3rd February, 2008 Matinee  
雪の日、動き出すセリフ。
最後に現れた、ある意味理想の宮廷

 2月3日(日)13:00、4公演目は、事前GETの中では一番後ろの席。
 それもむべなるかな、という感じで、お客さんも多かったような…
 …という日に限って、東京では珍しい雪の日に!

 このあたりから、セリフの変更や、ちょこちょこしたハプニング対応等、進化やその回限りの事件等もいろいろ目に止まるように。
 記録したい…と思いつつも、ギャグの元ネタがわからないこともあって、ギャグ関係の変遷はほとんど報告できなくてスミマセン!
 (この日に、というわけではないですが、徐々に増加傾向にあったように思います)

 カーテンコールの御挨拶は、アーサー王役の天野浩成さん。
 劇中の“王”とは全く違う“おうちゃま”を、皆さんが優しく助けてくださる光景が!

【あざやか、ハプニング対応! 第1幕、里緒中心シーンあれこれ】
 初舞台とは思えない身体全体を使った表情の豊かさ、よく通る可愛い声で、里緒を大熱演の嘉陽愛子さん。
 (吉田友一さん目当てでGETした、嘉陽さん主演作入りのオムニバスドラマDVD『Girl's BOX』のお宝度UP!)
 今日は珍しく「うちは親いないから」のあたりで、ちょっとセリフまちがい。

 街の人々が行き交うシーンでは、女子高校生をナンパする窪寺さんが、ワイセツな腰のくねらせかたをしている現場を発見!(笑)

 吉田さんランスロットに「ブリテーンから来た」と言われて、ブリテンって…と里緒と稔がひそひそ話して「過去の人!?」となるときの立ち位置は、本来かなり上手寄りなのですが、この回は嘉陽さん里緒、舞台センター付近で立ち止まってしまい、秋山さん稔に引かれて正しい位置に。
 このとき、嘉陽さん里緒がお客さんにも聞かせる声で秋山さん稔に「ごめんねー」と言ってみせたのが、ものすごく可愛くて、“ハプニング対応は舞台の華”という感じ!(観られてよかった!)
 嘉陽さん、初舞台とはいっても、歌手としてたくさんのステージに立っていらっしゃる経験が生きているせいか、お見事!!

【凝縮の妙味。第1幕のアーサー王シーン】
 天野さんアーサー王の第一声「ごくろうであった!」から、第2幕のようにそこでシーンがとぎれるのではなく、城を出てローマを目指す軍勢に檄を飛ばすシーン、さらに、ケイ卿との対話が続き、グィネヴィア妃を「もちろん、愛しているさ」に至る一連のシーン。
 雄壮な“王”としての檄から、複雑な、でも甘い響きの声での「もちろん、愛しているさ」という落差のあるセリフへと、一気に流れるこの一連のシーンは、天野さんアーサー王の声の変化が楽しめ。

 天野さんアーサー王のシーンがたっぷり観られる第2幕もいいけれど、ぎゅっと凝縮された第1幕もいいなあと、それぞれの楽しみ方を覚えてきたこの頃。

【セリフ、動き出す。B'zファン・小久保先生】
 この回からのセリフ変更(この回限りではなく、以降の公演ずっと)は、歌詞ネタギャグを繰り返している(らしい)佐久間さん小久保先生に向かって里緒が「そのB'zファン、やめていただけませんか?」と返すところ。
 元ネタが“B'z”だとわかったからといって、ギャグがわかるようになるわけではありませんが(笑)、半分ぐらいスッキリ?

 B'zはあまり知らないのですが(ちゃんと知っていたら、この舞台、何割も増で楽しめたのに! 惜しすぎ【涙】)、天野さんのお名前で検索すると“B'zの稲葉さんに似てる”という内容の記事にたくさんHITしていた時期があったので、なんとなく親しみが(笑)。
 と、その稲葉浩志さんの3rd SOLO MAXI SINGLEの『WONDERLAND』のPVが、天野さんが【仮面ライダー剣:第10話「操られた戦士」】で、初めて伊坂のシュルトケスナー藻による治療を受けた天野さん演じる橘朔也がゼブラアンデッドと戦うシーンのロケ地・浦賀ドックで撮影されていて、しかもそこでの稲葉さんの衣裳が、どことなく橘朔也風だったという…
 折しも『WONDERLAND』の発売日・2004年7月14日は、天野さんが橘朔也名義でリリースした番組2nd ED曲『rebirth』発売日・2004年7月22日と近く、『rebirth』のテレビCMを録画しようと深夜の番組の録画を頑張っていたため、その折りに捕獲でいた『WONDERLAND』CMも、大切に保存してあります(笑)


 …というのが天野さんとB'zのツナガリの本命ではなく(笑)、一番の思い出は、ドラマでの御共演作品となった2003年9月の【新テレアサ誕生スペシャルドラマ『生放送はとまらない!』】
 伊藤英明さん演じる敏腕ディレクター・小五郎の下で、1st ADとして日々叱られつつ働いていた天野さんユータが、ハプニング対応のためブースを離れる小五郎から留守の間の演出を託され、「何年オレの下についてんだよ。オレ以外にできる奴は、お前しかいねえだろ」という信頼の言葉をもらった…というシーンを経ての、歌番組シーンのクライマックスで演奏されるのが、B'zの『アラクレ』。
 その曲の間の天野さんユータのいい笑顔の思い出と結びついて、『アラクレ』がドラマ『あなたの隣に誰かいる』の主題歌として流れ続けた2003年秋クールの間、ずーっとハッピーな気持ちで過ごせた、というのが、最大の思い出。
 そのクールの終わりに、天野さんのライダー出演という、驚愕のニュースが待っていると知らなかった頃…。

 …ということを全部ふまえて、詳細わからなくても、小久保先生の“B'z”ネタ、なかなかハッピーでした!

 そのほか、ランスロットを里緒の学校に迎え入れようと先生方が里緒の家を訪ねるシーンで、芳賀恵子さん加代子先生が学校の経営の厳しさを話した後に、村田雅和さん高橋先生が、それまでは高橋先生らしい過剰なさわやかさで「学校もデンジャラスってことだね」とコメントしていただけだったところが、力をこめての「デンジャラスっ、だッ!」が加わる変更。

【揺れる剣。グィネヴィア妃とのシーン、第1幕ED】
 アーサー王が部屋にグィネヴィア妃を訪ねるシーン。
 天野さんアーサー王の、マントの中で後方に伸びる剣の鞘が、くい、くい、と上下に揺れるのが、なんだか可愛く。
 緊迫感たっぷりに左手が剣に添えられているシーンが多いアーサー王の、“王”として臨戦状態にあるときとは違う、やわらかな心理状態が表れているような。

 そんなアーサー王の姿を目にしてから観る第1幕エンディングは、何度繰り返して観てもいいです!
 カイリとガヴェインの間に登場し、きびすを返して扉の奥に消えるアーサー王には、いつも胸高鳴り。
 その後、“王の出口”の前に立ち、ランスロット、グィネヴィアとの三角形+里緒の4人になるところは、グィネヴィア妃の部屋でのシーンを思い起こすと、より胸に迫るものが。

【同性に好かれてこその男性キャラ! 男性のお客さんの快笑】
 この回、通路をはさんで隣が男性のお客さん。
 他のシーンでは、舞台を観るのに夢中になっていて、反応を感じたりということはなかったのですが。
 (女性観客が圧倒多数の舞台が多いなか、男女混合客席大好きな守峰的に、ちょっともったいなかったかも!)

 里緒と結城くんのキスシーンを目撃してしまったランスロットが「キスしよう!」と里緒に迫って、ランスロットが里緒にグーで殴り倒されるシーン。
 (吉田さんの殴り倒され方がまた、うますぎ!! 吉田さんが出ていらした『特捜戦隊デカレンジャー』、あまりチェックできていないのですが[当時は天野さんにとって吉田さんが、こんなに特別で大切な方になると思っていなかったので【涙】]、たまたま観られた回でも吉田さん演じるテツが女性上司に殴り倒されているのを観たのに始まり、自分、吉田さん演じるキャラクターが女性に殴り倒されているシーンを、よく目撃するような気がします…)
 男性のお客さん、聞いていて気持ちのよくなるような声で、“あっはっはっはっ!”と笑い!
 本当に楽しそうで、男性ならではの深い笑い声で、吉田さんランスロットが男性のお客さんにも愛されてるなあと感じて、なんだかはっぴーな気持ちに。

 天野さんもセラミュ『かぐや島伝説[改訂版]』での「岩の間に倒れてた僕を踏んづけたの、君(原史奈さん演じる月野うさぎちゃん)だろ!」にはじまり、岩佐真悠子さん演じるキャバクラ嬢行政書士・サキちゃんにモノを投げつけられてテストでは痛い思いもしたりした(【2007年1月28日_『キャバギョ!』DVD発売記念イベント】御参照)『キャバギョ!』等々、女のコにヒドイ目にあわされているシーンを多々演じていますが、女の子いっぱいという作品の性質上、きっと多数派だったと思われる男性の皆さんに、そんな風に楽しんでいただき、愛されていたらいいなあ…と思ったりも。
(セラミュで天野さんまもちゃんが大きなお兄さん達に愛されていたのは、劇場で日々、超!実感しましたが![カーテンコール時の“あまのー!”コールは、ほとんど男声だったことなどなつかしく…])

【変化のあざやかさ。イスターシャの前のアーサー王】
 アーサー王が見せるさまざまな表情で、ここまでの回でもいろいろなことを考えてきた、姉・イスターシャとのシーン。

 姉君に声をかけられた瞬間の、困ったような苦い顔。
 「嫁に逃げられたということですよ」とイスターシャを仰ぎ見て言う、自虐的な笑顔。
 「では、許せと」と表情を硬くした、怖い顔。
 グィネヴィアをもう解放してあげなさい、と言われたときの、悲しげな顔。
 「それができれば、とっくにそうしています」と答えるときの、かなしいぐらい爽やかな笑顔。
 そしてきびすを返したときの、笑顔が消えた…

 短いやりとりの間に、ここまでくるくると表情が変わる、その変化のあざやかさをタンノウできるシーン!

【結果からいうと、失敗(なぜ!?) ヘクタージャンプ待ち】
 【2008年2月2日18:00の回】に、大・大・大好きな天野さんアーサー王の殺陣のお相手・村田洋二郎さんヘクターが、ものすごい跳躍で登場する殺陣シーンがあることに気づき。
 これはもう、待ち構えて観るしかない! と、その箇所確認のため、加藤靖久さんロウェインの二刀流をずっと観ていたいのを抑えて(涙)、ヘクター待ちをすることに。
 下塚恭平さんボゥホートが登場したあたりから、ジャンプ台のある下手に注目。
 …でも、結果から言うと、この回は発見に失敗(涙)。
 気づくとヘクターは、上手のほうから視界に…

 …なぜ!?

【冴えわたるコミカル。井上さんマーリン with 松木姉弟】
 天野さんアーサー王との対話では、アーサー王の過去も未来も包み込むような深い響きの声で魅了してくださる、井上和彦さんマーリン。
 第2幕、中世に里緒 & 稔の松木姉弟が登場、カードを燃やすとマーリンをおどし、たまりかねてマーリンが登場するシーンでは一転、「こんなの初めてだぞ!」と、高くひっくり返した、コミカルな声!
 劇場に起こる笑いも含め、気持ちよく!
 その後、洞内 愛さんサフィアにかける「よっ」というカジュアルな挨拶声にまで、大きな笑いが起こり。
 …声の威力!!

【殺陣だけでなく。対ヘクター戦導入部のアーサー王】
 天野さんアーサー王に無関係な戦闘シーンでまでヘクター待ちをしてしまうぐらい 大・大・大好きなヘクター戦。
 最初にココロ鷲づかみだった殺陣に至るまでの部分も、好きすぎ!

 ヘクターの登場に、良い報告か、と、薄い微笑(これも複雑な!)を浮かべていた天野さんアーサー王が、ランスロットはグィネヴィア妃の命さえ保証されれば自害も厭わないと言っている、と訴えるのを聞いて、ふいっ、と顔をそむける瞬間。
 “怒り”といえば“怒り”、でも、子供が心を傷つけられたときのような、もう少し繊細な…

 ランスロットを討て、と言われたヘクターが、お許しを、と泣かんばかりに土下座したとき、ものすごくさびしそうな顔をしている天野さんアーサー王には、胸を衝かれるものが。

 地に伏すヘクターに寄り添うように自らも座り込み「私を殺す以外道はない」とささやく天野さんアーサー王の声は、“ランスロットか自分を殺す”という選択を迫るという物騒な内容なのに、甘い響き。
 そしてヘクターに背を向けての「お前も…あいつだ」という声は、ほとんど恋愛ものモード!

 そこから、あの抜きかけの剣での防御に始まる殺陣…
 全てが、好きすぎ。

【照明…? 魔導師マーリンとアーサー王→“変奏曲”】
 井上さんマーリンとのシーン。
 アーサー王の照明、ちょっと早かったような…?
 【IONA'S Scribbles:2008年2月1日_いよいよ初日です!】に、31日のゲネプロまでに全ての場当たりが終わらず、初日の昼間に残りの場当たりをして大詰め…と大変な様子が語られていましたが、その初日の後は2日連続の昼夜2公演ということで、2月3日日まではこのシーンに限らず照明・音響、やや本調子ではないところもあったような。

 でも、そんなことはすぐに忘れさせてくれる、深い深い井上和彦さんマーリンとのシーン。
 この回は「お前ほどの王が、さみしい顔を見せるんだな」の“さみしい顔”の横顔の良さを味わい。

 「俺の大嫌いなカードだ…!」の後、怒りをはらんだような悲しげな背中からの天野さんアーサー王の殺陣に始まる、窪寺さんガヴェイン→田中さんカイリの三連の殺陣を、“変奏曲”として(【2008年2月2日(土) 18:00の回】より)、じっくり鑑賞。
 天野さんアーサー王の殺陣をしめくくる、剣を鞘に収める動作が、大事な一音のように、好き。

【対になる“送り出す”シーン。里緒がランスロットを、カイリがアーサー王を】
 この回になってようやく気づいたこと。
 里緒がランスロットにお守り(迷子札)を渡して、グィネヴィア妃のところに行って、と背中を押すシーン。 あれは、大好きなカイリとガヴェインの“大人愛”シーンと、対になるものなのだと。
 ランスロットとアーサー王の最後の対決に、二人をそれぞれ送り出す、ランスロット側のエピソードが、そのシーン。
 そしてカイリが、アーサー王を一人で行かせる、あのせつなくて壮絶なシーンが、アーサー王側の“送り出す”エピソードなのだと…

 そう思うと、“大切だからこそ、隣を望まない”という里緒のせつないせつない決断のシーンが、いっそういとおしく、大切なものに思え。

 その、カイリに送り出してもらう、アーサー王のシーン。
 これまではカイリの忠誠や愛のセリフに心奪われるばかりだったところ、リピートしてようやく、天野さんアーサー王の「私は人の描いた絵には興味はない」というセリフのいい響きに心がとまるように。
 もうすぐ30代の扉が開く天野さん、こんなセリフを、いろいろな作品でたくさん、朗々と言い放ってくださるといいなあと思います!
 (…30代じゃ、ちょっと気が早いかも…)

【観切れない! 天野さんアーサー王、ラストバトル】
 「やっと3人だ!」の天野さんアーサー王の声、“青年声”…いや、それ以上若々しい“青春声”だなあと!
 天野さんアーサー王、【美味學院】の虎堂先生のように低い声を作ったりはせず、自然な声を響かせているのですが、この“やっと3人だ!”の晴れ晴れとした声は、なぜか若やいで聞こえ。

 そう思って続く「それがこの男の忠義だ。…そういう生き方を、いつも目の前でしてきた。私の目の前で、ガキの頃からずっとだ」を聞くと、“忠義”なんていう大人の世界の約束事に縛られない、もっと“青春”的な関係を、アーサー王はランスロットに求めていたのかも…と。

 そして、吉田さんランスロットとのラストバトル。
 この大一番、天野さんアーサー王の、マントさばきも、足のステップも観たい…!
 …と欲が出てきたとたん“いっぺんに観きれないーっ!!!”とパニックに!

 昔は、舞台の上に気になるキャストさんが3人いて、お一人が上手、お一人が下手、お一人は高いところ…と大三角形を描くほど離れていても、それぞれの動きをタンノウできたこともあったのに、なんというていたらく…

 まだ観劇機会は残っていることがありがたく、でも、折り返してもいないのに“足りないかも…”と思い始めた瞬間。

 里緒の祈りで、アーサー王とランスロットの形勢が逆転、雷鳴轟くなか天野さんアーサー王が倒れこむところも、かなり劇的!
 まだしっかりと動きが見えていないので、ここもリベンジ対象。

【カイリの運命は…? 田中良子さん藤間先生】
 ランスロットは、自らに剣を突き立てて中世の世界からは消えることで、現代に里緒を守りにやって来られた。
 …そうだとすると、気になるのが、カイリと同じ田中良子さんが演じている、藤間先生。
 全くの別人! としか思えない見事な演じ分けなのですが、もしかしてもしかすると、カイリも中世から消えてしまったから、現代にやってきてしまったとか…? と、カイリの運命に胸騒ぎを覚えたりも。

 …そんなことがとても心配になってしまうほど、里緒がランスロットを送り出すように天野さんアーサー王を送り出してくれた田中さんカイリ(別にアーサー王を愛してるわけじゃないのに!【笑】)が大切で大切でたまらなくなっていました!!!

【…ある意味、理想の宮廷…?(笑) 天野浩成さんごあいさつ】
   1日は井上和彦さん、2日昼は嘉陽愛子さん、2日夜は吉田友一さん…ときて、ある程度予測できた通り、3日昼の御挨拶は天野さん!
 【2008年2月2日(土)13:00の回】に嘉陽愛子さんが一瞬のよどみもない立派な挨拶をされたとき、ものすごぉ〜く困ったような顔をして窪寺さんにつつかれていたりしたので、そのときにはもう申し渡されていたのかも…

 天野さん、挨拶のためにこにこの表情になってはいるものの、“はじめていいの?”と上手側の隣の吉田さんをじーっと見て(そのあたりがすでに微笑ましいエイベックスコンビ)。
 皆さんからも早く言いなよ!的ムードになって、話し出した天野さん。

 「本日は足下の悪い中、御来場下さいましてありがとうございます」と、雪の日の御挨拶として非常に正しい滑り出し。
 が、「雪が降っていて、交通機関が止まったり、遅れたり…」と、具体的な話になってきたら、微妙に雲行きが怪しくなる天野さん…
 天野さんの下手側の隣はカイリ役の田中良子さん、その隣がガヴェイン役の…『仮面ライダー剣』『H〜i! Jack!!』と天野さんと御共演で、天野さんについてはきっとよぉ〜く御存知の窪寺さんだったのですが、そんな窪寺さん、天野さんを放っておけない様子!
 “たくさん! たくさん!”と、“たくさんのお客さんに御来場いただいた”という要素を挨拶に入れろと(実際、日曜日で朝早くもなく帰りが遅くもなくと一番お客さんが来やすい回だったのか、一番お客さんが多かったかも!)、田中良子さんごしに(身を乗り出すイキオイ)せっせと注文をつけているケハイ。
 そんな声を聞いて、天野さん、満面のにっこり笑顔で「たくさんの方に来てもらえて、うれしかったです!」と、コドモのように可愛く!

 「早いもので、今日3日が終わると、折り返しになります。千秋楽まで頑張りますので、応援よろしくお願いします」
 …で終われば、かなり普通の立派な御挨拶なのですが。
 「もし、面白いなあ、って思ってくださったら、あと1回でも2回でも、何回も観に来て下さい」と、“面白いなあ、って”というあどけない口調とにこにこ笑顔でちゃっかり、リピート(しかも1回2回では終わらない…)要請!
 「あと、面白いなあ、って思ってくださった方は、お友達にも、面白いよ、って言ってくれたらうれしいです」と、お友達に宣伝してね要請まで。
 こういうかなり強引なセールスをかけても、会場の空気がなごんでしまう、典型的な“可愛いから許す!”系の天野さん…

 そしていよいよ、エイベックスのお家芸・物販PR!
 「ロビーでは、各種DVD等とりそろえております。そのほか…」
 …と、物販の具体的品目を並べるところで詰まる天野さん。
 この時点でステージの上の皆さんは、天野さんの挨拶にどきどきはらはら(笑いムードもありますが【笑】)、注目状態(井上和彦さんは、まるでお父さんのように見守ってくださっています!)!
 そんななか、天野さん、あわてず騒がず、ほんとうに当然のような表情で、となりの吉田さんに“なんだっけ”光線。
 すると、他の皆さんは天野さんの言動に平静ではいられないケハイの中、吉田さん、ごくごく当たり前のような自然なしぐさで、天野さんに耳打ち。
 「原作本と…」
 吉田さん、またまたごくごく自然に耳打ち。
 「ギキョク…」
 …『となりの守護神』脚本・演出の西田大輔さんの戯曲を収録した書籍のことをおっしゃっているのでしょうが、天野さん御自身は“ギキョク”が何かわかっているとはとうてい思えないような、おぼろげなお言葉!
 そんな天野さんに、上手の一番端の方に立っていらしたヘクター役の村田洋二郎さんが声を張って(田中良子さん越しに天野さんに注文をつけている窪寺さんの比ではない遠距離ツッコミ!)…
 「裏でさんざん練習してたでしょ! 言わなきゃ!!」

 劇中のアーサー王からは、たぶん天野さんを観たことない方には想像もつかないほわわんぶりを披露した天野さんの御挨拶、オチがついたところで、なし崩し的になごやかに終了。

 そして退場。
 いつもは、天野さんがグィネヴィア妃役の大桑マイミさんを待って、二人並んで歩いて舞台中央奥の扉から退場、扉をくぐった後に時折大桑さんが天野さんに触れたりしてねぎらっている様子が見えたりするのですが、この回は扉に入る前から、よしよし、という感じで、大桑さんが天野さんの背中に手をやって帰っていかれたのが印象的でした…

 キャストの皆さんのほのぼのとした仲の良さがにじみ出た、ある意味ナイスな(笑)天野さんのごあいさつ。
 役的に見ても、アーサー王を、騎士団長ランスロットを筆頭に、ガヴェイン、ヘクターといった円卓の騎士がサポートし、魔導師マーリンが見守り、グィネヴィア妃が優しくいたわり支える…という、理想的なアーサー王の宮廷の姿を現出したといえる…かも…?

 ともあれ、天野さんが、キャストの皆さんに可愛がっていただいている様子(!?)がものすごーくよくわかって、よかったです!!
 (個人的には、一番大好きな殺陣の相手のヘクター役の村田洋二郎さんが、あんなに遠くから天野さんをかまってくださったのが、超超超うれしく!!)


牧歌的天野浩成さん情報舞台となりの守護神>2008年2月3日(日)13:00の回レポ