おいしいプロポーズ   日曜劇場
おいしい
プロポーズ

 
第4話
片思いのスープ


Staff & OA
脚本 ◆ 小松江里子  演出 ◆ 山室大輔
プロデュース ◆ 伊藤一尋
プロデューサー補 ◆ 佐々木雅之  演出補 ◆ 高津泰行
その他のスタッフ ◆ Data Page
放送日時 ◆ 2006年5月7日(日)21:00〜21:54


Cast
白石鈴子:長谷川京子  葛城春樹:小出恵介  島崎沙織:小林麻央  浅倉ミチル:サエコ  柏木マキ:小池栄子
桑原裕介:天野浩成   藤田 翔:大東俊介  メアリー富田:石田未来  片瀬未来:清水由紀
社長秘書:大門マキ  白石ちはる:黒田 凛  藤森拓海:小澤征悦
大河内孝信:石井正則(アリ to キリギリス)  白石 徹:天野ひろゆき
玉寄兼一郎[柔道部員]  四方 宗
高林由紀子[葛城房栄]
芸プロ  稲川素子事務所  劇団ひまわり  劇団東俳
大河内民雄:西村雅彦  葛城道造:橋爪 功


Story
 酔っ払っていた春樹(小出恵介)にキスされた影響か、鈴子(長谷川京子)は春樹に別荘に招かれてダンスを踊り、キスをする夢まで見てしまう。
 無意識のうちに春樹を気にし始めている自分に戸惑う鈴子は、最近オーナーとは会っていないのかという大河内マネージャー(西村雅彦)の言葉にも、自分とオーナーは何の関係もない、変なことを言うのをやめてほしい、と大声を出してしまい、スタッフ達の注目を浴びてしまう。

 春樹のオフィスにミチル(サエコ)がやってきて、鈴子に身の程を知れと言ってやったと言い出す。
 ミチルは幼なじみ以上の存在ではない、と春樹が言っても、自分はそうは思っていない、あんなオバサンに春樹さんを取られたくない、沙織さんだったら仕方ないけど…などというミチルを、大河内秘書(石井正則)を呼んでオフィスから連れ出させる春樹。

 春樹の亡くなった兄・修一の三回忌の法要がとり行われた。
 修一の遺影の前で一人たたずむ沙織(小林麻央)に声をかけることができず、じっと見守る春樹に気づき、沙織は振り向いて微笑む。
 道造(橋爪功)・房栄(高林由紀子)夫妻がいる部屋に春樹と沙織がやってくると、道造は、修一が香港で亡くなってから中断していた香港での事業を再開をすると宣言するとともに、沙織にもそろそろ修一のことを忘れて、新しい旅立ちをするようにと話す。
 それを横で聞いていた房栄は、修一を忘れろという言葉に激しく反応し、修一は自分のたった一人の息子だといい、いい年をしてまだ何人もの女とつきあって、と、道造をなじる。
 春樹が思わず、母さん、とかけた声にも、今日だけは母さんなんて呼ばないでちょうだい、と、春樹を拒絶する房栄。  つらそうな春樹を、その心中を慮るように沙織はみつめていた。

 庭園を沙織と歩きながら、兄のかわりに自分が死んでいればと言う春樹に、そんなこと言わないで! と沙織は激しく春樹を叱る。
 そんな沙織に春樹は、結婚を申し込む。

 一日の営業を終えたトラットリア・バンビーノに大河内秘書が、内装工事の施工業者を引き連れてやってくる。
 うちはまだつぶれると決まったわけじゃない、と抵抗する大河内マネージャーを見ながら、本腰入れて追い出しにかかってきたか、と桑原、時間の問題かも…と焦るスタッフ達。

 変装して娘のちはる(黒田凛)に声をかけようとした徹(天野ひろゆき)は、ちはるが防犯ベルを鳴らしたため、通りがかった柔道部員達に取り押さえられてしまう。
 トラットリア・バンビーナにいた鈴子の前に出た徹は、涙ながらに、事業仲間にお金を持ち逃げされたと打ち明ける。
 この前も借金だけが残り、そのせいで父親の店を取られた、と怒る鈴子。
 今回の借金は俺がちゃんと働いて返すから、という徹に、鈴子とちはるは声を揃えて、当たり前でしょ! と怒鳴る。

 厨房に入っても、鈴子は大荒れ。
 いつになくイライラと細かな指示を投げつけてくる鈴子に、桑原(天野浩成)と藤田(大東俊介)は、逆らわないようにしよう、とひそひそ話。
 そこに道造が、一人で客としてやってきた。
 一通り食事を済ませた道造は鈴子を呼び、このあと一緒に飲みに行かないかと誘う。
 ここはキャバクラじゃありません、と怒る大河内マネージャーだったが、鈴子からオーナーの父親の社長だと聞かされ、態度を豹変させる。
 平謝りの大河内マネージャーに道造は、頼みたいことがある、返答次第では、相談に乗ってもいい、とささやく。

 明後日は葉山に行くように、と、大河内マネージャーは鈴子に言いつける。
 道造の依頼は、葉山の別荘で開くホームパーティーの料理を鈴子に頼みたいということだった。
 店はなんとかする、という大河内マネージャーに、桑原達はシェフがいないと無理だと抗議するが、専務である春樹よりも偉い社長に気に入られれば、もう春樹の言うことは聞かないですむ、と、是が非でも行くようにと決めてしまう。

 2日後、みんなで白いリムジンにパーティー料理のための荷物を積み込むトラットリア・バンビーナの面々。
 リムジンの大きさに驚く一同、“リンカーンタウンカー ストレッチリムジン”と車の名前をとなえ、お嫁に行くときはこれに乗っていくと決めているなどというマキ(小池栄子)。
 にぎやかに見送られた鈴子は、はじめは戸惑っていたが、広い車内をいろいろいじり回したり、シートにねそべったりと、次第にまんざらでもない様子に。
 
 春樹のオフィスに、銀行の新しい融資担当・藤森拓海(小澤征悦)が挨拶にやってきた。
 高級イタリアンレストランチェーン化の企画を聞き、ぜひ自分の銀行から融資をさせていただきたいと営業する藤森に、それがうまくいくかと尋ねる春樹。
 初めは、うまくいくと思うからこそ融資をしたいと…と言っていた藤森だったが、藤森自身の意見をと問われ、自分は高級だからと言って美味しいと思ったことはない、一介のサラリーマンなので食べなれていないだけかもしれないが、と、答える藤森。
 あの男は何だ、担当を代えてもらいましょうか、という大河内秘書に、春樹は、彼は正直者だ、調子がいいだけの奴よりましだ、と言う。
 それよりバンビーナの売り上げは…という話になり、あのまま続けても売り上げが伸びる見込みはないという結論で、二人は一致する。

 春樹は大河内秘書とともにトラットリア・バンビーナを訪れ、最終通告を突きつけようとする。
 それに対し大河内マネージャーは、道造が相談に乗ってくれると言ったこと、鈴子の料理を気に入って、今日も葉山の別荘でのホームパーティーの料理を作るようにということで、リムジンが迎えに来たことを話す。
 それを聞いた春樹と大河内秘書は、いつもの悪い癖が出たとささやき合う。
 この件は自分に一任されている、いくら社長でも、口出しは無用、と、話を進めようとする春樹だったが、大河内秘書が説明している間も、身が入らない。
 ついに、この話の続きはまた今度に、行くところがあるので、と春樹は席を立ち、車に乗り込んでしまう。

 春樹が去ったトラットリア・バンビーナに、藤森がやってきていた。

 別荘へ着き、料理を作る鈴子に、道造は着替えて一緒に食べていくように言う。
 私服に着替え、他の客がいないことに気づいた鈴子に、今日はあなただけを招待した、と、鈴子をエスコートする道造。
 道造は料理を絶賛し、こんな素晴しい料理を作れるシェフがいるのだから、店のことを考え直してもいいと言う。
 表情のほぐれた鈴子とダンスしながら、道造は、鈴子に情婦にならないかともちかけ、お尻を揉む。
 悲鳴をあげる鈴子。

 春樹が別荘に駆けつけると、鈴子は道造に物を投げつけたりしながら、迫る道造を激しく追い払おうとしているところだった。
 窓の外からその様子を、おかしそうに覗きこむ春樹。
 しかし、ソファに倒れこんだ鈴子の上に道造が覆いかぶさると、春樹もさすがにそのままにはできず、部屋の中に飛び込んだ。
 うちのシェフを勝手に連れ出さないでほしい、あの店に関しては自分が一任されている以上、いくら社長とはいえこういう駆け引きに利用するとはどういうおつもりか、といって鈴子を連れ帰ろうとする春樹に、道造は押されかけるが、これは私と彼女との間のことだ、余計な口出しするな、と言い出す。
 鈴子に確認した後、鈴子には愛人になるつもりはないようだが、という春樹に、だから口説いている、と道造。
 確かにそうですよね、という春樹に、もう一度話し合おうと鈴子の腕をつかむ道造。
 窮地に陥った鈴子は、自分は春樹とつきあっていると嘘をつく。
 春樹も、そうでなければ東京から車を飛ばしてきたりはしない、と宣言し、このことを母親に黙っているかわりに鈴子に二度と手を出さないよう道造に約束させ、春樹は鈴子の手を取り別荘を出ていく。
 鈴子は春樹と一緒に歩きながら、夢の中の春樹の言葉を思い出してしまう。

 さっきの言葉を本気にしないように、という春樹にうながされ、鈴子は春樹に礼を言う。
 愛人だなんて人のことバカにして、という鈴子に、金に釣られて寄って来る女も多い、と、春樹は道造に何人も愛人がいることをほのめかす。
 信じられない、どういう女の人たちなんだろう、という鈴子に、自分の母もその一人だったと春樹。
 失言を謝る鈴子に、春樹は、実母が病気で亡くなったので、5歳の時、父親のところに引き取られ、今の母親とは血がつながっていないことを打ち明ける。

 二人が車に乗り込むと、春樹に沙織から電話がかかってきた。
 それは、また鈴子のナポリタンが食べたいという沙織からの誘いだった。
 嬉しそうに戻り、店に駆け込んで、笑顔で沙織の席に向う春樹。

 しかし、食事になると、二人が一言も言葉を交わしていないことを、鈴子はマキの報告で知る。
 笑顔もなく、黙々と食事を続ける二人。
 ナポリタンがテーブルに運ばれると、懐かしい味に、やっと微笑む沙織。
 沙織が笑顔になったのを見て、微笑む春樹。

 鈴子がテーブルに挨拶にいくと、沙織は、当分食べに来られそうにないから、ナポリタンの作り方を教えて欲しいと頼んできた。
 精神科医の日野原がカリフォルニアの大学院に留学するのについていくことにしたという。
 多分、結婚することになると思う、今日はその話をしようと思って…という沙織の言葉を聞き、鈴子はそっとテーブルを離れる。

 今でも愛しているのはあなたのお兄さんだけ、という沙織に、自分が兄の代わりになると言い募る春樹。
 私もあなたのことが好き、という沙織だったが、春樹を観ていると春樹の兄・修一のことを思い出してしまう、そんな自分の気持ちに春樹は気づいてしまう、二人が結婚すればそれがずっと続く…自分は自分の人生をやり直したい、と訴える。
 そんな沙織を春樹は、悲しげにみつめることしかできなかった。

 他に客が誰もいなくなったレストランで、春樹は茫然と座り込んだまま、動けずにいた。
 どうしようか、というスタッフ達を、明日の仕込みがあるから自分が残る、と、鈴子は先に帰す。

 鈴子は春樹のテーブルにスープを置く。
 みんな帰ったことに気づかないで悪かった、という春樹に、仕事が残っているので構わないので、このスープの味見をしてみてほしい、初めて挑戦して、明日のランチに出してみようかと思うから、と頼む。
 スープを口にして、コンソメみたいだけれど、でも…という春樹に、コンソメをベースにして、隠し味に、ナポリの海で取れた塩を、一つまみ入れてあると鈴子は教える。
 そして、ナポリの海に伝わる伝説を、ゆっくりと語り始める。

 その昔、貧しいナポリの船乗りが、一人の美しい女性に恋をしました。
 毎日毎日船乗りは、夜空に一番星が輝きだすと、その女性の許に通い、愛をささやき続けました。
 けれど、その女性は、別の男性を選んで結婚してしまったんです。
 船乗りは、悲しみのあまり泣き続け、その涙が、ナポリの塩となったと言われているんです。

 飾りつけは一番星のつもりだという鈴子に、春樹はスープの名前を尋ねる。
 スープの名前は“片思いのスープ”だった。

 鈴子が厨房に戻るといってテーブルを離れると、春樹はスープを口に運びながら、涙をこぼし始める。
 春樹の涙が、スープに落ちる。
 春樹を見守る鈴子も、涙を流していた。


Check! −天野さん桑原君みどころ−
 春樹とは最近会っていないのか、という大河内マネージャーの言葉に、夢に春樹を見てしまったりしたもので、激しく「私とオーナーは何の関係もないんですから! ヘンなこと言うの、やめてくださいー!」と否定する鈴子。
 …の剣幕に驚いて、店のスタッフの注目が鈴子に集まっていた、というシーン。
 本来鈴子達に背を向けていた天野さん桑原くんの、振り返ってじっと見ているポーズが、一番“思わず注目してしまった”感にあふれ!
 “我に返った”ということを表す鈴子の視線の動きが、桑原くんのほうを見る動きだったのもポイント(笑)。

 大河内秘書がリフォームの施工業者を連れて乗り込んできたのを遠巻きに眺めるトラットリア・バンビーナのスタッフ達。
 真っ先に天野さん桑原くんが「本腰入れて追い出しにかかってきたか」。
 唇をかんだりと、表情がなかなか細かく。
 その天野さん桑原くんの言葉に、鈴子が振り返るのもちょっとうれしく。

 兄の徹がまただまされたと知って、超不機嫌な鈴子。
 下っ端・藤田くんの「よく見て、焦げてんじゃないの!」と指示を飛ばすだけでなく、天野さん桑原くんがココットによそおうとしているものにも「そのムース、大丈夫? 固くない?」と、ガンを飛ばしつつ!
 戸惑ったような天野さん桑原くんの「はい」のヨワヨワな感じがナイス(笑)。

 「なんか、シェフの機嫌悪いですね」という藤田くんと、顔を見合わせ、鈴子のほうを不審げに見て、藤田くんの耳許にちょっと口を寄せるようにして「さからわないようにしよ」。
 先輩っぽくなく、同級生感のある「さからわないようにしよ」も、キスシーンの初動のような口許寄せ動作も、ツボ。

 道造が相談にのってくれる、と聞いた大河内マネージャーが「シェフ!」と厨房に飛び込んでくるシーン。
 振り返る天野さん桑原くんのポーズ、いつもながらどこか可愛く。
 ソースをスプーンの背で円形にのばすしぐさもきれい。

 鈴子に葉山に行ってほしい、店はなんとかするから、という大河内マネージャーに。
 天野さん桑原くん「なんとかって、シェフがいなきゃ無理ですよ!」。
 手にしていたスプーンを思わず突き出しての抗議、ちょっといい感じ。
 その天野さん桑原くんの言葉に、マキが大きくうなずいているのも、ちょっとうれしい感じ。
 (鈴子がパーティーに行ったときには特にそういう抗議がなかったところをみると、鈴子がパーティーに行った夜、実はタイヘンだったとか? 藤田くんの「そうですよ、人手も足りないのに」からすると、売り上げ倍増のために店が特別に忙しくなっているとか?)

 「その社長に気に入られていろ」と、道造の要求に応えることの重要性を熱く語る大河内マネージャー。
 大河内マネージャーが近くにきたときの、クールな表情の天野さん桑原くんの横顔。
 このクールな表情が、いざ鈴子を送り出す朝のあの朗らかな“頑張って!”の表情に、どこから変わったものか(笑)。

 鈴子が葉山に出かける日、先頭に立って荷物を運ぶ天野さん桑原くん。
 「…………入れた?」という声かけのカジュアルな感じが、まるでみんなでピクニックに行くような朗らかさを盛り上げ!

 そこからカメラが切り替わった瞬間、一瞬だけ映る天野さん桑原くんの、正面からとらえられた迎えの車を見ての驚きの表情。
 静止画像にしてチェックする価値大!

 長〜いリムジンの後部に、荷物を丁寧にセットする天野さん桑原くん。
 きっちりした感じの仕事ぶりが伺えるしぐさが、なぜかツボ。

 この店は売り上げがこれ以上伸びる見込みがない、と、最後通告をしにきた春樹と大河内マネージャーを、従業員みんなで柱の陰から覗くシーン。
 最初マキだけが顔をだしていて、それからみんながひょこっと顔を出すところがなんだか可愛く(笑)。
 天野さん桑原くんの表情もよく。
 マキが大河内マネージャーにリムジンの名前を聞かれたもので、あわてて隠れるところも微笑ましく。

 春樹と沙織が来店した厨房で、鈴子の手許にゆであがったパスタを置く天野さん桑原くん。
 すっかり定番の天野さん桑原くんウォッチポイント、置いてから次の動作に移るまでのあいだに、うつむいた表情がきれいな絵も。

 鈴子がナポリタンを完成させたとき、冷蔵庫に駆け寄ってさっと扉を開く天野さん桑原くん。
 『First Love』で、天野さん二岡くんの飛ぶような身軽な動きに感動したことを、ちょっと思い出し。














Last update :
16th May 2006


















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