脚本 ◆ 青木健生 演出 ◆ 多胡由章 その他のスタッフ ◆ Data Pageへ 放送日時 ◆ 2007年6月18日 17:30〜18:00 公式サイト:【avex映像インフォメーション:美味學院】 【テレビ東京:番組情報−美味學院「衝撃!校長の正体」】 ※TV雑誌等掲載のサブタイトル情報は「消えた狼馬! 衝撃的最後の敵」「衝撃!校長の正体」等いろいろ。
北坂狼馬:西島隆弘(AAA) 桂城秀吾:與真司郎(AAA) 高杉凛:相葉弘樹 マシュー・ペリエ:三浦涼介 南郷隆司:中村優一 虎堂 研:天野浩成 沖田 司:永山たかし 土方歳輝:河合龍之介 三条アゲハ:木下あゆ美 キム・ウソン:Attack(TRAX) 美味學院の生徒達:竹下茄人 田所治彦 榎木智一 制野峻右 成田昌児 中村純平 山村和弘 吉野勇介 田代 渚 オープニングナレーション:緒方文工 徳平慶伸:城咲仁 校長/北坂勝吉:黒田アーサー(特別出演)
狼馬(西島隆弘・AAA)は、駆けつけた秀吾(與真司郎・AAA)から「菊松」を託され5人それぞれの得意技を使った「炎のデリシャス5弁当」を作り上げる。 対する徳平(城咲仁)も技術と味では申し分ない、完成度の高い弁当で対抗。 二つの弁当を前に、審査員のキム・ウソン(Attack)は、狼馬に軍配を上げた。 徳平は、キム自身の名誉のためにもジャッジを撤回すべき、と主張し、なんと自信家で負けず嫌いな…と、土方(河合龍之介)・虎堂(天野浩成)を呆れさせる。 しかしキムは、徳平の弁当は味は素晴らしかったが冷めていたのに対し、狼馬の弁当は冷めあ後も温かく、弁当の中に友情がこもり、さまざまな個性が輝いていた、友情というスパイスに自分は感激した、と、判定を維持。 そんなキムに、料理は技術、芸術性、味、それ以外にはない、と言い張る徳平。 そこに。 「負けは負けだな」 失望したぞ徳平、と、牛のレリーフの背後から現れた男こそ、美味學院の校長(黒田アーサー)だった。 校長は、自分がコロシアムに立って生徒たちを指導するしかないようだな、と、デリシャス5と自らのバウトを指示。 テーマはオムライス。 校長は最後に宣言する。 「私のオムライスに勝てる者はいない。父のすごさを思い知れ、狼馬」 狼馬と校長の意外な関係に、生徒達だけでなく、四天王も驚く。 狼馬は、怯えたように叫びながらその場から逃げ去ってしまう。 凛(相葉弘樹)は、狼馬を心配して學院内を探し回るが、なかなかみつからない。 マシュー(三浦涼介)と南郷(中村優一)は、自分達の部屋で、狼馬の作った弁当を食べながら、狼馬のことを話し合っていた。 あんな風に逃げ出すなんて、よほど父親が校長だったことがショックだったのだろうかという南郷の言葉で、マシューは、學院に無理やり連れて来られたとき、狼馬は自分の親は死んだと言っていたのに、誓約書には狼馬の父親のサインがあったことを思い出し、狼馬は父親が死んだと思いたかったのでは、と推測する。 これだけの弁当を作り上げた狼馬は、あの父親から直々に料理の指導を受けていたのだろうか、という南郷に、違うと思う、とマシュー。 狼馬が料理を嫌がっていたこと、亡き母親の形見がフライパンだということが鍵となりそうだ、とマシュー。 廊下を歩きながら、狼馬には戦う前に校長のことを聞きまくっておきたいのだが、と南郷。 デリシャス5で次にバウトをすることになっていた、つまりは校長と戦うのは、南郷だった。 いったい校長は何者なのだ、と話しながら二人がトイレの前を通りかかると、虎堂が出てきて告げる。 「彼の名前は北坂勝吉。北海道にあった洋食店・北坂亭の元オーナーシェフだ」 店は道内屈指の味を誇り、彼はその腕と味を日本一だと確信していたが、北坂亭は10年前、コストを省みずに高級食材を使って味を追求したため…本人の言葉によると“味のわからない田舎者のせいで”閉店。 その後、技術と味が料理の全てだという勝吉は日本料理界のトップとなり、究極の料理を目指し、自らを料理の神と呼んで世界に戦いを挑んだが、伝統と名声を重んじる世界では相手にされず、料理界から追放されてしまう。 彼は地下深く潜り、技術と味だけを追求する究極の料理人を作り上げ、世界の料理界に復讐するため、この『美味學院』を作り上げたのだという。 実は虎堂も、校長の正体や狼馬との関係は知らなかったが、このことは校長の右腕の徳平の右腕の沖田から、Winkファンという太い絆で結ばれているがゆえに教えてもらったのだ、と、至福の笑みを浮かべる虎堂。 勝吉が日本一の洋食シェフということは、洋食の定番のオムライスでは自分に勝ち目はないのでは取り乱し、マシューを吊るし上げる南郷。 そんな南郷達に、虎堂は、おぬし達には仲間がおるではないか、と諭す。 仲間は力をくれる、おかげで秀吾も変わり、人の気持ちを考えられるようになった、それは人を喜ばせるために包丁をふるう料理人にとって大事なことだ、だが校長はその料理人の心を捨ててしまっている、そこを突けばデリシャス5にも勝ち目はある、と。 それでも元気の出ない南郷に、マシューは、あと1勝で南郷の憧れの三条アゲハ(木下あゆ美)に会えるんだよ、テンション上げていこうよ先輩、と声をかける。 それが功を奏し、南郷は発奮、本来の熱さを取り戻す。 そこに凛がやってきて、狼馬が見つかったと告げる。 天井裏やいろいろなところに隠れていたという狼馬は、自分達の部屋で、キャベツをエサにしたワナにかかってつかまっていた。 父親が怖いのか、バウトに負けたくらいでは命まで取られるわけではない…という秀吾(與真司郎)達。 しかし狼馬は、オムライスは父親の一番得意な料理で、そんな父親のせいで母親は死んだ、怖くて、つらくて、戦えない、と訴える…。
土方先生が呆然と「あの…徳平が…負けた…」と大きなリアクションの隣で、目を細めるようにして静かに腕組みの虎堂先生。 『美味學院』が始まったときは、虎堂先生といえばひたすらこのスタンスだったなあ…と、最終回直前のこの回から『美味學院』での虎堂先生のアレコレを思い起こすと、なかなか感慨深く。 審査員に判定の撤回を迫る徳平先生に、土方先生の「すっげー自信っつーか、負けず嫌いっつーか」に続けて「さすがだ」とつぶやく虎堂先生。 とてもカジュアルな表情であけっぴろげに徳平先生に呆れてみせる土方先生に対し、いつものクールな表情、口調のまま、親しみのこもった(?)呆れを表す妙技(虎堂先生も首を横に振る動きのあたりに、そんな感じがにじみ出ているような)。 牛のレリーフから登場した校長に、画面の端でよく見えないものの、腰を屈めて礼をしているらしき虎堂先生。 これまで牛のレリーフから校長の声がしたときも、徳平先生や沖田先生のように平伏せず、腕組みをして聞いていた虎堂先生、校長の策略に陥れられてここに流れ着いた虎堂先生を思うと、複雑な印象を帯びるしぐさ。 校長が狼馬の父親とわかり、「どういうことだ」とまたリアクションの大きい土方先生の奥で、地味に目をみひらいてじっと校長をみつめて驚きを表す虎堂先生。 大きな動きのない表情なのに、すごく驚いているような印象。 いったい校長は何者なのだ、と話している南郷達に、トイレから出てきて校長について教える虎堂先生。 「彼の名前は北坂勝吉。北海道にあった洋食店・北坂亭の元オーナーシェフだ」の声が、高めのトーンの若々しい声なのが新鮮で、素の虎堂先生の感情から来た助言という印象に。 『仮面ライダー剣』第33話「狙われた剣崎」の「奴の名はトライアルD。お前を追うために生まれた」を思わせるようなセリフというのも、天野さんファンにとっては印象をより重層的にするポイント。 土方先生も狼馬も手を洗わなかったトイレで、ちゃんと手を洗っていたあたり、さすが上品な虎堂先生! 懐から取り出した手拭いを、ばっ、と一振りして広げて手を拭く動きがまた、たまらなくかっこよく。 あの長い校長の過去話が終わってようやく手拭を畳んでいるところをみると、かーなーりー丁寧に拭いてます。 法外な価格のメニュー、中国皇帝的な椅子の前に文字通りひれふす日本料理界、超マッチョなイカロスで表現される世界料理界への挑戦…と、不条理なほどスケール大の劇画にのせて、校長の過去を語る虎堂先生。 虎堂先生のあの低音の激渋(ゲキシブ)声が、あの劇画の絵柄とトンデモスケールなモチーフにぴったり! 「いや、校長の正体と、彼と狼馬の関係は拙者も知らなかった」という声は、語りの激渋(ゲキシブ)声から明けた後では、さらに若々しく、みずみずしく響き。 その明朗な感じと、ぱたん、ぱたん、と手拭を畳んで懐にさっとしまう動作がまた合っていて、小気味よく。 「このことは、校長の右腕の徳平と」で、袖の音が聞こえるかと思われるほどきびきびした動きで右腕を体の前に掲げ、「徳平の右腕の沖田」で同様にきびきびと左腕を掲げる虎堂先生。 その動きがきびきびしているだけに、右腕が足りなくなって(“沖田”のところで掲げたのが左腕だと気づいて)、困ったように両腕をうろうろと見た後、右腕を改めて掲げて(でもちょっと動き控えめ)「右腕の沖田と」と言い直したりしているおばかさが、妙におかしく。 「沖田が教えてくれた。拙者達は、太い絆で結ばれている」と言う虎堂先生の、至福の表情。 どうしてそこまでうれしそぉ〜うな顔ができるのかというほどの、笑顔! あのBL的妄想好きの南郷先輩も、不審げな顔!(…南郷先輩は、虎堂先生と秀吾が「二人の間には、いつしか愛が芽生え〜!!」じゃなくちゃダメ…?) そしてうっとり思い起こすのが、例のWink熱唱…(笑) 「日本一の洋食シェフに、この鉄板青年南郷(※注:後のシーンでこの回の脚本担当の青木健生さん原案の『鉄板少女アカネ』の決めゼリフ「熱くて悪いか!」まで披露【笑】)が勝てるのか〜!!」と大騒ぎする南郷に、「おぬし達には、仲間がおるではないか」と、さわやかに(?)言ってのける虎堂先生。 和の効果音つきで、ここは微妙にコミカルモード。 それでいて、回想映像にかぶせた語りの「仲間は力をくれる。おかげで秀吾は変わった。人の気持ちを考えられるようになった。それは人を喜ばせるために包丁を振るう料理人にとっては大事なことだ」は、重みのある言葉として聞かせるあたりが、虎堂先生マジック。 「だが校長はその料理人の心を捨ててしまっている」のときの、横顔の端正さ。 「そこを突けば、おぬし達にも勝機はある」と告げ、南郷とマシューに背を向けて歩み去っていくところ、ほんとうに渋くてかっこよく… わずか数分の間に、コミカルと激渋(ゲキシブ)の間を自在に行き来する虎堂先生、まさに『美味學院』の登場人物の真骨頂! |
Last update :
25th June 2007
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