プロデューサー ◆ 松田佐栄子(テレビ朝日) 日笠 淳 武部直美 宇都宮孝明(東映) その他のスタッフ ◆ Data Pageへ 放送日 ◆ 2004年10月10日 ※仮サブタイトル「巨大な圧力(前編)」
橘 朔也:天野浩成 上城睦月:北条隆博 広瀬 栞:江川有未 白井虎太郎:竹財輝之助 城 光:浜崎 茜 栗原天音:梶原ひかり 生原羽美:東海林愛美 仮面ライダーブレイド:高岩成二 仮面ライダーギャレン:押川善文 仮面ライダーレンゲル:岡元次郎 伊藤 慎 永瀬尚希(ジャパンアクションエンタープライズ) サラム ジャーニュ ジェリーフィッシュアンデッドの声:塩野勝美 トライアルDの声:穴井勇輝 ナレーション:小杉十郎太 広瀬義人:春田純一 栗原遙香:山口香緒里
そのさまをモニターで見ていた広瀬(Cast:春田純一さん)は、そのキングフォームがカードに封印した13体のアンデッドすべてと融合したことに驚く。 離れた場所で一人、ジョーカーに戻ろうとする自分と戦っていた始(Cast:森本亮治さん)は苦しげに叫ぶ。 「やめろ……お前はその力を使うな!」 キングフォームとなったブレイドは、5枚のカードを連続ラウズ、新たな技ロイヤル・ストレート・フラッシュでトライアルDを撃破する。 そのとき、水辺でのたうっていた始は、ジョーカーに戻りかけていた。 キングフォームの新たな技は、周囲の建物の一部を破壊、近くにいた栞(Cast:江川有未さん)をも巻き込むほど強力だった。 さらに変身を解除した剣崎(Cast:椿隆之さん)も深い眠りに落ちてしまう。 眠り込んだ剣崎の顔を、やってきた少女(東海林愛美)が覗き込んだ。 トライアルDの反応が消え、橘(Cast:天野浩成さん)は剣崎がどうなったのかを案じる。 広瀬は、いかに融合係数が高くても13体のアンデッドと同時に融合できる者などいない、いるとすれば…と、剣崎の危険性をほのめかす。 橘は、剣崎にライダーシステムを託すことは、剣崎だけでなく、人類の運命にとっても危険なことなのでは、と危惧を抱く。 そんな橘に広瀬は、彼を止めるには次の改造実験体が必要だ、といい、協力を求める。 剣崎の攻撃に巻き込まれてできたたんこぶを虎太郎(Cast:竹財輝之助さん)に手当てをしてもらいながら、栞は、気絶から目が覚めたら剣崎も誰もいなくなっていたこと、トライアルDはキングの力で完全に消滅したように見えたことを虎太郎に報告する。 数時間後、見知らぬビルの一室で剣崎は目覚めた。 目の前にいた少女・羽美によると、ここは彼女の隠れ家だという。 剣崎が変身するところを見ていた羽美は、アンデッドなどから人々を守るのが仕事だ、という剣崎に、剣崎が眠っている間に盗んだエースのカードを手に、明日1日だけ自分のヒーローになってくれない?などと言う。 その頃、夜の小学校を巡回していた警備員をジェリーフィッシュアンデッドが襲っていた。 そのジェリーフィッシュの前に、ジョーカーが現れる。ジェリーフィッシュは慌てて水の中に飛び込んで逃げ去る。 アンデッドは苦しげな咆哮を上げる。 その頃、ハカランダでは、天音(Cast:梶原ひかりさん)が始の帰りをひたすら待っていた。 カードを奪われては仕方なく、剣崎は1日だけ羽美に付き合って遊園地にやってきた。 車の前に飛び出した羽美をかばった剣崎に、羽美はからかうように、ほんとにヒーローらしいことするんだ、という。人間なら当たり前だろう! と怒鳴る剣崎に、羽美は冷めた口調で、マジで言ってんの、などと返す。 さらに羽美は、カップルが持っているジュースを戦って取って来いなどと命じて、剣崎を振り回す。 広瀬は剣崎を狙う新たな人造アンデッド、トライアルEを開発。ギャレンと模擬戦を行わせていた。 橘は、トライアルEの照準を合わせるときに左手を上げるくせや速射性能、反応のパターンが自分に似ていることに気づく。 剣崎を安全に捕らえるために協力するとは言ったが、自分のクローンを作るなどとは聞いていない、と抗議する橘に、広瀬は、眠っている間に君のデータを取らせてもらった、それがトライアルEに生かされている、と答える。 なぜそんなことを、と問い詰めてくる橘に広瀬は、トライアルEには融合係数の高い人間の遺伝子データがアンデッドの合成に必要だった、そして強い憎悪を持つもののデータが必要だった、と言う。 自分が剣崎に憎悪を抱いているはずがない、という橘に、広瀬は「君は心の底で剣崎に嫉妬している。生まれつきライダーとしての能力が高く、全てにおいてギャレンを凌駕し、ついには13体のアンデッドと融合を果たした彼を」といって橘を動揺させる。 橘は「違う! 剣崎を捕らえて、変身させなければいいんだ」と広瀬の言葉を否定するが、広瀬はそんな橘の言葉を聞いているのかいないのか、トライアルDの胸部に、薬指に指輪をした手でそっと触れるのだった。 そんな広瀬の様子を、橘は複雑な表情でみつめていた。 アジトにしているバーで、睦月は、自分が手にしたクラブのカードとハートのカードを並べ、これだけあれば誰もかなわない、と悦に入っていた。 カリスのカードの中にあったカテゴリーQ、以前封印寸前で橘の“カードは慎重に選ぶんだ”という言葉で止められて取り逃がしたオーキッドのカードを取り出して「この上級アンデッドだって、俺が封印するはずだったのに」と、不満げにつぶやいたりも。 そのとき睦月は、アンデッドの気配を察し「獲物が出てきたらしいな」と、封印に向かう。 人を襲ったジェリーフィッシュの前に、光(Cast:浜崎茜さん)が現れ、「カテゴリー7か」と不敵な視線を向ける。 光に向かいかけたジェリーフィッシュだったが、他の気配に気づいて、怯え出す。 何を怯えている、と、光がビルの上に視線を向けると、そこにはジョーカーがいた。 ビルから飛び降りてきた謎のアンデッドをみて、微かに後じさりしながら、光はつぶやく。 「ジョーカー…目覚めていたのか」 羽美に振り回される剣崎は、栞(Cast:江川有未さん)から、2体のアンデッドが出現した連絡を受ける。 遊びじゃないんだ、といってカードを取り戻すと、剣崎は現場へと向かう。 去る剣崎の姿を見て羽美は、ヒーローなんていない、と口にする。 現場に到着した剣崎は、始が変身した姿とも知らず、覚醒した凶暴なジョーカーと戦いはじめる。 そこには羽美も来ていて、見学だよ、などという。 凶暴な野獣と化したジョーカーの信じられないようなパワーに圧倒されるブレイド。 が、ジョーカーは苦しそうな様子を見せながら、不可思議な言葉をつぶやく。 「……だめだ……剣崎…」 そして周囲のものを破壊すると、どこかへと去ってしまう。 「あのアンデッド……何を言おうとしたんだ」とブレイドは首をかしげる。 大丈夫か、と羽美に近づいたブレイドは、羽美の荷物の中から、羽美が家族と楽しそうに笑う写真を見つける。 剣崎がまた変身したことを、広瀬は研究室で捕捉していた。 トライアルEを出すんですか、と、否定的に言う橘に、広瀬は、時間がないんだ、と、トライアルEを出動させる。 ジェリーフィッシュアンデッドを発見した睦月(Cast:北条隆博さん)はレンゲルに変身、ジェリーフィッシュと対峙していた光を押しのけ、かつて橘にオーキッドの封印を妨げられたときと同じブリザードとスクリューの組み合わせのカードを使い、さらにはカリスのカードを使ってスピニングダンスを繰り出し、「俺が最強のライダーだ」といってジェリーフィッシュを封印する。 そんな睦月に、光は「最低の戦いだな」と吐き捨てる。「アンデッドだな」と、睦月は光に敵意を剥き出しにするが、簡単にねじ伏せられてしまう。 「私は、私の種族をこの地球の支配者にするため、この戦いに命を賭けている! …君は何のために戦ってるの?」 光の問いに答えられない睦月に、光は「カテゴリーAに操られているだけか」と、軽蔑を露にする。 ジョーカーが目覚めた、君に構っているヒマはない、という光の言葉を聞いた睦月は、ジョーカー封印に闘志を燃やす。 両親のところまで送っていく、いい家族じゃないか、という剣崎に羽美は、優しかった家族は地震のため皆死んでしまったと明かす。しかも、自分を助けるために、目の前で…。 だから、守ってくれるヒーローなんていない、誰も助けてくれない、みんな自分が生きることしか考えていない、という羽美。 そんなことはない、と言いかけた剣崎を、何者かが攻撃してくる。 始に戻ろうと苦しむジョーカーの前に、カリスのカードに道案内をさせた睦月が現れた。 睦月はレンゲルに変身すると、リモートでカリスを解放。ジョーカーと戦わせる。 剣崎を攻撃したのは、トライアルEだった。 「ケンザキ…キサマヲ…トラエル」 剣崎は羽美に「君は俺が守る」と宣言、ブレイドに変身してトライアルEに立ち向かう。
![]() 苦しげな表情、怒りの表情ばかりだった今回は、これがむしろオアシス。 ![]() 必死な感じが、広瀬氏の蜘蛛の巣にかかってばたばたする蝶のよう。 ![]() 剣崎が危険な存在になったことを心配している、というよりは、この時点では剣崎のことを心配しているようにも。 ![]() 広瀬氏の差し出したマグカップを無言でスルーするのも、普通であれば丁寧に「ありがとうございます」と恐縮して受け取るであろう橘の、普通でない心理状態、広瀬氏との関係の変化を表していて秀逸な演出。 ![]() 悩みの深さ、橘自身の身の危うさを感じさせる、よるべない表情(ちょっと泣きたそうにも見え)。 ![]() “[トライアルDがいた特別庫の窓]「協力してもらえないかね」とマグカップの飲み物を飲みながら覗き込む広瀬氏”に続いて映し出される、“[トライアルEの特別庫の窓]窓枠ごしに小さく捉えられる、立ち尽くす橘の姿…”という絵は、すでに囚われの身も同然の橘の現状を視覚的に描き出していて、端的。 窓枠越しに見える橘の立ち姿のはかなげな風情も、この絵にぴったり。 ![]() 再現された、銃を握る手を前にして左手を上げるポーズが、かっこよく。 ![]() そこから一転、「だが俺のクローンを作るなんて聞いてない!」と張り上げた声は、肩を前後にするように上半身が揺れる身体の動きとともに、ちょっと幼げなのがツボ。 ![]() 広瀬氏は、橘さんに一体何を…と、コワクなる感覚がたまらない瞬間。 ![]() 強い光をスポットライトのように当てたライティングとあいまって、劇的。 ![]() 初期の烏丸所長に対する激しさは、橘さんと烏丸所長の特別な関係を表していたのかも、とも思ったり。 ![]() 「全てにおいてギャレンを凌駕し、ついには13身体のアンデッドと…」と話す広瀬氏の言葉を聞く、憤っているというよりちょっと泣きそうにも見える表情を経ての、再びちょっと幼げでさえある「違う! 剣崎を捕らえて、変身させなければいいだ」と張った声までの一連の表情は、広瀬氏の指摘が橘に与えたダメージの大きさをあざやかに表現。 ![]() 橘さんと同じ声で、ちょっとカタコトっぽいところが、コドモみたいでたまらなく可愛く… ![]() そこに広瀬氏にとって大事なものが埋め込まれているんだろうな…とは思いつつも、橘さんと同じ声でしゃべるトライアルEに、そんな手つきで触られると、妙な気分に…(笑) そんな広瀬氏をみつめて、せつなげにほそめていた目をちょっと見開く、心が動くのが透けて見えるような橘の表情の動き。 ![]() そんなマイナスの感情つきでも、橘さんのことを思い出してくれていたんだなあと思うとうれしく。 後に登場する「よし、クラブの7ゲット!」とともに、口調が微妙に“カードコレクターだった普通の睦月”なところが可愛く。 ![]() 剣崎に憎悪を抱いている、と言われたときの感情を、きっちり押さえ込ような静かな声ながら、トライアルEを剣崎に差し向けようとする広瀬氏への非難、なんとか止めたいという強い思いが、その底に熱く。
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Last update :
10th October 2004
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