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4th Aug.2000 Tokuma Japan Communications(TKVU-62510)
本気!
16 報復編
脚本:井上誠吾 音楽:村山竜二 撮影:長沼六男(J.S.C.)
北脇:賀川黒之助 夢作:小野寺丈 九:天野浩成 磯村:原口 剛 黒沼:松浦健城 須山:丹治大吾 スナックのママ:西 初恵 医者:坂本 朗 鬼頭:ジョニー大倉 ほか
そんな折、本気は同じ風組系列の磯村組組長から、娘婿で事業家の鬼頭という男を紹介されるが、本気は彼にヤクザの血のにおいを感じ、磯村組長が利用されているのではと心配する。 その数日後、渚の街に覚醒剤が出回り始めた・・・。
![]() ![]() ![]() ![]() そこに現れて九くんの命を救ってくれる染夜さんの、たまらないかっこよさ。 そして、九くんを殺そうとした連中を血相を変えて追おうとしたり、九くんに駆け寄ったりしてくれる兄貴さん達の真剣さ。特に北脇さん、場面が転換する直前に声だけ残った「頭…?」のひとこと、ほんとうに心配してくれている感情がこもっていて、感激もの。 九くんに拳銃を向けていたミツルを見つけたときにも、覚醒剤のことより渚の街を荒らしまわっていたチンピラとの関係より、北脇さんの第一声は「なんで九を殺そうとした!」だし(笑)。 ![]() やんちゃな九くんをどう扱っていいのか、やや持て余し気味に見える本気さんの表情(“釘さしとけ”のセリフとあいまって!)、ものすごく味。 ![]() きわめつけは、お医者さんが点滴の針をさそうとすると「痛くない…すよね?」と、すがるような目を兄貴さん達に向ける九くん。これには兄貴さん達も笑いながら、「先生の言うことをきけってよ。兄貴の伝言だ」(北脇さん)「がまんしろー。なー。」(夢作さん。完全コドモ向け口調【笑】)。そう言われて素直に「わかりました…」というものの、針をさされると大悲鳴の九くん…覚醒剤の注射なんて、一生できそうにありません(笑)。 仮にも“任侠”のジャンルの作品で(“青春”“学園”じゃないのに!)、こんなにカワイク微笑ましいシーンをやってしまっていいのかと心配になるほどの展開…天野さんが九くんをやっていなければ存在し得なかったんじゃあ… ![]() 夢作さんが、九くんの怪我を気遣って「なんだ九、もういいのか」と言ってくれたり、いつまでも寝てられませんから、と頑張る九くんに「頼むよ」と声をかけてくれのも、うれしいところ! (その後の夢作さんの「足りないなあ」北脇さん「やっぱ足りなかったか」夢作さん「うそっすよ」のやりとりの軽快さもいいです!) ![]() |
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『本気!15』は天野さん九くん登場作なので九くんのいい場面がいっぱいあるのは当然として、『本気!16』では通常Versionということで、単独の場面はあまりなくてもしかたないかも…と思っていましたが、とんでもありませんでした! 本気さんは渚の町の平和を守っているので、事件が発生すると捜査のような局面も発生するのですが、天野さん九くん、犯人が逃走に使った車を発見するなど、小林少年のような大活躍! そのうえ、一人で尾行していて命にかかわる危機に陥るになるなど、まるでヒロインのよう! 北脇・夢作の両兄貴さん達の天野さん九くん可愛がりぶりもさらに輪がかかり(これに対して本気さんが、ちょっとどうしていいかわかんなくて戸惑っているような気配がほの見えるあたりが味です【笑】)、さらには病院のお医者さんまでフレンドリーの輪に加わるというすばらしさです! その病院のシーンには、任侠系でこんなかわいいシーンをとってどうする、というぐらいのシーンもあって、ちょっとうれしすぎです! まだ発見していない皆様、草の根分けてでも探し出して観ましょう(笑)! |
倒れている九くんの頭上に拳銃を向けられて、天野さん九くんも「もうだめだ…」と覚悟の表情までして、一体誰が助けに来てくれるのかと思っていたら、助けてくれたのが染夜さんだったのでちょっと意外でした(てっきり両兄貴さん達だと思っていました【笑】)。でも、さすがに「お金になれば」本気さんをいつでも狙うと言っている凄腕の染夜さん、『本気! 15』からでも一度しか出会っていないはずの九くんもちゃんとチェックしていますね(笑)。 病院では、守峰さんが書いておられるように、少しセリフの単語が変われば学園ものの保健室にしか見えない(笑)お医者さんと九くんのやり取りが面白かったです。 最後の敵本拠地への討ち入りシーンでも、両兄貴さんとともに「出会ったときから命は預けてます!」と本気さんと一緒に討ち入りに行くため本気さんにお願いしたり、頭突きで相手を打ち倒すところ(頭を真っ赤にして【流血してという設定かな?】)などは、『BE-BOP HIGHSCHOOL』のケンカ場面をを思い出しました。 今回、もしかしたら前回よりも、天野さん九くんのセリフが増えているかもしれません。この調子なら、17、18巻も充分期待できると思います。楽しみです(笑)。 |
危機一髪の場面、助けてくれるのは両兄貴さん達でなければ、赤目さんとか…と思っていましたが、考えてみると赤目さんは本気さん一筋!ってカンジなので、一番あり得ないのかも(笑)。染夜さんのチェック眼、あなどれないですね! 病院のシーンが学園ものの保健室というのはウケましたー!(『保健室のオジさん』?) 『湘南純愛組!BAD COMPANY』でも保健室のシーン、楽しかったですよね。…でも『保健室のオジさん』だと、『ここはグリーンウッド』の光流先輩と忍先輩が1年生だった頃の話『雨やどり』での光流先輩のセリフ「(男子校でも)保健室ぐらいは女の先生がいると思ったのに…」ということになりそうです(笑)。 |
でも、はじめから敵と臨戦体勢 しているだけに、いつ怖いことが起るか、ドキドキです。そして訪れたピンチの場面で、顔をひきつらせている相手から、銃口を向けられた時には いったいどうすれば、と手に汗でしたが、意外に染谷さんが助けてくれて、うれしいような、びっくりしたような…。 しかし、九くん、応答のない電話に、ちょっと緊張感のないことを言ったりするあたりは、本気さんや、兄貴さんたちとの隔たりがあり、まだまだ九くんはがんばらなくちゃ、という部分と、ほっとするようなかわいさが感じられました。 九くん、ぜひ、次巻でも会いたいな、と思いました。 |
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でも、天野さん九くん、気合い入れて、お顔をなるべく怖く見せようとしているためか、子組のメンバーでは、とっても強そうに見えるんですね。それが、あのかわいさとのギャップになって、いい感じと思います。 |
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天野さんのギャップ…、はじめてお写真を見た時と、はじめて天野さんまもちゃんを見た時の、イメージのギャップ(笑)を今さらながら思い出しました。 |
原作でも九くんは、本気さんが九くんに希望を託すようなことを言っていたりするように、作品にとって重要なキャラクターですが、そうしたところ、出ていると思います。 |
初めて観たとき、ここまでやってくださるか! とものすごくうれしかったお医者さんに行ったときのシーン以外にも、兄貴さん達との日常を感じさせる、生活感あふれるシーンがいっぱいで、改めていいなあ、と思いました。そういうなんでもないことの積み重ねが、子組さんのつながりを深くするんだろうな、とも思いましたし、いつかお別れの日が来たりしたら、それまであたりまえのように感じてきた毎日のことを思い出して、悲しくなったりするのかも、と思いました。 |