プロデューサー ◆ 松田佐栄子(テレビ朝日) 日笠 淳 武部直美 宇都宮孝明(東映) その他のスタッフ ◆ Data Pageへ 放送日 ◆ 2004年10月24日 ※仮サブタイトル「W(ワイルド)カリス(後編)」
橘 朔也:天野浩成 上城睦月:北条隆博 広瀬 栞:江川有未 白井虎太郎:竹財輝之助 城 光:浜崎 茜 栗原天音:梶原ひかり 広瀬小百合:井上れい子 天王路博史:森次晃嗣 仮面ライダーブレイド:高岩成二 仮面ライダーカリス:伊藤 慎 仮面ライダーギャレン:押川善文 仮面ライダーレンゲル:岡元次郎 永瀬尚希 高田 瞳 金田進一(ジャパンアクションエンタープライズ) 真矢野靖人 佐々木征史 トライアルFの声:塩野勝美 ナレーション:小杉十郎太 広瀬義人:春田純一 栗原遙香:山口香緒里
剣崎を襲うトライアルFに目標を定めたワイルドカリスはこれまでにないパワーを発揮、13枚のカードが1枚になったワイルドカードをラウズ。必殺技ワイルドサイクロンでトライアルFを撃破する。 すさまじい破壊力を見せつけたワイルドサイクロンの爆風で意識を失った剣崎。 そんな剣崎に近づこうとするワイルドカリスに危機感を覚えた橘は、ギャレンに変身。ギャレンラウザーでワイルドカリスを牽制しつつ、剣崎を救い出す。 ワイルドカリスは特に反撃も追うこともせず、始(Cast:森本亮治さん)へと姿を変える。 やっと取り戻した“始”の姿に、笑みを浮かべる。 橘は剣崎を抱えるようにして、広瀬(Cast:春田純一さん)のいる部屋へと連れて来る。 剣崎を探していたのはこの人だ、と橘に紹介され、栞の父と名乗った広瀬の自己紹介を聞いた剣崎は、広瀬がアンデッドを解放したのは本当かと掴みかかり、橘が制止しても、そのせいで俺達は、人類は…と激昂を続ける。 そんな剣崎に広瀬は、不治の病に冒されていた妻を救うため、不死の秘密を探ろうとアンデッドの研究にのめりこみ、妻が死んだ日、妻を甦らせる方法を探ろうと、アンデッドを解放してしまったことを告白する。 広瀬の告白を聞いた剣崎に、橘は、確かに広瀬のしたことは過ちだったが、人の過ちを正せるのは同じ人だけだ、と諭す。 広瀬はさらに、独自にアンデッドの研究を続けた過程で、アンデッドと融合できるというジョーカーの能力を限定的に再現したライダーシステムは、剣崎のようにあまりにも融合係数の大きな者がライダーに変身し続ければ、やがてもう一人のジョーカーになってしまう事実をつかんだ、と告げる。 睦月(Cast:北条隆博さん)はアジトで、カリスのカードと引き換えに剣崎から受け取ったラウズアブゾーバーを空しくもてあそんでいた。使うには、カテゴリーQが足りないのだった。 それを聞いた光(Cast:浜崎茜さん)は笑い出し、「私か。封印する? 私を」と睦月に問いかける。 そんな二人の会話を“この人達は、何の話をしているの”と聞いていた天音だったが、外に始の気配を感じて飛び出していく。 天音を追った光に「手荒なことをするなよ」と声をかけた睦月に、呼び出しの電話が入る。 外に出た天音は、視力を失ったため転びそうになりながらも、やってきた始と無事再会する。 光は“今の奴からは、アンデッドの気配が全くしない”と、その光景を見届けて戻る。 剣崎をジョーカーになどさせない、と思い決めた橘は、広瀬から渡された剣崎の血液サンプルの分析にすぐさま取りかかる。 しかし、剣崎は、その広瀬に催眠ガスを吸わされ、眠らされていたのだった。 やがて広瀬は、眠っている剣崎を広い実験場へと運んでいく。 そこへ現れたのは、広瀬に呼び出された睦月だった。 彼を倒し封印すれば、ジョーカーの力が手に入る、アブゾーバーなど使わなくても、最強になれる、と誘う広瀬に睦月は、なんで橘さんにやらせないんだ、と疑問を投げかける。 「彼は優しすぎる。それに君の方が強い。違うかね」 広瀬のその答えを聞いて睦月は、剣崎が横たわるストレッチャーを蹴倒して剣崎を叩き起こし、レンゲルに変身。「ジョーカーの力を見せろ」と戦いを挑む。 突然のことにわけがわからない剣崎だったが、ブレイドに変身、光の壁でレンゲルを跳ね飛ばす。 ハートのKのカードを眺めていた始に、虎太郎(Cast:竹財輝之助さん)が、天音を見つけてくれたことの礼を言う。 「もとはと言えば、俺のせいだ」という始の言葉を聞いて、「そうだよな。お礼を言って損した」などと言ってみた虎太郎だったが、「どうやらもとの君に戻ったみたいだね。剣崎君のおかげ?」と、穏やかな表情で問いかける。 ああ、と応えた始は、剣崎がどこにいるか尋ねると、橘と一緒に行く約束があると言っていたという。 それを聞いた始の脳裏に、レンゲルと戦うブレイドの姿が。 「今度は俺の番か」と、始は、剣崎を連れ戻すために飛び出していく。 「さあ、これでパワーアップしろよ」 レンゲルはブレイドにアブゾーバーを突きつけて迫り、ブリザードクラッシュなどの技を繰り出してブレイドを攻撃。 「キングフォームにならなければ、死ぬだけだ!」とラウザーを投げつけられ、キングフォームに変身してしまう。 それを広瀬は、モニタでみつめいた。 「いいぞ。もうすぐ剣崎君の肉体は限界だ。剣崎君はアンデッド全てを取り込んで…ジョーカーとなる」 屋外カメラの映像から始が研究所にやってきたことを知った広瀬は、橘に命じて始の前に立ちはだからせる。 始は橘に、なぜ剣崎を変身させた、と問いかける。 剣崎が変身しているはずはない、我々は剣崎をジョーカーにしないためにここに隔離した、剣崎はベルトもカードも持っていない、という橘に、始は、剣崎は戦いの中にいる、だが、俺が止める、と言い放ち、橘の脇をすり抜けて内部へと侵入する。 橘は、始が相川始の心を取り戻していたことに気づき、始の言ったことは本当なのだと悟る。 レンゲルと戦っていたブレイドキングフォームは、不気味な笑い声をあげながら暴走を始めていた。 そこに駆けつけた始はカリスに変身、間に入って戦いを止めようとする。 広瀬の執務室に駆け込んだ橘は、隠し引き出しの中に残っていた最後の1枚のラウズカードがなくなっているのを見る。 橘は実験室へと走り、広瀬を探す。開け放たれたトライアルの格納庫に橘が入ると、外から扉が閉ざされてしまう。 扉を閉ざしたのは、広瀬だった。 覗き窓ごしに広瀬は、剣崎がまもなくもう一人のジョーカーとなることを橘に告げる。それを阻止するために、今まで俺達は…と言いかけて橘は、広瀬の本当の目的を察する。 アンデッドと融合してジョーカーになった人間の細胞を分析すれば永遠の命が手に入る、そのために封印できない改造実験体を差し向け、追い詰めて、キングフォームにした、剣崎がジョーカーになれば、彼の身体から永遠の命の秘密が手に入る、と広瀬はとりつかれたように語る。 妻も、君の愛する者もよみがえる、という広瀬の言葉を聞いた橘は、俺はそんなことは望んでいない、と叫ぶ。 「俺は剣崎を救いたいというあなたの言葉を信じた。 そしてあなたを…広瀬の許に優しい父親として帰してあげるために…ずっと!」 その橘の言葉を聞いた広瀬は橘から目を逸らし「永遠の命が手に入れば、娘も喜ぶ」と、覗き窓を閉ざして話を断ち切る。 橘はギャレンに変身、扉をその力で開け放つ。その勢いではね飛ばしてしまった広瀬に駆け寄ったギャレンを、広瀬は人間離れした力で弾き飛ばす。その力に驚くギャレンの前で、自身その力に驚いていた様子の広瀬は、その場から走り去る。 キングフォームがカリスとレンゲルを攻撃している場に、ギャレンが飛び込んでくる。 これは広瀬さんの罠だ、と叫んで止めようとするギャレンのことも、キングフォームは容赦なく振り払う。 カリスはワイルドカリスへと変身、ブレイドに襲い掛かろうとするレンゲルを制止、剣崎に語りかける。 「どうした剣崎、お前はそんな弱い人間か」。 キングフォームはワイルドカリスに切りかかりながら寸前で思いとどまると、変身を解除。剣崎は自分を取り戻す。 ワイルドカリスから戻った始を心配する剣崎を見て、橘は「こんなときに相手の心配か」と、温かな笑みを浮かべる。 研究所から脱出した広瀬は身体の変調を感じながら、車を走らせていた。 立ち去ろうとする睦月を橘は呼び止め、どこに行くんだ、と問いかける。 しかし睦月は、俺はまだあんた達に負けたわけじゃない、といって走り去ってしまう。 橘が睦月の後姿をみつめていると、剣崎がうめきながらしゃがみこむ。そんな剣崎に橘は「痛むのか」と、心配そうに寄り添う。 お前はもう戦わなくていい、広瀬さんにだまされたとはいえ、俺はお前に取り返しをつかないことをしてしまった、すまない、と、橘は剣崎に頭を下げる。剣崎は、人の過ちを正すのは、人、でしょう、と、橘に顔を上げさせる。 自分の中のジョーカーに勝てれば、キングフォームは最強の力になる、自分は仮面ライダーです、と、剣崎はこれからも戦う決意を表明する。 広瀬がやってきた、謎めいた建物の中。 そこにボードの理事長だった天王路(Cast:森次晃嗣さん)が現れる。 「君が二人目のジョーカーを誕生させようとしたとき、変化が生じた。 神が、気づかれたようだ」 「私の、私の体に何をした……天王路さん」 広瀬がワイシャツをはだけると、そこには金属質のボディが… それが君の本当の姿だ、という天王路に、広瀬は、俺は人間だ、と抗うが、天王路の答えは。 「人間、広瀬義人は死んだ。君はその記憶をもった…トライアルBじゃないか」 がっくりと膝をついた広瀬…トライアルBはつぶやく。 「栞…」
![]() その弾むような動きから、河原の石を蹴って立ち止まるまでの動作が、リズミカル。 ![]() 泣きそうなぐらい必死な表情。 最低限の動作で一直線に走り出す“変身!”とともに、剣崎が心配でたまらない様子。 ![]() ほんとに一所懸命な感じの、ちょっと艶のある声。 ![]() 剣崎よりちょっと小柄な橘さん、剣崎を支える手の添え具合とあいまって、健気な印象。 「大丈夫か」とかける落ち着いた声が、とても優しく。 ![]() 久しぶりに落ち着いて見る橘さんの表情のコンボ、剣崎君もタンノウしているのでは…と思えるきれいさ。 金色がかった室内の光もムード満点。 ![]() 引きはがされた剣崎が暴れるたびに橘さんの身体が乱暴されているように翻弄されて、ウォレットチェーンが激しく揺れているあたりが、室内全景を映し出す引きの映像の中で、プチ扇情的な修羅場模様。 ![]() こんなアングルでもきれいなんだ…と、かなり感動。 ![]() 不安げにあたりを見回す表情に、歴戦のライダーとなる未来など想像もつかない、“保護される者”という感じの若さが。 理事長の命を受けて(「はい!」と、いい返事! )烏丸所長を呼び、ライダーシステムの検討開始を告げるという、この物語の発端に関わる重要な役割。 森次晃嗣さんと『剣』で初めてからむのが天野さんという、超超光栄なことにも!!! ![]() だが、人の過ちを正せるのは、同じ人だけだ」という橘さんの、剣崎をじっとみつめての、静かな口調。 “鬼になんだっけ”“トライアルなんとか”な剣崎が、この言葉をこの回が終わるまでしっかり記憶できたのは、このほんの心持ち目を細めた橘さんの真摯な表情つきで記憶にやきついたせいでは…という気さえしてくる、きれいな表情。 ![]() 始さんの口から出た初“橘”? ![]() 「すぐに分析します」という静かな答えの研究者らしさと、「剣崎は」という心配そうな声の響き。 ![]() 「剣崎。お前をジョーカーになどしない」という言葉、本当に一所懸命… ![]() こんなときにも“橘さん”なのかと、ちょっとじんとくるシーン。 それに答えての広瀬氏の「彼は優しすぎる」は、うっとりもの! その言葉を聞いた睦月が納得して剣崎に向かっていったその心の片隅に、橘さんにできない汚れ仕事を代わりにやるんだという思いがかけらでもあったら、とてもうれしいところ。 ![]() 大きな目の印象がくっきりと見える、少年系のきれいさのある表情! ![]() アンデッドで人の気持ちがイマイチわからないかもしれない始さんにも、橘さんが本当にそのことを知らないことが一発で伝わりそうな、声のトーンのあざやかな変化。 うなずく始さんも、どこか優しげ(虎太郎に「橘が?」と返したときの険しい表情から、明らかに変化!)。 ![]() 始を信じるその心、意外だったほど。 ![]() 動→静の落差のおかげで、シーンがより緊張感をはらんだ静かなものに。 そしてここも、橘さんの表情がきれい。 ![]() あの薄青い研究室の中で静かな存在感をたたえていたトライアル格納庫がその舞台、しかも印象的に使われていた覗き窓の両側に分かれての応酬とは、まさにあの研究室シーンのラストにふさわしく。。 ![]() 大きな目を見開いての、驚きに悲しみがほんの少し入り混じったような表情が、あざやか。 「まさか…あなたの本当の目的は」の声のやわらかさが、かえってリアルな驚きを感じさせ。 ![]() 「俺は…」の静けさ、語気を強めた「そんなこと」から駆け上るように勢いを増していって爆発する語気。 続く言葉がまた、静かな口調となるだけに、小夜子さんのことに触れられたこの一瞬の爆発に重みが。 ![]() 静かな口調、でもその喉許が震えていそうな、表面静かなだけに激しく深い憤りが感じられ。 ![]() 広瀬氏に“娘さんと会ってあげるべきです”と言い募るシーン、栞ちゃんに何も言えないシーンを見てきてなお、こんなに橘さんは広瀬氏と栞ちゃんの幸福な再会を大切に考えていたのか、と、驚かされた言葉。 少し早口で言われた「俺は剣崎を救いたいというあなたの言葉を信じた」よりぐっと力がこもった「そしてあなたを…」。 剣崎だけでなく、橘さんは広瀬氏をも救いたかったのか? という印象を抱くのを待つような一呼吸の間の後にくる「広瀬の許へ優しい父親として帰してあげるために」の“優しい父親”という、情緒にストレートに訴えかけてくる言葉。 そして、耐え忍んできた気持ちを思わせる「ずっと…!」。 研究室での広瀬氏との、温かいとは言い難いやりとりの間中“ずっと”、橘がそんな優しい思いを抱いていたのかと思うと、せつなくなる響き。 言葉の内容とリズムの波状効果で、ぐっとくるフレーズ。 ![]() 話を断ち切ろうとするような、自分に言い聞かせるような口調、視線の動き、即座に覗き窓を閉ざす動作とあいまって、橘さんの言葉に心動かされている証のような。 ![]() きゅっと口許を結んだ決意の表情。 ![]() その声は、広瀬氏を追求めようとしているというより、広瀬氏を心配している響き。 ![]() あれだけ大暴走のキングフォームに、普通の剣崎に話しかけるように訴える橘さんの剣崎信頼度(?)。 ![]() その声は渋い先輩系の声なのに、続く笑みが、にっこり! (でも、アブゾーバーをもらったときの満面の笑みに比べると、先輩系の渋さもちょっと入った“にっこり”) ![]() やっぱり師弟のつながりはいいなあと、しみじみ。 振り返る睦月の表情も、なかなか複雑な情緒。橘さんを視界いっぱいに映した後、剣崎+始を収めた視点になり、その直後「俺はまだ、あんた達に負けたわけじゃない!」といって走り去るという流れをみると、橘さんと二人きりだったらどうなっていたんだろう…と、ついつい考えてしまうところ。 ![]() タイミング良すぎ… ![]() その声の優しさ、心配そうな表情の情感、剣崎がどんな手を使ってでも引き止める気持ち、丸わかり。 ![]() その深く沈んだ口調と、大きな橋をバックにしての思いっきり引きの映像の中のちまっと小さい姿が、手をきっちりと両脇に添えて、丁寧に頭を下げるところが、いとおしく。 ![]() 細められた目の情緒がたまりません。 ![]() その前のカットより見開かれた黒目がちの目の、潤んだ感じが、さらにたまらなく。 あの目にじっとみつめられていた剣崎君の心境やいかに。
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Last update :
31st October 2004
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