百鬼夜行抄
百鬼夜行抄

第八抄
南の風



Staff & OA

脚本 ◆ 福田卓郎  演出 ◆ 石川淳一
その他のスタッフ ◆ Data Page
放送日時 ◆ 2007年3月24日 25:20〜25:50

公式サイト:【日本テレビ公式:百鬼夜行抄】
 
 

 
 
Cast

飯島 律:細田よしひこ  飯島 司:酒井彩名  飯島 絹:いしのようこ  飯島 伶(蝸牛):山田明郷
尾白:渡辺道子  尾黒:湯澤幸一郎
《翁》 高橋昌也  《鬼灯(赤間)》 天野浩成  《幼少時の律》 須賀さくら
飯島八重子:市毛良枝[特別出演]  飯島孝弘(青嵐):渡辺いっけい
 
 

 
 
Story

律(細田よしひこ)が勉強していると、尾白(渡辺道子)と尾黒(湯澤幸一郎)が、若はいつ大学生になるのか、その前になるという受験生とはどのような姿なのか等、うるさく話しかけてくる。
青嵐(渡辺いっけい)までもが、わざわざ律の部屋に七輪を持ち込んで餅を焼いていたりと、気が散って勉強ができない。
尾白と尾黒は、こう風が強いと自分達は木にしがみつかなければならない、とぼやきつつ、春先に吹く強い風は穢れを払うが、遠方より悪いものを運んでくることもある、と言う。

そのとき、妖魔の鬼灯(天野浩成)が、蝸牛の書斎に入り込んでいた。
鬼灯は、蝸牛の持ち物である水晶を箱から取り出し、透かして眺める。
その気配に気づいた青嵐が書斎に踏み込むと、鬼灯は水晶に指を差し入れて何かしたところだった。
律は渡さんぞ、あいつは俺が喰うんだからな、と、鬼灯に宣言する青嵐。
聞き捨てならんな、という鬼灯だったが、お前と争ってもつまらんよ、と、笑いながら姿を消す。

最近寝つきが悪い司(酒井彩名)は、ちょうどいい、と、八重子(市毛良枝)から廊下で拾ったという水晶玉を手渡された。
浄化作用のある水晶を眠るときに握っているとよく眠れる、“握り石”というのだと八重子。

うるさくて勉強できない、と部屋を出た律は、庭にたたずんでいる翁(高橋昌也)の姿をした妖魔と顔を合わせた。
今年は風が強くて予定より早く着いてしまったという翁は、誰かと待ち合わせしているらしい。
翁は律に、家が悪い者に見込まれているから、助けてやろうと持ちかけるが、律は断わる。

“握り石”を試して寝たものの逆に悪夢を見てしまった司は、翌朝、水晶玉の中の蜘蛛のような黒い影が少し大きくなっていると気付く。
その水晶を律が青嵐(渡辺いっけい)に見せるたところ、水晶は妖魔の卵で、中の妖魔は人間の精気を吸って大きくなるという。
その水晶が蝸牛のものらしい、と律に聞いた青嵐は、あいつか、と、それが鬼灯のしわざだと悟るが、すでに司の精気を吸ったのなら、司の精気がある限り律のことは狙わないから放っておけ、と言う。
司が死ぬまで司が狙われると知った律は、なんとかしてくれと青嵐に頼むが、自分が守るのは律だけで、それもあと10日で終わる、と、青嵐はとりあわない。

律は司に、その水晶は悪いものだから、持っていないほうがいいと告げる。 司はそれを窓から捨てようとするが、そのとき水晶の中から蜘蛛が大きな姿で飛び出し、司は悲鳴を上げてそれを放り出す。
律はすぐに庭に出て水晶を探すが、水晶はすでに割れ、飛び出した黒い影はどこかに消えてしまっていた。

司の寝室の前で、律は木刀を持って番をするが、巨大な蜘蛛の姿をした黒い影をつかまえることはできない。
蜘蛛は眠る司の上に乗り、司の精気を吸う。
司はその姿を見てしまい、悲鳴を上げる。
律が駆けつけると、司はその“何か”は外に逃げたと言うと、苦しみながら臥せってしまう。

律は、蝸牛の本を読んで作った霊符を家の戸に貼って、結界を張ろうとする。
しかし、律の前に姿を見せた鬼灯は、無駄なことを、と笑う。
俺は人間じゃない、と律に宣言した鬼灯は、ここで何をしている、と律に問われると、古今東西妖怪がすることは決まっているさ、人間をたぶらかし精気を吸い取る、と答え、水晶は俺が持ってきた、このままじゃあの子は死ぬぞ、という。
どうして司を、と問う律に、面白いからさ、勝負なんだからお前の大切なものを賭けないと、と鬼灯。
精気を吸われた以上、あの子が死ぬか、俺の妖魔が死ぬか、どちらかだ、楽しませてもらうよ、と言って立ち去ろうとする鬼灯に、律は、うちには大食いの化け物がいるんだ、と、青嵐の存在をほのめかす。
そんな律に、妖怪が人間の味方だとでも思っているのか、と言い残して、鬼灯は姿を消す。

霊符が効いたのか、数日間何も起こらなかったが、精気を吸われた司はどんどん衰弱していく。
妖魔を倒さなければ司は死んでしまうと知った律は、青嵐に頭を下げて司を助けてほしいと頼むが、俺はお前の飼い犬じゃない、断る。
自分でなんとかする、と、縁側で頭を悩ませていた律の前に、結界のために家に入れずにいた尾白と尾黒が暇乞いに来る。
住み処の桜の木を妖魔奪われ、木から霊力を得られなくなったのだという。
問題の桜の木を見てみると、巨大な蜘蛛の姿をした妖魔が木にとりついていた。
霊符で司を襲えなくなったので、桜の木にとりついたのだ。
律は、桜の木に近付こうと試みるが、凄まじい妖気に押し返されて近付くことができない。

司は衰弱し続け、尾白と尾黒は文鳥の姿で縁側の外に倒れていた。
それを見た律は、自分を寄せ付けない桜の木に近づこうと、何度も挑む。
妖気と格闘する律を、庭先で律と顔を合わせた翁が引き離し、自分に任せろという。
あいつは可哀想なヤツなんじゃ、真っ暗な景色ばかり見てきたから、真っ黒な生き物になってしまったんだ、という翁は、桜にとりついた妖魔に呼びかける。
“お前を包んでいた石の殻も、もうない。お前に命令する主も、もういないのだ。
 もう、そんな姿でいる必要はないぞ。
 ワシが、明るい景色を見せてやるぞ。そのためにワシは、南から風にのってやってきたんじゃ
 せっかく木に宿ったんだから、木の精に変えてやろうなあ。
 ほうれ、目を開けてみい。お前はもう黒くはないぞ。
 たくさんの小さな命に生まれ変わる。小さなはかない命にな… ”

 律が木を見上げると、桜は花を開かせていた。
 尾白と尾黒も、霊力が戻ったといって、律のところにやってくる。
 翁は、桜の木の花の精だったのだ。

 桜の花びらが司に散りかかると、司に精気が戻る。
 それを見て律が微笑んだ律に。  「さすが蝸牛の孫だ。楽しかったぜ」
 いつの間にか部屋に入り込んでいた鬼灯だった。  人間はすぐに死んでしまうからつまらん、お前もあと一週間の命か、という鬼灯は、律が助かるには司を身代わりにして青嵐に喰わせればいい、という。
 じゃあな、また遊ぼう、と笑って、鬼灯は姿を消す。

 そのやりとりを聞いてしまった司が、どういうことかと尋ねると、律は、僕のことを怖がらせて喜んでるんだよ、いやなやつだ、と答えるが…。

“もうすぐ、春がやってくる。
 そして、青嵐とおじいちゃんの契約の期限、僕の十八歳の誕生日も。
 …僕はまた、桜を見ることができるのだろうか”
 
 

 
 
Check! −天野さん鬼灯みどころ−

 春先の強い風とともに、蝸牛の書斎に不意に現れる天野さん鬼灯。
 黒づくめのスタイルで腕組みをしての、すらしとした立ち姿がかたちよし!

 水晶に妖魔の卵を指で埋め込んだところを、青嵐に踏み込まれた天野さん鬼灯。
 青嵐を見ての、にっ、という笑顔が、邪悪で、でもきれいで心から楽しそうで、とても鬼灯的。

 青嵐が律を食べると聞いての「聞き捨てならんな」、青嵐が目を光らせた後の「お前と争ってもつまらんよ」。
 軽やかでやわらかな、ややささやくような高い声で、後に律にかける低い声と全く違うあたりが、鬼灯の二面性を表しているよう。

 目を光らせた青嵐を見てのにっこり笑顔、その直後あごをちょっと上げて斜めに青嵐を見下ろすようにしてのセリフ、そして笑顔。
 消える直前の満面の笑みは、無邪気な感じですごくきれい!

 戸口に霊符をはりつける律にかける「霊符で結界か。無駄なことを」。
 青嵐に向かって出していた声とは全く違う、低い、怖い声。
 人に仇なす恐ろしい妖魔としての面をみせつけるシーンの冒頭にふさわしく。

 振り返った律が見る、陽の光を背にして立つ鬼灯の姿。
 “鬼灯のポーズ”とでも言うべき、腕を組んでの姿が、ここでもきれい。
 にっこりの笑みが、青嵐に向けていたものより、若干邪悪?

 声のトーンを高めにしての「気づいているんだろ? そう、オレは人間じゃない」の、とてもクセのある、ちょっと得意げな(?)言い方。
 それを聞いた律の「またか…」のうんざりした声の調子と、ナイスコンビネーション!

 「人間をたぶらかし、精気を吸い取る」の、対峙する律と鬼灯を真横から映したカット。
 二人の横顔の端整さ、独特の調子の天野さん鬼灯の言葉、だんだん近づいていく二人、と、雰囲気あり。

 水晶について「ああ、俺が持ってきたのさ」と答える天野さん鬼灯。< 最初にふっと笑う笑顔も邪悪、そして答えた後、笑顔を消して律を見る眼光の鋭さが怖い!!
 そんな顔で「このままじゃあの子は死ぬぞ」と言われたら、かなり恐ろしいのでは!

 なぜ司をと問われて「面白いからさ」という笑顔、目が笑っていないのが怖く。
 その後の「勝負なんだから、お前の大切なものを賭けないと」の真剣な表情には、ここまで遊びに真剣になる鬼灯の心情の背景を、もっと知りたくなるような。

 また真横からのカットでの、誘惑するような「あの子を助けたいんだろ?」
 そこで天野さん鬼灯が浮かべている薄い笑み、さっきまでの真剣な表情の後には、また違った印象に見え、効果的。
 「精気を吸われた以上、あの子が死ぬか、俺の妖魔が死ぬか、どちらかだ。楽しませてもらうよ」は、“あの子が死ぬか、俺の妖魔が死ぬか”では真剣さが仄見え、“楽しませてもらうよ”には遊びが見え、真剣に遊ぶからこそ面白いとする鬼灯のキャラクターが、よく現われているような。
 とにかく律と顔と顔が近くて、“誘惑”ムードたっぷり!

 「うちには大食いの化け物がいるんだ」という律に、背中を向けたまま顔だけ横顔に振り向いて「妖怪が人間の味方だとでも思っているのか」という天野さん鬼灯。
 腕を組んだポーズの広い背中、きれいな横顔と、きれいなかたち。

 「さすが蝸牛の孫だ。楽しかったぞ」と、いきなり司ちゃんが寝ている座敷に現われている天野さん鬼灯。
 ほとんど髪に隠れて顔は見えない、斜め上方からの横顔なのに、口許だけですっごく楽しそうな笑みがくっきり!
 律は解決にはほとんど力を発揮していないのに“さすが蝸牛の孫だ”って、よっぽど蝸牛が大好き?(笑)

 高いトーンでの「人間はすぐに死んでしまうからつまらん」の、独特なクセのある口調。
 セリフ内容の妖魔性の高さにマッチ!

 「お前が助かる道がひとつある。その子を身代わりにして、奴に食わせればいい」の笑み。
 見た目の表情はなかなかきれいでも、セリフ後半の声に混ざってくる笑いには、人間でいう“狂気”に近い響きが。

 「じゃあな。また遊ぼう」と、笑顔。
 すごく鬼灯的なセリフと表情。
 無邪気と邪悪の境界線上にあるような笑顔が魅力的。

 
 

 
 












Last update :
13th April 2007



































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