脚本 ◆ 小林雄次 演出 ◆ 多胡由章 その他のスタッフ ◆ Data Pageへ 放送日時 ◆ 2007年4月16日 17:30〜18:00 公式サイト:【avex映像インフォメーション:美味學院】
北坂狼馬:西島隆弘 桂城秀吾:與真司郎 高杉凛:相葉弘樹 マシュー・ペリエ:三浦涼介 南郷隆司:中村優一 虎堂 研:天野浩成 沖田 司:永山たかし 土方歳輝:河合龍之介 美味學院の生徒達:竹下茄人 田所治彦 榎木智一 制野峻右 成田昌児 萩本直之 加世田公志 小野寺 仁 田口卓哉 オープニングナレーション:緒方文工 徳平慶伸:城咲仁
美味學院男子寮の朝。 学年長の秀吾(與真司郎)が洗面所に現われると、とりまきの生徒達が洗面台を独占し、秀吾の歯を磨き始める。 かと思うと、凛(相葉弘樹)は、他の生徒を美しく装わせるサービスを始めていた。別にそれでもうけようというわけではなく、美のセンスを極めることに興味があるだけだという。 そんな凛は、皆に自作のアクセサリーを公開するが、何よりも大事にしていたアクセサリー『ファニー・クリスタル』の宝石がなくなっていることに気づき、ショックを受ける。 秀吾ははじめから狼馬(西島隆弘)を指して「ひどいことをするもんや」と非難、とりまきの2人も、狼馬くんが盗みだすのを見たという。 騒ぎを聞きつけ、2年の学年長・南郷(中村優一)も駆けつけ、寮の部屋を捜索することに。 そして宝石は狼馬の鐵火丸の中から発見され、狼馬の立場は一気に悪くなる。 そこに教官の沖田(永山たかし)が間に入り、校則に則り、3日後、野菜サラダをテーマとするデリシャス・バウトで決着を着けるよう命じて部屋を出る。 やるとは言ってない、と狼馬が沖田を追って廊下に出ると、牛のレリーフが現われ、狼馬が勝ったら罪はなかったものとする、敗者には和食専門ノック、と宣告する。 この騒ぎは全て、秀吾が仕組んだものだった。 秀吾はとりまきの2人に、約束のものだといって実家の料亭・桂城秘伝のレシピの巻物を渡すが、それは達筆すぎて読めない代物。 うめぇもんを並べて皿にのっけりゃいいんだろ、楽勝だ、とタカをくくる狼馬に、凛は“美味い”という言葉には“美しい”という漢字が使われている、料理の完成度を左右するのは美しさだという。 君にはこの彫刻の美しさもわからないんだろうね、と、そこに飾ってあるペガサスの彫刻を指す凛に、こんなのただの石の塊じゃねえか、と狼馬。 これだから芸術家の言うことはわけわかんねぇ、とその場を立ち去ろうとした狼馬だったが、沖田につかまり、四天王室に連行されてしまう。 徳平先生(城咲仁)の大事なコレクションを侮辱したな!と、責められる狼馬は、沖田にさきほどの“こんなのただの石の塊じゃねえか”という言葉の録音を証拠として突きつけられ、特別実習を課せられてしまう。 特別実習に立ち会う教官の虎堂(天野浩成)は、狼馬に、たくさんのスーパーボールを全て美しく積み上げるよう言い渡す。 できるまで食事は抜きとする、と言われ、狼馬はしかたなく課題に取り組みが、うまくいかない。 こんなもんできっかよ、と愚痴った途端、虎堂に刀で「無駄口を叩くな!」と威嚇される。 その頃凛は、何かを削って、工作をしていた。 何を作っているかは、デリシャス・バウトの日まで、特に狼馬には秘密なのだった。 狼馬はやっとスーパーボールを積み上げるが、虎堂はそばにいない。 そのうちに、狼馬をからかいにやってきた秀吾が、読めない巻物をもって秀吾を追ってきた取り巻き2人に迫られて、狼馬が必死で押さえていた山にぶつかってしまい、またやり直しに。 その頃、四天王室では、今回の事件の黒幕は秀吾だと、調査結果を報告していた。 しかし、教頭の徳平は、デリシャス・バウトは予定通り決行するという。 何かを考えているらしい虎堂の横顔。 それぞれの作業に励む狼馬、凛。 狼馬はどうしてもボールをうまく積み上げることができない。 しかし、母の形見の鐵火丸をみつめて入学試験のときのことを思い出し、気をとりなおしてスーパーボールを集めているとき、狼馬にアイデアが浮かぶ。 狼馬はスーパーボールを半分に割り、安定した半球型になったそれらをピラミッド状に積み上げたのだった。 ざまあみやがれ、と得意げにそれを見せる狼馬に、虎堂は「どんなに優れた素材も、所詮素材に過ぎん。しかし、一工夫加えることで、美しく生まれ変わる。それこそが料理の基礎」と言い残して立ち去る。 その頃、凛の作業も完成していた。 狼馬と凛のデリシャス・バウトが始まった。 制限時間10分で、サラダを作ること。 凛はすばやく材料をカットし、盛り付け箸“ツイン・レインボウ”を取り出す。 “レインボウ・デコレーション”として、虹のように華麗に盛りつけをしていく凛。 その一方で狼馬は、腕組みをしたまま動かない。 その“激美味くいてぇ!”ゲージが最大限に達すると、狼馬は豪快に材料を切り刻み、鐵火丸で焼きはじめた。 そんなのサラダじゃない、野菜炒めじゃないか、と凛は抗議するが、虎堂は「いや、あれは焼きサラダというものだ」とつぶやく。 徳平も虎堂に同意し、デリシャス・バウトは続行される。 凛の作品『ジャングル・オーバーザレインボウ』は、美しい食材を見抜く眼力、その食材を美しく切り刻む技術、そしてそれを美しく盛りつける芸術的センス、全て文句のつけようがない、と、徳平の賞賛を受ける。 狼馬の作品タイトルは『さらば、サラダ』。 そして判定は、四天王全員一致で狼馬の勝利だった。 どうして、と目をむく凛に、見た目の美しさは凛の圧勝だが、凛は外面の美しさにとらわれすぎ料理の本質を見失っている、狼馬の焼きサラダは食材を活かす技術がほどこされており、香り、食感、味、あらゆる五感に訴えかけてくる、と徳平は語る。狼馬の作品は、虎堂がつぶやいた通り「言わば、美しさをかもしだす料理」だったのだ。 それでも、僕のツイン・レインボウに敵うはずがない、と言い張る凛だったが、狼馬の焼きサラダを一口食べると、素直に「おいしい!」と感嘆の声を上げる。 狼馬は「どんなに優れた素材でも、所詮は素材に過ぎねぇ。だけどな…」と、虎堂に言われたことの受け売りを始めるが、“一工夫加えるだけで”のところを“ひととよう加えるだけで”と言い間違い、凛に「ひととよう?」と聞き返され、「一工夫だ」と虎堂に訂正される。 「それそれ。おっさん、ありがとな」と返す狼馬に、虎堂は呆然。 盛り上がる一堂を見ながら、秀吾その場を立ち去ろうとするが、徳平に制止され、今回の喧嘩の原因を作った真犯人は秀吾だったと暴露される。 狼馬と凛は秀吾に詰め寄ろうとするが、校長の声を伝える牛のレリーフが、所詮は生徒同士の他愛無いいざこざ、と秀吾の件を切って捨て、今回のバウトの敗者・凛に、和食の千本ノックを言い渡す。 バウトに勝利した狼馬だったが、徳平のコレクションであるペガサスの彫刻の翼を壊したという身に覚えのない罪で、同じく和食の千本ノックを受ける羽目に。 二人一緒に、和食の千本ノック…大根の桂むきをする狼馬と凛。 大量の大根にうんざりする狼馬だが、二人でやれば心強いよ、と、また自身の美のセンスに従って独特の飾りを作り出す凛。 まったくできていない狼馬に、やりかたを教えてくれたりと、なかなか親切な凛に、狼馬は「お前、やっぱいい奴かもな」と、すっかり仲直りムード。 そして、凛のモノローグ。 『こうして、僕と狼馬のデリシャス・バウトは、華麗に幕を閉じたんだ。 そうそう、君達にとっておきの秘密を教えてあげよう。 あの彫刻のことさ。 あれを傷つけた真犯人。実は僕なんだ。 “ツイン・レインボー”は、あの彫刻の一部で作ったんだよね。 どんなに優れた素材も、所詮素材に過ぎない。 だけど、一工夫加えるだけで、美しく生まれ変わるんだ。 狼馬にはナイショだよ。いいね』 そこに現われ、特別実習室のケージの外で高笑いするマシュー。 「野蛮人には、牢屋と大根がお似合いだなあと思って」 何、と詰め寄ろうとする狼馬に、マシューはさらに。 「そんなチープな食材、ミーには似合わないよ。ミーには、これがあるもんね」と、これみよがしにキャビアを食べてみせるマシュー。 怒る狼馬…
徳平先生の「特別実習を課す」の言葉に、ちゃっ、と刀を返しつつ握りなおす天野さん虎堂先生。 刀の扱い、とにかくかっこよし! 「拙者、教官の虎堂研。とことん揉んでやろう」。 どうみても小学校の校庭の用具置き場、というところで、コドモ相手に言うセリフじゃないのに、雰囲気でまくりなのがたまらなくおかしく。 そのセリフで着流し姿での無表情、激渋(ゲキシブ)! 「この球を全て美しく積み上げること」と言うときの、左手に刀、羽織をひっかけた着流し姿、横顔のシルエットがすごくきれい。 “和”の美しさ、時代劇の美しさ。 「できるまで食事は抜きとする」と、狼馬のそばを通り過ぎる後姿。 わずかに羽織の袖をひるがえして、歩む姿、ぴたりと歩みを止める姿も、ちょっと殺気がある感じで、サムライ! 狼馬を刀で牽制しての「無駄口を叩くな!」 声はドスきいてるし、顔の表情はコワイし、第2話で生徒達が虎堂先生が入ってきたとたんびびりまくりで着席したのも大納得の迫力! ここでも、狼馬の前にかざした刀をゆっくりと返す軌跡にブレがないのが気持ちよく。 次の凛のシーンの映像との境界でフェイドアウトしている部分、身体を返す動作も、いいような。 事件の黒幕が秀吾とわかっても、デリシャスバウトについては徳平先生が「いや、予定通り決行する」と言った瞬間の、虎堂先生のアップ。 半眼のその表情がシブイ! 徳平先生のほうを振り返りもせず、何かじっと考え込むような表情が深遠! …と、虎堂先生の大物感を高めてくれるカットで、渋いアップが観られた、という事実以上の満足感。 狼馬のところに再び向かって歩く姿の全身をとらえた映像が、“仕事人”という感じで、たまらなくかっこよく! 扉を開けて、すい、と中に入るところの、肩で風を切るようなスピード感も絶妙。 半分に切る等して全部積み上げたスーパーボールを示して「ざまあ見やがれ」という狼馬を振り返る虎堂先生。 ちょっと目を剥くような表情を見せてからゆっくりと無言で狼馬のほうに顔を向ける動きが、かなり怖く(笑)。 尺八の効果BGMの雰囲気とぴったり! 低い声で「悟ったようだな」との虎堂先生。 低い声はとことん渋く、着流し姿にちょっと首を傾けたようなポーズ、かなり完璧にキマった状態。 この話の軸となり、その後狼馬→凛、とリレーされていく「どんなに優れた素材も、所詮は素材に過ぎん。しかし、一工夫加えることで、美しく生まれ変わる」というセリフがつむがれるのにふさわしい絵! “美しく生まれ変わる”のところで、セリフのスピードにタメが入るのも効果的。 「それこそが料理の基礎。貴様が言う“激美味(ゲキウマ)”への第一歩であろう」と、狼馬のほうに顔を向けたシルエット、そこからきびすを返して出て行く動きまで、絵になっていて、感動モノ。 デリシャス・バウト開始直前の、虎堂先生のアップ。 ちょっと顔を上げるだけの動きに、すごく意味ありげなのが虎堂先生! 「いや、あれは焼きサラダというものだ」と、凛の抗議を封じる虎堂先生。 ドスを効かせたときとは違った、深い響きのある声は、発言に重みを。 凛の『ジャングル・オーバーザレインボウ』試食の際、画面の一番奥で、一人丁寧に手を合わせて“いただきます”をしている天野さん虎堂先生。 なぜそんなに“育ちがいい”っぽいテンポのズレかた! 「徳平先生の言う通り!」な沖田先生、「この輝きは女のコを虜にする。使えるな」な土方先生に対し、無言で腕を組んで宙を見据える虎堂先生。 それだけに、南郷先輩が凛に「よくやった後輩! お前の勝利だ!」と叫んだとき、ちょっと目を伏せるようにしてからそちらに微かに顔を向けたわずかな動きに、狼馬への感情がすごく出ているような。 狼馬の『さらば、サラダ』試食の際、今回は口許を覆い隠すように、というより、手で落下防止ネットをつくるように左手を使っている虎堂先生。 テーブルコーディネーターの池田志乃さんブログ【eBalaBlog:2007年4月17日_レインボーデコレーション♪】によると、このとき天野さん、小道具の箸が和にこだわり過ぎたデザインのため、小さいものがつかめなくて、エビ不足につき手前に小さく切ったトマトや他野菜をつまんでください、という所作依頼にもかかわらず、毎回エビを食べてエビ好き疑惑がもちあがっていたとのこと! 勝利判定の講評の虎堂先生の「いわば、美しさをかもしだす料理」。 “うつくしさ”がスラスラではなく、ちょっと抵抗ありつつ言われているところまで、“虎堂先生っぽい”と思えてくるマジック(笑) 狼馬が「どんなに優れた素材でも、所詮は素材に過ぎねぇ」と言い出したとき、顔を上げて狼馬のほうを見る虎堂先生。 常日頃動きが少ない虎堂先生がちょっとそうすると、すごいリアクションのように思え。 凛の「ひととよう?」の後の「一工夫だ」。 ぼそっとした、ちょっとあきれたような口調がツボ! 狼馬の「それそれ。おっさん、ありがとな」に、立ち上がって「おっさんだと」な虎堂先生! とにかく常日頃動きの小さな虎堂先生が立ち上がるまでするリアクションは、インパクト絶大! 乱暴に声が大きくなったりしない「おっさんだと」の声も、ボウゼンとした感じを出しつつ、日頃静かな虎堂先生にしては特異点的リアクションで、効果は大かつ複雑! その後、隣の河合龍之介さん土方先生をじっと見る虎堂先生、虎堂先生に手をかけている土方先生。 土方先生のそのしぐさにこめられたメッセージは何だったのか、とっても気になるフレンドリー。 牛のレリーフから校長の声が流れ出したとき、ぱっと反応する徳平先生に対し、ワンテンポ遅れて、ゆっくりと、ちょっとうさんくさげに振り返る虎堂先生。 マイペースぶりが表れていて、ちょっとツボ。表情もなかなかきれい。 |
Last update :
20th April 2007
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