仮面ライダー
剣 ブレイド

Masked Rider Blade
EPISODE 37
新たな運命へ
  


Staff & OA
脚本 ◆ 會川 昇  監督 ◆ 長石多可男
プロデューサー ◆ 松田佐栄子(テレビ朝日)  日笠 淳  武部直美  宇都宮孝明(東映)
その他のスタッフ ◆ Data Page
放送日 ◆ 2004年10月17日

※仮サブタイトル「W(ワイルド)カリス(前編)」

Cast
剣崎一真:椿 隆之  相川 始:森本亮治
広瀬 栞:江川有未  白井虎太郎:竹財輝之助
上城睦月:北条隆博  橘 朔也:天野浩成

城 光:浜崎 茜  栗原天音:梶原ひかり

仮面ライダーブレイド:高岩成二  仮面ライダーカリス:伊藤 慎
永瀬尚希(ジャパンアクションエンタープライズ)

トライアルFの声:塩野勝美
ナレーション:小杉十郎太

広瀬義人:春田純一  栗原遙香:山口香緒里


Story
 人間の心を失い、暴走するジョーカー。剣崎(Cast:椿隆之さん)はブレイドキングフォームに変身。近くにいた天音(Cast:梶原ひかりさん)を助けながら、ジョーカーに「俺はお前を封印したくない」と訴えかけるが、野獣と化したジョーカーには通じない。
 剣崎はブレイドに変身、さらにキングフォームへと変化を遂げる。
 その様子を橘(Cast:天野浩成さん)は、広瀬義人(Cast:春田純一さん)とともに、広瀬の研究室のモニタでみつめていた。
 キングフォームとなった剣崎の融合係数がはねあがっていることも、橘は確認する。

 キングフォームとなったブレイド(ブレイドK)は、天音を船の陰に隠れさせ、理性を失ったジョーカーと戦う。
 その様子を見ていた光(Cast:浜崎茜さん)は、ジョーカーは人間の心を持ち始めていたが、今はただの獣、とつぶやく。
 そこに睦月(Cast:北条隆博さん)が現れ、ジョーカーと戦っているライダーがブレイドだと気づく。
 「またあの人だけ強くなったのか」
 光は、ジョーカーの獣化が、ブレイドKのせいではないかと考え始める。
 そのうちに、天音が船の陰を出て、戦いの場に近づいてくる。ジョーカーがブレイドKを攻撃した際の粉塵を浴びて、天音は目が見えなくなってしまう。
 ブレイドはスペード2〜6の5枚のカードをラウズ、ストレートフラッシュでジョーカーを倒す。
 しかし、倒れているジョーカーに始を重ね合わせるブレイドKは、ジョーカーの封印をためらってしまう。
 やがて立ち上がったジョーカーは再び襲い掛かろうとするが、そのときにタイガーアンデッドがブレイドに飛びかかり、アンデッドとの融合を解けと迫る。
 その間にジョーカーは姿を消してしまう。

 ブレイドKは剣崎に、タイガーも光へと変身を解除。
 ジョーカーにあれ以上凶暴になられては困る、という光は、ブレイドがアンデッドと融合するという、ジョーカーに非常に近い力を持ったキングフォームがジョーカー覚醒の原因だと剣崎に告げる。
 ショックを受ける剣崎だったが、再び眠気に襲われその場に倒れてしまう。

 視力を失って動けないでいた天音を、睦月がみつける。

 剣崎のキングフォームへの変身を見て、橘はますます危機感を募らせる。
 「このままでは、剣崎は本当に人間じゃなくなってしまいます」
 そのために新たな改造実験体を用意している、と広瀬は橘に告げる。
 改造実験体はキンヴフォームでないと消滅できない、下手に差し向けるとかえって剣崎を危険にするのでは、と心配する橘に、広瀬は、今回の改造実験体にはカテゴリーキングの細胞を使った、カリスをもしのぐその力なら、剣崎がキングフォームになる前に捕獲してくれるはずだ、という。
 このとき、橘は、改造実験体に利用されているアンデッドの細胞はどこから、という疑問を広瀬に投げかける。
 広瀬の執務室に連れて行かれた橘は、壁に仕込まれた隠し引出しの中に、アンデッドが封印されているプライムベスタ2枚が入っているところを見せられる。そのうちの1枚は、ハートのカテゴリーKだった。それらのカードは、広瀬がアンデッドを解放してしまった際、解放を免れたカードだという。
 橘は、トライアルFを使う前に、もう一度剣崎を説得に行かせてほしいと広瀬に申し出る。

 虎太郎(Cast:竹財輝之助さん)と栞(Cast:江川有未さん)に救出された剣崎はようやく目覚めると、栞から「13体のアンデッドとの同時融合などあり得ない」という烏丸所長の見解を聞かされる。
 烏丸が考えていたキングフォームはあくまでもカテゴリーキングと融合することだけだった。
 橘や始も13枚のカードを揃える頃だ、彼等はどうなるんだろう、という虎太郎の言葉を聞いて、剣崎は、始も13枚のカードを手に入れれば、自分のように新たな力を得て、ジョーカーの力を押さえ込むかもしれない、と考える。
 確証はないが、それに賭けてみたい、と、剣崎はハートのカードを持っている睦月(Cast:北条隆博さん)のもとへ向かう。

 視力を失った天音を、睦月は自分のアジトに連れ帰っていた。
 あんな子供を連れ込んで何をする、という光に、あいつはジョーカーをおびき出すためのエサだ、手を出すな、と睦月は釘を刺す。
 そのとき光が、睦月の仲間が来たらしい、と、気配を察知する。俺の仲間なんて…と表情を曇らせる睦月だったが、ライダーの誰かが来たのでは、と思い当たり、飛び出していく。

 やってきた剣崎を、睦月は、かつて橘が、睦月のアジトにたどりつく手がかりとなったナチュラルを見つけた階段のところで出迎える。

 家に戻らない天音を探していた虎太郎と栞が白井家に戻ると、橘がやってきていた。
 剣崎はどこだ、という橘に、栞は、まだ剣崎君を狙ってるの、と、不信感を露にする。
 橘はそれにはとりあわず、剣崎が無事なのかどうかを確認しようとするが、始のために出かけていると聞くと、表情を曇らせる。
 13枚のカードを揃えたらジョーカーの力を押さえ込めるのでは、と剣崎が考えていることを、橘は虎太郎から聞かされる。お前達もそう信じているのか、という橘の問いに、虎太郎は、ジョーカーがさらに怪物になってしまうかも…と口ごもるが、栞は、剣崎や始のために何かしてあげたい、橘のように倒せばいいとは思えない、と、橘の行動に異を唱える。
 栞のその言葉を聞いて、無言で立ち去ろうとする橘に栞は、何を考えているのか、と問い質す。
 しかし橘は答えず、剣崎の身体は俺が預かる、それがあいつのためだ、とだけ言い残して白井家を後にする。

 白井家を出てバイクを走らせる橘は、13枚目のカード…広瀬に見せられたハートのKのことを考えていた。

 剣崎をスタジアムに連れ出した睦月は、剣崎にいきなり殴りかかる。
 始のカードを渡して欲しい、という剣崎に、このカードより価値のあるものと交換なら考えてもいい、と睦月は応じる。
 ラウズアブゾーバーと交換なら、という睦月の出した条件に、剣崎はあっさりラウズアブゾーバーを差し出す。
今はキングフォームになることはできない、と言い残して剣崎が去ると、睦月はアブゾーバーを眺めて笑みを浮かべる。

 執務室に戻った広瀬は、隠し引出しが開いているのを見つける。
 ハートのKがなくなっているその中身を見て、広瀬は険しい表情でつぶやく。
 「橘君…何のつもりだ」

 あとはハートのカテゴリーキングだけ、と、バイクを走らせる剣崎に、レッドランバスを駆って橘が接触する。
 なぜアンデッドであるジョーカーのためにそこまでする、という橘に、剣崎は、始はジョーカーに戻りたくないと言っている、たとえ始の正体がジョーカーであったとしても、始は人間になろうとしている、自分の運命と戦おうとしている、と語気を強める。
 それを聞いた橘は、ハートのKを剣崎に示し「渡すには条件がある」ともちかける。

 その頃ジョーカーは水辺で、始に戻ろうと、ハートの2のカードをラウズしていた。
 しかしジョーカーの力を抑えることはできず、ジョーカーの姿に戻ったばかりか、その姿を見た人間2人を襲ってしまう。

 広瀬の執務室に戻ってきた橘を、広瀬は「カテゴリーKを勝手に持ち出すとは、困ったことをしてくれる…しかも、剣崎君に渡してしまったんだね」と橘を責める。
 素直に謝罪はした橘だったが、剣崎は自分達に協力すると言っている、その証拠にこれを、と、剣崎が差し出したベルトを示し、睦月に渡したアブゾーバーもいずれ自分が、と、言い募る。
 広瀬は、変身もできないでジョーカーに会うとは危険だ、トライアルFを迎えにやってよかった、と言う。
 トライアルFが差し向けられたことを聞いて、橘は動揺する。

 始のもとへとブルースペイダーを走らせる剣崎を、トライアルFが襲うが、剣崎はブルースペイダーをトライアルFにぶつけて逃走する。
 ジョーカーの居場所を電話で剣崎に伝えてきた栞に、剣崎は、始のことが終わったら橘と一緒に行くことを約束したので、しばらく帰れないかもしれないと告げる。
 語りかける剣崎にも、ジョーカーは襲いかかってしまう。その攻撃をかわしつつ、剣崎はジョーカーにハートのカードを渡そうする。
 そこに再びトライアルFが現れた。トライアルFに襲われながらも、剣崎はカードをジョーカーに投げつける。
 「これを使え、始。俺を信じろ!」。
 ジョーカーはハートのAをラウズ。カリスに変身すると、さらにハートのキングをラウズした。
 たちまち13枚のカードが浮かびあがり、カリスが進化。
 ワイルドカリスとなり、トライアルFへ向っていく。


Check! −天野さん橘さんみどころ−
 剣崎君のキングフォームを見て、飛びつくようにモニターに顔を寄せる橘さん。
 剣崎君の危機に、平静でいられない様子があざやかに。

 「剣崎が、またあの姿に変身してしまった」というときの、苦渋に満ちた表情。
 「このままでは…剣崎は本当に人間じゃなくなってしまいます」と言い切る語尾のきっぱりとした感じに、若々しい熱さと、部下として好ましい青年らしさが。

 「そのために、新たな改造実験体を用意した」と言われて、眉をひそめた表情を、ゆっくりとめぐらせて装置のほうを振り返る橘さん。
 改造実験体を禍々しく思う気持ち、その力に対する恐れをかたちにしたような動作。
 そこから、意を決したように口許をきゅっと引き結び、トライアルFを見に行く表情が映える、表情のつながり。

 「下手に差し向ければ、かえって剣崎を危険にするんじゃありませんか」と、抗議するように広瀬氏に向かっていく橘さん。
 最後の語尾は、手段を選ばず改造実験体を剣崎に差し向け続ける広瀬氏への憤りも含んだ強さになるそのフレーズ、“下手に差し向ければ”のあたりはささやくような静けさで、そこから一段強まっていくという口調は、広瀬氏に相対する橘さんらしさのポイントを象徴的に。
 「広瀬さん。前から不思議だったんですが、改造実験体に利用されているアンデッドの細胞は…どこから」
 眉をひそめ、口許をきゅっと締めたりしながら、きっぱりとした口調で切り出されるところに、この問いをぶつけることに必要だった橘さんの決意、この問いのタブー性がひしひしと。

 広瀬氏の執務室に入った瞬間、ちょっと部屋の様子を眺め渡すように首をめぐらせる(でもきょろきょろはしない)橘さん。
 橘さんが広瀬氏の執務室に入るのは初めてらしいことを的確に伝えるしぐさ。

 執務デスクの引出しの中の隠しボタンを押した広瀬氏の視線の先を振り向く橘さん。
 横顔がとにかくきれい。

 隠し引き出しの中にラウズカードを見たときの、驚きの表情。
 これぞアップにする価値大! と断言できる美しさ!

 ハートのカテゴリーKを見せられての、橘さんの驚きと、それがそこにあることの重大さを表してやまない「ハートの…カテゴリーキング」という橘さんの表情と口調。
 「しかし」と視線をカードから広瀬氏に向けたとき、そして「(これらのベスタは)どこから手に入れたんですか」と広瀬氏を見るときの目がきょろりとした表情は、素直そうで(ちょっと…かなり可愛く)、この期に及んでも橘が広瀬氏に背くつもりはないんだろうなあと、感じさせてくれるもの。

 「もう一度剣崎を、説得に行かせてください」という橘さん。
 静かな中に決意の秘められた口調、強い光を放つ瞳、微かにひそめられ、橘の気持ちの深刻さを示す眉。

 睦月のアジトを探しに来た剣崎を、かつて橘さんがナチュラルを見つけた石段のところで迎える睦月。
 橘さんは、ナチュラルに導かれてアジトにやってくるに任せ、「その人はいいんだよ。お客さんだ」と用心棒達を引かせて迎え入れた睦月が、剣崎には決してそこから先には立ち入らせないようにするかのようにそこで出迎え、そのまま別の場所に移ったことに、今回は天音を隠しておく必要があるという事情の違いはわかっていつつも、ちょっと感慨。
 もしかすると、光に“仲間”と言われて飛び出したのも、橘さんが来てくれたのだと思ったのかも…と思うと(ライダーでその場所を知っているのは橘さん)、「俺の仲間なんて…」とさびしそうにしている睦月が、かわいそうでならなくなり。

 虎太郎と栞が白井家に戻ると、机にタン、と音を立てて置かれる空の牛乳瓶。
 軽く瓶を上げ、低い声で「ごちそうさん」と告げる橘さんのダンディさがなぜかちょっと笑いを誘う、この深刻な展開の中ではオアシスに感じられる“隠れコミカルシーン”。
 橘さんと白井家トリオとの間に緊張関係がある今、【第22話】での「これ食ってもいいかな?」の笑顔が眩しく、しあわせな時間の象徴のように感じられるように、この橘さんも、後からさらにじわじわきいてくるのかも…

 「剣崎はどこだ」という橘さんに「まだ剣崎君を狙ってるの」という栞ちゃん。
 言葉の内容の剣呑さとマッチした、ぎょろりと橘さんを睨みつける目、不信感ありありの口調にも、どこか同級生感に近い親しさが感じられることが、ちょっと救い。

 「まだ剣崎君を狙ってるの」という栞の言葉を聞いて、橘さんにファイティングポーズをとってみせた虎太郎の拳に手をかけて、くい、と下ろさせる橘さん。
 そのしぐさの思いがけない優しさは、ほんとうに思いがけなかっただけに、かなり感動もの。

 「ジョーカーのために…」と表情を曇らせる橘さん。
 広瀬氏の前で見せる、剣崎を案じる表情とは違う、渋い大人の憂いの表情。

 13枚のカードを集めれば、ジョーカーの力を抑えられるかも、と聞いて「ばかな…」とつぶやく橘さん。
 その実、それを、虎太郎よりも栞よりも信じたのも、きっと橘さん。

 「橘さんみたいに、倒せばいいとは思えないのよ」と栞に言われたときの、橘さんの表情。
 栞をみつめたまま、悲しげなニュアンスを帯びた表情からさらに目を伏せる表情の動きの繊細さ、ちょっと泣きそうな自らの表情や見えない涙を振り払うように目を上げ顔の向きを変える動作に見える決意のようなもの、と、橘の揺れる心が透けて見えるような表情の流れ。
 こういう映像が観られるから『剣』は好き、と、言いたくなるぐらいの価値あるもの。

 「橘さん」と呼び止められて立ち止まる橘の、斜め後ろ姿の、無防備な感じ。
 「あなたは何を考えているの」と言われて振り向いた後の、【第31話】で始に対して“本当の目的を明かさない奴と手は組めない”と言い放ったときの表情に似た、相手を近寄らせない防御壁のような表情との落差、それだけに深い意味のある、振り向く動作と表情。

 カテゴリーKのカードを持ち出してレッドランバスを駆る橘の、思いつめたような表情。
 その直前の、カードを持ち出されたことを発見された広瀬氏が「何のつもりだ」というときの、笑みの消えた表情とあいまって、ものすごい緊張感をはらみ。

 剣崎と始のことを話す橘の、ヘルメットを着けた姿。
 涼やかな目のきれいさ、表情の豊かさが強調される、窓のような効果。

 カテゴリーKを持ち出したことを広瀬氏に責められ「それは…」と視線を揺らした後、一度目を伏せるアクションを経て広瀬氏を真っ直ぐ見て、素直に「すいません」と謝罪する口調の潔さ(力の籠もり具合が絶妙)。
 「あいつは俺達に協力すると約束しました」の訴えかける口調、「その証拠にこれを」と机の上にブレイドのベルトを置くしぐさにまでそのニュアンスが。

 睦月に渡されたラウズアブゾーバーについての橘さんの「それもいずれ私が」。
 “私”という改まった一人称が、たまらなくツボ。

 トライアルFが差し向けられたと聞いた瞬間の「トライアルFを」。
 口調にこの回一番はっきりと表れた非難のニュアンスの匙加減の絶妙さ、その匙加減にちょうどの表情、そしてその表情のきれいさで、みどころいっぱいのこの回のしめくくり。


EPISODE 36STORY PAGEEPISODE 38










Last update :
24th October 2004














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