脚本 ◆ 広田光毅 演出 ◆ 堀江 慶 その他のスタッフ ◆ Data Pageへ 放送日時 ◆ 2007年6月4日 17:30〜18:00 公式サイト:【avex映像インフォメーション:美味學院−あらすじ(第10皿)】 【テレビ東京:番組情報−美味學院「極めろ!和食の心」】 ※サブタイトルは、TV雑誌では「包丁の極意、和の心!」 【テレビ東京:番組情報−美味學院「極めろ!和食の心」】では「極めろ!和食の心」 第9話放映後の予告映像では「極めろ! 和の心!」 ※【天野浩成さんおしごと−雑誌・書籍】にて、主なTV雑誌のあらすじ紹介状況紹介 ![]()
北坂狼馬:西島隆弘(AAA) 桂城秀吾:與真司郎(AAA) 高杉凛:相葉弘樹 マシュー・ペリエ:三浦涼介 南郷隆司:中村優一 虎堂 研:天野浩成 沖田 司:永山たかし 土方歳輝:河合龍之介 大村壱蔵:吉田友一 美味學院の生徒達:竹下茄人 榎木智一 今野悠夫 藪本直之 山村和弘 遠藤巧磨 友常雄貴 大鐘 晃 染谷康浩 オープニングナレーション:緒方文工 徳平慶伸:城咲仁 ![]()
四天王バウト第3戦は、虎堂研(天野浩成) vs 桂城秀吾(與真司郎)、テーマは「和の心」。 それが告げられたとき、虎堂のことを秀吾が“研さん”と呼んだことを不思議に思い、狼馬(西島隆弘)達は秀吾に、虎堂との関係を質そうとするが、お前達には関係ないこと、と、秀吾は話そうとしない。 愛用の包丁・菊松を抜いてみつめる秀吾。 その頃虎堂も、自らの包丁・虎徹を抜いてバウトへの思いをはせていた。 明日から秀吾と虎堂との関係を徹底的に調べ上げてやる、と狼馬はマシュー(三浦涼介)に宣言。 まずは、虎堂とのつきあいが長い四天王に聞いてみようという。 一方、秀吾が心配でついているという凛(相葉弘樹)は、秀吾にあまり根を詰めないようにと声をかける。 秀吾と虎堂との関係を調べるとマシューに言っていた狼馬だったが、寝冷えでおなかをこわしてしまい、トイレにこもる羽目に。 狼馬はどこに行ったんだろう…と、探偵ルックでマシューが途方に暮れていると、探偵ルックに身を包んだ南郷(中村優一)がダンボール箱の中から出番とばかりに出てきて、一緒に調べようという。 しかし、調査に赴いた二人を、徳平(城咲仁)は「くだらんことをするな!」と一喝。 それを見ていて、二人の関係を教えてやろう、と言ってきた沖田(永山たかし)は、マシューと南郷に秀吾と虎堂に扮しての珍妙な寸劇をさせつつ明かす。 虎堂は2年前まで、秀吾の実家の老舗料亭“かつらぎ”の、いずれは暖簾分けを、と期待された優秀な板前、秀吾の兄弟子だった。虎堂は秀吾を、あるときは厳しく、あるときは優しく指導し、秀吾も虎堂を実の兄のように慕っていた。しかし2年前、虎堂は突然“かつらぎ”をやめ、秀吾の前から姿を消す。 しかし、なぜ虎堂が“かつらぎ”を辞めたのか、美味學院の教官になるまでどこでどうしていたのか、沖田達も実はよく知らないという。 マシューから事情を聞いた凛は、兄のように慕い、尊敬していた人と本気で戦えるのかと秀吾に問いかける。 凛の問いに秀吾は、だからこそ負けられない、絶対に勝たなければならない、自分にとりついた兄さんの影を消さなければ、自分は本当の意味で料理人になることができないのだ、と、虎堂への強い想いを訴える。 “一味一魂”と筆でしたためた和紙を空中に投げ上げ、刀で細かに切り刻む虎堂。 その紙吹雪の中を、唐傘を差して歩み…。 そして、バウトの時がやってきた。 “菊松”を丁寧に白紙で包み、懐におしいだく秀吾。 たすきをかけ、静かに身支度を整える虎堂。 そしてバウトが開始される。 審査員は、若き天才デザイナーとしてだけでなく、美食家として知られる大村壱蔵(吉田友一)。 こってりと化粧し、女言葉で“こんなイケメンいっぱいの場でおいしい料理も食べられるなんて、もう胸バクバク!!”などとはしゃぐ大村に、バウトを見守るデリシャス5や四天王は妙な空気に… デリシャス・コロシアムで持ち場につくと、秀吾は虎堂に、なぜ2年前姿を消して、こんなところで教官をしているのかだけ教えてほしい、と問いかける。 虎堂は、秀吾が勝てたら教えてやろう、と。 そしてバウトは開始された。 あざやかな手つきで鯛をさばく秀吾に、凛やマシューは、さすが、と賛嘆。 賀茂茄子の煮物など、同じものを作る虎堂と秀吾を見ていた土方、沖田は、二人の腕は互角というところか、と見る。 しかし徳平は「ここまではな」と含み笑い。 料理を進めるうちに秀吾は、自分の動きは全て虎堂と同じだということに気づき、動揺する。 しかも、盛り付けのあざやかさ、刺身の輝き、包丁さばき、何もかも虎堂のほうが上。 そのことを初めから見抜いていた徳平は、秀吾は兄弟子の虎堂の背中を見てきた、常に虎堂を追いかけ、その影にとりつかれた男には、しょせんコピーでしかできない、技も、料理も…と断言。 虎堂は作品『和の心・涼味清流膳』を完成させる。 刺身、小鉢、椀物に寿司、全て完璧。さすが老舗料亭“かつらぎ”で腕を見込まれた腕だ、と、土方や沖田も賛辞を口にする。 審査員の大村は、感激のあまり、私も捌いて、盛り付けて! 食べて! といやがる虎堂に抱きつき、キスを迫るほど。 誰だこんな変態をゲストに招いたのは! と憤る徳平だったが、校長に「私だ」と告げられ、平伏。 動揺して立ち往生した秀吾は、なんとか調理を終えるが、作られた料理は虎堂と全く同じもの。 校長の声に、完成か、と問いかけられた秀吾は、自らの料理が虎堂の料理の、出来の劣るコピーでしかないことを自覚し、堪忍な、オレには無理だったんや、所詮オレには兄さんの真似事しか…と、心の中で狼馬達に謝罪する。 そのとき、ずっとこもっていたトイレから出てきて空腹の狼馬が飛び込んできて、メシだ! と秀吾の作った料理を食べ尽くしてしまう。 唖然とする一同の前で、狼馬は、秀吾が作ったというこの料理は、おいしかったけれど激美味じゃない、それは秀吾の作った料理じゃない、と、あっけらかんと言い放つ。 まだ残り時間は5分程度あり、作り直すかどうか、校長の声に問われる秀吾。 しかし、材料が…と、躊躇する秀吾。 そうだな、役に立たない素材の余りものしか残っていないな、ゴミ同然、おぬしの料理と同様にな…と、秀吾の前に立って秀吾を挑発する虎堂。 このまま、拙者の影で終わるか、という虎堂の言葉に、秀吾が悔しそうな表情を見せるや、虎堂は秀吾を「悔しかったら、余りものの意地を見せてみろ!」一喝。 目が覚めた秀吾は、捌いた魚の骨などを砕いて出汁をとり、残った野菜を刻んで衣に包んで揚げ、だし汁をかけてお茶漬けにもできるかきあげ丼を作り上げる。 そんな秀吾を、表情をやわらげて見守る虎堂。 秀吾は、完成させた『桂城流 賄いかきあげ丼』を前に、これが激美味(ゲキウマ)や、と、胸を張る。 審査員の大村は、虎堂の『和の心 涼味清風膳』を、新鮮でジューシー、味付けも上品、素材を生かした見事な出来よ、と絶賛。 その一方で、秀吾の『桂城流 賄いかきあげ丼』にも、素材を使い切ってこんなにおいしく仕上げるなんて、と、感嘆の声を。 秀吾の手で魚のだし汁を注がれたお茶漬けを食べると、無駄なく食べて、食材に感謝する気持ち、和食の和って、本来こういう意味なのかもね…と感じ入る。 そして最終的に「虎堂ちゃんゴメンネ! 私このかきあげに感動しちゃった…」と、秀吾の料理に軍配を上げる。 デリシャス5が歓喜に沸く傍らで、虎堂は秀吾の作ったかきあげ茶漬けを試食、「なつかしいな、この味」と。 それは、秀吾が昔、虎堂のために一度だけ作ったまかない料理だった。 「覚えてててくれたんや」と、表情を輝かせる秀吾。 「忘れる訳、ないだろう」という虎堂の言葉に、秀吾はさらに喜びをかみしめる。 その後、虎堂は約束通り、“かつらぎ”を去った理由を秀吾達に明かす。 2年前のある日、仕入れに行く途中、喧嘩沙汰に巻き込まれて相手に大怪我を負わせてしまい、虎堂は“かつらぎ”を離れたのだった。 姿を消し、どこか他の土地でやり直そうとしたが、怪我をさせたチンピラが行く先々で虎堂のことを吹聴、どこの店にも雇ってもらえず、包丁を思う存分ふるえる場所があれば…と、徳平達に誘われるがまま、美味學院の教官に。 だがそれらは全て、美味學院の校長に仕組まれたようだという。 そんな風にだまされたのだったら、こんなところを出て、“かつらぎ”に帰ってきてください、と懇願する秀吾。 しかし、虎堂の答えは。 「全てが仕組まれたことだったとしても、それにはまった拙者が未熟だったということ。 “かつらぎ”へは帰れない」 泣きそうな顔で虎堂をみつめる秀吾に、悲しげに笑いかけてみせて、虎堂はその場を立ち去った。 人の人生を踏みにじるようなことまでして料理人の人材を集める校長の汚いやり方に、激しく憤る狼馬達。 しかし、校長や學院と戦うには、まだ打ち破らなければならない壁があった。 校長から、四天王バウトの次の対戦カードが発表される。 第4戦は、徳平慶伸 vs 北坂狼馬。 テーマは「弁当」。 闘志を燃やす狼馬、“デリシャスに叩きつぶしてやる”と待ち受ける徳平… ![]()
![]() 単独でも激渋(ゲキシブ)系ヴォイスとして注目に値する、第9話ラストでも流れたセリフ。 第10話で虎堂先生が秀吾にかける声との対比という点で、より大きな意味が! ![]() “宿命のライバル”も、地味ながら、二人のきりりとした表情が生きて、いいカット。 “生き別れの兄弟”は、なぜそこまで! という満面の笑みが可愛く(笑)。 “それとも…”の、『JUNON』特集で話題になっていた妄想キスシーンは、すぐに狼馬に隠されるせいもあって、上品なしあがりに。 最初の構えの虎堂先生の背中のそらし具合が、ソシアルダンスのようで、よりハイソな雰囲気に(!?) ![]() 虎堂先生独特の、羽織を着たときの三角形のフォルムの造形美。 最後に目を見開いたときの、鋭く深い視線! ![]() “暖簾分けをと期待された優秀な板”、“秀吾の兄弟子だった虎堂は秀吾を、あるときは厳しく、あるときは優しく指導”“秀吾も虎堂を実の兄のように慕っていた”等、激美味(ゲキウマ)設定てんこもり! 何につけても「そんなこんなで二人にはいつしか愛が芽生え!」にもっていっては沖田先生にハリセンで頭を思い切り叩かれる南郷先輩(心底おばか!)が、時折ホントにかっこいい(ちょっとリアル虎堂先生に面影が似て見えることも)マジック。 ![]() 初めて美味學院の教官に虎堂先生をみつけたときのこのセリフ、“研兄さん”への秀吾の想いを身体的にダイレクトに伝える(聞いたほうも“心臓止まるかと”なインパクト!)、秀吾のシーンでありながら“虎堂先生的みどころ”の最上ランクに位置づけられそうな、貴重ポイント。 ![]() 和の心たっぷりの渋いシーンながら、筆を持たない左手は三つ指を突いたような格好で膝をきっちり揃えて正座し、手を伸ばして筆を硯におく姿は、どこかちまっと可愛くも… ![]() 速い! そのスピード感がいい一方で、動きの途中を止め絵で観ても、一枚一枚かっこよく決まっているのに感嘆。 ![]() 意味がないといえば、激しく意味のない、最高のギャグシーンとしておかれたのかもしれないシーンながら… あまりにきれいで、あまりに雰囲気があり、あまりに虎堂先生がかっこよく、シリアスストーリーの系統で印象的になってしまったシーン。 ![]() 【avex公式:美味學院−用務員日記(第10皿)】に、衣裳スタッフが圧倒的に少ないこの作品、天野さんはすぐに着物の着付けにタスキがけまですぐに覚えてくれて大助かり…とあった、手馴れたタスキがけのしぐさの端正さ。 その端正なしぐさに表れるバウトに向かう心持ちの凛としたものに、『仮面ライダー剣キャラクターブック CHAIN』の長石監督インタビューで“天野は後姿がうまい。それなりの味が出る”と言われた後姿ににじむ、後に明らかになる“背負っているもの”が重なって、複雑で深い印象の映像に。 ![]() 小柄な秀吾の、まだ“少年”という感じの体つき、動きとの対比もあって、大人の男性の身体つき、ゆったりとした動きが印象的。 秀吾から顔をそらしたときの横顔もきれい。 ![]() 長い前髪で表情の隠れた虎堂先生の横顔の造形の良さをフレームにする、秀吾の姿・動きを映しつつ、秀吾の心の中にある憧れ目線での“研兄さん”を絶えず映りこませる(その横顔がとにかくきれいでかっこよく!) 、視覚美的にも心情描写的にも秀逸表現! ![]() ややささやくように吐息の混じった、搾り出すような声が、最後に明かされる真実にふさわしく。 視覚的にも、秀吾に向かうカメラがとらえる横顔が前髪のカットラインの直線的な端正さ強調なら、こちらは顔を斜めに横切る前髪のラインの曲線美…と、虎堂先生の髪の美しさを両面から。 ![]() 虎堂先生のどっしりした立ち姿での鮮やかな手つきがあってこそ、動揺する秀吾の動きが際立つ…と、ストーリー的にも重要。 プライベートではお湯も沸かさなかったり(【2005年12月15日 FM FUJI『RADICAL LEAGUE−オクイシュージのオレがカバやねん』公開生放送】)、『おいしいプロポーズ』のときには魚がうまくさばけなくて、基本的に調理の手許カットもキャストさん本人がやっていたにもかかわらず、その部分は手許を3番手シェフ役の大東俊介さんにやっていただいた(【TBS公式:おいしいプロポーズ−trattoria bambna 従業員交換日記(最終回スペシャル)】)、等々からは信じられないほどの、“これぞ役者さん!”という化けっぷり。 ![]() 自分を見失いかけている秀吾のほうをみやって、しばしみつめた後、自分の手許に視線を戻す虎堂先生。 視線を戻すときの、少し遅れ気味の、ひっかかるような動きに、秀吾が気がかりでならない内心がさりげなく表れ。 ![]() 声も、表情も、激渋(ゲキシブ)! これが、最後に秀吾にかける声との対比で… …の前に、その直後に突如なだれこむお笑いシーンを、たまらなく引き立て(笑) ![]() 立派な後姿のまま、とと、とと、と後ずさりをはじめるところから、とびかかってきたICHIZOを顔をそむけながら拒むムスメのような手つき、最後のほうでの、身体を思い切りそらしての必死の抵抗等、かよわく怯える系の動きは天野さんの十八番!(笑) 虎堂先生の「拙者、女は苦手だ!」土方先生「女じゃねぇよ!」の離れかけあいもバッチリ! ![]() 【DVD『義経と弁慶』イベント】でお二人で肩を組んで「アクシヴで〜す」と意味なく当時の会社名をアピールしたり、吉田さんが超体育会系精神で“事務所の先輩”天野さんを敬いまくっていらしたり、『Club7』イベントでは 「天野さんとはわりと食事とか行くんですけど、天野さん優しいんですよ。“よっしー、のみな(←吉田さんの口調は、“はぁと”がつきそうな勢い…)”とか言ってくれるんですよ(嬉)」と、まるでノロケ話でもしているかのような口調で語ってくださったり(【2006年1月9日_Club7お正月イベント『The Wonderful 4men da show!!』《day その1》】)等々、さまざまな機会に天野さんを立てまくりつつフレンドリーぶりを見せてくださっていた吉田さんと天野さんの、初共演の『義経と弁慶』ではからみのシーンはなかったので、初カラミがこれか!と思うと、よけいに楽しく(笑)。 天野さん虎堂先生に向けて“チュー”の口を突き出す吉田さんICHIZO氏、胸に迫るものが(!?) ![]() 目をまんまるにして狼馬を見て、ぱっと秀吾のほうを見る、その表情が可愛く(笑) 目を細めた激渋(ゲキシブ)表情とのギャップが、この表情にさらなる付加価値を。 ![]() いつもの低音の激渋(ゲキシブ)系の声でもなく、かといって優しい声でもなく…という声の独特なニュアンスが、このセリフの意味合いとぴたりと合致。 視線を横に流した表情も、声と同じく、“虎堂教官”の無表情とも違う、優しい笑顔とも違う、みずみずしい挑発の表情。 ![]() 視線が動いて、ぴたりと秀吾に向けられるプロセスが、かなり劇的。 怒声がかなりコントロールされて、任侠系にならずに踏みとどまっていることは、後に語られる虎堂先生の物語との関係上重要。 ![]() 最初のカットは、ひたすら厳しい表情に徹し。 それだけに、秀吾がかきあげを作り始めたときのアップの、かすかな微笑み(表情自体がきれい!)が、とても温かく、優しく! ![]() あれだけ激しく迫られ、あれだけ激しく拒んでいたのに!(笑) おかげで、料理人としての器の大きささえ感じられるような効果まで(笑) その前に、壱蔵氏の絶賛に、他の四天王がうんうんうなずいているのもちょっとうれしく。 ![]() 得意の女装(戦隊関連作品で3回もされたとかいう噂)を、『美味學院』にふさわしいギャグバージョンにチューンナップして、天野さんにとって大事な回を強力にアシストしてくれた吉田さん、ブラボー! いつの日か、天野さんが、吉田さんの大切な作品を力強くアシストされる機会もあったらいいなあと願いつつ。 ![]() 四天王としての責任を果たせなかったことへの苦さがあるのも、大人の味。 他の四天王ほど憤然としていない静けさも(そして徳平先生、沖田先生、土方先生、GJ!)。 ![]() 【おいしいプロポーズ:第1話】で、天野さん演じるイタリア料理店の副料理長が、日頃反感を持っている女性料理長(Cast:長谷川京子さん)の料理の下げられてきた皿に残ったソースをなめて「味は合格ですよ」と言うシーンを思い出したり。 関西では『美味學院』第10話放映と同じ2007年6月5日に、ちょうどその回が再放送に。天野さんの歴史を感じる偶然。 ![]() そこまで満面の笑みを浮かべちゃっていいの? と思うほどの、うれしげな、観ているほうもうっかり笑顔になっちゃいそうな。 「なつかしいな、この味。おぬしが拙者のために一度だけ作ってくれたまかない飯」の声(の、特に前半)はまだ、素をみせきっていない響きでも、その笑顔からもう秀吾への愛情が、頂点に至る前にあふれている感じ。 ![]() 「忘れる訳、ないだろう」 …日頃の虎堂先生の激渋(ゲキシブ)声の鎧を捨て去った、素の“研兄さん”を感じさせる、優しく、穏やかで、あたたかい声。 『美味學院』での虎堂先生の激渋(ゲキシブ)声は、この一瞬の研兄さんの声を引き立たせるために存在してきたようにさえ思える、この話の虎堂先生の“光”の面の頂点と思えるセリフ。 そしてその言葉を秀吾に告げた後、優しい笑顔から真顔になる表情が、その後に語られる物語を知って見返すと、たまらなくせつなく。 ![]() バウトの勝負に負けても、秀吾を導く大人として、“先生”として、勝つよりも立派な後ろ姿。 そして戻った四天王席で、徳平先生が虎堂先生の肩をぽんぽん、と叩いてねぎらっていたり、“兄弟”沖田先生とあたたかいやりとりがされていそうな気配が、あたたかく、さらには、四天王SIDEの“友情”“成長”をも感じさせ。 ![]() 表情はどちらかというと激渋(ゲキシブ)系に目を細めているのに、語り出しの声は若々しい高いトーンなのが、意表。 そのギャップが、陥れられた虎堂先生の、無防備な感じをよく表し。 ![]() 不安げに揺れる瞳、髪を乱して苦悩する表情… 天野さんの得意分野? ![]() その声の明るさが、虎堂先生の諦めの深さを伝えると同時に。 次に来る、クライマックスなせりふを、くっきりと際立たせ。 ![]() 秀吾に揺さぶられるがままに揺れる姿を、劇的な光と陰のコントラストを使った横顔のアップで映し出した映像が見事! 堀江監督の仕事に、感動。 ![]() 研兄さんが、秀吾をみつめて、それから。 「“かつらぎ”へは帰れない」 この回の、“陰”の頂点をなすこのせりふ、少し吐息の混ざったささやくような、というよりしぼりだすような響き、静かながら、いずれは秀吾のものになる“かつらぎ”に迷惑は決してかけないという強い決意を感じさせるスピード… …好きすぎ。 ![]() 虎堂先生…研兄さんの風情、最後まで完璧。 虎堂先生のときに大きく、ときにはかない存在感で、秀吾の表情がたまらなく可愛く、せつなく見えるのも、大ポイント。 ![]() この回だけじゃなく、第1話からの積み重ねあってこの回なんだ…と、感じるところも多々! ![]() |
Last update :
11th June 2007
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||