16th May, 2008 Soiree
2008年5月16日(金)、劇団EXILE『CROWN〜眠らない、夜の果てに…』初日。天野浩成さんダニー、バイオレンス最前線!
劇団EXILE『CROWN』開幕
劇団EXILE『CROWN』開幕
青山劇場には、あの円柱に、黒地に赤の巨大な文字での“劇団EXILE”の大看板と、ポスタービジュアルを縦長にトリミングした同じく大看板。
そしてその奥には“劇団EXILE”というぼんぼりのような光るバルーンの柱が2本立ち、その奥にグッズ売り場!(ちょっと神社のお守り売り場のよう【笑】)
とりあえずパンフを買って、入場前にごはん。
そこから自分にとっての『CROWN〜眠らない、夜の果てに…』開始…
席はL列の下手側。
はじっこというわけでもなく、舞台全体を見渡せて、初日にはいい感じの席だったのですが、とりあえず天野さんの位置を特定するのに使おう、と思って使った双眼鏡から見える天野さんの動きや表情に思わずみとれてしまい、実は舞台、かなりの部分、メインのお芝居を観ていなかったぞ状態に…(意志弱すぎな自分!!)
【すごく納得 vs 驚愕。パンフレット】
文章的には、ゼネラルプロデューサーのHIROさんの“実は第一回公演はEXILES、第二回公演はEXILE!こっそりSが無くなっていたのバレました?(笑)深い意味はないのですが、心機一転EXILEのインパクトを強めるべく劇団EXILEとコッソリと改名させていただきましたので(笑)”という、天野さんがLDHにいらっしゃる間は、細かいことにカリカリしていてはいけないんだな…ということをよーっくわからせてくださるイカした文章にはじまり、脚本の和田憲明さん、演出の岡村俊一さんの、音楽のATSUSHIさんのページを経てキャストページに。そしてストーリーと、一番知りたかったことが載っている人物相関図!!
ここで天野さんは、千原ジュニアさん演じる“日本のヤクザ”岩本の3人の手下の一人、ダニー役と判明。
他の手下は小林顕作さん演じるタツ、月ゴローさん演じるガリ。
人数編成からすると『本気!』シリーズの子組と同じでなつかしいような気がするものの、そんなのどかなはずもなく…
ともあれ、天野さんが“日本のヤクザ”というのは、それはもうハマリ役なのでは! と、この段階で確信。
ここで驚愕の発見。
EXILE mobileのストーリー紹介では城戸愛莉さんが演じるように書かれており、【EX family:劇団EXILES】のキャスト表を見ても、城戸さんのお名前はピンでクレジットされていていかにも大役そうな雰囲気なので、城戸さんが演じるだろうな…と思うのが自然な、吉瀬美智子さん演じるヒロインの娘・シュエメイ役が、城戸さんではなく水野さんになっていたこと!
そういえば、キャストさんブログのどこかで、水野さんはいつも吉瀬さんと一緒、という写真が掲載されていて、“娘役の城戸さんと一緒じゃないのかな…?”と思ったりしたことも…
(そして、城戸さんはMATSUさんがダンスを教えているダンサーの役とのことで、水野さんに比べるとほとんど登場シーンなし。)
【R・U・P:劇団EXILE『CROWN〜眠らない、夜の果てに…』】でもシュエメイのキャスト名が抜いてあるし(ワンとユウが抜けているのには理由あり)…
観てみると、シュエメイのほうがシャオティン以上にヒロイン? というぐらいの重要な役なので、ここまでこんなにキャスティングがあやふやだったことが、あらためて驚愕!!
そしてキャストページ。
MATSUさん&USAさんは写真だけのページも含め4ページずつ。
千原ジュニアさん&吉瀬美智子さんは各2ページ。
ちょっといろいろなページがはさまってから…
平沼紀久さん、小林顕作さん、城戸愛莉さん、水野絵梨奈さん、こぐれ修さん、各1ページ。
天野さんと秋山さんがお二人で1ページ。
あとの大人キャストは1/3ページずつ、キッズは8人で1ページ。
キャストには予め聞かれた7つの質問の中から、いくつかの答えをスペースに応じて(例:EXILEの方は全問、1人1ページの方は5問)掲載。
質問は
-------------------------------------------
○あなたにとって「夢の国」はどこですか?
○日本のいいところはどこだと思いますか?
○では逆に、日本の短所はどこだと思いますか?
○「どん底」を味わったことがありますか?
○そんな時、あなたの救いとなったものは何ですか?
○あなたなら「王様」と「ピエロ」、どちらでありたいですか?
○では客席のお客様にメッセージをお願いします。
-------------------------------------------
…で、天野さんは1/2ページなので、“○日本のいいところはどこだと思いますか?/○では逆に、日本の短所はどこだと思いますか?”の2問のお答え掲載。
“あまのです!!!”なあまのさんからは想像もつかない漢字いっぱいの(“アジア”まで“亜細亜”と書いてあると、ちょっとびびります!!)、でも天野さんのこれまでのインタビュー内容から“天野さんはこういうことを考えるだろうな”とすごく納得の、誠実なお答え。
ちなみに、秋山さんは“「どん底」”が採用されているのですが、これが天野さんが雑誌等でよく語られていた経済的窮乏体験談より暗い迫力があって、すごいです…
【なぜ笑いが!? 千原ジュニアさん(&天野さん)登場】
密入国者達がコンテナで荷揚げされる港のシーンから始まる『CROWN』。千原ジュニアさん演じる岩本に率いられて、天野さんダニー登場!
…そのときなぜか、客席(一部ではなくて、かなりの広範囲)で、笑いが!!
千原ジュニアさん、自分の知らないネタか何かをやったとか!?
(でも、終演後おともだちに聞いても、特にそんなことはなさそうとのこと…)
皆さん…なぜそこで笑う!?
(そしてもし笑いが起こる理由が特段ないシーンだとしたら[その後怒涛のバイオレンスなので、出オチとかするようなシーンとは思えないのですが!!]、登場するなりいきなり笑いに包まれた天野さんも、“なんで? なんで?”と内心思われたのでは!!)
【キレキレ! 手馴れたバイオレンス、天野さんダニー】
そこから千原さん岩本の部下の天野さんダニー達、USAさんの仲間を殴る蹴るのバイオレンスに突入するわけですが…天野さんダニー、殴る蹴る、うますぎ!!
本当に職業的に手馴れた雰囲気で、ワルモノっぽく(セラミュの時点ですでに“殺陣が悪役っぽい”と指摘されていたりした天野さん…)、目の覚めるようなアクションで、殴る、殴る、蹴る!!
これまで我々が男性いっぱいの舞台(イベントを含む)で生天野さんを観るとき、天野さんの身長が低いほうになってしまうほどの高身長な人々に囲まれていることが多かったですが、今回の舞台はそんなことは全くなく(平沼さん、秋山さんのLDH俳優陣は高身長ですが、天野さんとはほぼからみなし)、ものすごく手足の長く感じられる天野さんの殴る蹴る、ものすごくあざやかに見えて快感!!
それでも、千原さん岩本が、USAさん演じるジュウユウと敵対する北京のマフィアとつるんでいた疑いのある手下をさくっと始末すると、複雑な表情を浮かべる天野さんダニー。
…このあたりから、双眼鏡の誘惑に勝てず、双眼鏡で天野さんだけ観っぱなし道に堕ちていく自分…
舞台全体は、裸眼で観て十分な前の方席にいったときに観ればいいや! と、思ってしまうほど、天野さん、観ていたかったもので…
銃撃戦で、千原ジュニアさん岩本をかばうように両手を広げて動く天野さんダニー。
ちょっと腰が引けて怖そうなのが、リアル。
【《bambino》と違いすぎ! 高級クラブ《CROWN》】
MATSUさん演じるマーサが切り盛りする高級クラブ《CROWN》。そこでMATSUさんやJ Soul Brothers の皆さんが踊るショーのシーンが。
そこで声高らかに&調子よく、秋山真太郎さん演じるお店のスタッフが、ダンサー達を紹介するシーン。
平沼紀久さんが出演されるネットラジオ【あっ!とおどろく放送局:時速246の とりあえずお生で!−2008年5月11日放送回(】に秋山真太郎さんがゲスト出演されたとき“ラッパー秋心としても活動している秋山さんに、それを活かせる場面があるかも?”と平沼さんがおっしゃっていましたが、このシーンでは!
そしてこのときの秋山さん、ものすごく声が大きく通って、全体的に声がこもりがちな今回の舞台で、目立ってました!
そしてダンスショー。
…若い男性が踊るショーというと、ぱっと『bambino』を思い浮かべてしまう自分も、何かが間違ってる…とは思うのですが。
そういう自分の過ちはさておき、どちらも若い(おおむね)若い男子が歌い踊るショーなのに & 『bambino』のボーイズも必ずしも三浦涼介さん演じる優のように可愛らしい子ばかりというわけでもないのに、雰囲気が“ボーイズ”と“野郎共”というぐらい違って、別世界なカンジ!
男祭りというか筋肉祭りというか、なんかスゴイ!
女性に人気のある若い男性グループ、といっても、ずいぶんいろいろなんだなあ、と、しみじみ。
【雷門+弓削智久さん+α。天野さんダニー@《CROWN》】
そして《CROWN》に、天野さんダニーを含む、岩本の手下3人組登場!ここでの天野さんダニーは陽気で楽しそうで、バイオレンスシーンとはまた違ったみどころが。
女性に対してエッチな関心もいっぱいありそうな天野さんダニー、『猿飛佐助 闇の軍団II』の雷門っぽい雰囲気も!
さらに言うと、ちりちりさせた髪の毛など、なんとなくルックスが弓削智久さん的イメージも。
(※まっすぐな髪にあごを中心としたヒゲ、というパンフのルックスとは全く違うので要注意!)
そんな天野さんダニー、岩本さんは怖いぜ、この間もあっさり人を殺したんだから、と小林顕作さんタツがしゃべるのに合わせ、糸が切れた人形のように倒れてそのシーンを再現する天野さんダニー。
この倒れ方が、本当にピエロの操り人形の糸を切ったような!という感じの面白い動きで、かなりなみどころポイント!!
このあたりでは、天野さんダニーと同じく千原さん岩本の手下・月ゴローさんガリとの天野さんダニーのスキンシップも楽しく。
そのあたりはちょっと『本気!』シリーズでの、小野寺丈さん夢作兄貴と天野さん九くんを思い出させてくれたり。
この後、MATSUさんマーサにも手をかけたりして「言い訳してんじゃねーよ!」とすごむ天野さんダニー。ヤクザ発声、得意科目っぽいです!!
ここで気づいたのですが、天野さんダニー、小林さんタツと月さんガリとトリオでかなり舞台登場時間が長く、そこであざやかなアクションや豊かな表情を見せてくれていたものの、代表してしゃべりまくるのは小林さんタツで、天野さんダニーと月さんガリは無言で表情豊かにやりとりしていることがほとんどのような…
その小林顕作さんタツ、楽しすぎ!
天野さんダニーがバイオレンス最先端! という感じになるのも、日本ヤクザ手下トリオの小林さんタツがギャグ方向に走り、月さんガリはちっちゃくて殴る蹴るしててもキュート…という感じなので、必然的に天野さんが真面目バイオレンス担当になることに。
【すばらしい女優さん。シュエメイ役・水野絵梨奈さん】
ものすごく重要な役なのに、配役発表がイマイチ透明じゃなかったシュエメイ役の水野絵梨奈さん。この大役を演じるにふさわしいすばらしさ!
とにかく声がクリアで、劇団の中で一番よく通るといってもいいぐらい。
発音もクリアで、中国人カタコトのときも、普通のセリフのときも(この作品では、中国人は、その中国人が日本語を話しているというシーンではカタコト日本語、中国語を話しているシーンでは普通の発音の日本語[で、それが中国語で話されていることを、周囲の人間が“中国語はやめんかい!!”等叫んで側面から伝える]、という決まりになっているので両Versionあり)、ひとことひとことが聞き取れるだけでなく頭にクリアに入ってくるぐらい明瞭。
そのうえ感情表現も大きくて、もう15歳で高校生年齢のはずなのに子供みたいな泣き声を出せて、そしてダンスがとびきりキレイ!
パーフェクト!!
LDHのアーテイストさんのPVで、水野さんと天野さん(こうやって並べると、セーラームーンのキャラクターのよう…【笑】)で『Love like candy floss』ふたたび! なロマンス映像があったらいいなー、と、水野さんと同じ年齢の方が演じた役の同級生のパパを天野さんが演じられた後も、懲りずに夢見てみたりします!
【わかる笑い、わからない笑い。MATSUさん】
MATSUさん演じるマーサの店に置いてもらうために、さっきはできなかったストリップも頑張る! と脱ぎかけた吉瀬美智子さん演じるシャオティンに、MATSUさんが言うセrフ。「俺、女のハダカに興味ねえから」
…このセリフで、劇場になぜか笑いが!!
なぜそんなにウケるのか…MATSUさんと“女のハダカ”には、何かファンの皆様にしかわからない因縁があるのか!?
…という謎の笑いに比べると、MATSUさんが吉瀬さん演じるシャオティン(か、水野さん演じるシュエメイ)に触れられて「いやぁん!!」と声をあげるところが大ウケするのは、ものすごくわかりやすく!
(この笑いは鉄板。直前に人がガンガン殺されていようが、MATSUさんがこの声を出せば、劇場は笑うという、ある意味怖いぐらいの最終兵器!)
その後、吉瀬さんシャオティンが、ストリップがだめなら歌を歌う、と言って曲名を言うと、MATSUさんマーサが妙なリアクション(この時点で笑い)。さらに吉瀬さんシャオティンに“この曲嫌い?”のようなことを聞かれると「いや、歌ってくれ」。
ここでもものすごく笑い。
なぜ!?!?
そして、KIDSダンサーと一緒に踊ろうとシュエメイが楽しそうに出かけていった後、シャオティンとともに自分もその場で休憩する、と継げたMATSUさんマーサの「年だね」。
…ここは笑いの理由がわからないでもないですが、笑っちゃうなんてヒドイです、皆さん(笑)
【疑問。“CROWN”と“CLOWN”】
MATSUさんマーサが吉瀬さんシャオティンに、子ども達が踊っていたダンス『CROWN』は、自分が子供の頃初めて作ったダンスだと説明するシーン。『CROWN』はどういう意味? 王様? 王冠? と尋ねるシャオティンに、最初はそういうつもりでつけたけど、ダンスで“クラウン”といったらピエロのことなんだよな…と、話すマーサ。確かに、振り付けは、鼻に握り拳をあて、高く掲げた肘から提げた肘から先の腕をぶらぶら揺らす、と、ピエロ的な動きが随所に。
…でも、王冠のつもりでつけたなら、タイトルはこの舞台のタイトルになっている“CROWN”、ピエロだと“CLOWN”で、互換性はないのでは…?
…と思いかけましたが、いかにも純日本人な雰囲気で、特に英語が得意そうという気配もないマーサが子供の頃につけたタイトルは、たぶんカタカナで『クラウン』だったので、それもありかなあと!
【真骨頂! 天野さんダニー、最大の&最後の見せ場】
それまで小林顕作さんタツの影のように、超ハイテンションでしゃべりまくるタツの近くで月ゴローさんガリとセリフなしの表情豊かなリアクションを見せていることが多かった天野さんダニー。子供達とうちとけてダンスをしに行っていたシュエメイを一緒にいた他の子供達もろとも捕まえ、シャオティンを連れ去りに来るという、超重要なシーンで、初めて単独で(※岩本部下トリオの中では。一緒に子供達を連れ去りに来る仲間達は4人ぐらい一緒)登場!
子供をつかまえるという“幼稚園バスを襲う怪人”的に典型的な & ヒロイン・シャオティンを、スローモーションのアクションで思い切り殴るといった千原ジュニアさん岩本でさえしない“悪”の限りを尽くすという、超重要なシーン。
そして天野さんダニー、『BE-BOP-HIGHSCHOOL』のヒロシや『湘南純愛組 BAD COMPANY』の弾間龍二役を経て、20歳そこそこで数多くの任侠系Vシネに出演という、若手俳優さんの中ではかなり異色な“任侠系エリート”なキャリアにふさわしい、ものすごい迫力!
ちぢれた髪に浅黒い肌で“ダニー”という名前という、アフリカ系アメリカ人入ってる? と想像させるルックスで、コテコテの日本ヤクザなセリフ回しやしぐさというの、ジェロさんのようで、時流に乗ってるかも(笑)。
そしてその果てに、“カマ野郎”と言われてカッとしたMASAさんマーサに撃たれてしまうという、あっけない最期。
その後、襲ってきた北京マフィアを撃てというシャオティンに「俺、人なんか殺せないよ!」と叫ぶMASAさんマーサには“さっきダニー殺したんじゃ!!!”と思いっきりツッコミたくなったのは、言うまでもありません!
天野さんダニー退場は、19:00開演(ぴったりだったか多少押したかはチェックしてませんでした)で、20:20頃だったかと。
早すぎる…と最初は思いましたが、その後は“えっ!?”と思うほど展開が速くなるので、物語の終末に向けての怒濤の展開のさきがけという感じで、それはそれで、誇らしく。
【社長ぉぉっ!! 岩本組(without ダニー)コントシーン】
天野さんダニーを射殺したMATSUさんマーサが《CROWN》に帰ってくると、カウンターの奥から小林顕作さんタツ、月ゴローさんガリ、ほか何人かの岩本さん部下達が「ニャー!」と飛び出してきて。どうやって入ってきたんだ、というマーサに、タツが「岩本さんから鍵預かって」と言って、鍵を他の仲間に放り。
そこから鍵を投げ渡していくそきに“1、2、3(アホ)、4、5、6、7、ハァ〜!!”と、世界のナベアツさんギャグを!
それだけでも十分お笑い系なのですが、ここから小林顕作さんタツの仕切りで、コントシーンに突入!
(※リピートしてわかったことですが、実はここが日替わり!)
小林さんタツに「おい、KEIJI、とびきりの8にしてやれ」と、ソロを振られるKEIJIさん。
でも、本職はダンス、芸人さんでも俳優さんでもないKEIJIさん、ちょっと恥ずかしげに腰を揺らして“ハァ〜!”。
…若干微妙な空気になりかけそうなところを、小林さん、2階席に向かって「社長ぉぉっ、観てますか!! J Soul、頑張ってます!!」と、超いいひとなフォロー! 客席大ウケ!!
小林顕作さんタツは、その後、MATSUさんマーサがシュエメイを見逃してくれ、と背中から抱きつくように懇願するシーンでの「そんな趣味ねーよ!!」でも大ウケ。
スターです!!
【早期退場特典。児童ポルノ未遂シーン不参加】
そんなコントシーンから、いきなり「岩本さんも気がきくよな、オレ、どっちかっつーと、ガキ無理矢理やっちゃうほうが好きなんだよなーっ!」と、ハイテンションそのまま児童ポルノの領域に突入していくのが、小林さんタツのスゴイところ!そこから、スローモーションの動きで、小林さんタツを含む4人がかりでシュエメイを押さえつけて“ガキ無理矢理やっちゃう”シーン(もちろん未遂)に…
天野さんダニーは、もしこの場にいたらデフォルトで参加だったはずなので、早期退場しておいてラッキー!
“単純所持だけで違法に”という法制化が話題の、とびきり“悪”度が高いシーンに天野さんダニーは参加させない、というのは、会社のオヤゴコロ?
【独特のリズム。千原ジュニアさん岩本】
天野さんダニーのボスである、千原ジュニアさん岩本。
自らが幼少時に日本に帰化した在日韓国人であることや、生ぬるく、何もかもを(外国人を露骨に差別しない“やさしさ”さえも)持っている、でもそれは外国人を受け入れた“ふり”をしているだけ、という日本への嫌悪を語るシーンで、その持ち味全開。
そのセリフ回しは、のたのたのた〜としていて、決して声がすごく通るとか滑舌がキモチイイとかではないのに、迫力と味わいがある、独特のリズム。
…でも、そんな千原ジュニアさん岩本が、シュエメイの居場所を教えようとしないマーサに裏切られたと感じてマーサを激しく殴る蹴るしておきながら、マーサがぐったり動かなくなると「病院や!」とあわてる、かなりせつないシーンなのでは? と思われるところで笑いが出るのが、またわからないところ。
吉瀬さんシャオティンとUSAさんジュウユウの切実な中国語でのやりとりに、千原さん岩本が「日本語でしゃべれや!!」と繰り返し叫ぶシーンでも笑いがでる等、千原ジュニアさんまわりの劇場の反応、よくわからないこと多し!
【『そして誰もいなくなった』か『スイッチを押すとき』か。怒濤の展開】
その、千原ジュニアさん岩本の語りがあったその“場”のシーンは、誰が生き残るかわからない、怒濤の展開!
『そして誰もいなくなった』か『スイッチを押すとき』か、というイキオイで、主要人物が次々に死亡!
そのなかで、千原ジュニアさん岩本の「オレ、もういくとこないねん」と、USAさんジュウユウの「ボクも、いくとこ、ナイよー!」は、たまらなくせつなく。
USAさんジュウユウの最期はかなり意外性あり。
みんな死んでしまって、ラストはどうするの? と、ぼうぜんとしたほど。
【スケール感! こぐれ修さん大人(ターレン)】
経緯が謎なシュエメイの配役に対し、こぐれ修さんについては、役名・配役が発表されていないことに意味があり。ネタバレBBSですが、検索エンジンのテキスト表示等で見るつもりのない方にも見えてしまったら申し訳ないので、こぐれ修さんのラストシーンでの役については中国語の偉い人への敬称“大人(ターレン)”とだけ…(実際、そこに登場しているこぐれ修さんは、名前を明かさずにシャオティンからの伝言だけを伝えようとしていましたし!)
こぐれ修さん大人がシュエメイにかける言葉は、深い慈しみと、その慈しみがあふれるのをとどめようとしているような抑制が感じられて、とにかく魅力的。
そしてそれ以上に“すごい!”と思ったのが「中国は大きい。大きく動く」というセリフのスケール感!
舞台の背景にあって、劇中の随所で中国の不穏な空気を表現する記号や文字が映し出されていたスクリーンが、ただ静かな空を映し出していても、その言葉を語るこぐれさん大人の後ろには、この物語の登場人物みながどんなに頑張ってもどうにもできない時代の流れが見えてくるようで、それまでの、新宿や池袋といった地名レベルの抗争から、さあっと視界が開ける感覚。
唐突にも思えるそのセリフに、そういうスケール感をこめられるこぐれ修さんとこぐれ修さん演じるこの作品での役、作品をより高いところに!
【スリルとロマンとサスペンス! カーテンコール(DANCE!)】
MATSUさんマーサと水野さんシュエメイの心温まるシーンで閉じた幕が開き、カーテンコールに。最前列はMATSUさんとUSAさん、水野絵梨奈さんと城戸愛莉さん、そしてキッズ。
天野さんは、そのすぐ後ろの中央付近!(正確には、小林顕作さんがセンターで、その両側に平沼紀久さんと天野さん、という感じ)
そのままおじぎして観客の拍手に応えるだけなら、いい立ち位置で感激! ですむのですが、その立ち位置のまま、EXILEの曲(たぶん)に乗ってのダンスが始まってしまうのでタイヘンなことに!!!
長身で、ちょっとうつむき加減で、両腕をさりげなく動かして、複雑なステップを踏む、ダニー仕様の天野さん(けだるい感じが、ダニーの雰囲気にぴったりかも…?)。
単独で観ていたら or クラブ等でみんなが自由に踊っている空間でだったら、かなりカッコよかったのではと思います。
が、問題は、天野さんの両側の小林顕作さん(コンテンポラリー・ダンスのカンパニー《コンドルズ》メンバー)、月ゴローさん(昔ジャニーズと一緒にダンスレッスンを受けていらしたとのこと。あのキュートなルックスできびきび踊る姿は必見もの!!)が、両手も軽やかに動かしてちゃきちゃき踊っていて、しかもそれがキッチリ揃って見えること!!
天野さんの動きも、手順的にはつじつまが合っているのかもしれませんが(かなり複雑なステップはとりあえず手順通りいっていたような気がするので、それだけでもかなり立派だと思います!)、お一人だけにょきっと身長が高いことも災いして、遠目に全体を見ると、なんとなく“立ち往生”という言葉が浮かんできそうな印象に…
かなり力を込めて見入ってしまって、平沼さん&小林さん&天野さんの立っている部分がせり上がって(すごいぞ青山劇場!)、3人でおじぎ(この豪華なカンパニーでそのポジションに入れていただいたこと、かなりうれしく!)をされたときにも、手拍子を拍手に切り替えるのをうっかり忘れそうになるほどの、スリルとロマンとサスペンス!
社長さん的には天野さんダンス、どうだったのか、気になるところです…
出演者全員ダンサーというわけではないので、天野さんと同じような目に遭っている人がいてもよさそうなところですが、こぐれ修さん(劇団☆新感線ではダンスされていたというのに!!【涙】)、千原ジュニアさん(【こぐれ修の俺はいつもハイトーン!:2008年4月30日_「劇団EXILE」カーテンコールのダンスが辛い】によると「踊るくらいやったら降りますわぁ。」とまでおっしゃていたという…)、吉瀬美智子さんといったメインキャストの皆様は、ダンスはパスして後から登場され、ダンスしているのはバリバリ踊れる方ばかり…
(…天野さんは、ダンサーさんだけが踊るのではなく“出演者全員参加のダンス”という本来の精神を体現しているという意味で、ものすごく重要な役割を果たしているのかも!)
劇団EXILE公演ではこのダンスは恒例とのこと。
…向上あるのみです天野さん!!
【“駐車場の時間が” ごあいさつ】
ダンスではタイヘンそうだった天野さんですが(笑)、いったん幕が閉じて再び幕が開き、USAさんが前に進み出ると、後ろで元気に盛り上げ!USAさんが話し出そうとすると、MATSUさんがすっと前に進み出て「はい、ありがとうございましたー!」とシメてしまうというボケも(笑)。
そしてUSAさんは「アリガトウゴザイマシタ」と、中国人日本語風に。
MASAさんは、1ヶ月の稽古を経て舞台に立てることの喜びや、キャスト・スタッフの皆さんへの感謝の言葉、“Love, Dream, Happiness”を持って帰っていただけたらうれしい、ということをおっしゃって「また観に来てください!」。
千原ジュニアさんはふられると「駐車場の時間が迫ってますんで」とボケてみせたあと「ありがとうございました!」と、お笑いの方らしく。
ステージ上も客席も、いい盛り上がりのカーテンコールでした!