詰まるような。

 そんな笑顔の後、栞ちゃんから視線をそらした途端に泣きそうな表情になって、ヘルメットをかぶる橘さん。
 あの笑顔も、だいぶ無理してたんだなと、せつなくなる表情のシークエンス。

 伊坂発見の報を受け、携帯電話ごしに栞に告げる「わかった。でも、剣崎に伝えといてくれ。余計な手出しはするな。これは…俺の戦いだと。」
 「わかった。でも」までは、第7話で栞と携帯で話をしたときの、あの無防備な声に似た響き。
 「剣崎に伝えといてくれ」からは、その声が、深い落ち着いた響きを帯び。
 「俺の戦いだと。」は、静かな声ながら、きっぱりとした断言。

 小夜子さんの診療室で、完成されてしまったパズルをみつめる橘さん。
 写真の小夜子さんから顔を上げたときの、鋭い表情。
 そこからきびすを返して部屋を出て行く動きの鋭さに続く。

 伊坂との最終決戦の場となる海岸に到着した橘の、ヘルメットを取るしぐさ。
 無駄のないすばやい動き、ヘルメットが取られると同時に潮風になびく髪、と、準“変身”級の価値ある映像。

 所長と頼む、という橘さんの指示に、橘さんを一人にすることをためらうブレイド。
 そんなブレイドへの橘さんの一喝「行けぇッ!」の気迫。
 そのとたんにプレイドの動きが変わり、一目散に走り出すブレイドの表現もお見事。

 「伊坂。貴様だけは…貴様だけは、俺の手で倒す!」の声。
 「伊坂。貴様だけは…」までは、栞への電話の「俺の戦いだと。」の響きに似た、静かな決意の声。
 そして「貴様だけは、俺の手で倒す!」は、この話でずっと抑えてきた激しさがほとばしる瞬間!

 再び、Aカードを、バックルの入り口で一瞬何かを確かめるように止める手。
 でも、そこからのスラッシュは、いつもながらのぴっとした速さ!
 あの、静かに気持ちを、力を高めていくように、左腕を身体の前にもっていく動き。
 “変身!”とともに決意の固さの表れのようにぐっと握られる手、風を切って回転する腕。
 まるでこの回、このシーンのために生み出されたかのように、橘さんの気持ちにぴったりの変身ポーズ!

 橘さんのモノローグの間、伊坂=ピーコックアンデッドとの激闘の合間に現れては消える、小夜子さんとの思い出の映像。
 第3話、診療室で眠ってしまった橘に「寝ーないで?」と呼びかける小夜子さん。
 第8話、とても自然な表情でネクタイを選ぶ二人。
 第9話、南の島に行って、さとうきびでも作って…と、風の橋の上で橘さんに言い出す小夜子さん。
 そして新しい、二人でデートをしている間と思われる、小夜子さんの笑顔。
 いいシーンがいっぱいだった小夜子さんとのシーンの中から、選び抜かれたシーンは、思い出喚起力、絶大。

 小夜子さんへの気持ちを語る、ギャレン…橘さんのモノローグ。
 “君との思い出は、数えるほどしかない”“君を思い出させるものは、数えきれないぐらいある”が対をなしている以外は、技巧的なところの何もない、これ以上なくストレートな告白。
 その真っ直ぐさ、不器用さを感じさせる口調、そして、失って初めて小夜子への本当の気持ちに気づいたところが、若木が折り取られたような痛々しさそ伴う、恋愛に関する橘の幼さ、無垢さを感じさせ。
 そうした全部をひっくるめて、越えて、じんとくるシーン。

 伊坂にバーニングディバイドを放つ瞬間の「小夜子ォォーッ!」の絶叫。
 冒頭から静かに抑えられ、抑えてもふつふつと高まり、この一瞬に爆発して、次のシーンでは引いている激情の結晶。

EPISODE 14STORY PAGEEPISODE 16










Last update :
8th May 2004














* Blade *

仮面
ライダー
詳細DATA
登場人物
作品世界
STORY
ライダー
DATA
劇場版
イベント
関連情報
トリビア
剣LINK

* 公式 *
東映
テレ朝

* 牧天 *
TOP PAGE
映像の
部屋
WORKS
TV
GUEST BOOK
MAIL


This site is best viewed with Internet Explorer 4.0 or later.
Web Materials by Lazy Colors,Zeit-X
BLADEDATACHARAWORLDSTORYRIDERMOVIEEVENTINFOTRIVIALINKEizouTop PageGuestbookMail