プロデューサー ◆ 松田佐栄子(テレビ朝日) 日笠 淳 武部直美 宇都宮孝明(東映) その他のスタッフ ◆ Data Pageへ 放送日 ◆ 2004年5月2日 ※仮サブタイトル「レンゲルの影(前編)」
広瀬 栞:江川有未 白井虎太郎:竹財輝之助 上城睦月:北条隆博 橘 朔也:天野浩成 山中望美:宮澤亜理沙 栗原天音:梶原ひかり 伊坂:本宮泰風 仮面ライダーブレイド:高岩成二 仮面ライダーカリス:伊藤 慎 仮面ライダーギャレン:押川善文 永 徳(ジャパンアクションエンタープライズ) 塚田:小野 了 荒井志郎 河内 秀 ドラゴンフライアンデッドの声:福山弘幸 ナレーション:小杉十郎太 栗原遙香:山口香緒里 烏丸 啓:山路和弘
始はアンデッドの誘いに応じて地下道に向かい、カリスに変身して戦う。 その後を追った剣崎(Cast:椿隆之さん)は、カリスの指示に従い、気を失っていた遥香母子を救い出す。 遅れてやってきた虎太郎(Cast:竹財輝之助さん)と栞(Cast:江川有未さん)も、二人の無事に胸をなで下ろす。 虎太郎は、始がいたから遥香達が危険な目に合ったと、怒りを隠せない。 しかし、カリスが彼らを助けたと剣崎に知らされると、虎太郎もそれ以上のことは言えなかった。 遥香母子に知られまいと遠くから剣崎達を見ていた始に、剣崎は「2人のそばにいて守ってやれ」と言う。 小夜子(Cast:粟田麗さん)を失った橘(Cast:天野浩成さん)は、喪服で伊坂(Cast:本宮泰風さん)の研究所を訪れる。 橘は、小夜子を殺したのは伊坂かと問う。 小夜子を殺したのはお前のためだ、お前が強くなるためにあの女は邪魔だった、などと言う伊坂を前に、橘は静かにギャレンへと変身。 お前が俺に勝てるわけがない、あれがないとお前はもう戦えないんだぞ、という伊坂の目の前で、ギャレンはそのシュルトケスナー藻の水槽をギャレンラウザーで撃ち砕く。 「こんなものに頼ったからいけない。お前のようなやつに頼ったから小夜子は」と言葉を絞ったギャレンは、次に伊坂の頬を撃ち抜く。その瞬間、伊坂はピーコックアンデッドへと変身する。 桜並木の下で、橘=ギャレンはピーコックアンデッドに変身した伊坂と対峙する。 橘の力をみくびっていたピーコックアンデッドは、激しい怒りをぶつけるギャレンの力に圧倒され、攻撃の衝撃で伊坂の姿に戻される。 伊坂はギャレンに爆煙を浴びせかけ、なんとか逃走する。 まさかギャレンごときにやられるとは、という伊坂も、塚田(Cast:小野了さん)の言葉に、小夜子の死によって橘が恐怖心を克服したことを認める。 しかし、カテゴリーAのカードは手許にあり、あとは適合者を見つけるだけだ、心配ない、と言い放つ。 橘は白井家に赴き、剣崎達に小夜子の死を報告する。 「ひどい…小夜子さん、あんなに橘さんのこと…」という栞の言葉に、橘は「俺のせいだ」とつぶやく。 犯人は伊坂だとわかっている、さっきも奴と戦ったが逃げられた、奴を探してほしい、と、橘は栞に依頼する。 仇をとるのか、と問う虎太郎に「俺にはそれしか残っていない! たとえこの身は滅びようと」と声を荒らげる橘だったが、その一方で「不思議だよな。小夜子が死んだら、恐怖心がなくなった。情けないよな、俺」と、自嘲気味に笑い、栞達にその悲しみの底知れぬ深さを覗かせた。 白井家を辞そうとする橘を追いかけて外に出た栞は「小夜子さん、橘さんを好きになったことを、絶対後悔してないと思う。恋愛なんかしたことないあたしが言うのも変だけど」と、声をかける。そんな栞に橘も「ありがとう。いい奴だな、お前」と、笑顔をみせ「頼むな。」ともう一度言って去る。 カテゴリーAに適合すると思われる人間が、新たに集められていた。 伊坂は、マインドコントロールで支配する烏丸(Cast:山路和弘さん)の言葉に従い、一番適合数値が高い睦月(Cast:北条隆博さん)をライダーに変身させようと、レンゲルバックルが作り出す映像をくぐり抜けさせてみる。 しかし、カテゴリーAのパワーの凄まじさに睦月は弾き飛ばされ、実験は失敗する。 改めてカテゴリーAの力の強さを実感した伊坂は、「俺は最高の、究極のライダーを手に入れることができるんだ」と満足げな笑う。 始がハカランダに帰ってきた。遥香と天音は、始を温かく迎える。 喜ぶ天音から連絡を受けた虎太郎は、始の正体がアンデッドであることを遥香らに知らせようとするが、剣崎に「それで2人を悲しませるのか」と指摘され、出来ない自分にもがき苦しみ、強くなりたい、と嘆く。 栞がアンデッドサーチャーで、伊坂と思われる影を発見した。 連絡を受けた橘は栞に告げる。「剣崎に伝えといてくれ。余計な手出しはするな、これは俺の戦いだと」。 橘の言葉に栞は、橘が自らの死を賭けて復讐しようとしていることを察する。 小夜子の診療所で、完成されたパズルの写真の小夜子をみつめた後、橘は現場へと急行する。 “小夜子、待っていてくれ。今度こそ、今度こそ君の仇を討つ!” ブレイドに変身した剣崎は、橘より早く伊坂達の前に到着するが、そこで伊坂と行動を共にする烏丸を見てしまう。 マインドコントロールされた烏丸は、ブレイドの呼びかけにも反応しない。 伊坂はピーコックアンデッドに変身し、ブレイドは戦うが、歯が立たない。 そこに橘が到着、所長が!と訴えるブレイドに「ここは俺に任せろ。お前は所長は頼む」と命じる。でも、とためらっていたブレイドだが、橘の「行けぇッ!」という一喝に、橘の言うとおり所長を追う。 白波の打ち寄せる砂浜で、伊坂=ピーコックアンデッドと再び対峙した橘は「伊坂。貴様だけは…貴様だけは、俺の手で倒す!」と宣言。 静かな手つきでAカードをインサートすると、ギャレンに変身してピーコックアンデッドに突進する。 激しい戦いの中、小夜子のさまざまな表情を、ギャレン=橘は思い出していく。 “小夜子、君との思い出は、数えるほどしかない。 君を思い出させるものは、数えきれないぐらいある。 そして何より、何より君の笑顔が忘れられない。 遅いかな…今頃になって言うのは。 俺は…俺は… 俺は君が好きだった。 君のことを大切に思っていた。” ピーコックアンデッドの繰り出す羽根銃を、ギャレンは後方に跳びながらギャレンラウザーでことごとく撃ち落し、ピーコックアンデッド本体にも銃弾を撃ち込む。 膝を突いたピーコックアンデッドを、ギャレンは小夜子の名前を叫びながらバーニングディバイドで打ち倒す。 「なぜ…俺が…俺がやられる…」 倒れた伊坂=ピーコックアンデッドの上に、ギャレンはダイヤのJのカードを、静かに落とす。 ピーコックアンデッドは封印された。 そのカードを握りしめ、ギャレンは、海に向かって佇んでいた。
![]() あのスピード感あふれる変身シーンそのものを、表情のアップと引きの映像で。ピカイチなバックルさばきも。 ![]() 端正に背筋を伸ばしたまま、ヘルメットを外してハンドルにかけるしぐさ、きれいに脚を回して降り立つしぐさから、凛々しさが。 小夜子の最期の回想をはさんだ、アオリで回転するカメラワークでとらえられた橘さんの姿の美しさ。 ![]() 静かな口調にも込められる、激しい怒りと憎しみを表す、端整さは失わないまま、ほんのわずかに歪められる表情。 ![]() 息子から息子が好きな女性を引き離そうとする、権力者 or お金持ちのパパの常套句で、こんなときにも“パパ”らしさ…。 ![]() カードをかざす橘さんの静かな怒りのこもった表情とあいまって、いつもはすばらしい速さでカードインサートをする橘さんの、確かめるようにゆっくりとカードを挿入するしぐさが、それだけで印象的。 ![]() 光あふれる空間を、静かに進める数歩の歩みが、荘重。 ![]() 口調の静かさが、悔恨の深さを。 ![]() すかさず「そんなことは」と言ってくれる剣崎君の、橘さんを無条件に慕ってくれる感じが、素直にうれしかったりも。 ![]() 肩を落としての「不思議だよな。小夜子が死んだら、恐怖心がなくなった」の湿った口調、泣くのをこらえるような口元に、節目がちに視線を横に流し、顔もそちらにちょっとそらして、それから自嘲気味の笑みを浮かべての「情けないよな、俺」、橘さんがこれまでたどってきた紆余曲折と、それを振り返る橘さんの気持ちを一気に思わせ。 その表情を見上げた栞が思わず「橘さん…」と漏らしたのも、むべなるかな。 ![]() 栞ちゃんの口調が情緒たっぷりなこと、それまでの橘さんの表情のきれいさ、そこから見える心の揺れのいとおしさで、説得力たっぷり。 「恋愛なんかしたことないあたしが言うのも変だけど」というときの栞ちゃんの笑顔、『剣』はじまって以来、最高の可愛さ! 共演女優さんを可愛く見せるのも、不思議な天野さん力。 ![]() 口調も、これまで栞に向かっては出したことのない、やわらかな声。 そんな橘を見つめ返す栞ちゃんの眩しそうな表情が、橘さんの笑顔の印象をさらに強める相乗効果。 「頼むな。」の笑顔と声も、さらに優しく。 …伊坂発見の報を橘さんに知らせた電話で、橘さんが死ぬ覚悟で伊坂と対決するつもりだと確信したとき、このときの橘の笑顔がどうよみがえるかを思うと、さらに胸が詰まるような。 ![]() あの笑顔も、だいぶ無理してたんだなと、せつなくなる表情のシークエンス。 ![]() 「わかった。でも」までは、第7話で栞と携帯で話をしたときの、あの無防備な声に似た響き。 「剣崎に伝えといてくれ」からは、その声が、深い落ち着いた響きを帯び。 「俺の戦いだと。」は、静かな声ながら、きっぱりとした断言。 ![]() 写真の小夜子さんから顔を上げたときの、鋭い表情。 そこからきびすを返して部屋を出て行く動きの鋭さに続く。 ![]() 無駄のないすばやい動き、ヘルメットが取られると同時に潮風になびく髪、と、準“変身”級の価値ある映像。 ![]() そんなブレイドへの橘さんの一喝「行けぇッ!」の気迫。 そのとたんにプレイドの動きが変わり、一目散に走り出すブレイドの表現もお見事。 ![]() 「伊坂。貴様だけは…」までは、栞への電話の「俺の戦いだと。」の響きに似た、静かな決意の声。 そして「貴様だけは、俺の手で倒す!」は、この話でずっと抑えてきた激しさがほとばしる瞬間! ![]() でも、そこからのスラッシュは、いつもながらのぴっとした速さ! あの、静かに気持ちを、力を高めていくように、左腕を身体の前にもっていく動き。 “変身!”とともに決意の固さの表れのようにぐっと握られる手、風を切って回転する腕。 まるでこの回、このシーンのために生み出されたかのように、橘さんの気持ちにぴったりの変身ポーズ! ![]() 第3話、診療室で眠ってしまった橘に「寝ーないで?」と呼びかける小夜子さん。 第8話、とても自然な表情でネクタイを選ぶ二人。 第9話、南の島に行って、さとうきびでも作って…と、風の橋の上で橘さんに言い出す小夜子さん。 そして新しい、二人でデートをしている間と思われる、小夜子さんの笑顔。 いいシーンがいっぱいだった小夜子さんとのシーンの中から、選び抜かれたシーンは、思い出喚起力、絶大。 ![]() “君との思い出は、数えるほどしかない”“君を思い出させるものは、数えきれないぐらいある”が対をなしている以外は、技巧的なところの何もない、これ以上なくストレートな告白。 その真っ直ぐさ、不器用さを感じさせる口調、そして、失って初めて小夜子への本当の気持ちに気づいたところが、若木が折り取られたような痛々しさそ伴う、恋愛に関する橘の幼さ、無垢さを感じさせ。 そうした全部をひっくるめて、越えて、じんとくるシーン。 ![]() 冒頭から静かに抑えられ、抑えてもふつふつと高まり、この一瞬に爆発して、次のシーンでは引いている激情の結晶。
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Last update :
8th May 2004
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