仮面ライダー
剣 ブレイド

Masked Rider Blade
EPISODE 21
友を思う戦い
  


Staff & OA
脚本 ◆ 今井詔二  監督 ◆ 長石多可男
プロデューサー ◆ 松田佐栄子(テレビ朝日)  日笠 淳  武部直美  宇都宮孝明(東映)
その他のスタッフ ◆ Data Page
放送日 ◆ 2004年6月13日

※仮サブタイトル「危険な香り」(後編)

Cast
剣崎一真:椿 隆之  相川 始:森本亮治
広瀬 栞:江川有未  白井虎太郎:竹財輝之助
上城睦月:北条隆博  橘 朔也:天野浩成

吉永みゆき:肘井美佳

仮面ライダーブレイド:高岩成二  仮面ライダーカリス:伊藤 慎
仮面ライダーギャレン:押川善文  仮面ライダーレンゲル:岡元次郎
永瀬尚希  渡辺 淳(ジャパンアクションエンタープライズ)

栗原天音:梶原ひかり

レンゲルの声:梁田清之
ナレーション:小杉十郎太

矢沢:是近敦之  栗原遙香:山口香緒里


Story
 センチピードアンデッドを封印したカリスは、橘(Cast:天野浩成さん)を見るや、かつてギャレンとピーコックアンデッドに倒されたことを思い出し「次の相手はお前だ!」と宣言して襲いかかる。
 「よせ。無駄な戦いはしたくない」と、カリスに説いていた橘だったが、やむを得ずギャレンに変身し、カリスの攻撃をかわす。
 そんな戦いを目の当たりにした睦月(Cast:北条隆博さん)は衝動に抗いきれずレンゲルに変身、「やめろ、睦月!」と叫んで駆け寄るギャレンを突き飛ばしてカリスと対峙する。
 「奪われたアンデッドは返してもらった。だが、まだ借りがある」と、怒りの矛先をレンゲルに向けるカリス。
 カリスとレンゲルは互角の戦いを繰り広げるが、またしてもレンゲルは苦しみながら睦月へと戻ってしまう。
 橘から「この子は、カテゴリーAにもてあそばれている。自分で力を制御できないんだ」と知らされたカリスは、「戦う意志を持たないを相手にするほど、俺は暇じゃない」と、変身を解除。
 始(Cast:森本亮治さん)は、睦月が真の力を手に入れたときは必ずぶちのめしてやる、と言い捨て去っていく。
 立ち去る始の後姿を見て橘は「恐ろしい奴だ。戦ってわかる。前より強くなった」とつぶやく。

 矢沢(Cast:是近敦之さん)が変身したカプリコーンアンデッドをなんとか撃退したブレイドは、剣崎(Cast:椿隆之さん)に戻ると、虎太郎(Cast:竹財輝之助さん)が危ないことを始から知らされたことを告げ、虎太郎を驚かせる。
 剣崎は、みゆき(Cast:肘井美佳さん)が虎太郎を狙うアンデッドでなくてよかった、と、安堵の表情をみせる。

 飛行機の見える公園で、睦月は橘に、カテゴリーAがなぜ急に寄ってきたり去っていったりするのかわからない、と訴える。
 「自分の解放したアンデッドが人を襲っているんじゃないかと心配する君が、俺は嫌いじゃない」という橘は睦月に、自分がが戦い方を教えてやると告げる。睦月自身からベルトを奪うことはできない、それなら睦月が本当に強くなって、カテゴリーAの力を自分で退けるしかないとわかったから、というのだった。
 そんな橘に、睦月は笑顔を見せ、ついていく決意を固める。

 剣崎に傷をつけられた矢沢は、船に忍び込み、そこにあったものを蹴散らして鬱憤を晴らそうとする。
 そこに現れた、一人の女。
 矢沢は、お前が力を貸せばブレイドを仕留めることができた、いつもお前は自分の手を汚さない、と、その女を罵るが、女はアンデッドの言葉で“頭を使っているから”ととりあわない。
 憤る矢沢に女は“ブレイドの弱点”と、知恵を授ける。

 道すがら、なぜ強くなりたがっているのか、と問う橘に、睦月は即答できない。
 よく考え、自分の心と対話しろ、自分の心をみつめるんだ、と、橘はうながす。
 すると睦月は、赤ん坊の頃、誘拐されたか何かの理由で、ロッカーに閉じ込められていた記憶が頭から離れない、と語り始める。
 その時の恐怖から逃れたい。だから、強くなりたいんだ…と、理解を示す橘に睦月は、どうすれば本当の仮面ライダーになれるのか教えてください、と、改めて懇願する。
 そんな睦月に、微かに笑みを浮かべて橘はうなずいてみせる。

 橘が睦月をつれてきたのは、バッティングセンターだった。
 ギャレンになるための基礎訓練の一つ、動体視力を鍛える訓練だといって、時速150kmの速球に記された数字を読み取ってみせた橘に、睦月は驚く。

 虎太郎はハカランダに始を訪ね、始を連れ出す。
 虎太郎は、自分がアンデッドに狙われていることを始が剣崎に教えたことについて礼を言う。
 しかし始は、自分はセンチピードアンデッドを封印したかっただけで、そのためにブレイドが邪魔だっただけだという。
 そうだと思った、君が僕を助けるわけがないもんな、という虎太郎の言葉を、俺はうじうじした奴は嫌いだからな、と、始は肯定する。
 その様子を、車の中からみゆきが見ていた。

 速球に書かれた数字を読み取るのは無理だ、という睦月を、すぐにあきらめてしまう弱い精神力が、カテゴリーAにとりつかれるんだ、と、橘は叱咤する。
 うつむく睦月に、どうした、と橘が声をかけると、睦月は「光だったんです」と、さらに心の内を語り始める。
 ロッカーから助け出されたときに見た光と、光の中に浮かぶ、睦月の救出を喜んでくれた人達の笑顔と歓声。記憶の中にある、光の中の人達の笑顔と涙を守りたい、何人もの人達がアンデッドに倒されているのがたまらない、俺は光を守りたい、という睦月に、橘は深くうなずき、励ますようにその肩を叩く。
 睦月は決意を新たに、速球を凝視する。

 虎太郎の前に再びみゆきが現れ、車に乗るよう誘う。虎太郎はあっさりその誘いを浮け、車に乗り込む。
 アンデッドの存在を感じた始は、虎太郎を狙うアンデッドがみゆきだったことに愕然とし、ハカランダを飛び出していく。

 栞(Cast;江川有未さん)もコンピュータの修理を完了。
 途端にアンデッドサーチャーが反応、20mの距離にアンデッドが近づいていると告げる。
 剣崎が外に飛び出すと、矢沢が車で白井家の前にやってきていた。
 「また会ったね。じゃあまた、ごきげんよう」と、挑発するように車を発進させた矢沢を追った剣崎は、みゆきが変身したオーキッドアンデッドに襲われる虎太郎を発見する。

 橘のアンデッドサーチャーも反応し、橘は睦月に練習しているよう言い置いて、現場へと向かう。
 俺も行きます、という睦月を、自分を鍛えるのが先だ、と橘は残していった。

 愕然とする剣崎に矢沢は虎太郎の命が惜しければ、変身ベルトを置けと命令。
 仕方なく剣崎がベルトを捨て、カプリコーンアンデッドの攻撃にさらされていたところに、カリスが現れる。
 カリスはオーキッドを攻撃し、虎太郎を解放。
 虎太郎はそのまま剣崎のもとへ駆けつけると、ブレイバックルを剣崎へと放る。
 カリスはさらにオーキッドを追うが、オーキッドは撒き散らした花びらに紛れて逃げおおせる。
 剣崎はブレイドに変身、虎太郎を人質にとる卑怯なカプリコーンへの怒りを露にすると、カプリコーンを打ち倒し封印する。

 戦いを終えて剣崎は、始が再び虎太郎を救ったことを虎太郎から聞く。
 虎太郎は、自分はうじうじして情けないと泣く。
 そんな2人を遠くから確認すると、始は静かにその場を去る。

 カリスに邪魔されたみゆきだったが、ブレイドにカリス、楽しみが増えたわね、もっと楽しませてもらうわ、と、不敵な笑みを浮かべてうそぶく。

 特訓を続ける睦月の目には、速球に記された数字が見えてきていた。
 その成果に笑みを浮かべる睦月を、みゆきがみつめていた。


Check! −天野さん橘さんみどころ−
 アンデッドを封印して「ん?」と振り返ったカリスを睨む橘さん。
 決してガンを飛ばしているわけではない(ので、次の“戦うつもりはない”という言葉も嘘にならず)けれど、バリアはがっちりで、カリスが「次の相手はお前だ!」と燃えるのもわかる表情。

 「よせ。無駄な戦いはしたくない」と、静かにカリスに語りかける橘さん。
 ちょっと表情を動かしただけで、その直前の“睨んでる”表情から、敵意のない穏やかな雰囲気になるマジック。
 伊坂パパに「あんたの言ってたカリスって奴が俺の邪魔をしてる!」の頃からは思いもよらないような、大人の落ち着き。

 戦いたくない、といいつつも、襲い掛かってきたカリスの脇をすり抜けるや(その動きもなかなか!)、ベルトにカードを挿入する手の動きは、いつもながらの速さ!
 変身ポーズで腕を身体の前にもってくるあの動きのときには、眼光が戦闘モードに。
 カリスに向かって体の正面が真横になる立ち方でカリスの方向から見た映像のため、回転する右腕が縦回転に見えるのが、斬新な印象。
(天野さん卒業後のセラミュで、望月祐多さん演じるドラクル伯爵がやった、縦にマントをばさっとさばくマントさばきのかっこよさを思い出したりも。)

 カリスに首のあたりを掴まれ組まれながら、睦月が叫び声をあげるのに振り向く→敵意をレンゲルに移したカリスに突き飛ばされるように放される→「やめろ、睦月!」と叫びながら、睦月が変身したレンゲルに駆け寄る→レンゲルに殴られ、壁に叩きつけられる…のギャレンの一連の動きは、夫と息子の家庭内暴力に揺れるお母さんのよう。
 その最後にくる、胸元に手をやっての「やめろ!」のしぐさのフェミニンさ(可愛いです!)は、やってらっしゃる押川さんは、日頃の天野さんのしぐさをどう御覧になっているのか、じっくりお話を聞きたくなるようなインパクト。

 変身が解けた睦月のことを「この子は、カテゴリーAにもてあそばれている。自分で力を制御できないんだ」と、カリスに説明する橘さん。
 “この子”という言葉がしっくりくるほど“大人の話”な雰囲気。

 立ち去る始さんの後姿を見て「恐ろしい奴だ。戦ってわかる。前より強くなった」という橘さん。
 即戦闘モードではないけれど、将来的には戦う相手を見る目つき。
 カリスとギャレンの今後の緊張感ある関係に期待が。

 飛行機の見える公園に、睦月と二人やってくる橘さん。
 ここで展開されるシーンはいいシーンながら、一瞬“なぜ男二人で…”と思ってしまいがちなロケーション。

 「自分の解放したアンデッドが人を襲っているんじゃないかと心配した君が、俺は嫌いじゃない」というちばナさん。
 “自分の解放したアンデッドが”のあたりの声のみずみずしさが、大人の渋さを強調した低い声が多かったこの回、とても新鮮。

 睦月のほうを見ての「わかったんだ」の後、睦月に背を向けて「君自身からベルトを奪うことはできない」と言った後、悩ましい視線の流し方を伴って振り向き、睦月をじっと見て「なら君が本当に強くなって、カテゴリーAの力を押しのけるしかないと」という橘さん。
 直後、カテゴリーA以上の力で操られているような表情でうっとり「橘さん」と応じている睦月が、見ていて“誘惑”という言葉が頭の中で点滅するような橘さんの一連の動きの、どの瞬間で落ちたのか、激しく興味深いところ。

 空をゆく飛び立つ飛行機をバックにしての橘さんの「行くぞ!」、応える睦月君のあどけない「ハイ!」。
 “古き良き”雰囲気。

 トンネルで、光をバックにした、引いたカメラがとらえるシルエットの橘さんと睦月。
 「聞かしてくれ。なぜ強くなりたい」という言葉の“大人の男”感といい、第1話の剣崎君の橘さんとの出会い回想シーン(“俺は橘、ギャレンだ。力を合わせて一緒に頑張ろう”)を思わせる映像。

 「よく考え、自分の心と対話しろ。自分の心をみつめるんだ」のときには“先輩風”モードだったのに、睦月の「コインロッカーのようなところに、閉じ込められていた」という言葉を聞くや、ちょっと目を細めてから見開いたりと、表情の動く橘さん。
 「光が、すごく欲しかった」でまたほんのちょっと目を細めたりと、心の動きが見える表情。
 「そのときの恐怖から脱したい…だから…強くなりたいんだ…」と言う橘さん、直前の言葉との落差の分、優しくなった口調が共感たっぷりに響き。

 「やります! 教えてください、どうすれば本当の仮面ライダーになれるのか」といって橘さんをじっと観る睦月に、ちょっと目が笑みになってうなずき、歩き出す橘さん。
 小走りについていく睦月が、子犬のようで可愛く(笑)。

 「動体視力。ギャレンになるときの基礎訓練のひとつだ」という橘さんの言葉。
 ストイックな口調、第10話の栞ちゃんの“橘さんは、もともとすごい鍛錬を積んできた人だし”という言葉とあいまって、ギャレンになるために橘さんが厳しい訓練を積んできたことを思わせる言葉。

 速球をみつめての「3!」。
 短いながら、この回のベストインパクト賞かもなセリフ!

 速球をキャッチしたポーズ(横顔から腕のラインに沿って手許に流れていくカメラワークが美しく!)、くい、と手首を返して“3”の文字を見せるしぐさ、かっこよく。
 こういう“特訓”シーンには、ありえないぐらいのかっこよさが必要と痛感。

 「150キロのスピードボール。そこに書かれている数字を読み取るんだ。始めろ」
 その厳しい口調、“鬼コーチ”の風格。
 その一方で、“3”のボールを睦月に差し出す手が意外に華奢でやわらかな表情をもつかたちなのが、またツボだったりも。

 睦月が「5!」と誤答したボールをみつめて拾う表情、一瞬のものながら、かなりきれい。
 橘さんはちゃんと数字を読み取っていたと、わかる表情。

 「でたらめを言うな。あてずっぽで答えるな。」さらに「あきらめるのか。すぐあきらめてしまう。その弱い精神力が、カテゴリーAにとりつかれるんだ」と、言葉も口調も表情も厳しい橘さん。
 でも、その次の瞬間睦月が“光の中の人々の、笑顔と涙を守りたい”という自分の心の真実にたどりつくのは、その厳しさの中に愛情があるからで、今の睦月に必要だった、厳しさの表情をした愛情を、橘さんはちゃんとあげていたんだなあと思えて、深いシーン。

 「俺は、光を守りたい」という睦月に、少し笑みを浮かべて肩をぽん、と叩く橘さん。
 余計な言葉がないところが味。
 右腕で、睦月の左肩でなく、クロスして右肩を叩き、そのままその方向に移動する、という動きは、飛行機の見える公園の「行くぞ!」「ハイ!」と同様で、特徴あり。

 アンデッドサーチャーの反応を見て、立ち上がりながら「睦月、君はここで練習していろ。いいな」という橘さん。
 しゃがみこんだ姿勢からさっと立ち上がる動きや、睦月に念を押す目の表情がきれい。
 「自分を鍛えるのが先だ」は、この回の劇場版告知にも(笑)。

 予告も気になる映像ばかり!
 竹林での棒術修行、ダブル変身!
 そして提供バックでの、白井家でパスタを食べる、いったい何が! どうしちゃったんですか橘さん! という笑顔!
 食事シーンと笑顔だけで、これだけのミステリーとインパクトを与える橘さん…すごいです(笑)。

 初登場の劇場版告知。
 「俺も頑張ります!」という睦月への橘さんの「君は自分を鍛えるのが先だろう」という大人モード突っ込みと、しょぼーんな睦月のコンビがいいです。
 4人揃ってカードを差し出しての「よろしく!」の後の、笑みをかみ殺してるような表情も、楽しげ!

EPISODE 20STORY PAGEEPISODE 22










Last update :
19th June 2004














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