4th February, 2008
2月4日(月)18:30、6公演目は、開演に間に合うように職場を出るのはどうしても無理で(…というよりむしろ、他の平日公演を観ることができているほうがキセキテキなのですが!)、大変申し訳ないながら、途中入場。音のS席。
後方席で観る『となりの守護神』
後方席で観る『となりの守護神』
会場引き替えで予約を入れていたのですが、開演時間に間に合わなかったので、タイミングをはかってそぉっと一番後ろのほうの席に入れていただきました。
…事前に席が確定しているチケットは、全部前半分のフラット席だったこともあり、唯一の階段席回となったこの最後方体験、すばらしく貴重なものになりました!
【印象、劇的改善。シアターサンモール後方席】
シアターサンモールはかなり縦長、舞台の幅が小さくて客席の列数がかなり多いため、1回しか観ない舞台をいくつか観劇した経験からののシアターサンモール後方席の印象は“舞台があまりに小さく見えて、舞台の印象が薄くなってイヤ”というものでした。が、今回席に着いてみた第一印象は“…かなり観やすい?”。
今回は前方席ですでに何回も観ているため、前の方で観た詳細も頭に入っているせいか、舞台で行われていることがくっきりよく見え、非常にいい感じ。
フラット席では他のお客さんにさえぎられて見えなかった部分も、さえぎるものなく観られ、爽快!
今回の自分の席は階段席のなかでもかなり後方の高いところで、舞台大道具の高い段と同じぐらいの高さ。
アーサー王の定位置のような“王の出口”前、最初のセリフが出る高所センター、最後の対ランスロット戦への登場等、天野さんアーサー王はその高さでのシーンもかなりあるので、期待高まり。
この高さで1回観られたとなると、シアターサンモールには存在しない“2階席”でも観てみたいー! などとも思ったり(笑)。
(でも、今回の舞台の照明は、床に模様を映し出したり等の“2階席のお楽しみ”はないので、2階席で観られなくてもガマン【笑】)
【音のS席。劇場を“楽器”にする美声】
劇場に駆けつけた息切れと、スタッフ様が劇場最後方で紙(音響等のための台本?)をめくる音が間近に聞こえてドキドキがおさまり、舞台に入り込む態勢が整ったあたりで、ケイ卿が登場する中世シーンに。…榊陽介さんケイ卿の美声、圧巻!!!
前方席で聴いてももちろんすばらしい声の響きなのですが、後方席で聴くと、劇場(ハコ)全体を楽器の一部のように震わせているように感じられて、うっとり。
“音のS席”!!
ストレートプレイでも、ミュージカル or オペラ的快感を味わうことができることもあるんだなあ…と、この種の肉体的快感にヨワイ自分。
(天野さん御出演の『かぐや島伝説』に当時の全力で通い詰められたのも、声楽畑の鹿志村篤臣さんダーク・プラズマンの美声があったおかげが、かなり。)
これだけ高いところから見ると、“王の出口”に向かってのぼってくる天野さんアーサー王も観られて、うれしく。
そして、この“音のS席”で聴く天野さんアーサー王の声が、どう聞こえるものか…と、一瞬緊張。
…結構、いいセン、いってるかも…?
もちろん榊陽介さんケイ卿の超美声には遠く及ばないながら、声が通ってセリフがクリアに聞こえるのはもちろん、ハコがちょびっと震えるきざしがあるような気が(笑)。
今回の観劇で、その点をポイントにしていろいろな方の声を聴いてみましたが、“ハコを震わす”には、一定の幅の高さの声でないとだめな模様(劇場の構造物の共鳴が関係しているから?)。
演劇的に優良な声、劇場全体によく通って、セリフが明瞭に聞こえる声であっても、少しトーンが高かったりすると“ハコを震わす”ゾーンから外れるかも(“よく通る声”はやや高めの声が多かったりするので、“ハコを震わす声”は、“演劇的に優良な声”とは、違うものであるケハイ。むしろBGM的領域の話?)。
天野さんの声の高さは“ハコ震わせ可能周波数”の帯域幅に入っていそう。
これは持って生まれた宝の原石なのでは…というわけで、映像中心にお仕事をされる中では鍛錬 & 披露の機会がなかなか得られないかもしれませんが、せっかくの声、ぜひ磨いて、いつの日か、天野さんが劇場を楽器にする瞬間を体験させてください!!
【モデルチェンジ。吉田友一さんランスロットMARK-II】
初日から2月3日までは、明るい色の縮れた金髪が垂れかかり、北欧美人のようだった吉田さんランスロット。…モデルチェンジ…?
髪の色がよりダークな金髪になり、ソバージュ状だった髪型は、水平方向にセットしたカーラーできっちり巻いたようなスタイルに。
劇場入りの前に【吉田友一オフィシャルブログ:2008年2月4日_2.4 〜青山のあお〜】の“今、青山の美容院でリタッチ&トリートメント中です。”という記載はチェックしていましたが、まさかこんなに劇的にモデルチェンジするとは!
初日Versionの男装の麗人感がものすごくお気に入りだった自分的には、ちょっとザンネン(笑)。
そんな吉田さん、この回はマーリンの「この世界には、お前の居場所はない」のセリフのときに、何かセリフを言いかけてしまうというアクシデントあり。
【動くセリフ、動かないセリフ。学校シーン】
B'zネタだと明らかにされた、佐久間さん小久保先生のギャグ。笑いが起きなくても観客がわかりそうなイマドキのものに差し替えない(むしろ同系統で増量!)という、“ギャグはわかる人にわかれば…”という、信念すら感じられ、がつがつしない感じが上品。
途中から増量された、小久保先生が里緒と結城の仲を疑っての「松木はお前にとって『太陽のKomachi Angel』なのか?」というB'zネタ(…と、あとでBBSで教えていただきました!)。
言われた西山宗佑さん結城くんの「そういうわけじゃないです」の、ホントにげんなり感がなぜかツボ(笑)。
B'zネタではないですが、加藤雅和さん高橋先生の「夢はフリーダムフリーダム シャボンのようだね!」に、この回はお父さんぽい感じの方が笑っているのを発見!
男性アイドルグループの歌ということからすると、ちょっと意外な層が反応してる! と、目を引きました!
【響きを楽しむ。アーサー王 & グィネヴィア妃】
天野さんアーサー王が大桑さんグィネヴィア妃を訪ねるシーンでも、天野さんアーサー王の声の響きを楽しみ。冷え切った関係を表しつつも甘い声で静かに会話するシーンの中、ほぼ唯一声を張るセリフ「ひとつ聞く!」など、響く響く!
大桑さんグィネヴィア妃が、細くて可愛い声で、あまりびんびん響いてくる声ではないので、二人の対話がややアンバランスに聞こえたりもしたものの、天野さんアーサー王の声の響きを楽しむには、控えめな妃の声もかえってよかったかも。
【これが基本の姿かも! 第1幕エンディング】
第1幕のエンディング、後方席から観ると実によく!とても映像的なシーンなので、舞台がスクリーンのように見える後方席から全体を観るのが、基本の姿かも。
(オープニングが観られなかったのが、つくづく残念。DVDに期待!)
そうして観たこの回、天野さんアーサー王がイスターシャとケイ卿に礼をするしぐさがツボ。
前方席から見上げるよりも正面から観たほうが魅力的な動きだったのか、“音のS席”効果でケイ卿の魅力倍増回だった影響もあるのか(笑)。
里緒、ランスロット、グィネヴィア妃、アーサー王の4ショットのとき、ランスロットを振り返る天野さんアーサー王をなぜか“可愛い”と感じたりも。
第1幕が終わったところでUP。
【後方席からの風景。円卓の騎士達】
殺陣シーンで注目の騎士、後方席でも楽しく!加藤靖久さんロウェインは声も深くて快感。
あの声×あの二刀流で、キャラ立ち!!
ヘクタージャンプ、見上げるのではなく正面から観て、あらためて“高い!”と確認。
また前方席であの飛翔感を体験するのが楽しみに!!
【大好きな殺陣も、ひと味違う楽しみ方。対ヘクター戦】
大好きな対ヘクター戦も、後方席から観るとまた、別な楽しみが。まずは、シーン全体が、よく響く天野さんアーサー王の声から始まるのが快感!
その天野さんアーサー王を、同じ高さで、正面から観られるのも特別な感じ。
ポイントが高かったのは、その高みからゆっくりと階段を降りていく天野さんアーサー王を、ロングでフルに観られるところ。
一歩、一歩の迫力と緊張感が、天野さんアーサー王の全身をちょっと引いて見ると、また格別な伝わり方をしてくるのが不思議。
DVDではどう入っているのか、気になるところ。
対ヘクター戦の殺陣、全体像を観ると、やっぱり“和”の雰囲気だなあと。
こんな風に、天野さんに合うように設計された殺陣シーンありの時代劇、観てみたいです!
【くわわる喜び。カイリとガヴェインのシーン】
感動の、カイリとガヴェインのラストシーン。それが、天野さんアーサー王をランスロットとの最後の対決シーンに送り出すシーンになっていて、感動のおすそわけをいただけること、この舞台に大大大感謝なシーン。
そういうシーンで、天野さんアーサー王の「私は人の描いた絵に興味はない。わかっていなかったのは、お前の方だ」等のセリフがよく響いているのを聴いて、ああ、あの素晴らしいシーンに参加できているんだ…と実感できたこと、ものすごくしあわせ。
【足取りも!! 対ランスロット戦全景】
後方席(というより、気分は2階席!)で観て…ランスロットとの最終決戦の場に登場する天野さんアーサー王が、登場位置となる下手のセット高みまで、駆け上っていることに気づいて感動!
基本的にこの物語の中で、“王”らしく重々しい足取りで動いていた(殺陣のときも!)天野さんアーサーの、解き放たれたような軽やかな足取りは、観ているこちらにも晴れやかな解放感を。
そうして駆けのぼった高みで言い放つ「このときを待っていたよ」もまた、晴れやかな響き!
ランスロットとの殺陣では、前方席では他の観客に視界をさえぎられてなかなか連続的に観られない、足の動きに注目。
天野さんアーサー王のステップは、“舞”そのものと化したときの窪寺さんガヴェインのそれとは違い、“ダンス”の足取りではなく。
ところどころ摺り足のような動きが現れる、地面から離れない足の運びを観ていて、天野さんのダンスを…というより、動いている天野さんを初めて観た1999年1月15日〜17日のセラミュファン感謝イベントで、キング・エンディミオン役(元タキシード仮面役)の望月祐多さんとダブルで演奏された『タキシード・ミッション』を思いだし。“タキシード・ラ・スモーキング・ボンバー”の“タキシード”のところで、足を閉じて直立した姿勢から、片足を真横に出して重心を低くした姿勢に移行する振りがあったのですが、望月さんがJAC出身らしく軽くジャンプするようにして直立の次の決めポーズに一気に飛んだのに対し、天野さんたきしーどかめん様は、脚をすーっと真横に滑らせて同じポーズに移り、なんとも優美に(おしとやかに【笑】)感じられたことがよみがえり…全く印象が違う今回の殺陣にも、そんな9年前のダンスの動きに共通するものが流れていることが、なんとも面白く。
そして、フラットな前方席では十分にその姿が観られないことが多い、ランスロットに倒された後のアーサー王。
その全身、登場の場となる高みに駆け上がった姿から連続する、晴れやかな色気がありました!
【“…日本語おかしいんですけど。” カーテンコール】
この回のカーテンコールの御挨拶は嘉陽愛子さん。でも最初「えー」といって、ちょっと間があって「すみません」(笑)。
でも、ここからはお見事!
「10回の公演のうち半分を越えて、何回も来てくださっている方もいるかと思うんですけれど」と、リピーターを意識しての御挨拶。
「稽古もやってきているし、台本も読んできているのに、いつも心が痛くなったりあったかくなったりするんですね。
それってかっこいいと思うし、全てのスタッフ・キャストの皆さん、本当にかっこいいなって思います。
そんな皆さんに出会えてうれしいです。創っていける喜びに感動してます」
…ととても素敵で心の入った御挨拶をされているのに「…日本語おかしいんですけど」と、突然自分の日本語に迷いを生じる嘉陽さん(笑)。
「こんな大きな会場で、こんなにたくさんの皆さんと一緒にこの作品を愛せて、すごくうれしいです。
千秋楽までもっともっといろんな皆さんに届けていけるようがんばっていきますので、よろしくお願いします」という嘉陽さん。
そんな嘉陽さんの元気いっぱいの「本日はどうも!」に続いて、皆さんの「ありがとうございました!」でシメ!