仮面ライダー
剣 ブレイド

Masked Rider Blade
EPISODE 17
邪悪なベルト
  


Staff & OA
脚本 ◆ 井上敏樹  監督 ◆ 石田秀範
プロデューサー ◆ 松田佐栄子(テレビ朝日)  日笠 淳  武部直美  宇都宮孝明(東映)
その他のスタッフ ◆ Data Page
放送日 ◆ 2004年5月16日

※仮サブタイトル「残酷な解放者」(前編)

Cast
剣崎一真:椿 隆之  相川 始:森本亮治
広瀬 栞:江川有未  白井虎太郎:竹財輝之助
上城睦月:北条隆博  橘 朔也:天野浩成

山中望美:宮澤亜理沙

藤沼 豊  佐野大輔  林 京介  鈴木岳樹
須永千重  脇本カオル  わかまどか

仮面ライダーブレイド:高岩成二  仮面ライダーカリス:伊藤 慎
仮面ライダーレンゲル:岡元次郎
押川善文  永瀬尚希  渡辺 淳  永 徳(ジャパンアクションエンタープライズ)

レンゲルの声:梁田清之
ボアアンデッドの声:福山弘幸
センチピードアンデッドの声 ローカストアンデッドの声:塩野勝美
ディアーアンデッドの声 ジャガーアンデッドの声:大村 亨
ナレーション:小杉十郎太

桐生 豪:増沢 望


Story
 アンデッドを倒したブレイドとカリスの前に睦月(Cast:北条隆博さん)が変身したレンゲルが現れた。その圧倒的な力に一方的に攻撃されるばかりのカリス。
 「これがカリスの力……弱すぎる」。
 レンゲルのつぶやきに屈辱を覚えるカリスは、止めに入ったブレイドとともにカードをラウズしようとするが、レンゲルはカードを使い、ブレイドとカリスが手にしたカードからセンチピードアンデッドとボアアンデッドを解放。
 レンゲルは逃げるセンチピードアンデッドを封印。
 さらに攻撃を加えてくるかと思いきや、なぜか苦しみだし、バイクで走り去ってしまう。

 レンゲルに圧倒された始(Cast:森本亮治さん)は心身ともに傷つくが、心配する剣崎(Cast:椿隆之さん)の手を振り払って去っていく。
 あのカリスがあそこまでやられるとは…と、剣崎もレンゲルの底知れぬパワーに震撼する。

 変身が解除された睦月は、レンゲルに変身した後の記憶がなかった。
 しかし、落ちていたベルトを見て、自分が仮面ライダーに変身したことを察する。

 剣崎が栞達に、新しい仮面ライダーの出現を報告しているところに、橘(Cast:天野浩成さん)がやってきて、レンゲルのベルトは睦月と呼ばれていた高校生が持っていった可能性があるという。
 いっしょに探しましょう、という剣崎から橘は目を逸らし、声にならない声で「いや」と答える。そんな橘に、剣崎は、ギャレンのベルトを返そうとする。
 しかし橘は、剣崎に背中を向けて「俺はまだ…戦えない」と声をしぼることしかできなかった。

 睦月は自室でレンゲルのベルトをみつめながら、自分は確かに変身した、でも何も覚えてないんだろう、と自問自答する。  以前ブレイドに危ないところを救ってもらい、ライダーに強い憧れを抱いていた睦月は、きっと身体が慣れていないからだ、慣れれば自分もブレイドのように戦えるはず、と、自分に言い聞かせるようにつぶやく。

 その夜、睦月はコインロッカーの中から赤ん坊の泣き声が聞こえる不気味な夢にうなされる。
 幾度となく見たその悪夢にうなされる苦しみもベルトが解決してくれると、睦月はベッドの中でベルトを抱きしめる。
 「助けてくれ…お前の力で、俺を」

 剣崎は睦月という名前の高校生を探して歩く。
 同じように橘も、睦月のことを探していた。

 睦月はバスケット部の試合で、人間離れしたジャンプを見せて大活躍。
 ガールフレンドの望美(Cast:宮澤亜理沙さん)も大喜びだが、先輩たちはそんな睦月の目立ったプレイが気に入らない。試合後、文句を言ってくる先輩たちに勝ち気な望美は猛反発。が、争いを好まない睦月はあっさり謝ってしまう。望美はそんな睦月が歯がゆくて仕方ない。

 睦月を探していた橘は、ある事件現場で凶悪な犯人に電流処刑を加える男を発見する。
 「桐生さん!」
 現場で倒れた人々を気にかけつつも、橘はバイクで走り去ったその男の後を追う。

 睦月を探す剣崎は、その睦月と再会。
 しかし、剣崎は以前助けてやった高校生がレンゲルのベルトを持っている睦月だとは知る由もない。
 睦月は助けてもらったお礼といって剣崎に食事をおごりながら、巧みに剣崎から、剣崎が探している“睦月”がライダーのベルトを持っているらしいと剣崎が考え、取り戻そうとしていることを聞き出す。
 そんな剣崎に、睦月は「でもいいなあ。仮面ライダーか。一度でいいから俺もなってみたいなあ」と、憧れを語る。
 「ライダーになれば、変われるかもしれないし。いやな夢も…見なくてすむかもしれない」

 日が暮れても橘は、桐生(Cast:増沢望さん)を探して街を走っていた。

 睦月がレジ打ちのアルバイトをしているスーパーで起こった万引きの濡れ衣を、剣崎が着せられる。
 睦月に身元引受人になってもらって解放された剣崎に、睦月はついてきて、こんなことを言う。
 「勉強したいんです。仮面ライダーについて」

 橘は再び白井家にやってきて、栞に、桐生について何か知らないか、と激しい勢いで問い質す。
 私もあの事故以来会っていないし、と答えた栞は橘に、もしかして桐生さんに会ったの、と問い返す。
 そのとき、サーチャーがアンデッド出現を告げる。
 同時に、橘の携帯も鳴った。
 「橘か。久しぶりだな」
 それは、桐生からの電話だった。

 仮面ライダーになることは遊びじゃない、という剣崎に、自分だって遊びじゃない、と睦月は答える。
 そこに栞から、ボアアンデッド出現の知らせが入る。
 剣崎は現場に急行。
 その剣崎に、なぜか睦月がついてこようとする。

 橘は桐生のもとに向かった。
 桐生は、橘の前にギャレンの適合者とされていた男だった。

 ボアアンデッド出現の現場に、遅れて睦月もやってくる。
 「おれも戦いますよ。…仮面ライダーとして」
 睦月はレンゲルに変身、ボアアンデッドを一撃で撃退する。
 睦月という高校生はお前だったのか、と驚くブレイドに、睦月のものとはまったく違う恐ろしい声が答える。
 「違う、俺の名はレンゲル。最強の仮面ライダーだ」
 レンゲルはその圧倒的な力でブレイドに攻撃を始め、ローカスト、ディアー、ジャガーのカードからもアンデッドを解放してしまう。


Check! −天野さん橘さんみどころ−
 白井家のリビングにつかつかと入ってきて「やはりそういうことか!」
 いついらしたんですか!? というオドロキはともかく、微かに眉根を寄せた表情、きびきびとした歩き、渋いです!(ベテラン刑事の風格?)

 「どうやら、俺の見間違いじゃなかったらしい」と、当然のようにダイニングセットの椅子に座って足を組む橘さん。
 その一連の態度は尊大系なのに、腰を下ろすときに膝の上に置いた手(小指だけ離れてるのが綺麗だったり)がたおやかなのがポイント。

 「会ったんだよ」は、「どういうこと?」と問いかけた栞ちゃん(その一言も、ちょっとおしとやかな響き)に、「あのベルトを持った人間にな」は、ちょっと離れた剣崎君に。
 「どこのどいつなんです!」と剣崎君が寄ってきて問うと、最初は顔を横に向けていたのを正面に向けながら「睦月と呼ばれていた」、剣崎の顔を見て「たぶん高校生だ」。
 栞ちゃんに向かっての「会ったんだよ」、剣崎君に向かっての「たぶん高校生だ」の口調が、それぞれ微妙に優しげな雰囲気になっているあたりが、言われたヒトタチにとってはたまらないと推測(キラーです!)。

 虎太郎の「烏丸所長も言ってたじゃないか! あのベルトにはアンデッドの邪悪な意思が宿ってるって」を聞いた橘さんの「邪悪な意思?」。
 口調が不意に不安げな弱いものになるところに、カテゴリーAを封印してしまい、伊坂に対抗し切れず渡してしまった橘さんの自責の気持ちが。

 「一緒に探しましょう! 橘さん!」と剣崎に言われた橘さん。
 一同の注視の中、剣崎に向かって顔を上げていたところを、うつむき、目を伏せ、さらにうつむきがちになり、視線を横に流し、顔をわずかにそむけるようにして。
 最後は“いや”というようなかたちに口許が動いているのに、声が出ない。
 橘さんの心にまさに“傷”がついていることがわかる瞬間。
 ほんの数秒前まで、かつての自信を取り戻したかのようにきびきびと動き話していただけに、衝撃的でさえ。

 「これ、お返しします」と剣崎君が差し出したベルトを見て、眉をひそめ、目を閉じるように伏せ、直視できないように視線をそらし、揺らし、ついには剣崎君に背を向けて席を立ってしまう橘さん。
 「必要ない」の言葉には、かろうじて力がこもっていたのに、「俺はまだ…戦えない」の声は、ささやくような細さになっていたところが、痛々しく。

 剣崎に“一緒に探しましょう!”といわれたときには、あんなに心の揺れを見せていた橘さんも、「ちょっといいかな。睦月って名前の奴探してんだけど」と、高校生カップルに聞き込み。
 ほぼ背中からのカメラでも、すらりとした背の高さ、横顔のきれいさが際立つカット。

 サイレンを鳴らして走るパトカーに、ぱっと振り向く橘さん。
 自分が追われているかのような緊張感は、ボードにいてライダーとして戦っていたときも、常に事件の気配にはそうして身構えていたのかと。

 桐生さんを見つけたときの目を見開いた表情、どことなくあどけなく。
 「桐生さん」とつぶやいた後、桐生さんにやられた悪い人のほうを“どうしよう”という感じで心配そうに見やる表情も。
 それでも桐生さんを追いかけようとする、気持ちの揺れが伝わる視線の動き。

 薄闇(夜明け前?)の街で「桐生さん」とあたりを見回す橘さん。
 “万世橋”の地名入り標識まであんなにはっきり写すカットも珍しいような…(秋葉原は一目瞭然、というか、ロケ地だろうがロケ地でなかろうがどうせみんな来るだろということで、ぼかす必要皆無ということ?)
 桐生さんのお手製ボタンの部品もその近辺で調達したのかも…と思うと、深いカット(笑)。

 レッドランバスが止めてある白井家の外から乱入してくるようなカメラワーク、そしてその中では後ずさりしながらたじろぐ栞ちゃんに向かって、ずかずか近づく橘さんの肩!
 「答えてくれ! 何か知らないか、あの人のこと」の目つきもコワモテ系。
 落ち着いたベテラン刑事の風情から、いきなり暴走刑事系の勢い!
 椅子への腰のおろし方も、どすん、と乱暴、栞ちゃんを睨みつけるような眼光も鋭く。

 が、携帯を受けて「橘か。…久しぶりだな」の声を聴いたときから、その目が変化。
 「桐生さん!」のときには、“後輩”の目に。

 栞ちゃんが剣崎君にアンデッド出現を告げる間に、桐生さんの呼び出しに応じて出て行く橘さん。
 指をきれいに伸ばした手のひらででぱたんと携帯を閉じる独特のしぐさ。

 予告で「やはりギャレンには俺がなるべきだったようだな」という桐生さんの言葉が流れる中、桐生さんの前でうつむく橘さんの映像。
 わんこだったら耳まで垂れていそうな、しょぼーんとした感じが、次回への期待をいやがおうにも高めてくれます!

EPISODE 16STORY PAGEEPISODE 18










Last update :
20th May 2004














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